私だけの運転手

悲しみの果て

旧友と光

苦しい日々が続いている生活
そんな時
斗真が家に旧友を呼ぶようになっていた
嫉妬深い斗真からあまり話さないようにと釘を刺されていた私は
あまり交流はできないが
旧友の前では優しい斗真のままでしんどい思いをする事は無くて
旧友に救われている気分だった

｢百々那ちゃん！お土産～！｣

｢翔くん！ありがとうぅぅ！！｣

旧友の翔くんはよく来てくれる
優しくて明るく面白い男の子

翔くんから貰ったお菓子を見ていると
玄関で靴を脱ぐ音が聞こえた

｢翔くん以外に誰か来てるの……？｣

斗真が玄関を覗きに行き顔を輝かせた

｢久しぶりやんけ～！！｣

｢今日は遠矢も連れてきたで～！！｣

翔くんが部屋に引っ張ってきた男の子を見て一瞬私は固まった
斗真や翔くんから名前は聞いたことがあって
認知していた男の子

想像していたのはチャラい感じ…

しかし目の前に現れたのは
低身長の大人しげな優しそうな男の子
低身長好きな私は息を呑んだ
｢見とれる｣といった言葉がぴったりかもしれない


この遠矢との出会いが
私に光を与え
私達皆を狂わせる事になるのはこの時には思いもよらなかった