僕物語

如月 怜

文字の大きさ
上 下
5 / 15
僕物語 第2章「想いと、思い。」

第4話(始まりの予感)

しおりを挟む
怜は顔を赤くして走り去った。
僕は接客に移った。
来たのは友人の美咲だった。


「どうした?」

美咲
「暇だったから遊びに来たんだよ!」


「そっか!
 じゃなにする?」

もう夜だから女性をあまり外に連れ出したくない。


「もう夜になるし家の中で遊ぼうか、
 とりあえず上がって!」

僕と美咲はリビングへ行った。
すると兄が聞いてきた。


「なに?
 彼女?」

僕は咄嗟に答えようとしたが、
美咲が僕の言葉を言わせないかのように言う。

美咲
「そうです!
 私たち付きあってます!」

僕は言い返す暇もなく美咲に言葉責めされる。
そして兄は部屋を外した。


「なんであんなこと言ったんだよ?」

美咲
「だって好きなんだもん、」

そう、
美咲は昔から躊躇せずに言葉や気持ちを伝える性格だった。

しかし僕は予想外で驚いた。
小・中学校であれだけ嫌われていた僕が今になって好きと言われたのだ。

僕はなにも言い返せなかった。
すると廊下で誰かが走る音がした。
兄かと思って気にしなかった。
そして僕と美咲は一緒にゲームや楽器などをやった。
そうしているうちに時間がたった。
そう長くは思えなかったが夜中の11時半くらいになっていた。
さすがに帰すのはキツいと思い、


「しょうがないな、
 夜遅いし今日は泊まってく?」

美咲
「うん!!!」

美咲は嬉しそうに返事した。
そして僕は怜が家にいないことに気がついた。


(やっぱさっきのが...。
 まあ時間が経てば帰ってくるか、)

そう思った僕は美咲と眠りについた。
これがある事件の始まりになるとは知らずに。


翌日……。
僕と美咲は目を覚ました。
時間は午前8時くらいだ。
外は大雨だった。

僕は美咲に朝ご飯を作ることになった。
いつも怜と僕の分は僕が作っている。
今日は3人分用意するのだ。
作り終えた頃にあることに気づいた。
怜がまだ帰ってないのだ。
もしかして怜は昨日から帰ってないんじゃないか、
そう思うと、
雨が降っていても構わず家を飛び出し怜を探しに行った。
しかしまだここに来たばかりの怜がどこに行くかなんてわかるわけがなかった。
だが僕の足は自然とある場所へ向かっていた。
その場所は自宅からはとても遠い場所。
もしいたとしても着くのは昼ごろになってしまう。

あの時と同じ様に道のりが長い。
とにかく走り続けた。
足が痛くなっても構わない。
そして駅に着いた時だ。
なんと大雨で電車が止まっていたのだ。
焦った僕は気が狂ったのか線路に沿って走ることにした。
電車が動けば近くの駅から乗れば大丈夫とでも考えたのだろう。

道のりは進まないのに時間だけが眈々と過ぎて行く。
気づけばもう夕方になっていた。
雨は一向に止まず電車は止まったまま。
しかしまだ半分と少しほど進んだだけだった。
それでも僕は走る。

そして夕方6時くらいだろうか、
やっと電車が動き出し、次の駅から乗った。
しかし電車は安全のためスピードを落として走っていた。
僕は焦りに追い詰められそうになっていた。

それからまた1時間ほど過ぎた頃だ。
やっと目的の駅に着いた。
僕は急いで駅を出た。
足は限界だったがそれでも構わず走った。

そしてやっとのことで目的地に着いた。
その場所は松葉公園だ。
時間は夜8時前くらいだった。


「怜っ!!
 怜!!!
 どこだ!!
 どこにいる!!
 怜っ!!」

僕は叫んだ。
すると誰かが言った。

「なんで?
 なんでなの?
 どうして?」

そう言った後に木陰から怜が姿を見せた。。



---続く---
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

【ショートショート】おやすみ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

シチュボの台本詰め合わせ(女性用)

勇射 支夢
恋愛
書いた台本を適当に置いておきます。 フリーなので好きにお使いください。

処理中です...