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蠢く
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「ここ、どこなんだ。私が休んでも大丈夫な場所なのかな」
「大丈夫、気分悪くなったやつが来る場所だから。ほらここ座って、水買ってくるからさ」
「本当にすまない、君のおかげで助かった」
由比都がどこにいるのかはわからない。男は休憩室と言っていたから、やはり体調の悪い人を休ませるための場所だろう。男の気配が離れ、がこんと音がした。自動販売機から水を買う音である。
由比都が再びスマホを取り出そうとすると、ヒヤリとした冷気が頬に触れた。
「ありが、──── 」
側頭部に強い衝撃が走り、目の内側で何かが弾けた。倒れ込む由比都の体だけではない、男二人分の比重がかけられた寝台が、ギシリと嫌な音を立てる。じくん、じくん。心臓が移ったかのような痛みが全身を縛り、体の末端まで動きを鈍くする。薄い体を仰向けにされて、訳のわからぬまま両手を拘束された。
「ここの自販機って、瓶売ってるんだぜ。すげえレトロだよなあ」
「な、にし……て……」
「さあね、何してると思う? のこのここんなところまでついてきちゃってさあ。だめだよ、見ず知らずの野郎に自分の弱み見せちゃったら」
大きな手だ。片手で封じられた由比都の両手首を、男は身につけていたベルトで拘束をしたらしい。革が皮膚を摩擦する感触に怖気が走る。無骨な指が、ゆっくりと由比都の下唇に触れた。唇をこじ開けるように差し込まれれば、不躾な指が紋の刻まれた赤い舌に触れる。
「ん、んん……っ」
「なあ、俺のことわかる? まあ覚えてねえか。だって目が見えねんじゃ警戒もできねえもんなあ」
誰だ。わけがわからないまま、由比都の体がこわばった。ただ一つ理解できることは、由比都を知っているということは敷浪区の人間ということだろう。
腰に跨られ、身動きが取れない。舌を掴まれているから、唾液までだらしなく垂れ流している。ただ足で無様にもがくことしか許されない。由比都の唇に呼気が触れた時、熱い何かが舌に触れた。
「ぅ、うく、っ……」
由比都の舌の上を、弾力のあるものがくすぐった。ブワリと広がった怖気。視覚がないせいで、確かめることもできない。それなのに、この感触が何であるかを由比都はすぐに理解した。
「ん、すげえなあー、普通に舌だ」
「ぁに、ひて、っ」
「まだだめだ」
今度は、しっかりと柔らかなものが唇に触れた。ぬめりを纏った弾力は、男の舌だ。流れ込んでくる唾液を、無理やり嚥下させられる。頭上では由比都の抵抗を笑うかのように、ベルトがしなる。酸素を奪うかのような深い口付けは、由比都の紋の入った舌へと強く吸い付いた。
股座を押しつけるように体を押さえ込まれて、布越しの膨らみを擦り付けられる。脳に酸素が回らない。気持ち悪い。なんでこうなった、どうして。
聞きたくもない、口付けの水音が静かに室内に響く。唇を押し付けられるように口内を侵されると、舌も噛めないのだと初めて知った。押し付けられた口端が引き攣れる。悲鳴すら飲み込まれるせいで、鼻で呼吸するだけで必死だった。
「ぅ、ふ、んん、ぐ、っ」
粘度の高い、混ざり合った二人分の唾液が枕元に染み込む。男の手のひらが楽しむように鳥肌の浮かぶ素肌に触れると、指先はゆっくりと由比都の着ていたカットソーの中に侵入する。
「っは……、俺さ、お前を陥れるいいこと思いついたんだよねえ」
「は、あ……っゃ、やめろ、くそ、っ」
「お前が俺の任務を邪魔したから、俺は昇進の道を閉ざされた……わかるか? お前のせいで腕おっちまったからなあ。また一年やり直しになったんだ」
男の言葉が、閉ざされていた由比都の記憶の蓋をこじ開ける。骨折の怪我を負わせたのは、一人しかいない。唇が震えて、か細い声が漏れた。
「ぉ、前……っ」
「どうせ京浜で暇してんだろ? それともあれか。このクラブをねじろにする怪異に会いに来た? 悪いけどそんなんいねえぜ。デマだからな」
「っ、で、でま……?」
「一か八かでお前が釣れるかと思ったけど、のこのこ一人で来るんだもんなあ。何、ぬるま湯に浸かりすぎて危機意識消えた?」
「な、なんでそんなこと……っ」
皮膚の熱い手のひらが、細い由比都の首をゆっくりと撫で上げる。熱い吐息が控えめな喉仏に触れると、獲物を捉える肉食の獣のように歯を立てられた。
「目が見えねえなら、さっさと身の振り方くらい理解しろって言ってんの」
「そんな、やめろって言うのか、っ」
「働き口探してんなら雇ってやってもいいんだぜ。ただし、具合を確認してからだけどなあ」
ああ、そうか。こんな辱めを受けるほど、由比都は恨まれていたということか。頭は馬鹿みたいに熱いのに、心臓だけはひんやりとした冷気に包まれていた。生々しい舌の感触が、首筋を辿って耳を犯す。人の尊厳を壊すには実に手っ取り早い方法で、元仲間である吉木は由比都の心を壊そうとするのだ。
本当に、吉木の言う通りだ。由比都に異能さえなければ、ただの憐憫だけで終わったかもしれないのに。
気がつけば、由比都は笑っていた。人は何もなくなると、勝手に笑みが出るのだなと初めて知った。
「ぁは、……っ」
「楽しそうじゃねえか」
「わ、私は……、辞めるって言ったんだ。夜見に、祓屋を」
「夜見?」
「無駄だ、こんなことをしても。お前はただ無意味に男を犯すだけ。なんの意味もない不毛な行為をするだけだ」
意味なんてない。吉木が由比都に祓屋をやめさせたいのなら、こんな手間をかける必要だってないのだ。由比都は、夜見に辞めると言った。トラウマを植え付けなくても、二度と祓屋に関わるつもりはない。それが、祓屋でありながら怪異を生み出したケジメだと思っているからだ。
「……だから笑ってんのか」
「お前が労力をかける必要も、何もない」
「だけどなあ、引けねえんだよなあ」
くつくつと笑う。吉木の様子に、由比都は眉を寄せた。皮の厚い手のひらが薄い胸板に触れる。指先で挟まれるように胸の尖を刺激されて、小さく息を詰めた。
「お前が辞めるって言ってんのが俺の中の正解なのに、なんでこの腹立たしさは消えねえんだろうなあ」
吉木の言葉は、心からの疑問のように聞こえた。ため息交じりの、しかし嗜虐じみた色を宿す言葉に、由比都の警戒は強まった。この部屋の広さがどれほどかはわからない。しかし、肌を這うように喉元へと迫る唐突な威圧感には、身に覚えがあった。
「大丈夫、気分悪くなったやつが来る場所だから。ほらここ座って、水買ってくるからさ」
「本当にすまない、君のおかげで助かった」
由比都がどこにいるのかはわからない。男は休憩室と言っていたから、やはり体調の悪い人を休ませるための場所だろう。男の気配が離れ、がこんと音がした。自動販売機から水を買う音である。
由比都が再びスマホを取り出そうとすると、ヒヤリとした冷気が頬に触れた。
「ありが、──── 」
側頭部に強い衝撃が走り、目の内側で何かが弾けた。倒れ込む由比都の体だけではない、男二人分の比重がかけられた寝台が、ギシリと嫌な音を立てる。じくん、じくん。心臓が移ったかのような痛みが全身を縛り、体の末端まで動きを鈍くする。薄い体を仰向けにされて、訳のわからぬまま両手を拘束された。
「ここの自販機って、瓶売ってるんだぜ。すげえレトロだよなあ」
「な、にし……て……」
「さあね、何してると思う? のこのここんなところまでついてきちゃってさあ。だめだよ、見ず知らずの野郎に自分の弱み見せちゃったら」
大きな手だ。片手で封じられた由比都の両手首を、男は身につけていたベルトで拘束をしたらしい。革が皮膚を摩擦する感触に怖気が走る。無骨な指が、ゆっくりと由比都の下唇に触れた。唇をこじ開けるように差し込まれれば、不躾な指が紋の刻まれた赤い舌に触れる。
「ん、んん……っ」
「なあ、俺のことわかる? まあ覚えてねえか。だって目が見えねんじゃ警戒もできねえもんなあ」
誰だ。わけがわからないまま、由比都の体がこわばった。ただ一つ理解できることは、由比都を知っているということは敷浪区の人間ということだろう。
腰に跨られ、身動きが取れない。舌を掴まれているから、唾液までだらしなく垂れ流している。ただ足で無様にもがくことしか許されない。由比都の唇に呼気が触れた時、熱い何かが舌に触れた。
「ぅ、うく、っ……」
由比都の舌の上を、弾力のあるものがくすぐった。ブワリと広がった怖気。視覚がないせいで、確かめることもできない。それなのに、この感触が何であるかを由比都はすぐに理解した。
「ん、すげえなあー、普通に舌だ」
「ぁに、ひて、っ」
「まだだめだ」
今度は、しっかりと柔らかなものが唇に触れた。ぬめりを纏った弾力は、男の舌だ。流れ込んでくる唾液を、無理やり嚥下させられる。頭上では由比都の抵抗を笑うかのように、ベルトがしなる。酸素を奪うかのような深い口付けは、由比都の紋の入った舌へと強く吸い付いた。
股座を押しつけるように体を押さえ込まれて、布越しの膨らみを擦り付けられる。脳に酸素が回らない。気持ち悪い。なんでこうなった、どうして。
聞きたくもない、口付けの水音が静かに室内に響く。唇を押し付けられるように口内を侵されると、舌も噛めないのだと初めて知った。押し付けられた口端が引き攣れる。悲鳴すら飲み込まれるせいで、鼻で呼吸するだけで必死だった。
「ぅ、ふ、んん、ぐ、っ」
粘度の高い、混ざり合った二人分の唾液が枕元に染み込む。男の手のひらが楽しむように鳥肌の浮かぶ素肌に触れると、指先はゆっくりと由比都の着ていたカットソーの中に侵入する。
「っは……、俺さ、お前を陥れるいいこと思いついたんだよねえ」
「は、あ……っゃ、やめろ、くそ、っ」
「お前が俺の任務を邪魔したから、俺は昇進の道を閉ざされた……わかるか? お前のせいで腕おっちまったからなあ。また一年やり直しになったんだ」
男の言葉が、閉ざされていた由比都の記憶の蓋をこじ開ける。骨折の怪我を負わせたのは、一人しかいない。唇が震えて、か細い声が漏れた。
「ぉ、前……っ」
「どうせ京浜で暇してんだろ? それともあれか。このクラブをねじろにする怪異に会いに来た? 悪いけどそんなんいねえぜ。デマだからな」
「っ、で、でま……?」
「一か八かでお前が釣れるかと思ったけど、のこのこ一人で来るんだもんなあ。何、ぬるま湯に浸かりすぎて危機意識消えた?」
「な、なんでそんなこと……っ」
皮膚の熱い手のひらが、細い由比都の首をゆっくりと撫で上げる。熱い吐息が控えめな喉仏に触れると、獲物を捉える肉食の獣のように歯を立てられた。
「目が見えねえなら、さっさと身の振り方くらい理解しろって言ってんの」
「そんな、やめろって言うのか、っ」
「働き口探してんなら雇ってやってもいいんだぜ。ただし、具合を確認してからだけどなあ」
ああ、そうか。こんな辱めを受けるほど、由比都は恨まれていたということか。頭は馬鹿みたいに熱いのに、心臓だけはひんやりとした冷気に包まれていた。生々しい舌の感触が、首筋を辿って耳を犯す。人の尊厳を壊すには実に手っ取り早い方法で、元仲間である吉木は由比都の心を壊そうとするのだ。
本当に、吉木の言う通りだ。由比都に異能さえなければ、ただの憐憫だけで終わったかもしれないのに。
気がつけば、由比都は笑っていた。人は何もなくなると、勝手に笑みが出るのだなと初めて知った。
「ぁは、……っ」
「楽しそうじゃねえか」
「わ、私は……、辞めるって言ったんだ。夜見に、祓屋を」
「夜見?」
「無駄だ、こんなことをしても。お前はただ無意味に男を犯すだけ。なんの意味もない不毛な行為をするだけだ」
意味なんてない。吉木が由比都に祓屋をやめさせたいのなら、こんな手間をかける必要だってないのだ。由比都は、夜見に辞めると言った。トラウマを植え付けなくても、二度と祓屋に関わるつもりはない。それが、祓屋でありながら怪異を生み出したケジメだと思っているからだ。
「……だから笑ってんのか」
「お前が労力をかける必要も、何もない」
「だけどなあ、引けねえんだよなあ」
くつくつと笑う。吉木の様子に、由比都は眉を寄せた。皮の厚い手のひらが薄い胸板に触れる。指先で挟まれるように胸の尖を刺激されて、小さく息を詰めた。
「お前が辞めるって言ってんのが俺の中の正解なのに、なんでこの腹立たしさは消えねえんだろうなあ」
吉木の言葉は、心からの疑問のように聞こえた。ため息交じりの、しかし嗜虐じみた色を宿す言葉に、由比都の警戒は強まった。この部屋の広さがどれほどかはわからない。しかし、肌を這うように喉元へと迫る唐突な威圧感には、身に覚えがあった。
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