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ホオバリ
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どうやら人はありえないものが浮かんでいると、一度思考があらぬところへと飛ぶらしい。二人が正常な思考に戻るまで、おおよそ三十秒程度かかった。
そして由比都がたっぷりと熟考している間、先に答えを導き出したのは、夜見であった。
「あ、あれもしかして怪異⁉︎ アドバルーンじゃなく⁉︎」
「だから私は、そのアドバルーンがなんだかはわからないんだが」
「まだゴミ箱も確認してないのに‼︎」
「まずは怪異かどうかを確認するのが先だろうな」
夜見の動揺をいなすように、由比都が淡々と答える。由比都からすれば、二人にしか見えていないのなら、夜見の反応こそが周りからは異質だろう。周囲はすでに、一人で不自然に騒ぐ夜見の気配に気がついているらしい。人混みの隙間から、「何あの人」と遠巻きに囁く声すら聞こえた。
「夜見、とにかくここを離れるべきだ。こんなところで影送りをしたら」
「え、あっと、飛んでった」
「は?」
「ごめん由比都、文句は後で聞くから‼︎」
なんの話だ。という言葉は引っ込んだ。夜見に引き寄せられたかと思うと、途端に足が地べたから離れる。慌てて夜見の服を掴んだ瞬間、由比都の体は大きく揺れた。
「何あれ、男が男抱え上げてる」
「お姫様だっこだ、酔っ払ってるのかな?」
(ーーーーっ)
風が頬を撫でるのに、顔の熱は一向に引かない。由比都の頭の中には、夜見に対するありとあらゆる罵倒が忙しなく行き交っていた。体をしっかりと掴まれて、悔しいぐらいに安定している。夜見が入れ歯と言った時に、さっさと我にかえっておけばよかった。由比都は羽織っていたジャケットの胸ポケットから蜂型の折り紙を取り出すと、力を込めた指先で放った。
「追え!」
「うおっ、今何出したの⁉︎」
「式だ! 夜見が私を抱えて走るよりも早い、ぅわあっ」
由比都の放った蜂を追いかけるように、夜見はあっという間に積み上げられた空き箱に足をかけて、身長ほどの高さの塀に上がった。外野のどよめきが、嘲笑から興味に変わる。履き潰されたスニーカーが狭い塀の上を器用にかけていく。それも、由比都が放った式を見上げながらだ。
夜見の赤茶色に瞳が、真っ直ぐに怪異を捉える。異形が多い怪異の中でも一際に異質なそれは、クルクルと回転しながら先を進んでいた。何かに引き寄せられているのだろうか。それとも、怪異自らの意思で移動しているのだろうか。影送りをすることができれば、どちらが正解なのかもわかる。しかし、夜見を揶揄うかのように時折止まり、近づけばまた回転しながら距離を取る。そんな怪異を前に、移動しながらの影送りは無理だ。
「今どうなってる⁉︎」
「煽られてる気がする。知能があると見て、いいだろうね、っと」
「いっつ」
「ごめん、ちょっと今屋根の上だから口閉じてて」
「屋根の上⁉︎」
平たい石が重なって騒ぐような音が、足元から聞こえる。地上では聞かない音だ。由比都の顔は分かりやすく青ざめる。
「しゃちょおおおおおおおお‼︎」
背後から聞き慣れた声が飛んできた。どうやら、騒ぎの中心を聞きつけてきたらしい。叫ぶように夜見を呼んだ藻武の声はわずかに苛立っているようにも聞こえる。
「何やってんですかあああ‼︎ なんかの撮影だと思われてっから、って入れ歯⁉︎」
「まて、おま、お前ら……っひ、膝が爆発する……っと、とまれ」
「廿六木さん‼︎ ねえ怪異見えるよね⁉︎ あれどこにいくと思う⁉︎」
「このまま真っ直ぐいくと、ヤグラの設営会場だあ‼︎」
「てことは広い場所か……由比都、ごめん式かして」
「っ、貸すから胸を弄るな!」
不躾に胸元に差し込まれた手を、由比都が慌てて引き剥がす。何か考えがあるに違いないだろうが、それにしたって言葉にしてほしい。由比都が持っている分の式を取り出すと、ばら撒くようにして空に放った。
「今は夜見の指示を聞け」
「入れ歯の進行方向に回って!」
「ああ、追い込み漁にしたって五匹じゃ心許ないだろーー‼︎」
「大丈夫‼︎ 閉じ込めることが目的だから‼︎」
夜見の言葉を理解したのは、由比都だけであった。蜂の式は、影送りを遠隔で行うことができる。式のうちの一体が怪異を捉えたその瞬間に、空間を切り離せということか。
由比都ごと飛び上がった夜見が、式によって進行を阻まれた怪異の目の前へと降り立った。
力を宿した式のうちの一つが、怪異へと張り付いた。その瞬間、由比都はすぐさま式へと指示を出した。
「由比都」
「影送りを始めます!」
由比都の声と共に、怪異の目の前で、張り付いた式が燃え上がった。空間は瞬く間に、地べたから伸びた影によって隔絶されていく。黒が這い上がるように木々を、そして鳥居を飲み込んでいく。その背後には、大きな櫓が聳え立っていた。
「だああ俺も⁉︎ 俺もなのか⁉︎」
「すんませんここに非戦闘員二名混ざってんですけどおおおお‼︎」
「そこはシンプルにごめん」
夜見によって、由比都はそっと地面に下ろされる。見えないから、影送りを展開する範囲を間違えたのではない。隔絶する空間の大きさは、その分怪異の力の大きさに比例する。夜見を追いかけていたのは確かだが、由比都の式は二人が到底追いつかない速さで距離を稼ぎ、怪異に張り付いた。それなのに影送りに巻き込まれたということは、実に由々しき事態というわけだ。
「由比都、前に使ってた鶴出せる」
「一度きりの防衛膜だってことを忘れないで」
「大丈夫、藻武がいれば廿六木さんは無事だよ」
夜見の言葉を信じることができるかは別の話だ。廿六木は普通の一般人だし、藻武には戦闘スキルはないと認識している。それでも夜見が自信を持って口にしたのなら、とっておきの切り札があるに違いない。確か、戦闘スキルがないわけではないと藻武が言っていたことを思い出す。
懐から取り出した鶴に力を込める。白い光と共に解き放たれた大きな一羽が由比都の手を離れると、守るように二人の前へと舞い降りた。
「一度きりだけ即死は免れます。彼女の羽の内側にいて、できるだけ遠くに行ってください」
「あれ雌なん?」
「それは今関係ないことでしょう」
目の見えない由比都でも、肌で感じることはできる。入れ歯がどんなものかは知らないが、隔絶されたことで膨れ上がる怪異の存在感は総じて面倒な敵であることには変わりはない。何より、怪異独特の臭気のようなものがホオバリからは感じないのだ。
由比都の表情が曇る。輪郭を強める違和感を前に、怪異は由比都の警戒心を嘲笑うかのように歯を打ち鳴らして笑っていた。
(相手の出方がわからない以上、先手は打つべきじゃないだろうな……)
臭気がしないというのも、由比都が手を出しあぐねる原因の一つでもあった。目が見えないからこそ、怪異に対して研ぎ澄まされた感覚の一つが無効なのだ。状況判断は夜見に頼るしかないだろう。小さな喉仏が、緊張を飲み込むように上下した。
由比都の隣に立つ夜見から、苦いものを飲み込んだような吐息が漏れる。由比都が望むように状況は好転しないことを、示すかのように。
「ああ……まずいなあ」
「聞きたくないけど、一応聞いておく」
「この神社、最初にうちにいた神様が降り立った場所なんだよね」
「でも、今はいないんだろう?」
「今はね。だけど、本尊が宿ってた鏡が祀られている」
全てを映し出す鏡。そして、それは神の元へと続く通り道でもある。
一つは、夜見の会社の神棚に飾ってある。神社に納められた鏡は、夜見の会社の神棚と一直線上になるように配置されているのだ。鏡の中に入られて仕舞えば、夜見達の守る本当の神域に干渉されるということだ。
そして由比都がたっぷりと熟考している間、先に答えを導き出したのは、夜見であった。
「あ、あれもしかして怪異⁉︎ アドバルーンじゃなく⁉︎」
「だから私は、そのアドバルーンがなんだかはわからないんだが」
「まだゴミ箱も確認してないのに‼︎」
「まずは怪異かどうかを確認するのが先だろうな」
夜見の動揺をいなすように、由比都が淡々と答える。由比都からすれば、二人にしか見えていないのなら、夜見の反応こそが周りからは異質だろう。周囲はすでに、一人で不自然に騒ぐ夜見の気配に気がついているらしい。人混みの隙間から、「何あの人」と遠巻きに囁く声すら聞こえた。
「夜見、とにかくここを離れるべきだ。こんなところで影送りをしたら」
「え、あっと、飛んでった」
「は?」
「ごめん由比都、文句は後で聞くから‼︎」
なんの話だ。という言葉は引っ込んだ。夜見に引き寄せられたかと思うと、途端に足が地べたから離れる。慌てて夜見の服を掴んだ瞬間、由比都の体は大きく揺れた。
「何あれ、男が男抱え上げてる」
「お姫様だっこだ、酔っ払ってるのかな?」
(ーーーーっ)
風が頬を撫でるのに、顔の熱は一向に引かない。由比都の頭の中には、夜見に対するありとあらゆる罵倒が忙しなく行き交っていた。体をしっかりと掴まれて、悔しいぐらいに安定している。夜見が入れ歯と言った時に、さっさと我にかえっておけばよかった。由比都は羽織っていたジャケットの胸ポケットから蜂型の折り紙を取り出すと、力を込めた指先で放った。
「追え!」
「うおっ、今何出したの⁉︎」
「式だ! 夜見が私を抱えて走るよりも早い、ぅわあっ」
由比都の放った蜂を追いかけるように、夜見はあっという間に積み上げられた空き箱に足をかけて、身長ほどの高さの塀に上がった。外野のどよめきが、嘲笑から興味に変わる。履き潰されたスニーカーが狭い塀の上を器用にかけていく。それも、由比都が放った式を見上げながらだ。
夜見の赤茶色に瞳が、真っ直ぐに怪異を捉える。異形が多い怪異の中でも一際に異質なそれは、クルクルと回転しながら先を進んでいた。何かに引き寄せられているのだろうか。それとも、怪異自らの意思で移動しているのだろうか。影送りをすることができれば、どちらが正解なのかもわかる。しかし、夜見を揶揄うかのように時折止まり、近づけばまた回転しながら距離を取る。そんな怪異を前に、移動しながらの影送りは無理だ。
「今どうなってる⁉︎」
「煽られてる気がする。知能があると見て、いいだろうね、っと」
「いっつ」
「ごめん、ちょっと今屋根の上だから口閉じてて」
「屋根の上⁉︎」
平たい石が重なって騒ぐような音が、足元から聞こえる。地上では聞かない音だ。由比都の顔は分かりやすく青ざめる。
「しゃちょおおおおおおおお‼︎」
背後から聞き慣れた声が飛んできた。どうやら、騒ぎの中心を聞きつけてきたらしい。叫ぶように夜見を呼んだ藻武の声はわずかに苛立っているようにも聞こえる。
「何やってんですかあああ‼︎ なんかの撮影だと思われてっから、って入れ歯⁉︎」
「まて、おま、お前ら……っひ、膝が爆発する……っと、とまれ」
「廿六木さん‼︎ ねえ怪異見えるよね⁉︎ あれどこにいくと思う⁉︎」
「このまま真っ直ぐいくと、ヤグラの設営会場だあ‼︎」
「てことは広い場所か……由比都、ごめん式かして」
「っ、貸すから胸を弄るな!」
不躾に胸元に差し込まれた手を、由比都が慌てて引き剥がす。何か考えがあるに違いないだろうが、それにしたって言葉にしてほしい。由比都が持っている分の式を取り出すと、ばら撒くようにして空に放った。
「今は夜見の指示を聞け」
「入れ歯の進行方向に回って!」
「ああ、追い込み漁にしたって五匹じゃ心許ないだろーー‼︎」
「大丈夫‼︎ 閉じ込めることが目的だから‼︎」
夜見の言葉を理解したのは、由比都だけであった。蜂の式は、影送りを遠隔で行うことができる。式のうちの一体が怪異を捉えたその瞬間に、空間を切り離せということか。
由比都ごと飛び上がった夜見が、式によって進行を阻まれた怪異の目の前へと降り立った。
力を宿した式のうちの一つが、怪異へと張り付いた。その瞬間、由比都はすぐさま式へと指示を出した。
「由比都」
「影送りを始めます!」
由比都の声と共に、怪異の目の前で、張り付いた式が燃え上がった。空間は瞬く間に、地べたから伸びた影によって隔絶されていく。黒が這い上がるように木々を、そして鳥居を飲み込んでいく。その背後には、大きな櫓が聳え立っていた。
「だああ俺も⁉︎ 俺もなのか⁉︎」
「すんませんここに非戦闘員二名混ざってんですけどおおおお‼︎」
「そこはシンプルにごめん」
夜見によって、由比都はそっと地面に下ろされる。見えないから、影送りを展開する範囲を間違えたのではない。隔絶する空間の大きさは、その分怪異の力の大きさに比例する。夜見を追いかけていたのは確かだが、由比都の式は二人が到底追いつかない速さで距離を稼ぎ、怪異に張り付いた。それなのに影送りに巻き込まれたということは、実に由々しき事態というわけだ。
「由比都、前に使ってた鶴出せる」
「一度きりの防衛膜だってことを忘れないで」
「大丈夫、藻武がいれば廿六木さんは無事だよ」
夜見の言葉を信じることができるかは別の話だ。廿六木は普通の一般人だし、藻武には戦闘スキルはないと認識している。それでも夜見が自信を持って口にしたのなら、とっておきの切り札があるに違いない。確か、戦闘スキルがないわけではないと藻武が言っていたことを思い出す。
懐から取り出した鶴に力を込める。白い光と共に解き放たれた大きな一羽が由比都の手を離れると、守るように二人の前へと舞い降りた。
「一度きりだけ即死は免れます。彼女の羽の内側にいて、できるだけ遠くに行ってください」
「あれ雌なん?」
「それは今関係ないことでしょう」
目の見えない由比都でも、肌で感じることはできる。入れ歯がどんなものかは知らないが、隔絶されたことで膨れ上がる怪異の存在感は総じて面倒な敵であることには変わりはない。何より、怪異独特の臭気のようなものがホオバリからは感じないのだ。
由比都の表情が曇る。輪郭を強める違和感を前に、怪異は由比都の警戒心を嘲笑うかのように歯を打ち鳴らして笑っていた。
(相手の出方がわからない以上、先手は打つべきじゃないだろうな……)
臭気がしないというのも、由比都が手を出しあぐねる原因の一つでもあった。目が見えないからこそ、怪異に対して研ぎ澄まされた感覚の一つが無効なのだ。状況判断は夜見に頼るしかないだろう。小さな喉仏が、緊張を飲み込むように上下した。
由比都の隣に立つ夜見から、苦いものを飲み込んだような吐息が漏れる。由比都が望むように状況は好転しないことを、示すかのように。
「ああ……まずいなあ」
「聞きたくないけど、一応聞いておく」
「この神社、最初にうちにいた神様が降り立った場所なんだよね」
「でも、今はいないんだろう?」
「今はね。だけど、本尊が宿ってた鏡が祀られている」
全てを映し出す鏡。そして、それは神の元へと続く通り道でもある。
一つは、夜見の会社の神棚に飾ってある。神社に納められた鏡は、夜見の会社の神棚と一直線上になるように配置されているのだ。鏡の中に入られて仕舞えば、夜見達の守る本当の神域に干渉されるということだ。
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