14 / 42
気づきたくない気持ち
しおりを挟む「なんで無茶したんだお前。びっくりしたよ、死ぬんじゃねえかと思ったし」
「しにまへん……」
「藻武くん、今由比都の舌切れてるから、あんまり喋らせないでやって」
廃墟と化した水族館での本業の方は、由比都の中で随分と苦いものになってしまった。いつもよりも冷たい夜見の声が、車内の空気を重くする。
車体には、あやめがヒールで蹴り飛ばした凹みが残っていた。車内で惰眠を貪っていた藻武は驚きすぎて永遠の眠りにつくところだったという。しかし、夜見が由比都を抱えてくるまでに、近場の病院へのルートを調べたことは流石の気転といったところだろう。
廃水族館での仕事ということもあり、近場といっても近くはない。車は静かに張り詰めた空気を纏いながら、海の上の道を滑っていた。
「なんか居心地わる」
「あやめちゃああん煙草吸っていいから窓開けてくれるかなあ⁉︎」
「声でっか」
あやめの声を遮るように、藻武の声が上がった。
居心地が悪く感じるのは、きっと己が原因だろうと由比都は思っていた。夜見はというと、ただ無言で由比都の口元にタオルを当てている。
口の中が気持ち悪くて、もう腕すら一本もあげる気力すら起きない。由比都は大人しく黙りこくるほかはなかった。
車がようやく病院に着く頃には、夜見が由比都を抱き上げても文句も出なかった。しばらくはあまり喋らないこと、そして柔らかいものを中心に食事をし、口の中を清潔に保つこと。おおよそ予測のつくことを医師から言われて終わったが、それよりも由比都の貧血体質の方が問題だと、別の指摘を受ける羽目になった。
なんでこんな目に、という己への文句は飲み込まれた。由比都の中でなんとなくではあるが、理由の見当がついていたからだ。
「ゲロ吐かなくて良かったよ」
「…………」
前科があるせいか、藻武に揶揄われる。由比都は落ち着いたのかしっかりと地べたに足をつけて立ってはいたが、未だ顔色は悪いままだった。
無言の由比都の抗議はしかし、藻武へと目線が飛ばなければ怖くはないのだろう。夜見の背中越しから毛を逆立てている由比都が、猫のようで面白かったらしい。わざと由比都の視線が届かないところにいるあたり、藻武の性格の悪さが表れていた。
「今日はもう帰ってもいいかな。由比都もこんなんだし、掲示板の件は」
「ああ、いいっすよ。一応中の写真は全部撮ったし、なんもいなかったってスレ立てて流しときます。まあ、元心霊スポットってうたえば新しく施設建てた時も集客見込めんじゃねえかな」
「色つけてもらお。それ売り文句にして。私あの依頼者のハゲだぬき嫌いなのよね」
「それはそう」
祓屋としての清掃依頼を受けた時点で、手付金はもらっている。廿六木からくる案件は規模によって値段が決まっているが、個人依頼は状況を見てからと決まっているのだ。普通の霊媒師よりは安い。しかし、慈善事業ではないから金額はそれなりにもらうが。
「あ、労災降りるから。領収書もらった?」
「ん」
「ん。じゃああとはよろしくね」
「ういっす」
夜見の大きな手でわしりと頭を撫でられて、由比都の肩の力がわずかに抜けた。もう怒ってはいないのだろうか。なんとなく、触れられた髪を指で摘んで乱れを直す。
「本当に送んなくていいんすか?」
「うん。あやめちゃん送ってあげて。女の子一人で夜道返すのもね」
「できる男の気遣いを学びなさい藻武」
「いや、俺が心配してんのはお前を運ぶ俺への傍目だよ」
こんなギャルのせて運転したら、送迎かと思われるじゃん。藻武のゲンナリとした言葉も、突然鈍い音が聞こえて途切れてしまった。場所がわからないから、どうやって帰宅するのかは夜見の判断待ちだろう。由比都は、しばらくはつまらない食事になりそうだと少しだけ気分が沈んでいた。
「タクシー呼んだから。ここら辺で座って待っていようか。ちょうどベンチあるし」
「ん」
手を引かれるままに、備え付けのベンチへと腰掛けた。肩にはまだ夜見から借りた羽織を引っ掛けたままだ。指先で夜見を突けば、意図を察したのかそのままでいいと返された。まだ何も口にしていないのにだ。
「……なんで、あんな無茶したの」
「……むひゃ、ひへない」
「あーー、ごめん……今こんなこと聞くのずるいよな」
深いため息が隣から聞こえて、由比都は膝に置いていた手を強く握り込んだ。ジンジンと痛む舌は、唾液を鉄錆の味にする。唾液には治癒力があると聞くが、それは傷ついた紋にまで有効なのだろうかと思った。
「喋らなくていいから、聞いてくれる」
「……ん」
「無理して欲しいわけじゃないんだよ。由比都が俺たちのことを知ろうとして、俺たちのためを考えて行動してくれるのはもちろん嬉しいけど。……焦って欲しいわけじゃないんだ」
「あせっへらんか、っ」
「由比都。……でも俺にはそう見えた」
夜見の手が由比都の唇に触れて、思わず閉口する。穏やかな声色を努めてはいるが、夜見が参っているだろうことは、なんとなく見当がついた。
夜見の言いたいことは、由比都にはよくわかる。京浜地区に来て分かったことは、神様がいない代わりに言葉を捧げる対象がいるということ。他者のために祈ることで、力を調整するのだ。
あの時あやめが水槽の中で使っていた信仰文句。それは、夜見へと向けていたものだった。神へと祈りを捧げることができない故の、編み出した独自の力の増幅方法。力が波紋のように重なって広がっていくそれは、無駄が多いようにも見える。しかし、それを成功させるのはおそらく。己の適性を知らないからこその柔軟性だろう。
あの巨大水槽の中で、由比都は不毛な焦りを感じていた。それは、あやめに負けるかもしれないという無意識の対抗意識だ。だからこそ、敷波区の土地神の力が届かぬこの場所で、無理に異能の力を増幅させて反動がきた。
(忘れていたわけじゃない、なのに)
由比都の唇が、かすかに震えた。あやめに引き摺られて術を行使した、その自覚をもってしまった。
京浜地区にきて、サルマネと戦ったあの日。由比都は敷浪区を離れてもなお、つつがなく術を行使することができた己を思い出していた。あの時は、信仰文句を詠唱はしなかった。それは、ニギハヤノササメの加護から抜けた今。京浜地区で敷浪区の神へと信仰を捧げることが罰になるからだ。
それを、頭の中では理解していたはずなのに。
(まるで、張り合ってしまった、かのような)
そんな愚かを演じることになるだなんて、由比都は思いもよらなかった。
何を競うつもりだったというのだ。同じ仲間で、共闘していたはずのあやめと。
「次は、無茶しないで。とはいっても、由比都は舌が治るまでは、っ……」
「っ……」
夜見の言葉が、それ以上続くのが耐えられなかった。
夜見の口から、あやめと由比都を比較される言葉が出るのが怖かったのだ。気がつけば、己の手よりも一回りおおきな手を掴んでいた。
ハッとする。今までなら、弱さを見せるようなことはしなかった。意識して、気をつけていたはずだったのに。
夜見は、今どんな顔をしている。夜見の手の温もりを感じるのに。由比都の体温は、じわじわと下がっていった。まるで、足元から少しずつ氷が這い上がってくるかのようだ。
もうお前なんかいらないと、夜見に思われるのが怖かった。怪異と戦うには、力を宿した声と言葉が必要不可欠だ。目が見えないからこそ敷浪区を追われた由比都が、ようやく見つけられたひだまりのような男の隣。
舌が使い物にならなくたって、まだ戦える。諦めを悪くさせたのはお前自身だろう。
由比都の頭の中で、今まで経験したことのないような感覚がぐるぐると渦巻いている。それは、人へ向ける感情として、不要と決めつけていたもの。男の由比都が持つべきではないそれは、間違いなく悋気だ。
それは由比都の自覚をきっかけに、少しずつ体温を奪うように喉元へと這い上がってくる。
「ゆ、……」
夜見の目が、わずかに見張った。
それほどまでに由比都の顔色は青褪めていたのだ。夜見の腕を掴む手に力が入る。まるで、置いて行かれるのが怖いと言わんばかりの様子は、普段の由比都からは想像もつかないものだった。
その姿は、夜見から言葉を奪うのには実に適していた。今の由比都は危うい。言葉の選択を一つでも誤れば、由比都の心の扉は再び閉ざされるだろう。
街灯に照らされた場所に二人。由比都は、灯りが切り取る狭い空間に二人きりであることすら気が付かない。
夜見の手が、小さな顎にそっと触れた。無骨な指で唇を撫でられて、薄い体は僅かに緊張をした。
先ほどとは違う、夜見の纏う空気が、わずかだが変わった気がしたのだ。
「よみ、」
「……あ、タクシー来たよ由比都! ほら、いこ! 待たせる前にさ」
今、何をしようとした。そう聞く勇気を、由比都はもたなかった。掴んだ夜見の手を振り払われることもない。そのまま、いつも通りの様子でタクシーまで手を引かれる。
「さ、っき」
「口端に血がまだついてたんだ。ほら、無理して舌動かさないの」
「ち……」
「すんません、駅の北口まで」
夜見は、それ以上は答えるつもりがないようだった。
突き放されているわけではない、のだと思う。由比都の手を、大きな手が握っている。しかし、少しでも由比都が手を引けばするりと解かれてしまうほどの弱々しい力だ。
車は夜見の住処の近くまで二人を運ぶ。たった十分程度の道のりのはずなのに、車内の酸素が薄く、そして長い時間車に乗っていたような心地になった。
49
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
専務、その溺愛はハラスメントです ~アルファのエリート専務が溺愛してくるけど、僕はマゾだからいじめられたい~
カミヤルイ
BL
恋が初めてのマゾっ気受けと一途(執着)甘々溺愛攻めが恋愛し、番になるまでの山あり谷ありラブストーリー。
★オメガバース、独自設定込みです。
【登場人物】
藤村千尋(26):オメガながらに大企業KANOUホールディングス株式会社東京本社に勤務している。心身ともに問題を抱えるマゾヒスト。
叶光也(30)大企業KANOUホールディングス株式会社東京本社の新専務。海外支社から戻ったばかり。アルファの中でも特に優秀なハイアルファ。
【あらすじ】
会社でパワハラを受けている藤村千尋は、マゾ気質ゆえにそれをM妄想に変えて楽しんでいる日々。
その日も課長に恫喝され、お茶をかけられる美味しいシチュエーションに喜んでいたが、突如現れたイケメン専務に邪魔される。
その後、専務室の秘書を任命され驚くが「氷の貴公子」と呼ばれ厳しいと評判の専務なら新しいネタをくれるかもと期待半分で異動した。
だが専務は千尋にとても甘く、可愛い可愛いなど言ってきて気持ち悪い。しかも甘い匂いを纏っていて、わけありで発情期が無くなった千尋のヒートを誘発した。
会社のトイレでヒートになった千尋を助けたのも専務で、自宅に連れ帰られ、体を慰められたうえ「君は俺の運命の番だ」と言い出し、軟禁されてしまう。
初めは反発していた千尋だが、一緒に過ごすうちに、仕事では厳しいが根は優しく、紳士的な専務に好意を持つようになる。
しかし優しさに慣れておらず、過去持ちで発情期がない千尋はアルファに限らず誰も愛さないと決めているため素直になれなくて……
*性描写シーンには*をつけています。
イラストはわかめちゃん@fuesugiruwakame
【本編完結】オメガだからって甘く見てるから溺愛する羽目になるんだよっ!
天田れおぽん
BL
♡ 番わせました ♡
❁「第11回BL小説大賞」参加します ❁
本編の改稿、入れ替えは終了しました。
第11回BL小説大賞」参加しておりますのでよろしくお願い致します。
『オメガだからって溺愛したわけじゃないんだよっ』の第二話が変な位置にありましたので修正しました。
m(_ _)m
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
結婚って、こんなもんだっけ?
ご機嫌で風呂から上がってきたオレはドアを開けて驚いた。
素っ裸の知らない男がベッドの上にいたからだ。
「やあ。はじめまして。わたしが今日からキミの夫になるルノワールだ」
「あっ、ああ。オレはミカエルだ」
「さぁミカエル。初夜を始めようか」
「……はぁ? 白い結婚じゃなかったのかよ」
「何を言ってるんだキミは。オメガにヤる以外の価値などない」
「そんなわけあるかぁっ!」
裸の股間を蹴り飛ばして始まる、ふたりの物語 ――――。
♪ ―――――――――――――― ♪
登場人物
ミカエル・ランバート伯爵家子息(18歳)
オメガ男子 魔道具作りの天才 魔力も高い
薄茶の髪と瞳 色気のある小悪魔系
オメガとしては大きい身長178センチ
ルノワール・シェリング侯爵(22歳)
アルファ男子 剣術が得意
銀髪青い目 女性っぽい美形
アルファとしては小ぶりで細身な身長182センチ
能力は高いが、女っぽい見た目で損している
※ ゆるゆる設定です
・なんちゃってオメガバース
・異世界なんで魔法使える
・オメガが無双する
・アルファは残念カワイイ(予定)
・保険的ゆるゆるR18
五国王伝〜醜男は美神王に転生し愛でられる〜〈完結〉
クリム
BL
醜い容姿故に、憎まれ、馬鹿にされ、蔑まれ、誰からも相手にされない、世界そのものに拒絶されてもがき生きてきた男達。
生まれも育ちもばらばらの彼らは、不慮の事故で生まれ育った世界から消え、天帝により新たなる世界に美しい神王として『転生』した。
愛され、憧れ、誰からも敬愛される美神王となった彼らの役目は、それぞれの国の男たちと交合し、神と民の融合の証・国の永遠の繁栄の象徴である和合の木に神卵と呼ばれる実をつけること。
五色の色の国、五国に出現した、直樹・明・アルバート・トト・ニュトの王としての魂の和合は果たされるのだろうか。
最後に『転生』した直樹を中心に、物語は展開します。こちらは直樹バージョンに組み替えました。
『なろう』ではマナバージョンです。
えちえちには※マークをつけます。ご注意の上ご高覧を。完結まで、毎日更新予定です。この作品は三人称(通称神様視点)の心情描写となります。様々な人物視点で描かれていきますので、ご注意下さい。
※誤字脱字報告、ご感想ありがとうございます。励みになりますです!
【祝福の御子】黄金の瞳の王子が望むのは
尾高志咲/しさ
BL
「お前の結婚相手が決まったよ」父王の一言で、ぼくは侍従と守護騎士と共に隣国へと旅立った。
平凡顔王子の総愛され物語。
小国の第4王子イルマは、父王から大国の第2王子と結婚するよう言われる。
ところが、相手は美貌を鼻にかけた節操無しと評判の王子。
到着すれば婚約者は女性とベッドの中!イルマたちは早速、夜逃げをもくろむが…。
宰相の息子、忠誠を捧げる騎士、婚約者の浮気者王子。
3人からの愛情と思惑が入り乱れ!?
ふんわりFT設定。
コメディ&シリアス取り交ぜてお送りします。
◎長編です。R18※は後日談及び番外編に入ります。
2022.1.26 全体の構成を見直しました。本編後の番外編をそれぞれ第二部~第四部に名称変更しています。なお、それにともない、本編に『Ⅵ.番外編 レイとセツ』を追加しました。
🌟第9回BL小説大賞に参加。最終81位、ありがとうございました。
本編完結済み、今後たまに番外編を追加予定。
🌟園瀨もち先生に美麗な表紙を描いていただきました。本当にありがとうございました!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
この恋は運命
大波小波
BL
飛鳥 響也(あすか きょうや)は、大富豪の御曹司だ。
申し分のない家柄と財力に加え、頭脳明晰、華やかなルックスと、非の打ち所がない。
第二性はアルファということも手伝って、彼は30歳になるまで恋人に不自由したことがなかった。
しかし、あまたの令嬢と関係を持っても、世継ぎには恵まれない。
合理的な響也は、一年たっても相手が懐妊しなければ、婚約は破棄するのだ。
そんな非情な彼は、社交界で『青髭公』とささやかれていた。
海外の昔話にある、娶る妻を次々に殺害する『青髭公』になぞらえているのだ。
ある日、新しいパートナーを探そうと、響也はマッチング・パーティーを開く。
そこへ天使が舞い降りるように現れたのは、早乙女 麻衣(さおとめ まい)と名乗る18歳の少年だ。
麻衣は父に連れられて、経営難の早乙女家を救うべく、資産家とお近づきになろうとパーティーに参加していた。
響也は麻衣に、一目で惹かれてしまう。
明るく素直な性格も気に入り、プライベートルームに彼を誘ってみた。
第二性がオメガならば、男性でも出産が可能だ。
しかし麻衣は、恋愛経験のないウブな少年だった。
そして、その初めてを捧げる代わりに、響也と正式に婚約したいと望む。
彼は、早乙女家のもとで働く人々を救いたい一心なのだ。
そんな麻衣の熱意に打たれ、響也は自分の屋敷へ彼を婚約者として迎えることに決めた。
喜び勇んで響也の屋敷へと入った麻衣だったが、厳しい現実が待っていた。
一つ屋根の下に住んでいながら、響也に会うことすらままならないのだ。
ワーカホリックの響也は、これまで婚約した令嬢たちとは、妊娠しやすいタイミングでしか会わないような男だった。
子どもを授からなかったら、別れる運命にある響也と麻衣に、波乱万丈な一年間の幕が上がる。
二人の間に果たして、赤ちゃんはやって来るのか……。
【BL】貴様の手の甲に誓いの口づけを
三崎こはく
BL
騎士イシュメルは魔王を憎んでいた。
魔王城の捕虜となり、恩情で生かされた後も、幾度となく魔王を殺そうとした。どのような卑劣な手段を使っても、魔王を殺すことが正義だと信じて疑わなかった。
そして命を賭けた決闘の前夜、イシュメルが魔王の寝室で見た光景は――
※CP外エロ有(無理やり、監禁描写注意)
※表紙は岡保佐優様に描いていただきました♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる