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カストール編
106 **
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エルマーの指が、ゆっくりとナナシの中に差し込まれる。少しだけふしばった指は的確にナナシの気持ちがいいところを擦ってくれるので、素直な尾っぽは揺れてしまう。
「ン、ンふ……っ、く、……ぅん……」
「舌出してみ」
「ぅ、ン、んん……っ、ふ……」
エルマーの少しだけ掠れた声が、興奮を如実に表していた。薄い唇を開くと、差し込まれる熱い舌。与えられる唾液が甘く感じるのもきっと、エルマーの魔力を体が欲しているからだ。
体重が移動するだけで軋むベットに羞恥を煽られる。ナナシは細い足を折りたたむようにしてエルマーの指に翻弄されながら、んくんくと与えられる唾液を飲み込んだ。
上も下も、気持ちいいがいっぱいでなんだか大変だ。男らしいエルマーの、鍛えられた体がナナシに覆い被さるだけで嬉しくなってしまうのは、きっとそう育てられたからだろう。
「ん、んぅ……ふあ、ぅー……」
「ん?もっと?」
「ぅ、もっと……」
「はいよ」
くつくつと喉奥で笑うエルマーに、ナナシの腹の奥はキュンキュンしっぱなしである。太い指先がくすぐるように浅いところを撫でこする。首筋に顔を埋めるようにして、片手間にエルマーが手に取ったのは綺麗な装飾のついた小瓶だ。
ぽん、と軽い音を立てて栓が抜かれると、とろみのある液体がエルマーの手のひらに垂らされる。ナナシの蕾に指を含ませたまま、手のひらで温められた何かが滑りを伴って指の隙間から中に入ってくる。
先ほどよりもぬぷんと深くまでエルマーの指が中を暴くので、ナナシはつい間抜けな声を出してしまった。
「ひぅんっ……!」
「痛かったか?」
「ぃ、いたい、ないよ……ぅ……」
「ん、びっくりしたなあ」
エルマーの唇が、宥めるようにナナシの瞼に口付ける。エルマーの指がいつもよりも奥に入っていて、ナナシの内側が一生懸命頬張っているのを感じてしまった。
お花のようなほのかな香りがする。エルマーと、ナナシの熱い体温で温められたそれが、耳を塞ぎたくなるほどのいやらしい音を立ててしまう。内側の膨らみをグニグニと押しつぶされるように擦られるたびに、ナナシの足は勝手に開いてしまうのだ。
「はぁ、あ、ぁぅ……」
「は、犬のまいったみてえなポーズだなあ」
「まいった……?」
「かぁいいってこったな。」
「ふうん……」
エルマーがかわいいって言ってくれるなら、いいかあ。
頭の中はエルマーによってゆるふわにされていた。気持ちが良くて、考えることを放棄してしまう。犬が服従をするときに腹を見せるような体勢で、時折刺激に身を跳ねさせるナナシは、もうすでにへろへろになっていた。
エルマーの指はだめだ。だって、ナナシを更に馬鹿にさせるのだ。絶対なにか指先から出ている。毎回そんなことを思うくらいには、毎度この指に溶かされる。
気づけば内壁は三本も指を咥え込み、くちくなった腹の中はふやけたように力が入らない。内股気味のナナシの足が、奥を擦ってほしくてシーツに触れる。足の指先で、きゅぅとシーツを手繰り寄せると、震える膝を叱咤してゆるゆると腰を揺らめかせる。
「ん、指だけで満足する気かあ?」
「あう……やら……」
「なら、膝に手ぇ回しておねだりしてみ?」
「はぁい」
もう、すっかりと雌だ。
ただでさえ白い体は上半身を上気させ、刺激を受けていない胸の頂も小さく立ち上がってしまっていた。
気持ちいいを知ってしまった体は、随分とエルマーの好みに育てられた。ナナシを見下ろす金色の瞳の奥に、加虐じみた欲の火種が灯る。
その目は容易くナナシの背筋を震わして、胸の柔らかいところを刺激する。
勃ち上がった小ぶりな性器は、先走りで薄い腹を濡らしていた。その雫が伝って脇腹を撫でるだけでも気持ちが良くて、その先を期待してしまう。
節ばった指がゆっくりとナナシの中から引き抜かれると、手なぐさみに胸の尖をぐにりといじめられた。
「んとに、かぁいいのな……」
ナナシしか見れないエルマーの雄の顔が、息を漏らすようにして微笑んだ。
ギシリとベットを軋ませるようにして体を重ねたエルマーが、ナナシのお耳に歯を立てる。少しだけ苦しくて、あつい。エルマーの汗の匂いをはいいっぱいに吸い込むだけで、甘く達してしまいそうだった。
「きゅ……ぅ……っ……」
堪えきれずに、つい喉がなってしまった。ナナシの柔らかい太ももに押し当てられていた熱い猛りが、一回り膨らんだ気がした。
早く欲しくて、無意識に足が開いてしまうナナシの様子に小さく笑ったエルマーが、かちゃかちゃと金具の音を立てて腰回りの装備を外した。
ファスナーの摩擦する音が聞こえて、口の中に溜まってしまった唾液をこくりと飲み込んだ。先程までナナシによってたくさんいじめられたエルマーの性器は、ナナシに触れるからと隠されてしまっていたのだ。
「ぁう……」
「やっぱいてぇや。前戯ん時もしまっとかなきゃよかった」
「ぜんぎって、なぁに……?」
「ナナシが気持ちくなるための、俺しか出来ねえ楽しいコト」
「ひゃ、っ……」
頬を甘く齧られた。エルマーの声は、ナナシに意地悪をする時と同じ声だった。
大きな手のひらが、ナナシの髪を優しく撫でる。滲んでしまった汗を拭われて、額に口付けをされた。
なんだかわからないけれど、エルマーが楽しそうでナナシは嬉しい。気がつけばきゅぅんと甘えたな声を出して、パタパタと尾を振っていた。
「ん、んふ、……」
「ああ、急かすなって」
大きな手のひらが、ナナシの細い腰を引き寄せるようにして支える。浮いてしまった腰を宥めるように撫でられると、ピュクンと小ぶりな性器から溢れでる。
「くは、やーらし」
「ちぅ、して」
「ん、……」
唇を喰むような口付けをしながら、エルマーの大きな手はナナシの尻を割開くようにして性器を挟んでいた。蕾に擦り付けるように、ゆるゆると腰を揺らすので、それだけで解されたそこは収縮する。
ナナシの体は随分と男を教え込まれている。己の性別が雌を孕ませられるということをすっかり忘れて、嬉しそうにエルマーに甘えるのだ。
「はー……、悪いけど、もう挿れさせてくれ。結構、つれえ」
「ぅ、ん……」
掠れた声で漏らされたエルマーの本音に、体が小さく震えた。細い腰が引き寄せられるようにして、尻をエルマーの太ももの上に落ち着いた。
エルマーの足の間から飛び出たナナシのしっぽが忙しなく振り回されるものだから、挿入を急かされているようで少しだけおかしい。
ご機嫌取りをするように、エルマーの首に腕を回したナナシによって唇をぺしょぺしょ舐められると、エルマーだって否やはない。
「あ、ぁぅ、う、ん、ん……」
ナナシの蕾に当てがわれた熱い先端が、ゆっくりと内壁を押し開くようにして侵入する。
尻に力が入らなくなって、お腹がくるしくなるこの感覚が、ナナシは好きだった。
すごい、なんだかいつもよりもえらいことになっている。ナナシは苦しげな呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと腰を押し進めるエルマーを見ていた。
ナナシにはない、しなやかな腹筋の隙間を縫うように伝う汗が、押し付けられたエルマーの下生えへと消えていく。こんなに深く入ってしまったのだと教え込まれているようだった。
「ん……きつくねえ……?へいき?」
「はう……っ……あ、すき……」
「くるしいのが?」
「える、が……いっぱいなやつ、すき……」
なんだかみていられなくて、気がつけばナナシは両手で顔を隠していた。指の隙間からエルマーを見つめると、何かを堪えるように眉を寄せていた。
「あんま可愛いこと言うなって……無理させちまうだろう」
ぐるりと喉を鳴らしたエルマーが、押し殺すような声で宣った。腹の中では、己が育てたやらしい体に浸っていると言うのに、それを出すまいと必死に取り繕うのだ。
エルマーの手のひらが、ナナシの太ももを掴む。細い足を持ち上げるように肩にかけると、そっと歯を立てた。
「やらしー肉付きになっちまって、まあ……」
「う……?」
こぶりながら、男性器までついていると言うのに。
ナナシの体はどこもかしこも柔らかい。花のような香りは体温が上がるたびにふくよかなものになっていくのだ。多分、これがフェロモンというのだろうなと、そんなバカなことを思うくらいには雌だ。
華奢な体を閉じ込めるようにして抱きしめる。それだけで、ナナシはエルマーの背に両腕を回すようにして応えてくれるのだ。
甘い香りは、容易くエルマーの理性をジリジリと焼き切る。馴染むまで我慢しようと思ったはずなのに、エルマーは我慢ができなかった。
「ふあ、あ、ぁ、あー……は、はぅ、っ……」
「ん、中あちぃ……とけそ、……」
「はぁ、ぁっ、な、ななしも……ぁ、あっ……ひぅ、うー……」
「なに、おまえがなんだって……?」
ナナシの耳の内側の、敏感な部分に舌を這わした。
エルマーの胸板に押しつぶされるようにナナシの胸の突起が刺激された。体を揺さぶられ、ぴたぴたとぶつかる皮膚同士の接触が気持ちが良い。エルマーのそり返る性器で何度も前立腺を殴られながら、ナナシはふわふわの頭で何を言おうとしたんだっけなあと思いだそうとした。
「ひゃ、んぅ、う、わ、わぁ、ンな、ぁっ」
「忘れた?ふは、きもちくてばかになっちまう?」
「きゃぅ、っ……あー……あ、あっあン、んっしょ、れ……ぁ、あ、あ」
「かぁい、わけわかんなくなってンの。かぁいいなぁ……」
内壁の摩擦が気持ちよくて、口を閉じる暇がない。だらしなく枕によだれを垂らしながら、ぴたぴたとエルマーの律動に合わせて性器を跳ねさせる。
大きな手で優しく頭を撫でられながらのセックスが、ナナシは大好きだった。
「ぇ、るっ……ぁ、んんっな、なで、なで……すき……ひぅ、うっやあ、あっあああっあ、あ!」
「こんだけ、か、わいーと、っ……心配に、なるなあ……!」
「ひ、んっ!あ、あァ、や、やぁあ、あっやだぁれちゃぅ、つ、よいの、ゃぁ、あーっだめ、ぇ、えっ!」
「強えのだめ?なあ、だめならやめるけど、なあ……本当に、だめか?」
「んやぁ、あっもっ、もっ、と……して、ほし……ひぁ、あっ!」
「素直、いーぜぇ……」
ナナシにしか見せない雄の顔で微笑まれる。それだけで、ナナシの腹の奥はエルマーを喜ばせるように収縮する。
小さく息をつめたエルマーの、整った顔が性感に歪む。そんな顔を至近距離で見せられて、ナナシは堪えられずにぶぴゅ、と射精をしてしまった。
エルマーの腹筋を汚すナナシの性液に興奮したのだろうか、エルマーの犬歯がナナシの肩口に歯を立てる。上等な雌を前に雄を教え込む獣のように、エルマーの金色は熱っぽく光る。
「いぁ、んんっ!は、ぁー……あ、あっあっぇ、える、まー……!」
「……っ、くは、んとに…おまえは、っ…」
「ひぁ、あっな、なかぁ、あっき、きもひぃ……っ、え、えるっ、ぇるっ、い、いくっ、ま、また……きもちぃのきちゃ、ぅ、う、っ」
「きちゃえ、っ……いいんなら、っ……全部、感じろ……」
直に神経を撫でられているかのような快感が、ナナシの体を駆け巡った。腹の奥の子宮が、今か今かとエルマーの精を待ち侘びているのだ。
制御できないすぎた性感は涙となってナナシの目から溢れ出て、悲鳴じみた喘ぎ声に変わっていく。
汗で滑るエルマーの背中に爪を立てるようにして、必死でナナシは縋りついた。内側を押し開くように、容赦ない律動だ。
エルマーの腰を挟んでいたナナシの細い足は、力無くぶらぶらと揺れて、なすがままに貪られる様を表していた。
エルマーの性器の輪郭を、内壁が脳へと伝達する。ナナシの足は静観から逃げるように、びょっと伸ばされた。
「ふあ、あ!ああっ!あ、ぁあ、は、ぁっンんんっ!」
「っく、んぁ、ここ、っ……すげ、え……あ、っ……」
「ひあ、あっん、んんっ、ぅ、う、っァ、イ、イく、え、ぇるっ……ィぐっ……でぅ、っ、あ、あー……‼︎」
エルマーの腕の中、身動きがとれないままでの激しい腰の打ち付けに、ナナシは身を投げ出すようにして翻弄されていた。
この快感に抗えという方が無理なのだ。散々っぱら精液で汚したエルマーの腹を洗い流すように、ナナシはしょわりと失禁した。
熱い水流がエルマーの体にかかるのもお構いなしに揺さぶるものだから、薄い腹を伝い、じわじわと寝具に水溜りを広げていく。
嬉しくて漏らすだなんて獣のようだ。
本当は、ナナシの意思で失禁を止められるはずなのだ。だけど、エルマーはせっクスの中でナナシが漏らすのを喜ぶのだ。だからナナシは、何もわからないふりをして身を任せる。少しだけ、悪い子になってしまうのだ。
「おもらし、かあいいなぁ……きもちい?なあ、いってくれナナシ」
「きもち、ぃ……んあ、あっ、おひ、っこ……ぁ、……き、もちぃ……ぇ、るぅ、……っ……」
腰のあたりが温かい。ぱちゃぱちゃと音を立てながらの失禁に、興奮してしまうようになったのはエルマーのせいだ。
イって、噴いて、漏らしても怒らない。良くできましたと褒めそやし、もっと見せろとエルマーが追い込むせいで、ナナシはだめな子になってしまう。
ゆるゆると尾を振りながら、首に腕を絡ませて口付けをねだる。
雌になったナナシは、こうしてエルマーの愛に雁字搦めにされて喜ぶのだ。
「ん、ふふ……くは、っ……ああ、きもいいなぁ、ナナシィ……俺の雌、俺だけの……」
「ぅ、ん……うん、えるもっ……ふぁ、っな、なしの……ぉす……ぁン、っ……あ、あ、ぁい、いぅ……っ……」
「今のっ……、結構キた……」
ナナシだけの雄。そう言われて、エルマーはグッと性器を膨らませる。
傘の貼った部分で何度も結腸を責め立てるように掘削しながら、エルマーは理性という二文字を自らの手で投げ捨てた。
ばつばつと腰をぶつけながら、エルマーの魔力はたくさん取っていいので抱き潰すことは許してくれ。そんな頭の悪いお願いを、腹の子に念じながらのセックス。
「は、っ……わり、でる……っ……」
「ほし、っ……ぁ、あ、え、えるま、っ……ああっ、あ、ちゅ……ぁ、あ…ん…」
「っあー……」
排泄間にも似た吐精の気持ちよさに、エルマーは腰を押し付けるようにして浸る。
整った顔は性感に歪み、溜まった唾液をだらしなく口端からこぼす。長い射精のせいで、逆流した精液が結合部から噴き出しても、性器は抜かなかった。
「ひ、んぅ……っ……」
じんわりとお腹が暖かくなって、酩酊にも似た感覚が体を支配する。腹の子がエルマーの魔力を吸っているのだ。それが、母であるナナシにはなんとなくだがそれがわかる。
余韻に震える指先で、ナナシはエルマーの唇に触れる。この上等な雄の子を孕んで、ナナシのものにした。願いを叶えられたのはナナシの方だというのに、エルマーは心底嬉しそうに薄い腹を撫でるのだ。
がじ、と悪戯に指先を噛まれる。なんだかそれが可愛くて、くすりと笑うと指先を舐められる。
ナナシの細い手にエルマーの節ばった指が絡められると、まるでお姫様にする口付けのように唇を触れさせた。
「腹の子が産まれるまでは、俺を甘やかせよ。」
「うん、」
「……言ってて恥ずかしくなったわあ。」
「いいよう、えるかぁいいね」
「余裕こいてっと、もっかい鳴かせるぞ……」
「きゅぅん!あ、あっ、や、ま、まって」
ぬちゅ、とはしたない音がして、エルマーの性器がゆっくりと引き摺り出される。その感覚にひくんと薄い腹は震えてしまった。
「ひぁっ!」
「もっかい、付き合って。」
はぷ、と胸の突起に吸い付かれ、ナナシは思わず身を反らした。弾力を確かめるように押し潰された突起はエルマーの舌で転がされ、ナナシの性器は再び熱を持った。
「ふ、ん、ん……ぅ、っ……」
興奮してしまっているのが、視覚的にわかってしまうのが恥ずかしい。ナナシがこれ以上情けない声を漏らすまいと口元を押さえても、エルマーによって体を揺さぶられると、指の隙間から甘えたな声が漏れてしまう。
「ぁ、ぁ、あ、ひぅ、んっ……ふぁ、っ……」
「ん……すき?」
「す、きぃ……っ……」
大きな手で薄い胸の肉を持ち上げられ、吸いやすいようにと抓まれる。そんな、見せつけるように刺激されたらだめだ、おかしくなってしまう。
「ひぅあ、あ、ぁ、あー……!」
「っぁ、く……」
内壁がキツく性器を搾り上げた。痙攣した熱い肉が、エルマーの性器をぐにぐにと揉み込んだ。
強い刺激についかすれた声が漏れ、エルマーが強く腰を押し付ける。一度射精したはずなのに、追い上げるように搾られたら堪らない。
エルマーは胸の愛撫を辞めると、ナナシの両足を肩に乗せて腰を引き寄せた。
「っ、仕返し……」
「いぁ、あっ!ああっあ、ぁン、っは、げし……!ぇる、やぁ、あっい、っっ、ィぐっ、れぅ、あ、あっあー……‼︎」
手慰みのように胸の突起を指先でいじられながら、腰の動きは激しさを増した。ばつばつという肉のぶつかり合う音が、生々しく室内に響く。
ナナシのバカになった性器はバシャバシャと噴き上げ、身を捩るように泣き喘ぐ。
泡立った潤滑油が精液とともに尻の下にどんどんと溜まっていくのに、エルマーは何度もナナシの奥の弁を貫いた。
「ひぁ、あだぇ、だ、めぇ、え!イっ、だ……イっ、ぢゃ、ぁ、あんっいぁ、あっあー‼︎ひぐっ、やぁ、あっあ、あーー‼︎」
「ん、ぐぁ、……は……」
ナナシの性器から、弧を描くようにして潮が噴き出た。背をそらし、意識が飛んでしまいそうなほどの激しい性感になすがままに揺さぶられ、再びの腹の奥に押し付けるようにして長い射精を叩き込まれる。
唾液で濡れたナナシの唇へと口付けるエルマーの舌が、震えるナナシの舌を宥めるように絡まる。
「んむ、ちゅ……ふ、は……」
「ン、……っ……」
舌で、互いの味蕾を摩擦するように口付ける。唇の感覚が無くなるほど繰り返した口付けに、ナナシはうとうととした様子であった。
「んぅ……」
「まて、ねるな。シャワー浴びねえと」
「ふあ、あー……あと、で……」
「まて、後でじゃだめな、おい、おーい?」
ふにゅふにゅと喃語のような言葉を漏らして、ナナシは体の疲労に促されるように瞼を閉じた。
色々な体液で汚れた寝具の上で、すよすよと眠り始めるナナシに、エルマーは苦笑いを浮かべた。なんだかあとは任せたと言われているようである。
レイガン達が気がつく前に早く処理をしなくてはなあと思いながら性器を引き抜くと、毎回騒がしくてすまんなと謝るようにナナシの腹に口付けた。
「ン、ンふ……っ、く、……ぅん……」
「舌出してみ」
「ぅ、ン、んん……っ、ふ……」
エルマーの少しだけ掠れた声が、興奮を如実に表していた。薄い唇を開くと、差し込まれる熱い舌。与えられる唾液が甘く感じるのもきっと、エルマーの魔力を体が欲しているからだ。
体重が移動するだけで軋むベットに羞恥を煽られる。ナナシは細い足を折りたたむようにしてエルマーの指に翻弄されながら、んくんくと与えられる唾液を飲み込んだ。
上も下も、気持ちいいがいっぱいでなんだか大変だ。男らしいエルマーの、鍛えられた体がナナシに覆い被さるだけで嬉しくなってしまうのは、きっとそう育てられたからだろう。
「ん、んぅ……ふあ、ぅー……」
「ん?もっと?」
「ぅ、もっと……」
「はいよ」
くつくつと喉奥で笑うエルマーに、ナナシの腹の奥はキュンキュンしっぱなしである。太い指先がくすぐるように浅いところを撫でこする。首筋に顔を埋めるようにして、片手間にエルマーが手に取ったのは綺麗な装飾のついた小瓶だ。
ぽん、と軽い音を立てて栓が抜かれると、とろみのある液体がエルマーの手のひらに垂らされる。ナナシの蕾に指を含ませたまま、手のひらで温められた何かが滑りを伴って指の隙間から中に入ってくる。
先ほどよりもぬぷんと深くまでエルマーの指が中を暴くので、ナナシはつい間抜けな声を出してしまった。
「ひぅんっ……!」
「痛かったか?」
「ぃ、いたい、ないよ……ぅ……」
「ん、びっくりしたなあ」
エルマーの唇が、宥めるようにナナシの瞼に口付ける。エルマーの指がいつもよりも奥に入っていて、ナナシの内側が一生懸命頬張っているのを感じてしまった。
お花のようなほのかな香りがする。エルマーと、ナナシの熱い体温で温められたそれが、耳を塞ぎたくなるほどのいやらしい音を立ててしまう。内側の膨らみをグニグニと押しつぶされるように擦られるたびに、ナナシの足は勝手に開いてしまうのだ。
「はぁ、あ、ぁぅ……」
「は、犬のまいったみてえなポーズだなあ」
「まいった……?」
「かぁいいってこったな。」
「ふうん……」
エルマーがかわいいって言ってくれるなら、いいかあ。
頭の中はエルマーによってゆるふわにされていた。気持ちが良くて、考えることを放棄してしまう。犬が服従をするときに腹を見せるような体勢で、時折刺激に身を跳ねさせるナナシは、もうすでにへろへろになっていた。
エルマーの指はだめだ。だって、ナナシを更に馬鹿にさせるのだ。絶対なにか指先から出ている。毎回そんなことを思うくらいには、毎度この指に溶かされる。
気づけば内壁は三本も指を咥え込み、くちくなった腹の中はふやけたように力が入らない。内股気味のナナシの足が、奥を擦ってほしくてシーツに触れる。足の指先で、きゅぅとシーツを手繰り寄せると、震える膝を叱咤してゆるゆると腰を揺らめかせる。
「ん、指だけで満足する気かあ?」
「あう……やら……」
「なら、膝に手ぇ回しておねだりしてみ?」
「はぁい」
もう、すっかりと雌だ。
ただでさえ白い体は上半身を上気させ、刺激を受けていない胸の頂も小さく立ち上がってしまっていた。
気持ちいいを知ってしまった体は、随分とエルマーの好みに育てられた。ナナシを見下ろす金色の瞳の奥に、加虐じみた欲の火種が灯る。
その目は容易くナナシの背筋を震わして、胸の柔らかいところを刺激する。
勃ち上がった小ぶりな性器は、先走りで薄い腹を濡らしていた。その雫が伝って脇腹を撫でるだけでも気持ちが良くて、その先を期待してしまう。
節ばった指がゆっくりとナナシの中から引き抜かれると、手なぐさみに胸の尖をぐにりといじめられた。
「んとに、かぁいいのな……」
ナナシしか見れないエルマーの雄の顔が、息を漏らすようにして微笑んだ。
ギシリとベットを軋ませるようにして体を重ねたエルマーが、ナナシのお耳に歯を立てる。少しだけ苦しくて、あつい。エルマーの汗の匂いをはいいっぱいに吸い込むだけで、甘く達してしまいそうだった。
「きゅ……ぅ……っ……」
堪えきれずに、つい喉がなってしまった。ナナシの柔らかい太ももに押し当てられていた熱い猛りが、一回り膨らんだ気がした。
早く欲しくて、無意識に足が開いてしまうナナシの様子に小さく笑ったエルマーが、かちゃかちゃと金具の音を立てて腰回りの装備を外した。
ファスナーの摩擦する音が聞こえて、口の中に溜まってしまった唾液をこくりと飲み込んだ。先程までナナシによってたくさんいじめられたエルマーの性器は、ナナシに触れるからと隠されてしまっていたのだ。
「ぁう……」
「やっぱいてぇや。前戯ん時もしまっとかなきゃよかった」
「ぜんぎって、なぁに……?」
「ナナシが気持ちくなるための、俺しか出来ねえ楽しいコト」
「ひゃ、っ……」
頬を甘く齧られた。エルマーの声は、ナナシに意地悪をする時と同じ声だった。
大きな手のひらが、ナナシの髪を優しく撫でる。滲んでしまった汗を拭われて、額に口付けをされた。
なんだかわからないけれど、エルマーが楽しそうでナナシは嬉しい。気がつけばきゅぅんと甘えたな声を出して、パタパタと尾を振っていた。
「ん、んふ、……」
「ああ、急かすなって」
大きな手のひらが、ナナシの細い腰を引き寄せるようにして支える。浮いてしまった腰を宥めるように撫でられると、ピュクンと小ぶりな性器から溢れでる。
「くは、やーらし」
「ちぅ、して」
「ん、……」
唇を喰むような口付けをしながら、エルマーの大きな手はナナシの尻を割開くようにして性器を挟んでいた。蕾に擦り付けるように、ゆるゆると腰を揺らすので、それだけで解されたそこは収縮する。
ナナシの体は随分と男を教え込まれている。己の性別が雌を孕ませられるということをすっかり忘れて、嬉しそうにエルマーに甘えるのだ。
「はー……、悪いけど、もう挿れさせてくれ。結構、つれえ」
「ぅ、ん……」
掠れた声で漏らされたエルマーの本音に、体が小さく震えた。細い腰が引き寄せられるようにして、尻をエルマーの太ももの上に落ち着いた。
エルマーの足の間から飛び出たナナシのしっぽが忙しなく振り回されるものだから、挿入を急かされているようで少しだけおかしい。
ご機嫌取りをするように、エルマーの首に腕を回したナナシによって唇をぺしょぺしょ舐められると、エルマーだって否やはない。
「あ、ぁぅ、う、ん、ん……」
ナナシの蕾に当てがわれた熱い先端が、ゆっくりと内壁を押し開くようにして侵入する。
尻に力が入らなくなって、お腹がくるしくなるこの感覚が、ナナシは好きだった。
すごい、なんだかいつもよりもえらいことになっている。ナナシは苦しげな呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと腰を押し進めるエルマーを見ていた。
ナナシにはない、しなやかな腹筋の隙間を縫うように伝う汗が、押し付けられたエルマーの下生えへと消えていく。こんなに深く入ってしまったのだと教え込まれているようだった。
「ん……きつくねえ……?へいき?」
「はう……っ……あ、すき……」
「くるしいのが?」
「える、が……いっぱいなやつ、すき……」
なんだかみていられなくて、気がつけばナナシは両手で顔を隠していた。指の隙間からエルマーを見つめると、何かを堪えるように眉を寄せていた。
「あんま可愛いこと言うなって……無理させちまうだろう」
ぐるりと喉を鳴らしたエルマーが、押し殺すような声で宣った。腹の中では、己が育てたやらしい体に浸っていると言うのに、それを出すまいと必死に取り繕うのだ。
エルマーの手のひらが、ナナシの太ももを掴む。細い足を持ち上げるように肩にかけると、そっと歯を立てた。
「やらしー肉付きになっちまって、まあ……」
「う……?」
こぶりながら、男性器までついていると言うのに。
ナナシの体はどこもかしこも柔らかい。花のような香りは体温が上がるたびにふくよかなものになっていくのだ。多分、これがフェロモンというのだろうなと、そんなバカなことを思うくらいには雌だ。
華奢な体を閉じ込めるようにして抱きしめる。それだけで、ナナシはエルマーの背に両腕を回すようにして応えてくれるのだ。
甘い香りは、容易くエルマーの理性をジリジリと焼き切る。馴染むまで我慢しようと思ったはずなのに、エルマーは我慢ができなかった。
「ふあ、あ、ぁ、あー……は、はぅ、っ……」
「ん、中あちぃ……とけそ、……」
「はぁ、ぁっ、な、ななしも……ぁ、あっ……ひぅ、うー……」
「なに、おまえがなんだって……?」
ナナシの耳の内側の、敏感な部分に舌を這わした。
エルマーの胸板に押しつぶされるようにナナシの胸の突起が刺激された。体を揺さぶられ、ぴたぴたとぶつかる皮膚同士の接触が気持ちが良い。エルマーのそり返る性器で何度も前立腺を殴られながら、ナナシはふわふわの頭で何を言おうとしたんだっけなあと思いだそうとした。
「ひゃ、んぅ、う、わ、わぁ、ンな、ぁっ」
「忘れた?ふは、きもちくてばかになっちまう?」
「きゃぅ、っ……あー……あ、あっあン、んっしょ、れ……ぁ、あ、あ」
「かぁい、わけわかんなくなってンの。かぁいいなぁ……」
内壁の摩擦が気持ちよくて、口を閉じる暇がない。だらしなく枕によだれを垂らしながら、ぴたぴたとエルマーの律動に合わせて性器を跳ねさせる。
大きな手で優しく頭を撫でられながらのセックスが、ナナシは大好きだった。
「ぇ、るっ……ぁ、んんっな、なで、なで……すき……ひぅ、うっやあ、あっあああっあ、あ!」
「こんだけ、か、わいーと、っ……心配に、なるなあ……!」
「ひ、んっ!あ、あァ、や、やぁあ、あっやだぁれちゃぅ、つ、よいの、ゃぁ、あーっだめ、ぇ、えっ!」
「強えのだめ?なあ、だめならやめるけど、なあ……本当に、だめか?」
「んやぁ、あっもっ、もっ、と……して、ほし……ひぁ、あっ!」
「素直、いーぜぇ……」
ナナシにしか見せない雄の顔で微笑まれる。それだけで、ナナシの腹の奥はエルマーを喜ばせるように収縮する。
小さく息をつめたエルマーの、整った顔が性感に歪む。そんな顔を至近距離で見せられて、ナナシは堪えられずにぶぴゅ、と射精をしてしまった。
エルマーの腹筋を汚すナナシの性液に興奮したのだろうか、エルマーの犬歯がナナシの肩口に歯を立てる。上等な雌を前に雄を教え込む獣のように、エルマーの金色は熱っぽく光る。
「いぁ、んんっ!は、ぁー……あ、あっあっぇ、える、まー……!」
「……っ、くは、んとに…おまえは、っ…」
「ひぁ、あっな、なかぁ、あっき、きもひぃ……っ、え、えるっ、ぇるっ、い、いくっ、ま、また……きもちぃのきちゃ、ぅ、う、っ」
「きちゃえ、っ……いいんなら、っ……全部、感じろ……」
直に神経を撫でられているかのような快感が、ナナシの体を駆け巡った。腹の奥の子宮が、今か今かとエルマーの精を待ち侘びているのだ。
制御できないすぎた性感は涙となってナナシの目から溢れ出て、悲鳴じみた喘ぎ声に変わっていく。
汗で滑るエルマーの背中に爪を立てるようにして、必死でナナシは縋りついた。内側を押し開くように、容赦ない律動だ。
エルマーの腰を挟んでいたナナシの細い足は、力無くぶらぶらと揺れて、なすがままに貪られる様を表していた。
エルマーの性器の輪郭を、内壁が脳へと伝達する。ナナシの足は静観から逃げるように、びょっと伸ばされた。
「ふあ、あ!ああっ!あ、ぁあ、は、ぁっンんんっ!」
「っく、んぁ、ここ、っ……すげ、え……あ、っ……」
「ひあ、あっん、んんっ、ぅ、う、っァ、イ、イく、え、ぇるっ……ィぐっ……でぅ、っ、あ、あー……‼︎」
エルマーの腕の中、身動きがとれないままでの激しい腰の打ち付けに、ナナシは身を投げ出すようにして翻弄されていた。
この快感に抗えという方が無理なのだ。散々っぱら精液で汚したエルマーの腹を洗い流すように、ナナシはしょわりと失禁した。
熱い水流がエルマーの体にかかるのもお構いなしに揺さぶるものだから、薄い腹を伝い、じわじわと寝具に水溜りを広げていく。
嬉しくて漏らすだなんて獣のようだ。
本当は、ナナシの意思で失禁を止められるはずなのだ。だけど、エルマーはせっクスの中でナナシが漏らすのを喜ぶのだ。だからナナシは、何もわからないふりをして身を任せる。少しだけ、悪い子になってしまうのだ。
「おもらし、かあいいなぁ……きもちい?なあ、いってくれナナシ」
「きもち、ぃ……んあ、あっ、おひ、っこ……ぁ、……き、もちぃ……ぇ、るぅ、……っ……」
腰のあたりが温かい。ぱちゃぱちゃと音を立てながらの失禁に、興奮してしまうようになったのはエルマーのせいだ。
イって、噴いて、漏らしても怒らない。良くできましたと褒めそやし、もっと見せろとエルマーが追い込むせいで、ナナシはだめな子になってしまう。
ゆるゆると尾を振りながら、首に腕を絡ませて口付けをねだる。
雌になったナナシは、こうしてエルマーの愛に雁字搦めにされて喜ぶのだ。
「ん、ふふ……くは、っ……ああ、きもいいなぁ、ナナシィ……俺の雌、俺だけの……」
「ぅ、ん……うん、えるもっ……ふぁ、っな、なしの……ぉす……ぁン、っ……あ、あ、ぁい、いぅ……っ……」
「今のっ……、結構キた……」
ナナシだけの雄。そう言われて、エルマーはグッと性器を膨らませる。
傘の貼った部分で何度も結腸を責め立てるように掘削しながら、エルマーは理性という二文字を自らの手で投げ捨てた。
ばつばつと腰をぶつけながら、エルマーの魔力はたくさん取っていいので抱き潰すことは許してくれ。そんな頭の悪いお願いを、腹の子に念じながらのセックス。
「は、っ……わり、でる……っ……」
「ほし、っ……ぁ、あ、え、えるま、っ……ああっ、あ、ちゅ……ぁ、あ…ん…」
「っあー……」
排泄間にも似た吐精の気持ちよさに、エルマーは腰を押し付けるようにして浸る。
整った顔は性感に歪み、溜まった唾液をだらしなく口端からこぼす。長い射精のせいで、逆流した精液が結合部から噴き出しても、性器は抜かなかった。
「ひ、んぅ……っ……」
じんわりとお腹が暖かくなって、酩酊にも似た感覚が体を支配する。腹の子がエルマーの魔力を吸っているのだ。それが、母であるナナシにはなんとなくだがそれがわかる。
余韻に震える指先で、ナナシはエルマーの唇に触れる。この上等な雄の子を孕んで、ナナシのものにした。願いを叶えられたのはナナシの方だというのに、エルマーは心底嬉しそうに薄い腹を撫でるのだ。
がじ、と悪戯に指先を噛まれる。なんだかそれが可愛くて、くすりと笑うと指先を舐められる。
ナナシの細い手にエルマーの節ばった指が絡められると、まるでお姫様にする口付けのように唇を触れさせた。
「腹の子が産まれるまでは、俺を甘やかせよ。」
「うん、」
「……言ってて恥ずかしくなったわあ。」
「いいよう、えるかぁいいね」
「余裕こいてっと、もっかい鳴かせるぞ……」
「きゅぅん!あ、あっ、や、ま、まって」
ぬちゅ、とはしたない音がして、エルマーの性器がゆっくりと引き摺り出される。その感覚にひくんと薄い腹は震えてしまった。
「ひぁっ!」
「もっかい、付き合って。」
はぷ、と胸の突起に吸い付かれ、ナナシは思わず身を反らした。弾力を確かめるように押し潰された突起はエルマーの舌で転がされ、ナナシの性器は再び熱を持った。
「ふ、ん、ん……ぅ、っ……」
興奮してしまっているのが、視覚的にわかってしまうのが恥ずかしい。ナナシがこれ以上情けない声を漏らすまいと口元を押さえても、エルマーによって体を揺さぶられると、指の隙間から甘えたな声が漏れてしまう。
「ぁ、ぁ、あ、ひぅ、んっ……ふぁ、っ……」
「ん……すき?」
「す、きぃ……っ……」
大きな手で薄い胸の肉を持ち上げられ、吸いやすいようにと抓まれる。そんな、見せつけるように刺激されたらだめだ、おかしくなってしまう。
「ひぅあ、あ、ぁ、あー……!」
「っぁ、く……」
内壁がキツく性器を搾り上げた。痙攣した熱い肉が、エルマーの性器をぐにぐにと揉み込んだ。
強い刺激についかすれた声が漏れ、エルマーが強く腰を押し付ける。一度射精したはずなのに、追い上げるように搾られたら堪らない。
エルマーは胸の愛撫を辞めると、ナナシの両足を肩に乗せて腰を引き寄せた。
「っ、仕返し……」
「いぁ、あっ!ああっあ、ぁン、っは、げし……!ぇる、やぁ、あっい、っっ、ィぐっ、れぅ、あ、あっあー……‼︎」
手慰みのように胸の突起を指先でいじられながら、腰の動きは激しさを増した。ばつばつという肉のぶつかり合う音が、生々しく室内に響く。
ナナシのバカになった性器はバシャバシャと噴き上げ、身を捩るように泣き喘ぐ。
泡立った潤滑油が精液とともに尻の下にどんどんと溜まっていくのに、エルマーは何度もナナシの奥の弁を貫いた。
「ひぁ、あだぇ、だ、めぇ、え!イっ、だ……イっ、ぢゃ、ぁ、あんっいぁ、あっあー‼︎ひぐっ、やぁ、あっあ、あーー‼︎」
「ん、ぐぁ、……は……」
ナナシの性器から、弧を描くようにして潮が噴き出た。背をそらし、意識が飛んでしまいそうなほどの激しい性感になすがままに揺さぶられ、再びの腹の奥に押し付けるようにして長い射精を叩き込まれる。
唾液で濡れたナナシの唇へと口付けるエルマーの舌が、震えるナナシの舌を宥めるように絡まる。
「んむ、ちゅ……ふ、は……」
「ン、……っ……」
舌で、互いの味蕾を摩擦するように口付ける。唇の感覚が無くなるほど繰り返した口付けに、ナナシはうとうととした様子であった。
「んぅ……」
「まて、ねるな。シャワー浴びねえと」
「ふあ、あー……あと、で……」
「まて、後でじゃだめな、おい、おーい?」
ふにゅふにゅと喃語のような言葉を漏らして、ナナシは体の疲労に促されるように瞼を閉じた。
色々な体液で汚れた寝具の上で、すよすよと眠り始めるナナシに、エルマーは苦笑いを浮かべた。なんだかあとは任せたと言われているようである。
レイガン達が気がつく前に早く処理をしなくてはなあと思いながら性器を引き抜くと、毎回騒がしくてすまんなと謝るようにナナシの腹に口付けた。
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