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カストール編

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「ううむ、我が眷属共の話だとカストールの者たちは疑心に駆られているとのことだぞ。まあ、漁師共はこのへんまで来るしなあ、老齢な人間共の愚痴というのは世情を知るには丁度よい。」 
「やはりそうか。大方同盟締結後にジルガスタントに仕掛けるという話になったから、それが理由だろう。」
「それにしても、人間は領土だの権力だの、いろんなことに気を散らさねばならんとはなあ。実に忙しいものだ。どうだ、貴様も我が魔女にならぬか。俗世の憂いごとから離れられるだろう。我も丁度探しておったところだ。」
「あいにく水魔法とは相性がわるくてな。」

口から火は出せるのだが。アロンダートがそう宣うと、ガニメデは至極残念そうにシュコリと口を動かした。
ガニメデの頭の上に腰掛けているアロンダートの様子は、なんとも快適そうだった。潮風が気持ちいいのだろう、長い髪を風に遊ばせ目を細める姿は、実に絵になる。

「うおえええ……」
「うわきたな。」

どこからか、エルマーのえずく声が聞こえる。ガニメデに持ち上げられた帆船が、海上を不安定に進むおかげで、三半規管をやられたらしい。
ガニメデの特性上、早くは進めない。しかし、船に巨大な蛸足を絡ませて進む姿は異常であった。ただでさえ海から引き上げたままの、珊瑚の死骸やフジツボなどで船体を飾った幽霊船だ。
時折すれ違う漁師の船やらは、おどろおどろしい船を見上げては、あっけにとられたように動きを止めていた。

「まさかガニメデがサジのアロンダートを気に入るとは……くそう、誤算である。なんでこんなことに……」

海上を覗き込むようにして、サジがガニメデに悪態を吐く。己の隣に侍らせておきたいが、カストールへ連れて行く条件として、アロンダートがそばに侍るようにとご指名を受けたのだ。
歯噛みするサジの背後では、人心地ついたエルマーがげっそりとした顔で起き上がる。

「……うっぷ、……ああ、気持ちわり……つかそんな簡単に愛し子になれるのかよ……」
「直接呼ばれるぞ。夢渡や、偶然を装ってな。」
「つかレイガンも愛し子じゃねえか。んだよ、意外といるもんだな。」
「神が選ぶのは、芯の通ったものだけだ。指名されたサジ達は神の名に恥じぬ行いをしなくてはいけない。ま、サジはよく怒られるが。」

どうやら己の神に呼び出された時のことを思い出したらしい。顔色を悪くしたサジが身を震わせる横で、エルマーはガニメデへと視線を向けた。
見慣れた黒髪を侍らせる巨大な蛸の神様には、現在愛し子がいないらしい。そもそも多足や欠損の特徴を持つ人物に絞って愛し子を選ぶ方が難しいのだ。選ぶ基準が性癖だからでまとめて仕舞えば、神様の中ではガニメデが一番拗らせているのではないかと思ってしまう。まあ、神様に欲があるのかは別として。

「ガニメデの愛し子はなー、欠損してたり、おおかったりのほうがいいんだー。」
「あ?なんで。」
「だって、そういうもののほうが芯はつよいし、視野が広いだろー。ガニメデは、そういう人間の生き様を美しいと思うんだー。」

ニアによって補足的に付け足されたのは、愛し子としての一つの線引きだ。異形の姿を持つ神様だからこそ、違った視点から物事を図れる、そして己を起点として現状を変えていける力のあるものを愛するという。
愛し子は長生きだ。だからこそ人に寄り添う気持ちを持ち続けなくてはいけない。どの愛し子も逆境に強いのには、そういった理由があるらしい。
気の狂ったやつ認定をしているサジもまた、己の決めたことは曲げずに突き進む。時にはしっかりと人を踏み台にしたりもするが。

「む、おい貴様ら。前方がなにか来るぞ。」
「あ?」

ガニメデの言葉に、甲板にいるもの達はわかりやすく警戒心を強めた。確かに、人には出せない速さで、大きな何かがこちらへ向かって突き進んでくる。
真正面にいたアロンダートが、その力を使おうと立ち上がれば、行動を許さぬようにガニメデの触手が動きを制した。

「ガニメデ、なにをする。」
「お前は出るな。俺の背に乗せてやったのだ。ここはニア、貴様がでろ。」
「ええ、やっぱりかー。ニアは海の魔物、得意じゃないんだけどなー。」

ガニメデの言葉に促されるように、注目はレイガンとニアに集まった。ニアはたしかに巨大化できるが、温厚なその性格は戦いには不向きにも見受けられた。向けられる視線に疲れ果てたかのように、レイガンがため息を吐く。
徐にインベントリからポーションを取り出したかと思うと、それをエルマーへと手渡した。

「俺は倒れる。終わったらそれをぶっかけてくれ。まあ、なんだか嫌な予感はしていた。」
「倒れる……?」
「おー、すまないなー。まだニアが下手くそなばっかりにー。」
「気にするな。そう何度も取るわけではないだろう。」

魔力回復用のポーションをまじまじと見つめるエルマーの前で、ニアが宣う。
鎌首を伸ばすようにしてレイガンの唇をちろりと舐めると、しゅるりと首に巻きついた。
 儀式的なものなのだろうか。レイガンの唇を舌でくすぐる姿は初めて見るものだった。
海が大きく波打つ。楽しそうなガニメデの声とは裏腹に、大きく揺れた甲板に体の均衡を崩す。慌てて視線を向けた先にいたのは、見たことも無いほど大きな海の魔物、クラーケンであった。

「でっけえええええ!!!!」
「おお、とんだイカ野郎だ。このガニメデに挑んでくる不届き者め。なあに弱い雑魚だ、やってやれニア。」

海の魔物は、時折こうして力試しをするかのように、ガニメデへと喧嘩をふっかけるらしい。身の程知らずなのは、きっと脳が足りないからだ。
大声をあげるエルマー達の様子に愉快そうに笑う。そんなガニメデの声に促されるように、レイガンは声に魔力を乗せてニアの名前を紡いだ。

「ニルマイア·ニルカムイ」

レイガンの紫の瞳が輝いた。
ニアが勢いよくレイガンの首に噛み付くと、そのまま白い体を輝かせるようにして光を纏う。レイガンから体を離したニアは、その身を光と共に膨らませながら海へと飛び込んだ。
状況が読めぬまま、ニアを見送る面々の背後で、大きな音を立ててレイガンが倒れた。なるほど魔力枯渇で立っていられなくなったらしい。
エルマーは言いつけられたように、手にしていたポーションを頭からかけてやった。

「おい!何がなんだってんだあ!」
「いいから、黙ってみてろ……」

顔色を悪くしたレイガンは、掠れた声で宣った。
あの大きな海の中に落ちて、ニアは大丈夫なのだろうか。そう思った瞬間、海を突き破るようにして、棘のついた白い触腕が振り上げられた。

「ふん、一辺倒な魔物め」
「うわあ……」

船に向かって振り下ろされるかというすんでで、ガニメデによって触腕は振り払われた。戯れを叱るような、そんな様子であった。
クラーケンの攻撃なんぞ、ガニメデだけでもいなせるじゃないか。呆れた目線を向けるエルマーの目の前で、大きな海の魔物の胴体を何かが掴んだ。

「え」

水面が膨らむようにして盛り上がったかと思うと、筋状になって水が流れていった。白く、大きな手のひらがクラーケンの体をガシリと鷲掴んでいた。
あり得ない光景は、視覚から恐れを抱かせる。戦慄した様子で動きを固めたエルマー達の中で、レイガンだけが落ち着いていた。
海面から浮かび上がってきた顔が、水の皮膜を纏うようにして姿を表す。海から現れた彫刻のように美しい少女はしかし、その大きさだけが異質であった。
嫋やかで、大きな手がクラーケンを持ち上げる。振り回される触腕を気にも留めずに顔の高さまで運ぶと、その整った顔を口元から真っ二つに引き裂くようにして丸齧りした。

「な、な、な、」

ごきゅ、ぷち、ばきょっ。
口の中で弾けるような咀嚼音を響かせながら、まぐまぐと食らう。
暴れ回っていた触手は徐々に力を失い、食い千切られるのを待つのみだ。
美味しそうに、最後の一口まで口に詰め込むと、人外の少女はお行儀よく海水で手を洗い、満足そうな顔をした。

「おまえ、ニアか……?」

引きつり笑みを浮かべるエルマーが、問いかける。
紫色の瞳はキラキラと輝いた。被膜のように美しい髪を揺らす人外は、顔に浮き出た蛇の鱗を艶めかせながら宣った。

「そーだ。」
「まじか……」
「ニアはあれが本性だ。神はそれぞれ仮初の姿を持つ、このガニメデも本性はもっとすごいぞ!」

ぐわははは!と笑いながら触手を振り回すガニメデは、久しぶりにみたニアの本性に満足したらしい。
神の中でも、特にニアは獣じみているからなあ。そう笑ってはいるが、そんな簡単にまとめるなと言いたい。

「ニアたち神は、この姿では戦いには参加しないんだ。本性で参加してたら均衡が崩れるだろう。だからニアたちは仮初の姿でしか助けられない。この姿も、たまにするくらいか。あまりしたら、レイガンが魔力枯渇で死ぬしなあ。」
「おい、レイガン。なら断ればよかっただろ。」
「ニアならともかく、他の神からの指名だぞ。簡単に断ればこちら側に咎が来る。ガニメデがどういう言いがかりをつけてくるかはわからないが、俺たちは自分の傅く神以外は断ってはいけない。自分の神の信頼に関わってくるからな。」

過去に他の神からの命令に背いた愛し子がいたらしい。
断られた神は、お前の愛し子は俺よりも偉いのかと問いかけ、愛し子が傅く神はその格を大きく落としてしまったという。

「神格が落ちるのは、信仰が落ちるということだ。それは出せる力に関わってくる。ニアは、俺の先祖によって神格を大きく落とされた。だからこうして求められたときしか本性を現せない。」
「ううん、じつにすっきりした。でももう戻らなきゃ、レイガンがまた倒れる。」

そういうと、ニアは肩をすくませた。白い光は体を包み込む。やがて何かを落とすように小さな水音ぽちゃんとして、ガニメデの触手がそれを掬い上げる。
小さな体で鎌首をもたげる。いつもの蛇の姿に戻ったニアの鱗は、いつもより艶が増しているような気がした。

「ぅぐ」
「吐くのか!?」
「ちがう。」

甲板に降り立つやいなや、身をのたうち回らすようにえづくニアに、サジがぎょっとする。
冷静に窘めるレイガンの前で体を膨らませたニアは、げぽっと大きな魔石を吐き出した。
青く光る宝石のような魔石は、先程のクラーケンのものだ。

「これはレイガンにやる。まあ詫びというものだ。」
「別にいらないが、もらっておく。」

ニアの言葉に小さく頷くと、レイガンがそれをインべントリにしまい込む。
体に負担をかけたレイガンへのお詫び代わりだ。共に旅をする中でのやりとりも慣れたものであった。

「ガニメデ、あんまりわがままいうのだめだよう。」
「御意。」
「ナナシには素直なんだよなあ。」
「まあ、逆らえんしな。」

疲れたニアが、レイガンの服の中に戻っていく。
服の中に隠されたニア専用のポーチに手を添えると、レイガンがそっと呟いた。

「お疲れ。ありがとうニア。」

なんのなんのー。という声がした。神だが、この気楽さには救われる。
レイガンが小さく笑う後ろでは、緊張から解き放たれたのか、サジが身を投げ出すようにして寝転がっていた。
カストールが見えてくれば、徐々に船の勢いは緩やかになっていく。穏やかな波に優しく押し返される感覚が心地よく感じてくる頃には、ガニメデはゆっくりと動きを止めた。

「おーい、お前らそろそろだぞ。ここから先は飛んでいけ。我はそろそろ潜るからな、アロンダート。いい時間だった。実に満足だ。」
「座っていただけだがな。ガニメデも、早く愛し子と出会えるように祈っている。」
「信仰してくれるのか。やはり惜しい人材だ、まあ何かあったら一度くらいは助けてやろう。達者でな。」

ガニメデはごきげんな声色で宣うと、長い触手でアロンダートを持ち上げた。思いの外丁寧に甲板に下ろすと、その先端を振るようにして体を透かしていく。
ぎいい、と不穏な音を立てて傾き始めた船に気がつくと、エルマーは慌てて転化したギンイロにナナシを跨らせた。

「レイガン、おまえは僕たちと一緒だ。」
「ああ、わるいな。」

黒い霧とともに魔獣の姿へと転じたアロンダートが、羽を折りたたむようにして体高を低くする。その背にサジとレイガンを跨らせると、先に飛び立ったギンイロを追いかけるようにして空へと飛び上がった。
碧海へと沈んでいく巨大な幽霊船に、ガニメデが触手を回した。クラーケンもかくやと言わんばかりの大胆なガニメデの去り方を前に、本物と間違われるんじゃないのかと頭をよぎったが、あながち間違いでもなさそうだ。

そのまま、ギンイロから定員オーバーだと文句を言われることもなく、カストールの船着場近くに降り立った。大きな波よけの岩の影に隠れるようにして、人気のないところまで移動する。

「っと、ほら」
「うん、」

エルマーの手によって抱き下ろされたナナシが、不安定な石だらけの地べたに降り立った。しっかりとエルマーの服の裾を握りしめたまま、その金色の瞳に収めるようにして辺りを見回した。
大きなお耳が、ピクンと反応を示す。クンクンと空気の匂いを追うようにして確かめると、その豊かな尾でゆっくりと地べたを撫でた。

「どうした。」
「ここ、ナナシのちのにおいがする」

怯えるように小さく宣うナナシの腰を抱く。難しい顔をしたエルマーの横にレイガンが降り立つと、警戒するように辺りに視線を滑らせる。
どうやらナナシだけが感じ取る何かがあるらしい。小さな手が背に回る。
ナナシの頭を引き寄せるように己の胸の辺りにもたれかからせると、エルマーは思考をまとめるようにして呟いた。

「……、匂いがわかるってんなら随分とでけえもんに食わせたってことか?」
「ううん……んとね……まざってる……?」
「まざってる?」
「うううう……んー……、」

エルマーの問いかけに、ナナシはうんうんと頭を悩ませる。どうやらうまく説明できる語彙が見つからないらしい。
ひとまずは上陸に成功したのだ。聖石の存在を探るにも、こちらがシュマギナールから来たものだと、バレないように動かねばならない。

「カストールかあ……」
「う?」

階段のように整列する、白い町並みを見上げながら呟く。
そんなエルマーの雰囲気がいつもと少し違うことに気がつくと、ナナシは首を傾げるようにして、整った顔を見上げた。

「なんでもねえよ。」

その言葉が、誤魔化しだということを、ナナシはしっかりとわかっていた。無骨な手のひらを、引き寄せるようにして繋ぐ。
キュウ、と握り返したのに、こちらを見てくれないエルマーは初めてだった。
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