名無しの龍は愛されたい。

だいきち

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シュマギナール皇国編

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依頼主はダラス祭祀そのもので、どうやら孤児院周りに出る魔物の討伐だった。
ここ数日、夜になると現れる首のない魔物が、何かを探しているようにこの周辺を徘徊するらしい。
受付の男は、見た目が少しアレなので…と言葉を濁した。
どうやら事実確認の為に出向いた際に、護衛代わりに連れて行った冒険者が、あまりの醜悪さに怖気づいて逃げ出したとのことだ。
一体どこの走りの冒険者だと思ったが、話を聞く限り魔物はアンデッド系で間違いはないだろう。
ここいらでは滅多にお目にかかれないので、無理もない。幽鬼でさえ相手をするのは遠慮したいという奴らは多いのだ。
見た目はグロテスクなのは確定したようなものだ。エルマーが今まで見た中で一番寒疣が立ったのは、女性の乳房が幼虫の脚のように連なる娼館に巣食う死霊だった。あれを見てからしばらくは女を抱けなくなる程、記憶に残る醜悪さであった。

「依頼日時は明日の夜です。達成は魔物の死骸の一部と魔石でお願いします。」
「なんの魔物だかわかってねんだろ?」
「首無しということ以外は、まったく。」
「ふーん。」

依頼の受付を済ますと、ちらりとナナシを見た。このまま連れて歩くなら、冒険者として登録したほうが身分証代わりにもなる。キョトンとした顔で見上げてきたナナシに、試しに保有する魔力を調べる検査をやってみるかと確認すると、怯えながらも、小さく頷いた。

「では、二階にお上がりください。担当の者がお調べしますので。保有量によっては魔女協会への推薦もできますよ?…まあ、このところそこまで膨大な魔力を持つものは出ておりませんが。」
「そんなワケワカランとこにうちのナナシはやらねえ。調べるだけだっつの。」

エルマーに手を引かれてニ階に続く階段へ向かう。粗野な輩は怯えるナナシが面白いのか、すれ違いざまにわざと脅かすような素振りをしてくる。ナナシは粗野な者たちの加虐心を満たす見た目だ。脅かされるたびに泣きそうになりながら、エルマーの腰に抱きつく。

「えるぅ、っ…こぁい…」
「おっと、相手にしなくていいぜあんなん。」
「うぅ…」

フードの縁を握りしめて縮こまるナナシの肩を抱く。エルマーはニヤつく男たちの視線からナナシを隠すようにして抱き上げると、階段を使って二階へと上がる。
事前に話が言っていたらしい、二人を待っていたかのように奥の扉が開かれると、気難しい面の検査官の親父が、ひょこりと姿を表して、その身を端に寄せて入室を促した。

「説明はいりますか。」
「いらね。」

それではと差し出された水瓶の中には、灰色の水晶体が底に沈んでいた。周りの水は魔力が多い場合にはぶくぶくとその水面の揺らぎで教えてくれるものだ。水晶体が割れないように水が波打てば手を離すのがルールだった。

「ふゎ…」
「おっし、俺がやるからナナシは見てな。」
「あぃ、」

水瓶を不思議そうに見つめていたナナシは、腕まくりをするエルマーの横で、大人しくその水晶体を見つめた。上から水晶体を手で掴む。中の濁りは瞬く間に透明なものに変わり、ボコンと大きな泡が水面を揺らした。
エルマーがその泡が増えないようちに手を離すと、目を丸くした検査官がエルマーを見上げる。

驚くのも無理はない。通常無属性はそこまで純粋な透明を誇ることはないからだ。通常は他の色が交じる。青なら水や氷、黄色なら土、緑が風に、赤なら炎だ。
エルマーのは交じりっけない透明。これは他の属性の魔術を一切使えないと言うことである。
逆に言えば後衛特化の無属性魔術の効果は計り知れない。しかし自身が動くほうが早いので、それを行わないのがエルマーだが。

「騎士団とかには入らんのですか。ここまで強い無属性ならきっと引く手数多ですよ。」
「煩わしいの嫌いなんだわ。」

エルマーのお手本をみたナナシは、手をわきわきとさせて期待に胸を膨らます。
自分の色が知りたかったのだ。エルマーのような綺麗な透明、お揃いなら嬉しい。そんな仄かな期待に胸を膨らませると、そっと水の中の水晶体に手で触れる。

「う…?」

体から何かが抜ける感覚がして、ぎゅるりと水晶体のなかの灰色が急激な渦を巻いた。乳白色の、角度によってはオパールのような輝きを内側に宿した瞬間、まるで飲み込むかの様な黒が水晶体を染め上げた。
不思議な輝きを纏ったそれは、波打つ度に黒く輝く。時折姿を表す乳白色は、まるで水面から顔を出すようにちらりと見えては、再び飲み込まれていく。

検査官の息を呑む音と共に、ぴしりと珠に亀裂が入った。

「っ、ナナシ!はなせ!」
「ひゃ、っ」

慌ててエルマーがナナシの手を水瓶から引き抜いた瞬間、まるで薄玻璃が砕けるような鋭い音と共に、水晶体が弾け飛んだ。
エルマーによって腕は引き抜かれたものの、弾けた結晶が襲いかかるようにナナシに向かう。エルマーはその体を引き寄せ、庇うかのように前に出た。水瓶を倒しながら、共に倒れ込む。相当大きな音がしたのか、階下がにわかに騒がしくなった。

「な、な、これが砕けるだなんて!!聖水晶だぞ!!」
「ぐ、っ…んなこといいから早く医者よんでこい!!ナナシ、くそっ!!」
「ぃ、っあ…っ、」

エルマーの腕に守られたとはいえ、近くにいたナナシはまともに破片を食らっていた。
かざしていた細い右腕は弾け飛んだ結晶によって深く裂かれ、その傷はエルマーの左肩と繋がるようにして互いの体に刻まれた。
エルマーの体は大人だ。腕だってナナシよりもずっと太い。
それに比べ、小柄な体躯のナナシの腕からは、夥しい血が吹き出した。顔を青褪めさせ、弾け飛んだ衝撃で指の骨も妙な方向に折れている。エルマーは腰に巻きつけていたホルスターを外すと、ナナシの腕の高い位置できつく縛り上げて止血をする。

「ひ、ぎっ…!」
「くそ、サジィ!!!」

自分の肩の傷は構うことなく、ナナシの服を破って上半身を裸にする。腹に刺さっている破片に目を見開いたエルマーは、それが下手に動かないようにしっかりと握りしめる。

「止血してくれ!」
「は、はい!」

正気を取り戻した検査官が、慌ててその破片を避けるようにして、首に巻いていたストールでナナシの避けた腕の上腕部を固定する。小さな体を染めあげる血に、検査官の男の手は震えていた。

「おお、なんだ。修羅場と言うやつだ。」
「俺のインベントリからポーション出してくれ、お前治癒術使えたよなァ!?」

ふわりと風がふいて現れたサジに、検査官は呆気にとられる。エルマーは痛みで震えるナナシを床に寝かせたまま、サジと場所を入れ替わるようにしてナナシの体を押さえつける。
手首を掴んで心臓よりも高く腕を上げる。止血して血の流れは抑えられたが、それでもつかんだ手はひどく熱く、発熱していることは明白だった。
サジはそのまま、ふむ。と一つ頷くと、ポーションを取り出し、まずは裂けてしまった細い腕にぶっかけた。

「ひ、っっ、ーーーーぁ、あ゛っ!」
「痛えよな、我慢しろ。」

じゅわ、と煙が噴き上がる。血肉が急激な熱を持ち、修復を始めた証拠であった。エルマーの手によって、触れた部分から無属性魔術の身体強化が施され、急速に細胞を活性化させているのだ。傷口はジュクジュクと泡立ち、肉が作られていく。
サジは、エルマーの代わりに腹の破片を抑えている親父の手の上に己の手をかざすと、深く刺さった破片をゆっくりと魔術で浮かせながら、こちらも徐々に治癒術を施していく。細い体は痛みから痙攣を引き起こし、足の間からはじんわりと水溜りが広がった。

「痛いだろう。うふふ、なかなか色っぽい顔をしている。」
「くそ、暴れんな!もうすぐ抜ける!」
「え、ぅっ、ぐ、ぁ、っ…!ひ、ゃだ、ぁぅ…っ!」
「ほぅら、綺麗に取れた。」

腹に刺さっていた欠片を完全に抜き去る。腹の修復は痕を残して治癒を終えた。赤黒い血を纏うそれを床に置くと、今度はエルマーの代わりにサジがナナシの腕を掴む。腕の傷は避けた部分から徐々に癒着をしているが、流れた血ばかりは取り戻せない。とにかく傷を塞ぐのに集中するエルマーの額には、脂汗がにじみ出ていた。

「あと、少しだからよ…、っ…」
「っ、…っ、…」

声にならない悲鳴を上げ、体をこわばらせるナナシは、酷い痛みと熱で朦朧とする意識の中、眉を寄せたエルマーが、鼻血を垂らしながら腕を修復してくれる姿を見つめていた。

ああ、こんな自分の為にそこまでしてくれるのか。そう思うと、金色の瞳から涙が溢れた。痛みが徐々に緩和されていくのを確かに感じる。治癒術による暖かな温もりが広がって、痛みが抜けたナナシは、身を投げ出すようにしてぐったりとしていた。疲れすぎて声すら出なかったのだ。

腕と腹が痺れて感覚がない。サジまで駆り出されて、なんだかとっても大事だ。
割れてしまったアレは、どうしたらいいのだろう。きっと高いんだろうな、ナナシの体で払えるのかな。そんな、エルマーが聞いたら怒り出すに違いないことを思いながら、プツンと糸が切れたように意識を飛ばした。
こんな怖いことは、久しぶりだった。
エルマーは、急に力が抜けたナナシを見て、大いに慌てた。サジが雑に残りのポーションをばしゃりと腕にかけて皮膚を無理やり形成させると、ナナシの腕には歪な引き攣り痕が残る。

「痛みで気絶しただけである。まったく、なんでこんなことになっている。というか、エルマーもナナシとお揃いだなあ。」
「…俺はいいんだよ。ちくしょう、やらなきゃよかった…」

項垂れるエルマーの袖を引き裂くと、サジが治癒術を施す。全くこいつは自分のことはおざなりか。そんな、文句を言いたげな顔である。
じわじわと熱が広がるように、浸透するサジの治癒術を感じながら、エルマーは自身にも無属性魔術を施して細胞を活性化させようとしたのだが、もはやスッカラカンで何も残っていない。
エルマーの力を根こそぎ注ぎ込んだと言うことは、それだけ危ない傷だったのだ。
徐々に体温が下がってくる気配がする。エルマーは項垂れるようにサジの肩口に頭をぶつけると、掠れた声で呟いた。

「やべえ、サジ。あとは頼んだ。」

体内の魔力は燃料のようなものだ。それがなくなると、つまるところ倒れる。

「む。落ちたか。」

まるでサジに凭れ掛かるようにして、どさりとエルマーも崩折れる。二人揃って、戰でもないのになんでこんなに血生臭いのか。サジは疲れたように溜息を漏らすと、倒れた二人を見つめる。そして、夜の肉豚との予定を思い出すと、その端正な顔を歪めて渋い顔をした。







「…………。」

薄ぼんやりとしたオレンジ色の明かりが、室内を柔らかく照らしている。
エルマーはしょぼしょぼする瞼をゆっくりと開くと、ゴシリと擦って視界を明朗にする。
なんだか、下半身がやけに痺れる。ぬるつく何かが纏わり付いているようで、少しだけ気持ちがいい。ここは娼館だったろうかと思ったが、そんなわけはないと眉間にシワを寄せる。

「あ?」
「んむ、」
「サ……、」

布団を捲くると、サジがエルマーの足の間を陣取り、くつろげた前から性器を取り出して頬張っていた。
ラブラドライトの瞳が緩く細まり、ジュル、と音を立てて吸いつかれ、ひくんと腰が跳ねる。
ニヤリと笑ったサジは、そのままずるりと口から性器を引き抜くと、見せつけるように手で握り、血管の浮かぶ幹に舌を這わせた。

「お目覚めかエルマー。お前らのせいでサジの予定は台無しである。」
「あー‥、そういや豚肉となんかあるっつってたっけ…」
「んむ、っ…にくぶたら、ぁ、んぐっ…んふふ、おいひぃ、」

ぼすんと音を立てて、再び枕に頭を預ける。下半身は気持ちがいいが、傷口はまだ痛む。

「こちとら病み上がりなんですけどぉ…いてて、」
「んんん、っ、サジだって予定を潰したのだ。ご褒美くらいよこせ。」

サジの頬が微かに染まる、唾液を絡ませながらじゅるじゅると音を立て、頭を揺らすサジの髪を耳に掛けてやる。
貧血のせいだろうか、頭は未だ重だるい。サジに好き勝手させてやるくらいには、まだエルマーの思考は覚醒してはいなかった。

なんで魔力がスッカラカンになってんだ?エルマーは下半身をご機嫌でしゃぶるサジの髪の毛を手慰みにわさわさと乱しながら、おぼつかない思考で考える。
サジの喉が締まって、ひくんと腰が跳ねる。ああ、具合が良い。エルマーはそのままサジの頭を挟むようにして足を組むと、その首を締め上げるようにして深く咥え込ませた。サジの咽頭が狭まる。粘度の高い唾液が絡みついて、後もう少しでイきそうだった。

「っ、…イキそ、」

腰が浮かぶ。グゥ、と妙な声を漏らしたサジが、一際強く吸い付いた時、エルマーは顔を背けるようにして隣のベットを見て、ハッとした。

「んぶ、っ…ぅふ、ふっ…はぁ、っエルマー?」
「ナナシは!?」
「ぉわあ!!っ、」

隣のベッドにナナシが居ない。エルマーは一気に覚醒すると、股ぐらに顔を埋めていたサジを床に落とすほどの勢いで飛び起きた。
ゴン、と音がしたのでサジが頭をぶつけたらしい。痛そうなうめき声とともに、むくりと起き上がる。不服そうに口周りの唾液を雑に拭ったサジは、渋い顔をする。

「馬鹿め、逆である。」
「逆である…?」

サジがのそのそ立ち上がると、エルマーの向いた方とは反対を指さした。

「あ、」

そこには、頬を染めながらすよすよと眠る、ナナシの小さい体が横たわっていた。
エルマーは慌てて身なりを整える。あー!!という名残惜しそうなサジの声が飛んできたが、それどころではないのだ。
己のベットから降りると、床にひざまづいて、ナナシの寝顔を覗き込む。起こさないように気をつけながら、頬に触れると、己の額を手のひらで覆う。
少しだけ熱が出ているようだ。ナナシの口元から漏れる吐息が熱い。

「よかった…」

エルマーは、ナナシがこうしてきちんと呼吸をしていることを確認すると、重い溜め息と共にズルズルとべットへと凭れかかるように突っ伏した。らしくないエルマーの様子を鼻で笑うと、サジはエルマーの寝ていたベットに腰掛けた。

「エルマーもナナシも、サジに感謝するべきだ。まあ、マイコニドがナナシを運んだのだが。」

手についた先走りと唾液をぺしょりと舐めたサジの言葉に、エルマーが顔を上げる。

「傷は?」
「綺麗サッパリ。痕は残ったがエルマーの魔力と引き換えにこの通り。」

サジはナナシの手首を掴んで持ち上げた。どうやら服は着せていなかったようで、持ち上げた腕に引き摺られるようにして寝具まで捲くれ上がった。サジがナナシの体を検分しても起きなかったのだ。体力のない体は回復のために休息を欲しているようである。
右腕と下腹部に大きな傷だ。ただでさえ背中にも傷があるというのに、また痕が残る大怪我を、エルマーはさせてしまった。
ナナシの右腕の傷は二の腕半ばで不自然に途切れていた。かばったエルマーの左肩の背中側に、繋がる形で刻み込まれたその傷は、エルマーの後悔の証である。
そっと左肩に巻かれた包帯に触れた。魔力がまだ完全には戻らず、自己治癒に頼るしかないその傷が痛い。
思い付きで魔力を図ろうだなんて、と今更後悔をしてももう遅い。サジは濡れた布を絞ると、それをナナシの額に乗せ、そっとその幼い寝顔を見つめた。

「嫌ってた割に、面倒見が良いじゃねえか。」
「時期穴兄弟だからな。」
「お前の一言で全部台無しだわぁ…」
「うふふ、嘘だ。いや嘘ではないか…、ナナシはマイコニドを守ろうとしたからな。」

つん、と布地に指先で触れると、風の属性魔法の応用でその布巾を冷たく冷やす。その整った顔でナナシを見つめると、その瞳を細めてそっと呟いた。

「呪いだと。強い呪いがかかっているのだと言っていた。」

サジは検査官に言われた言葉を思い出すように口にする。割れた水晶体に浮かび上がってきた、不穏な黒は呪いだと、そう言われたのだ。白い嫋やかな手の平が、ナナシの下腹部の傷をなぞった。

「聖水晶とは、いわば聖属性の魔石をいくつも取り込ませてつくった結晶だ。それが弾け飛ぶほどの呪いが、どれだけ重いことか。」
「呪い、」
「サジが俗世を捨て、エルマーを主として蘇ったあの呪いよりもずっと重い。むしろ、たとえが見つからん。」

くうくうと寝息をたてるナナシは、時折むにゅ、と唇を動かす。サジの手は、ゆっくりと肉の柔らかさを確かめるようにナナシの肌を覆う。その手が優しくナナシの頬に触れると、手の甲でそっと撫でる。

「うむ、わからん。まあナナシはとりあえず元気だから大丈夫だろう。」
「お前にわかんねえもんが俺にわかるわけもねえ。まあ、なんだ…助かった。」

サジもエルマーも、ナナシの身のうちに凝っている呪いについては、これ以上は何も語らなかった。いや、語れなかったという方が正しい。
二人とも、ナナシの過去は知らない。一体、いつ身の内にそんなものを溜め込んでしまったのか。

もしその呪いが宿ってしまったのが、記憶を消され、奴隷として売られていた頃だとしたら。
なんの理由があってそんなことをしたのかはわからないが、恐ろしい何かがナナシに忍び寄る、その明確な悪意の気配だけは濃厚だった。


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