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2章

それが一番効果的 *

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あの後そのままの足で検診に向かい、新庄先生にことのあらましを伝えると、何がツボったのか盛大に笑われた。
いわく、きいちくんは晃くんの息子だねぇ!と面白がっていた。きいちが心配していたスタンガンを押し付けられた場所だが、幸い俺の傷は小さな火傷くらいだったので大したことはなかったんだけども。

「きいち、」
「………………。」
「きいちさん?」
「………………。」
「はぁ…」

帰宅後、急にメンタルががたがたになったらしい。本気でキレたあとの反動だろうが、ソファーに腰を下ろした瞬間、無言で膝に跨ってきたかと思うと首に腕を回してがっちり抱きついてきた。きいちのふわふわの髪が頬に当たって、少しだけくすぐったい。

「おい、大丈夫だから。」

腰をポンポンと叩いても微動だにしない。むしろさらに抱きつく力が強まった。
時折ぐすっ、と鼻を啜る音がしているので多分もうすぐ泣くだろう。
子供をあやす前に、すでにきいちで練習しているような気さえしてくる。こういう時は体の力を抜いて、相手が満足するまで好きなようにさせるのが一番だった。

「ふぁ、あー‥」

きいちにしがみつかれたまま、背もたれに背を預けながらあくびを一つした。乗っかる体温があたたく、背中を撫でながらまじまじと天井をみあげる。
場面は違うが、天井のシミを数えているうちに終わるだろうか。あいにく新居なのでシミを探す方が骨が折れそうだが。

「ぅ。」
「ん、元気だな。」

俺ときいちの間に挟まれてご機嫌なのか、ポコンと腹の子が蹴ったらしい。俺の腹にもその振動が伝わってきた。
小さな衝撃にきいちが細く声を漏らす。俺でも反応してもらえなかったのに、さすが俺の子だ。

「きいち、大丈夫だって。な?」
「…しゅんくん、」
「うっわ、すげぇびちゃびちゃ。」

ようやく顔を上げたきいちは面白いくらい顔をべたべたにして泣いていた。テーブルからティッシュを取ってそのダダ漏れの水分を拭ってやると、目と鼻を真っ赤に染めながら、なんとも面白い表情でじいっと見つめてくる。

「…、ふぐ…っ…」
「まてまてまて。」

じわじわと目に溜める涙と鼻水を再び拭うも埒が明かない。仕方なくタオルでも取りに行くかと立ち上がるためにきいちを退かそうと一度抱き上げると、絶対に離れないと言わんばかりに腰に足を絡めて抵抗してきた。

「おわ、っとと、わかったわかった。いててて。」
「うぅー‥」

なんで退かそうとするのだと抗議するようにがぶがぶと肩口を噛まれながら、よだれと涙と鼻水でベタベタにされる。こりゃ明日はこのカーディガン着れねーなと潔く諦めると、抱き上げたままタオルをとり、そのまま寝室にむかった。

きしりと音を立て、ベッドに座る。そのまま横向きに寝転ぶと、もぞもぞと動いて収まりのいい場所をみつけたのか、首もとに鼻先を埋めて腕の中に大人しく収まった。

あぐあぐとシャツの襟を食みながら愚図るきいちの頭を撫でながら、一眠りするかと目を閉じようとした。

「…、きいちさん?」
「うぅ、」
「いや、うぅ、じゃなくてな。」

なんだか愚図り方が振り切りすぎて野生化している気がしないでもない。俺の襟元をくわえ、ピッタリと体をくっつけながら、きいちの細い手が着ていたスラックスの留め金を外す。じじ、っと音を立てながらファスナーまで下げてしまうと、そのままボクサーの中に手が侵入してきた。

「まさかお前から襲われる日が来るとは。」

もぞ、と少しだけ位置を変えたきいちが、ぺしょぺしょと鎖骨の間を舐めながら左手でシャツのボタンを外す。右手はそのままやわやわと性器の形を確かめるように揉むと、甘い刺激に少しだけ吐息が漏れた。

「んぐ、」
「いってぇ!」

頬に触れると、あぐっと親指を噛まれる。無言で親指を口に含むと指に舌を絡ませながらちぅちぅと吸う。その様子が扇情的で、ぐっと性器を膨らませると目を細めて嬉しそうな顔をする。

「てかなんで噛む、子犬じゃあるまいし」
「んゅ、」
「んゅ、じゃなくて。」

親指に満足したのか、口を離すと次は人差し指、指の股、中指と、舌を這わせながらがじがじと時折噛まれる。もはや諦めてきいちの唾液でベタベタになった指を遊ばせていると、ぺっと口から指を離す。指先ときいちの赤い舌を繋いでいた銀糸がぷつりと切れると、俺の胸元から腹筋、下腹部にかけてきいちが手を這わせる。
ちくりとした痛みに下を向くと、下腹部に赤いキスマークが散らされていた。

「きいちはスケベだな、っいってぇ!!」

うっとりしながら下腹部に口付け、性器の根本もぺろりとひと舐めした姿にからかい含めて口にすると、ぐいっと茂みを引っ張られて無言の抗議をされた。

「あんま意地悪言うとここ三編みにするからな。」
「むしろ意地悪されてるの俺の方なんだけどな。」

さすがに、下の毛を三編みにされるのは辞めて貰いたい。両手を上げて降参をアピールすると、むくれたまま、はむはむと柔らかな唇と舌で根本を挟むようにして愛撫する。茂みを唾液で濡らしながら、とろけた目で下腹部に走る血管を指で辿る。
血流が走り、ひくんと性器が震える。ぺちりと先端がきいちの形のいい額を叩くと、両手で性器を握りしめて甘やかすかのようにぺろぺろと先端を舐めた。

「っ、ご機嫌だな。」
「んむ、…たのひぃ…」
「そら良かった、は…、っ」

いつものフェラとは違い、きいちがいましているのは自分の好きなように遊んでいるだけだ。深くくわえこまれることはない分、じれったい。
思わず腰が揺れると、忘れてたと言わんばかりに奥まで含み、ぢゅ、と音を立てて強く吸い付く。

「っ、それもっと…」
「んぶ、っ…」

かぽかぽとゆっくりと歯をたてないようにしながら飲み込むように頭を揺らす。
ゆっくりと茂みの付近まで口を寄せるきいちの耳を柔らかく擽ると、体温が移って少しだけ熱いピアスに触れた。

「は、むりすんな…っ、て…」
「んん、ぅ…」
「っ、ばかやろ、っ」

涙目でちろりと見上げたと思うと、まるで飲み込むように喉を締める強い刺激に、性器の中に燻っていた精液が勢いよく吹き上げる。きいちの喉奥に叩きつけるようにしてどくどくと吐き出す射精は酷く気持ちよく、ひくひくと腰を震わせながら数度腰を揺らめかせた。

「っぁ、く…、っ」

くちゃ、と音を立ててずるりと口から性器を抜くと、ドロリとして飲みきれなかった白濁がきいちの口の中と性器を繋いでぼたぼたとシーツに垂れる。
けほけほと咽るきいちの頭を撫でると、持ってきていたタオルで口周りを拭いてやろうとして、それに手を伸ばした瞬間だった。

「っうぁ、…き、きいち?」

下半身の刺激にびくりと跳ね上がると、振り返った先には再び性器を口に含むきいちがいた。

「おま、もうはなせ…っ、」
「もっ、かぃ…らひて、」

あぷっ、と纏わり付いた精液を上顎でこそげ取るようにして吸い付き舌を這わせる。射精後の敏感なそこを良くできましたと甘やかすように何度も舌で撫でられては甘く吸い付かれ、下半身がバカになるほどの強い性感に自然と呼吸が粗くなる。

知らないうちに、どんどんとうまくなっていく。
もう勘弁しろと叫びたい声よりも先に出たのは、情けないくらい掠れた声だった。

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