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2章

内なる獣 *

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「ひぁ、っ…んやぁ…あ、ぁふ…っ…」
「っ、すこし、だまれ…」
「ンぅ、ん…っ…」

末永と学が。互いに高めあっていたこの部屋で、今行われているのは背徳の行為だ。
学校や、生徒の為に取り組んだ様々なことを生み出したこの机の上で、学は細い体を震わせながら、末永の張り詰めた性器をその薄い腹に飲み込んでいた。

「ふ…、っ…」
「ゃ、んぅー‥、よ、よぅ…へ…くぅ、ひ…っ…」

まるで手負いの獣のように荒っぽくその身を暴かれ、痛みこそないものの腹の中側の熱は今にも中を溶かしてしまいそうなくらいだった。
好きにしていいとアピールこそしたものの、まさかここまでワイルドに抱かれることになろうとは思わなかった。それほどまでに、今までの末永の手付きは紳士のように優しく、それでいて丁寧だったのだ。

「ぁ、ふ…」
「ん…、馴染んできたか…」
「んゃ、ぁー‥っ…」

内壁の具合を確かめるように、ゆるりと腰を揺らめかせて性器を中に擦り付ける。学の内側の媚肉は、まるで甘えるかのように絡みついてくる。
片手で数えられるほどでしか抱いていないにもかかわらず、随分と中がこなれてきたなと思う。
一重に快感を受け取りやすい従順な体と、末永の執拗な愛撫の賜物なのだが、これも才能と読んで差し支えはないだろう。
それくらい、目の前の学は快楽にその身を溶かされ、まるで幼児退行をしたかのように泣いて甘えていた。

「やぅ、う…っ…よ、ぅへ…やぁあ…」
「嘘つけ、ここすきなくせに。学は嘘つきの悪い子か?」
「ぁ、っ…ちが、ぅ…きもひぃ…ふぇ、っ…」
「ならどうするんだ、学。」

ぐじゅぐじゅと断続的な刺激に甘く蕾を収縮させながら、末永の頬を撫でる手の指先をちゅうちゅうと吸う。おねだりが苦手な学の無言のアピールだ。もっと気持ちよくしてほしい。そんな蕩けた目で見つめられると、結合部を広げてしまうくらいに性器をふくらませる。

「ぉなか…、くぅ、し…擦ってぇ…」
「動いてほしいのか?なら力を抜くんだ。できるだろ?ほら、きっと気持ちいい。」
「んやぁ!ぁ、ぁ、ぁ、だ、だめぇ、えっ…ひゃ、ぁ、ぁんっ…」

ぬぱぬぱと学の内壁が末永の律動を助けるかのように滑りを良くする。性器に絡みつく粘液は酷くとろけて、抜差しを繰り返すたびにポタポタと机を汚した。
学の細い腕が必死にその背にしがみつき、プラプラと投げ出された両足は、末永の腰の動きに合わせてゆれる。
学は熱に浮かされたぼやけた思考で足の間を陣取る末永を見ると、その小さい手を自身の性器へ伸ばしてその手で握りしめると、ちゅこちゅこと先走りを塗りつけるようにして末永の興奮を誘う。
ぽろぽろと気持ちよさで涙をこぼしながら、恥じらうように口元を隠し、その小さな尻を柔柔と締め付けながらの自慰をみて、末永の血管は切れそうなくらい興奮した。

「そのまま、一人で遊んでいろ。」
「ぁ、あ!っ、ひぃ、う、ぁ、あっあっあっ!」
「好きなだけ、乱れてしまえ…っ、」
「ひぃ、んっ!ゃらぁ、ぁン!っ、きもひぃ、っ…もっとぉ、っ…しん、じゃぅうっ!!」

びゅく、ぶぷっ、ぐちゅ、握りしめたままの学の性器からは先走りが恥ずかしい音を立てて吹き出す。汚さないようにと脱いだ白磁の素肌を薄桃色に染め上げながら、きもちいいと泣く。熱に浮かされた末永も、その細腰をがしりと掴むとその先端を奥深くまで食い込ませる様にして押し付けた。

「きゃ、ぅ…や、やめ…っ、」
「この、深い…ここに、っ…」
「ぉく、こわぃよぉ…っ…や、やらぁ…っ…」
「入れさせてくれないか、っ…学…」
「ひ、ぅ…」

互いの吐息が重なるほど近くから、興奮じみた目で真っ直ぐに見つめられる。あの冷静な男が学の前でしか見せない、獰猛な一面だ。お伺いを立てるように聞いてくる癖に、その先端は容赦なくぐりぐりと奥を刺激する。

ここはだめだ、壊れてしまう。

学の本能が、直感的な危険信号を出す。ここを突破されたら、もう逃げられない。
きっと骨の髄までこの獣じみた愛しい男に食われるのだろう。そう思うと、涙が出るほど怖いのに、無理矢理にでも奪ってほしいという矛盾した思いが体を支配した。

「う、ぅ…やぁ、…」

ぐぐ、っと奥を押し上げてくる性器を離すまいと、言葉とは裏腹に学の足が末永の腰に絡まる。組み敷かれたまま、両手を胸を押さえるようにして組むと、服從するかのように体の力を抜いた瞬間、

「ふ、…いいこ、だ…っ!」
「ひぎ、っ…あ、あ、…?っ、ん…かは、っ…」  

末永が先端のみを残して腰を引き、勢いのままその内壁を削り取るかのように打ち付けた。
ごちん!と音がするかのごとく、今まで体験したことのないような衝撃が学の最奥を貫く。

「は、は…っ、はひ、っ…」
「っぁ、…すげ…」

末永がその男らしい顔を歪めて快感に息を呑む。学の性器からはぶしゅ、と白濁混じりのものが吹上げ、性器が壊れたかのようにぴゅるぴゅると零す。

じゅぽじゅぽと最奥は先端を飲み込むように収縮する内壁の感度はダイレクトに学に伝わるようで、背を弓なりにそらして強い感度を逃す中、差し出された薄桃色の乳首を唇で挟むと、ひくんと体を跳ねさせた。

「ぁ、ぁんっ…ふぁ、っ」
「ふ、ここすきだろう…」 
「ひゃ、や、やっ!い、いっしょはだめぇ!!んあ、あっ、ぁあ、あっ!!」

ぢぱ、と胸の尖りに何度も吸い付きながら、その華奢な体を容赦なく揺さぶった。
がたがたと抗議するように軋む机をお構いなしに、その太い幹で奥底まで何度も何度も摩擦する。
はじめのうちは抵抗を見せた学だったが、やがて快楽に飲まれたのか、その身を投げ出すかのように抵抗をやめ、熱に浮かされた顔でだらしなく唾液をこぼしながらガクガクと揺さぶりに身を任せていた。

「イ、ぅ…でひゃぅ…ふぇ、っ…ようへ、っ…イっちゃうよぉ、っぁ、あっ」
「イけ、上手にだしてみろ。出来るだろう学…っ、」
「い、ァ、ァあっあ、アンッらめぇ、えっい、イくっ…イくぅ、っ!っあ!!」

ぐぱりと奥深くまで全て飲み込んだ。末永の繁みが尻にぴたりとくっついて、待ち望んでいた瞬間に幹は大きく膨らんだ。学の限界を追うように、激しく腰を打ち付けた後、コンドームの中に量の多い精液を吐き出した。

「ぁ、ぁ、っ」
「く、っ…ぅあ、…」

ぶるり、と身を震わして最後の一滴まで飲み込ませると、泣き顔で放心状態の学の額に唇を寄せた。
ひくんひくんと震える薄い腹を撫でながら、再び末永は腰を揺らめかせた。

「ひ、っ…ぁ、あ、ま、また…っ、」
「誕生日、なんだろう…っ…」
「ぁ、あっ…も、もぅらめ、っ…ゅるしっ、」

許しての3文字を飲み込むように口付けると、学の細い腰を再び鷲掴んだ末永は、コンドームを変える余裕すらないまま再びばちゅばちゅと激しく揺さぶり始めた。

学の迂闊な一言で目覚めさせた獣は、まだ収まりそうにない。生徒会室のなかに、学のすすり泣く声と甘い吐息が静かに浸透していった。

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