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物理はやめて
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「ファーー!!そっち!?そっちはノーマークでしたまじでまじで!?」
「益子うるっさ…」
先程までやけにピリついていた空気が、俊くんの言葉に反応した益子の興奮の雄叫びで呆気なく霧散する。
俊君はなんだか毒気の抜けたような、疲れたような顔で溜息を吐くと、心底面倒くさそうな顔で吉崎を手招きした。
あの温厚な俊くんを呆れさせたり苛つかせたり、僕の周りはすごいやつが多いな?必然的に僕の方に向けられてた俊くんの睨みはとかれ、サバ折りをやめた吉崎 はびびりながらも僕の影から出てきてくれた。
「怖い顔してごめん、きちんと話すからこっちきて。」
「え?あ、うん。」
僕はサバ折りから開放されたのでへろへろになりながら滾っている益子の頭を引っ叩いて大人しくさせておいた。
これから俊君が吉崎に侵入した件について見なかったふりをお願いするのだ。僕は楽観視はしていないが、吉崎は良いやつだと考えを改めたので、まぁなんとかなるだろう。
「は!?お前うちの学校じゃねえの!?」
「そ、きいちにジャージかりて混じって遊んでた。ごめんな?」
「くっそ!!なんだよそれ、見過ごしてた俺もお咎めもらうじゃんやめろよおー!!」
昼間のメススイッチは無事に押される前に戻ったらしい。よく考えたらそんなことしてたのバレたらたしかに生徒会もやばいな。
「ごめんよ吉崎、だから俊君に惚れたとしてもこの学校の生徒じゃないからなかなか会えないと思うんだぁ。」
「は?俺が惚れた?こいつに?」
「え?メススイッチ入ってませんでした?」
「めすすいっ…何言わせんだ!!」
バコンと思い切りボディーブローが入る。決定打ですわ!僕はお手本のように華麗にぶっ飛んだ。
まじ痛いけど、惚れてる反応じゃないのあれ!?
もし違うのだとしたらもうちょっと自分の反応を鑑みたほうがいい、僕のような犠牲者を増やさない為にも!
「俺は、友達になれるかもって…」
「あっソウデシタ…」
顔を赤らめながら本音を吐露する様子に、先程のやり取りを思い出す。
たしかに友達同士が仲良くじゃれ合っているように…見え…なくもないか?俊くんのイケメンオーラのパッシブスキルで勝手に僕らがラブに発展すると思い込んだだけらしい。
なんだよもおお!!!誰だよ勘違いさせたやつ!!!てか自損事故だよこんなん!!僕が勝手に暴走しただけじゃね?これだからルックスがいい奴らはまったく!!
「はぁあ…なんだ…よかった…」
「何がいいかはわからんけど、世の中何が起こるかはわからんよな?」
ポン、と益子がわけのわからないことを言いながら肩を叩く。おかえり、情緒もどってきたんだネ…。
「なら、他校で良ければ友達になるか。」
「え、…いいの…?」
気づけば俊くんも理解したのと、勘違いしたことに気恥しそうに笑いながら、吉崎に握手を求めていた。昨日の敵は今日の友っていうやつか…全部本日ではじまったことだけどな。ニュアンス的にはそんな感じなんだろう。
吉崎は嬉しそうにはにかみ笑うと、がしりと握手をした。男の友情だ!!夕日に照らされて爽やかな青春である!!これだよ高校ライフは!!よかったね吉崎…読経したかいがあったね?しらんけど。
「じゃあ、僕とも仲良くしてくれる?」
「えっ、あっう、おお、おっおん。」
「えっなになにこわいどうしたの!?」
ならばと便乗して吉崎に握手を求めると、ものすごく顔を赤らめながらバグり始めたので動揺した。なんでだよ!さっき抱っこしてたじゃん!僕もその仲間に入れてよぉ!!
「い、いいよ…」
「あ、うん…手汗スゴ…なんかごめんね?」
「お、おれはでも片平がよければととと、ともだっ」
「ええ?」
何かを一生懸命伝えようとしてくれてるようだけど、何故か僕たちの間には時空の歪みがあるようで正しく聞き取ることができない。
なになに?と顔を近づけ聞こうとすると、ヒンッと妙な声を上げて吉崎が後ずさる。
「そ、そんなに…?そんなにいや?え僕くさい?」
「いやぁ、青春だねぇ、うんうん。」
「はぁ…まじでか…」
益子は一体何を把握しているのか全くわからないのでシカトをするとして、俊君まで溜息を吐く始末。
今日頑張ったの僕のはずなのに、なにこの扱い!?解せません!!解せませんねぇ!?
吉崎は目を潤ませながら、今度は俊くんにしがみついて離れないのが面白い。吉崎の友達認定軽い割にパーソナルスペース一気に狭まるのなんなの?イケメンとかわいい子とか眼福でしかないけど、僕も俊君に抱きついていいかなぁ…
結局文化祭侵入の件は、吉崎の友達が増えるという形で回避、隠蔽を図ることに無事成功した。
そしてなぜかこのイベント以降から、吉崎が益子以上にくっついてくるせいで、生徒会絡みのゴタゴタに巻き込まれるようになる。トラブル体質はお祓いにでも行かない限りは取れなさそうである。
「益子うるっさ…」
先程までやけにピリついていた空気が、俊くんの言葉に反応した益子の興奮の雄叫びで呆気なく霧散する。
俊君はなんだか毒気の抜けたような、疲れたような顔で溜息を吐くと、心底面倒くさそうな顔で吉崎を手招きした。
あの温厚な俊くんを呆れさせたり苛つかせたり、僕の周りはすごいやつが多いな?必然的に僕の方に向けられてた俊くんの睨みはとかれ、サバ折りをやめた吉崎 はびびりながらも僕の影から出てきてくれた。
「怖い顔してごめん、きちんと話すからこっちきて。」
「え?あ、うん。」
僕はサバ折りから開放されたのでへろへろになりながら滾っている益子の頭を引っ叩いて大人しくさせておいた。
これから俊君が吉崎に侵入した件について見なかったふりをお願いするのだ。僕は楽観視はしていないが、吉崎は良いやつだと考えを改めたので、まぁなんとかなるだろう。
「は!?お前うちの学校じゃねえの!?」
「そ、きいちにジャージかりて混じって遊んでた。ごめんな?」
「くっそ!!なんだよそれ、見過ごしてた俺もお咎めもらうじゃんやめろよおー!!」
昼間のメススイッチは無事に押される前に戻ったらしい。よく考えたらそんなことしてたのバレたらたしかに生徒会もやばいな。
「ごめんよ吉崎、だから俊君に惚れたとしてもこの学校の生徒じゃないからなかなか会えないと思うんだぁ。」
「は?俺が惚れた?こいつに?」
「え?メススイッチ入ってませんでした?」
「めすすいっ…何言わせんだ!!」
バコンと思い切りボディーブローが入る。決定打ですわ!僕はお手本のように華麗にぶっ飛んだ。
まじ痛いけど、惚れてる反応じゃないのあれ!?
もし違うのだとしたらもうちょっと自分の反応を鑑みたほうがいい、僕のような犠牲者を増やさない為にも!
「俺は、友達になれるかもって…」
「あっソウデシタ…」
顔を赤らめながら本音を吐露する様子に、先程のやり取りを思い出す。
たしかに友達同士が仲良くじゃれ合っているように…見え…なくもないか?俊くんのイケメンオーラのパッシブスキルで勝手に僕らがラブに発展すると思い込んだだけらしい。
なんだよもおお!!!誰だよ勘違いさせたやつ!!!てか自損事故だよこんなん!!僕が勝手に暴走しただけじゃね?これだからルックスがいい奴らはまったく!!
「はぁあ…なんだ…よかった…」
「何がいいかはわからんけど、世の中何が起こるかはわからんよな?」
ポン、と益子がわけのわからないことを言いながら肩を叩く。おかえり、情緒もどってきたんだネ…。
「なら、他校で良ければ友達になるか。」
「え、…いいの…?」
気づけば俊くんも理解したのと、勘違いしたことに気恥しそうに笑いながら、吉崎に握手を求めていた。昨日の敵は今日の友っていうやつか…全部本日ではじまったことだけどな。ニュアンス的にはそんな感じなんだろう。
吉崎は嬉しそうにはにかみ笑うと、がしりと握手をした。男の友情だ!!夕日に照らされて爽やかな青春である!!これだよ高校ライフは!!よかったね吉崎…読経したかいがあったね?しらんけど。
「じゃあ、僕とも仲良くしてくれる?」
「えっ、あっう、おお、おっおん。」
「えっなになにこわいどうしたの!?」
ならばと便乗して吉崎に握手を求めると、ものすごく顔を赤らめながらバグり始めたので動揺した。なんでだよ!さっき抱っこしてたじゃん!僕もその仲間に入れてよぉ!!
「い、いいよ…」
「あ、うん…手汗スゴ…なんかごめんね?」
「お、おれはでも片平がよければととと、ともだっ」
「ええ?」
何かを一生懸命伝えようとしてくれてるようだけど、何故か僕たちの間には時空の歪みがあるようで正しく聞き取ることができない。
なになに?と顔を近づけ聞こうとすると、ヒンッと妙な声を上げて吉崎が後ずさる。
「そ、そんなに…?そんなにいや?え僕くさい?」
「いやぁ、青春だねぇ、うんうん。」
「はぁ…まじでか…」
益子は一体何を把握しているのか全くわからないのでシカトをするとして、俊君まで溜息を吐く始末。
今日頑張ったの僕のはずなのに、なにこの扱い!?解せません!!解せませんねぇ!?
吉崎は目を潤ませながら、今度は俊くんにしがみついて離れないのが面白い。吉崎の友達認定軽い割にパーソナルスペース一気に狭まるのなんなの?イケメンとかわいい子とか眼福でしかないけど、僕も俊君に抱きついていいかなぁ…
結局文化祭侵入の件は、吉崎の友達が増えるという形で回避、隠蔽を図ることに無事成功した。
そしてなぜかこのイベント以降から、吉崎が益子以上にくっついてくるせいで、生徒会絡みのゴタゴタに巻き込まれるようになる。トラブル体質はお祓いにでも行かない限りは取れなさそうである。
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