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読経姫、お迎えです。
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「はぁあ俊君いるかっこいい、いきしてるだけでかっこいい益子、僕生きてる?」
「地に足ついてる。てか、少し離れただけで情緒おかしくない?」
植木に長い足を組んで座っている俊君は、日の光に当たってキラキラ輝いているようで、まじでイケメンオーラだだ漏れである。
眠いのかな欠伸してる。鼻たっかいなおい。けぶるような睫毛も、高い鼻梁も枕詞に俊君がつくのは必然である。
「あ、きいち。」
「おまたせ!これは益子。」
「いや知ってるし、さっきの子だよね?」
「子!?俺そんなこと言われたのはじめて。」
だよね、益子はちなみに僕より2センチ高い175センチあるのだが、イケメン高身長な俊君の前に立つとみんな子とつく扱いになるのだ。
というか、この三人の中だと俺が小さくない!?並ぶとアンテナみたいでなんかやだ!
「さっきの吉崎に在席確認されない為に俊君のこと紹介しようかなって思ってるんだけどいいかな?」
「やっぱりか!うちの生徒でこんな目立つ奴いたらチェキ撮って売りさばいてるはずだからおかしいとおもってたんだよなぁ!」
「益子って面白いな。肖像権って言葉しってる?」
益子が話の流れで俊君が侵入中だということを理解したのは話が早いのだが、結構赤裸々に悪事を語りすぎじゃない?毛の心臓かよ。
「とにかく吉崎に会えばいいの?」
「そーなの、他の生徒会にバレても面倒だからどう呼び出すかなんだけどさ」
「なら私服に着替える?校門で待ち伏せするとか。」
「それだ。」
なにその少女漫画展開!個人的に超興奮するんですけど!?と益子はイケメンと読経姫のスキャンダルを取る気まんまんである。相手は自分であることが一番なのだが、イケメンと絡ませた写真は売れるとかなんとか。
益子の前に肖像権などはないのかもしれん。ちなみに僕も前に付きあいかけた子との写真を撮られたことがある。
「とりあえず益子はなにかにつけてカメラを取り出さないの!俊くんは着替え持ってきてる?」
「抜かりはないぜ。さすがに家から借りたジャージ来てくる勇気はなかった。」
「ならよかった。じゃあとりあえず着替えてもらう形にするか…」
ふふん、と得意げにわらうと、カバンから私服をちらりと見せる。軽く流したけど、うちのジャージ来てくる勇気はなかったって他校だからだよね?けしてダサいからむりとかじゃないよね?信じてるよまじで。
「わかるぞ、やばいよなうちの高校。上下ネイビーに白ライン」
「渡されたときは着こなせるか流石に迷ったわ」
「ねえ君たちオブラートにつつんでくんない。」
益子と俊くんは気があったようで何より。
そしてジャージというワードで一つ思い出してしまった。
「吉崎から返してもらってない!僕のジャージ!」
「あっ、忘れてたわ」
「名前見て気づかんかね普通。もしかしたらお前探してっかもよ?」
「あぁあもう!僕クラス戻る!!俊くんはさっさと着替えて待ってて!」
もうほんと今日かけずりまわってんだけど!!
普段の運動不足が祟って持久力ガタ落ちのへろへろの体でなんとか3階の自分のクラスがあるフロアに上がると、扉の前で吉崎がジャージ片手にオロオロしていた。
「吉崎!!」
「あ!?実行委員?」
柄悪!!顔だけお姫様だなマジで!!
渋い顔しながら駆け寄ると、窓からは興味津々の様子でクラスメイトが顔を出す。
「とりあえずこっち、」
「おわ、おい!なんなんだまじて!」
別に見られて困るものじゃないのだが、吉崎に話すには人目が多すぎた。彼がクラスに入る前に見つけられて本当に良かった。
「まじごめんね!てかそのジャージ返してくれんね?」
「は?これはお前のじゃないだろ。か、片平くんのやつだ。」
ひとまず下駄箱のあるエントランスまで連れてきたけど完全に乙女モードである。
いや僕が片平くんなんですよねえええ!?
そんなジャージ抱きしめて頬染めちゃってこの読経姫め!益子が見たら無事じゃすまんぞ被写体的な意味で。
「う、うん?だからその片平くんは僕だから返してくんない?あと吉崎がいってる方の奴は多分校門にいるはず…」
「は!?片平くん!?おまえが!?」
「いや、否定されてもこまるんですけどね!?」
そんな…馬鹿な…などとなにかのトリックに合ったみたいな反応をしている。というか君は副会長なら同級生の顔と名前くらい覚えてないのかな?それかもしや僕だけ知らないパターン?やめて泣いちゃう。
「吉崎さぁ、仮にもタメだよ?同じ学年が誰かくらいはわかろうよ…」
「は?お前らの一部が生徒会を謎に崇めるせいで誰も気軽に絡んでこないのに?おかげで俺は同じクラスの奴らの顔と名前も一致しないぞ。」
「アッそうでした…。」
友達いないが信者はいる。というアピールを大層可愛らしいお顔立ちでされるも、まじボイスがcv路地裏のヤンキーを起用しました。ばりのマジもん威嚇だから情報が多すぎなんだよなぁ。
気軽に絡まれない生徒会の面々って、もしかしなくても周りが育て上げたポジティブコミュ障の集まりなのでは…?なんだかそれが正解な気がして末永のベクトルの違う叱責もなるほど、納得でーす。再確認した。なんか僕達がごめんね。
「地に足ついてる。てか、少し離れただけで情緒おかしくない?」
植木に長い足を組んで座っている俊君は、日の光に当たってキラキラ輝いているようで、まじでイケメンオーラだだ漏れである。
眠いのかな欠伸してる。鼻たっかいなおい。けぶるような睫毛も、高い鼻梁も枕詞に俊君がつくのは必然である。
「あ、きいち。」
「おまたせ!これは益子。」
「いや知ってるし、さっきの子だよね?」
「子!?俺そんなこと言われたのはじめて。」
だよね、益子はちなみに僕より2センチ高い175センチあるのだが、イケメン高身長な俊君の前に立つとみんな子とつく扱いになるのだ。
というか、この三人の中だと俺が小さくない!?並ぶとアンテナみたいでなんかやだ!
「さっきの吉崎に在席確認されない為に俊君のこと紹介しようかなって思ってるんだけどいいかな?」
「やっぱりか!うちの生徒でこんな目立つ奴いたらチェキ撮って売りさばいてるはずだからおかしいとおもってたんだよなぁ!」
「益子って面白いな。肖像権って言葉しってる?」
益子が話の流れで俊君が侵入中だということを理解したのは話が早いのだが、結構赤裸々に悪事を語りすぎじゃない?毛の心臓かよ。
「とにかく吉崎に会えばいいの?」
「そーなの、他の生徒会にバレても面倒だからどう呼び出すかなんだけどさ」
「なら私服に着替える?校門で待ち伏せするとか。」
「それだ。」
なにその少女漫画展開!個人的に超興奮するんですけど!?と益子はイケメンと読経姫のスキャンダルを取る気まんまんである。相手は自分であることが一番なのだが、イケメンと絡ませた写真は売れるとかなんとか。
益子の前に肖像権などはないのかもしれん。ちなみに僕も前に付きあいかけた子との写真を撮られたことがある。
「とりあえず益子はなにかにつけてカメラを取り出さないの!俊くんは着替え持ってきてる?」
「抜かりはないぜ。さすがに家から借りたジャージ来てくる勇気はなかった。」
「ならよかった。じゃあとりあえず着替えてもらう形にするか…」
ふふん、と得意げにわらうと、カバンから私服をちらりと見せる。軽く流したけど、うちのジャージ来てくる勇気はなかったって他校だからだよね?けしてダサいからむりとかじゃないよね?信じてるよまじで。
「わかるぞ、やばいよなうちの高校。上下ネイビーに白ライン」
「渡されたときは着こなせるか流石に迷ったわ」
「ねえ君たちオブラートにつつんでくんない。」
益子と俊くんは気があったようで何より。
そしてジャージというワードで一つ思い出してしまった。
「吉崎から返してもらってない!僕のジャージ!」
「あっ、忘れてたわ」
「名前見て気づかんかね普通。もしかしたらお前探してっかもよ?」
「あぁあもう!僕クラス戻る!!俊くんはさっさと着替えて待ってて!」
もうほんと今日かけずりまわってんだけど!!
普段の運動不足が祟って持久力ガタ落ちのへろへろの体でなんとか3階の自分のクラスがあるフロアに上がると、扉の前で吉崎がジャージ片手にオロオロしていた。
「吉崎!!」
「あ!?実行委員?」
柄悪!!顔だけお姫様だなマジで!!
渋い顔しながら駆け寄ると、窓からは興味津々の様子でクラスメイトが顔を出す。
「とりあえずこっち、」
「おわ、おい!なんなんだまじて!」
別に見られて困るものじゃないのだが、吉崎に話すには人目が多すぎた。彼がクラスに入る前に見つけられて本当に良かった。
「まじごめんね!てかそのジャージ返してくれんね?」
「は?これはお前のじゃないだろ。か、片平くんのやつだ。」
ひとまず下駄箱のあるエントランスまで連れてきたけど完全に乙女モードである。
いや僕が片平くんなんですよねえええ!?
そんなジャージ抱きしめて頬染めちゃってこの読経姫め!益子が見たら無事じゃすまんぞ被写体的な意味で。
「う、うん?だからその片平くんは僕だから返してくんない?あと吉崎がいってる方の奴は多分校門にいるはず…」
「は!?片平くん!?おまえが!?」
「いや、否定されてもこまるんですけどね!?」
そんな…馬鹿な…などとなにかのトリックに合ったみたいな反応をしている。というか君は副会長なら同級生の顔と名前くらい覚えてないのかな?それかもしや僕だけ知らないパターン?やめて泣いちゃう。
「吉崎さぁ、仮にもタメだよ?同じ学年が誰かくらいはわかろうよ…」
「は?お前らの一部が生徒会を謎に崇めるせいで誰も気軽に絡んでこないのに?おかげで俺は同じクラスの奴らの顔と名前も一致しないぞ。」
「アッそうでした…。」
友達いないが信者はいる。というアピールを大層可愛らしいお顔立ちでされるも、まじボイスがcv路地裏のヤンキーを起用しました。ばりのマジもん威嚇だから情報が多すぎなんだよなぁ。
気軽に絡まれない生徒会の面々って、もしかしなくても周りが育て上げたポジティブコミュ障の集まりなのでは…?なんだかそれが正解な気がして末永のベクトルの違う叱責もなるほど、納得でーす。再確認した。なんか僕達がごめんね。
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