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思ってたんと違う ✴︎
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会場を沸かす重低音が、微かにここまで響いている気がする。ブツ、という蛍光灯の震える音が時折聞こえて、なんだかお化けでも出そうな感じだなあと思った。
多分、サスペンス映画とかだったら、ここが事件現場として映し出されるような、そんな汚くて無機質な場所。
その、狭い個室の一室で、なんでこんな具合に物事が進んでしまったのかがわからなかった。
「ぁ、ぁあ、あ、あっ…っ」
女みたいな声を出している。美樹は、他人事のように自分の現状を認識した。だって、体と魂が乖離してしまうかのような激しい衝撃が、その身を包んだのだ。
滑る舌が差し込まれたあの瞬間、キスってこんなんだったかしらと思考が現実に傾くのをよしとせずに、アダムは美樹の意識を己へと向けさせた。匠みな舌使いは、おそらく自分よりも経験を積んでいるのだろうなということがありありとわかってしまい、それが少しだけ悔しかった。
『美樹、ああ、ずっとこうなりたいと思ってた、かわいい、かわいい、』
「ぁ、ゃめ、っや、やー…っ」
『日本語だと、止めてあげられないよ。それでも僕は、構わないけど。』
ねとりと耳を舌で舐め上げられ、大きな掌が美樹の体を支えるかのようにして、胸元に添えられている。先ほどから、二つの胸の突起をぐりぐりと親指で責められていた。アダムとの身長差で、美樹のつま先は床に触れているだけだ。その体重の殆どを壁に預けさせながら、アダムの厚みのある唇は、皮膚の薄い首筋を辿るようにして、美樹の性感を煽る。
アダムの呼吸が荒い。ついには、己の体を持ち上げられて、布越しの尻に猛った性器を押し付けられた。美樹の細い腕は、落とされないようにアダムの首に回ったままだ。膝裏に手を差し込まれ、唐突に持ち上げられたのが怖かったらしい。
抱き上げた瞬間、か細い悲鳴を漏らしてしがみついてきた美樹に、アダムはうっとりと目を細めた。
『かわいい、震えているの?』
『ぁ、アダム、こ、これ何してるの…っ』
『美樹に、僕を覚えてもらいたくて。』
「っぉ、俺、ぉとこ…っ」
『…また、日本語になってる。』
がじりと顎の裏を甘噛みされる。尻の間から、布地で覆われた性器の膨らみまでもが擦り上げるかのようにして、アダムが腰を美樹の尻へと押し付けてくる。
熱いそこは、信じられないほど固く張り詰めており、布越しとはいえ強く摩擦されて仕舞えば、美樹だって妙な気分になってくる。むずりとした。女でもないから、そこに器官なんてあるはずないのに、アダムによって擦り付けられる会陰の奥が、キュウと鳴いた気がした。
『美樹の体みたいに、素直になって。大人の男なんだから、これくらい誰だってやるでしょう?』
『に、日本じゃやらない、っ』
『ああ、なんて幸運なんだ。じゃあ、初めてなんだね。』
『ぅ、ン…っ、んぁ、っ』
そうだ。こういうことをするのは初めてだ。だから、美樹には知識がなかった。男同士での場合も、男女での場合も。だから、どれが本当で嘘なのかがわからない。みんなやっていると言われて仕舞えば、美樹は流されてしまうほかはない。かっこいい男は、爛れた関係を持ったりもする。そんな、美樹のバカみたいに偏った思考が再び顔を出し、ああ、俺は今かっこいい男への階段を登っているのかもしれない。などとおめでたい思考へと誘う。
『セックスはしたことある?』
『な、なぃ、い…』
『…美樹の初めてを奪う最初の男が僕なんだね、嬉しいよ。せっかく会えたのに、犯罪者にはなりたくはないからね…。』
「ぅ、え?」
脈絡もない話をされて、つい聞き返す。アダムは微笑みを返すだけに止めると、そっと額を重ねる。濡れた美樹の美しい瞳に、己が写っている。それだけでも昂ってしまうのだ。
美樹の頬に、瞼に、唇に、何度もキスを送りながら、少しずつ性感を煽ってきた。小柄な体は最初こそ怯えてはいたものの、何度も舌先に愛情を乗せるように口付けを施していけば、自然と体の強張りもほぐれていった。
美樹の背を壁に押し付けたまま、片手で己の前をくつろげる。美樹の履いているボトムスもずらしてやれば、染みの広がった己の下着を目の当たりにして、その可愛らしい耳までもを赤く染める。
『興奮してる…?』
「し、してないぃ…っ」
「シテナイ?ウソ、ヨシキダメ」
『通じてんじゃん…っ』
『否定形はまだ勉強中だよ。』
そんな可愛らしい顔で笑わないでほしい。アダムは頬を染めながら微笑みかけると、下着の前を開く。美樹の尻の割れ目に当たるのは、とんでもなく長大な性器だった。太い血管が浮かび、熱を放っている。美樹の性器の二倍くらいはありそうなそれにギョッとすると、アダムの指がゆっくりと下着の隙間から侵入した。
蕾の縁を擽られる。思わず体に力が入ると、アダムは宥めるように尻を揉んだ。
『わかった、怖がらないように、こうしよう。』
「へ、ぅわっつ、めてっ」
アダムによって体勢を変えられた。美樹の尻が冷たい便座の蓋の上に乗せられたのだ。タンクに背をもたれたまま、頭に疑問符を浮かべた美樹は、なすがままに細い両足をアダムによって担ぎ上げられた。
酩酊感はまだ取れていないが、衝撃続きで少しずつまともな考えができるようになってきたと思いたい。アダムの上等な顔が己の足の間に収まっている。もしかして、人生で初めてのフェラチオをされてしまうのではないかと息を呑む。口付けで教え込まれた、アダムの舌使いで、己の性器を舐められてしまったら、一体どうなってしまうのだろう。美樹は掌で顔を覆うようにして羞恥心に震えていたが、しかしその指の隙間からアダムのことを見つめていることはバレていた。
ああ、アダムの瞳は、ゾイサイトだ。美樹はそんなことを思った。薄いグレーのような青色。美樹の好きな色だ。こんな状況で、随分とロマンチックなことを思ってしまったのは、ゾイサイトをその目に嵌め込むアダムの整った顔のせいだ。
美樹のために染めたと言った、少しウェーブのかかった濡れたような黒髪。それが、己の性器についてしまうのが居た堪れなくて、美樹はそっとアダムの耳にかけてやった。
測らずとも、頬を撫でるかのような形になってしまった。アダムはその瞳の周りを赤らめたまま、嬉しそうに微笑んだ。触れられることが嬉しいと言わんばかりに、美樹の手のひらにもキスをくれる。
自分が、こんな上等な男の一番のお気に入りという信じられない事実が、美樹の承認欲求を満たしていく。アダムの唇が、そっと寄せられる。期待して待っていた筈の熱い舌の行き先は性器なんかではなく、己の予想だにしない位置に伸ばされていた。
「ひぅ、あっ…!」
にゅく、プチュン、と、水音が弾けた。アダムの舌が伸ばされたそこは、先ほど指で撫でられた蕾であった。熱く滑った感触が、その場所を何の躊躇いもなく舐る。頭の中にはとてつもない背徳感と、非日常感が膨れ上がり、ついアダムを止めようと見下ろせば、己の立ち上がった性器越しからアダムが美樹を見つめていた。
「ぁ、」
瞳が細まる。会陰に口付けをされ、ペロリと袋を舐め上げられた。唾液の糸が舌先と繋がる。アダムの指先が美樹の性器を握りしめると、まるで見せつけるかのようにして待ち望んだ場所に舌が這わされる。
『ちゃんと見て、僕がどうやって美樹を愛するのか。』
「ぁ、あだ、むっま、待って、」
『モットデスカ?』
『待ってってば、ぁっ』
それはノーだね。王子様のような顔で意地悪にのたまった。美樹の目の前で、ぱつんと張った果実のような先端を舌で擦られる。神経を直に舐められているかのような、痺れにも似た快感が、アダムの抱え上げた美樹の細い足を、どんどん内股に折り畳む。
柔らかな太腿に挟まれながら、それでもアダムは行為を止めなかった。時折宥めるようにして太腿を撫でながら、熱くて、赤くて、濡れた長い舌が、美樹の裏筋を辿るかのようにして舌を往復させる。
もう、頭がバカになってしまいそうだった。気がつけばだらしなく足を投げ出したまま、美樹は涎を垂らしてアダムが好き勝ってするのを許してしまっていた。
だって、こんな気持ちがいいことは知らない。チュプ、と水音が立つたびに、漏らしそうになる。それが精液だとはわかっている筈なのに、知らない刺激を身に受けた今、粗相だったらどうしようと思ってしまったのだ。
『気持ち良くない…?』
『きもちぃ…』
『イってもいいのに、我慢してる…?』
性器の根元にちゅ、と吸いつかれて、美樹はひくん、と薄いお腹を震わせた。アダムは吹きこぼれるかのようにとめどなく垂れていた美樹の先走りを使って、慎ましやかなそこにゆっくりと指を侵入させる。
内股を、がじりと甘噛みした。まだ中指しか入れていないのに、美樹がアダムの甘噛みに合わせて指先を締め付けるのだ。華奢な体が己の手によって香り経つ色気を纏う姿を前に、アダムはうっとりとした表情で美樹を見つめる。
『き、もち…ぃ、あっ、』
『ここ押したら、モット良くなる。』
「ぅあ、あっあぁ、ま、まっ、す、すて、ィし、ひぁ、ーーーーーっ」
『おっと、』
蕾の中でアダムの指先が折れ曲がった瞬間、美樹の下腹部からは堪え切れない吐精感が込み上がってきた。尿意にも似たそれが、尿道を押し広げるかのようにして暴発する。
自慰もあまりしない分、アダムの手によって高まった性感は逃げ場を失い、ぶつ、と絞り出すようにして濃い精液が放たれる。長い射精は、まるで漏らしてしまったかのように量が多かった。それが、尻の間まで垂れて、アダムの指の動きを手助けする。
『気持ちい?ああ、汗がすごいね。可愛い。ここがベットの上だったら最高だったのに。』
『ぁ、だむ…ぁ、あだ、む…っ』
『怖がらないで、そんな目で見つめないでくれ。痛い思いはさせたくないんだ。』
長い射精後の虚脱感からか、美樹はぐずるようにアダムに手を伸ばした。こんなに恥ずかしい思いをしたのに、アダムが近くに来てくれない。触れ合える距離ならしがみついて、その肩口で己の顔を隠すことができるのに。
自分よりも小さな掌を伸ばされて、アダムは堪らなくなった。慎ましい蕾は美樹の精液の助けもあり、少しずつだが二本目も入っていく。熱い胎内だ。揉み込むようにアダムの指にちゅうちゅうと吸い付くそこが、美樹の甘えたい気持ちの表れなんじゃないかと思ってしまうくらい、アダムは煽られた。
多分、サスペンス映画とかだったら、ここが事件現場として映し出されるような、そんな汚くて無機質な場所。
その、狭い個室の一室で、なんでこんな具合に物事が進んでしまったのかがわからなかった。
「ぁ、ぁあ、あ、あっ…っ」
女みたいな声を出している。美樹は、他人事のように自分の現状を認識した。だって、体と魂が乖離してしまうかのような激しい衝撃が、その身を包んだのだ。
滑る舌が差し込まれたあの瞬間、キスってこんなんだったかしらと思考が現実に傾くのをよしとせずに、アダムは美樹の意識を己へと向けさせた。匠みな舌使いは、おそらく自分よりも経験を積んでいるのだろうなということがありありとわかってしまい、それが少しだけ悔しかった。
『美樹、ああ、ずっとこうなりたいと思ってた、かわいい、かわいい、』
「ぁ、ゃめ、っや、やー…っ」
『日本語だと、止めてあげられないよ。それでも僕は、構わないけど。』
ねとりと耳を舌で舐め上げられ、大きな掌が美樹の体を支えるかのようにして、胸元に添えられている。先ほどから、二つの胸の突起をぐりぐりと親指で責められていた。アダムとの身長差で、美樹のつま先は床に触れているだけだ。その体重の殆どを壁に預けさせながら、アダムの厚みのある唇は、皮膚の薄い首筋を辿るようにして、美樹の性感を煽る。
アダムの呼吸が荒い。ついには、己の体を持ち上げられて、布越しの尻に猛った性器を押し付けられた。美樹の細い腕は、落とされないようにアダムの首に回ったままだ。膝裏に手を差し込まれ、唐突に持ち上げられたのが怖かったらしい。
抱き上げた瞬間、か細い悲鳴を漏らしてしがみついてきた美樹に、アダムはうっとりと目を細めた。
『かわいい、震えているの?』
『ぁ、アダム、こ、これ何してるの…っ』
『美樹に、僕を覚えてもらいたくて。』
「っぉ、俺、ぉとこ…っ」
『…また、日本語になってる。』
がじりと顎の裏を甘噛みされる。尻の間から、布地で覆われた性器の膨らみまでもが擦り上げるかのようにして、アダムが腰を美樹の尻へと押し付けてくる。
熱いそこは、信じられないほど固く張り詰めており、布越しとはいえ強く摩擦されて仕舞えば、美樹だって妙な気分になってくる。むずりとした。女でもないから、そこに器官なんてあるはずないのに、アダムによって擦り付けられる会陰の奥が、キュウと鳴いた気がした。
『美樹の体みたいに、素直になって。大人の男なんだから、これくらい誰だってやるでしょう?』
『に、日本じゃやらない、っ』
『ああ、なんて幸運なんだ。じゃあ、初めてなんだね。』
『ぅ、ン…っ、んぁ、っ』
そうだ。こういうことをするのは初めてだ。だから、美樹には知識がなかった。男同士での場合も、男女での場合も。だから、どれが本当で嘘なのかがわからない。みんなやっていると言われて仕舞えば、美樹は流されてしまうほかはない。かっこいい男は、爛れた関係を持ったりもする。そんな、美樹のバカみたいに偏った思考が再び顔を出し、ああ、俺は今かっこいい男への階段を登っているのかもしれない。などとおめでたい思考へと誘う。
『セックスはしたことある?』
『な、なぃ、い…』
『…美樹の初めてを奪う最初の男が僕なんだね、嬉しいよ。せっかく会えたのに、犯罪者にはなりたくはないからね…。』
「ぅ、え?」
脈絡もない話をされて、つい聞き返す。アダムは微笑みを返すだけに止めると、そっと額を重ねる。濡れた美樹の美しい瞳に、己が写っている。それだけでも昂ってしまうのだ。
美樹の頬に、瞼に、唇に、何度もキスを送りながら、少しずつ性感を煽ってきた。小柄な体は最初こそ怯えてはいたものの、何度も舌先に愛情を乗せるように口付けを施していけば、自然と体の強張りもほぐれていった。
美樹の背を壁に押し付けたまま、片手で己の前をくつろげる。美樹の履いているボトムスもずらしてやれば、染みの広がった己の下着を目の当たりにして、その可愛らしい耳までもを赤く染める。
『興奮してる…?』
「し、してないぃ…っ」
「シテナイ?ウソ、ヨシキダメ」
『通じてんじゃん…っ』
『否定形はまだ勉強中だよ。』
そんな可愛らしい顔で笑わないでほしい。アダムは頬を染めながら微笑みかけると、下着の前を開く。美樹の尻の割れ目に当たるのは、とんでもなく長大な性器だった。太い血管が浮かび、熱を放っている。美樹の性器の二倍くらいはありそうなそれにギョッとすると、アダムの指がゆっくりと下着の隙間から侵入した。
蕾の縁を擽られる。思わず体に力が入ると、アダムは宥めるように尻を揉んだ。
『わかった、怖がらないように、こうしよう。』
「へ、ぅわっつ、めてっ」
アダムによって体勢を変えられた。美樹の尻が冷たい便座の蓋の上に乗せられたのだ。タンクに背をもたれたまま、頭に疑問符を浮かべた美樹は、なすがままに細い両足をアダムによって担ぎ上げられた。
酩酊感はまだ取れていないが、衝撃続きで少しずつまともな考えができるようになってきたと思いたい。アダムの上等な顔が己の足の間に収まっている。もしかして、人生で初めてのフェラチオをされてしまうのではないかと息を呑む。口付けで教え込まれた、アダムの舌使いで、己の性器を舐められてしまったら、一体どうなってしまうのだろう。美樹は掌で顔を覆うようにして羞恥心に震えていたが、しかしその指の隙間からアダムのことを見つめていることはバレていた。
ああ、アダムの瞳は、ゾイサイトだ。美樹はそんなことを思った。薄いグレーのような青色。美樹の好きな色だ。こんな状況で、随分とロマンチックなことを思ってしまったのは、ゾイサイトをその目に嵌め込むアダムの整った顔のせいだ。
美樹のために染めたと言った、少しウェーブのかかった濡れたような黒髪。それが、己の性器についてしまうのが居た堪れなくて、美樹はそっとアダムの耳にかけてやった。
測らずとも、頬を撫でるかのような形になってしまった。アダムはその瞳の周りを赤らめたまま、嬉しそうに微笑んだ。触れられることが嬉しいと言わんばかりに、美樹の手のひらにもキスをくれる。
自分が、こんな上等な男の一番のお気に入りという信じられない事実が、美樹の承認欲求を満たしていく。アダムの唇が、そっと寄せられる。期待して待っていた筈の熱い舌の行き先は性器なんかではなく、己の予想だにしない位置に伸ばされていた。
「ひぅ、あっ…!」
にゅく、プチュン、と、水音が弾けた。アダムの舌が伸ばされたそこは、先ほど指で撫でられた蕾であった。熱く滑った感触が、その場所を何の躊躇いもなく舐る。頭の中にはとてつもない背徳感と、非日常感が膨れ上がり、ついアダムを止めようと見下ろせば、己の立ち上がった性器越しからアダムが美樹を見つめていた。
「ぁ、」
瞳が細まる。会陰に口付けをされ、ペロリと袋を舐め上げられた。唾液の糸が舌先と繋がる。アダムの指先が美樹の性器を握りしめると、まるで見せつけるかのようにして待ち望んだ場所に舌が這わされる。
『ちゃんと見て、僕がどうやって美樹を愛するのか。』
「ぁ、あだ、むっま、待って、」
『モットデスカ?』
『待ってってば、ぁっ』
それはノーだね。王子様のような顔で意地悪にのたまった。美樹の目の前で、ぱつんと張った果実のような先端を舌で擦られる。神経を直に舐められているかのような、痺れにも似た快感が、アダムの抱え上げた美樹の細い足を、どんどん内股に折り畳む。
柔らかな太腿に挟まれながら、それでもアダムは行為を止めなかった。時折宥めるようにして太腿を撫でながら、熱くて、赤くて、濡れた長い舌が、美樹の裏筋を辿るかのようにして舌を往復させる。
もう、頭がバカになってしまいそうだった。気がつけばだらしなく足を投げ出したまま、美樹は涎を垂らしてアダムが好き勝ってするのを許してしまっていた。
だって、こんな気持ちがいいことは知らない。チュプ、と水音が立つたびに、漏らしそうになる。それが精液だとはわかっている筈なのに、知らない刺激を身に受けた今、粗相だったらどうしようと思ってしまったのだ。
『気持ち良くない…?』
『きもちぃ…』
『イってもいいのに、我慢してる…?』
性器の根元にちゅ、と吸いつかれて、美樹はひくん、と薄いお腹を震わせた。アダムは吹きこぼれるかのようにとめどなく垂れていた美樹の先走りを使って、慎ましやかなそこにゆっくりと指を侵入させる。
内股を、がじりと甘噛みした。まだ中指しか入れていないのに、美樹がアダムの甘噛みに合わせて指先を締め付けるのだ。華奢な体が己の手によって香り経つ色気を纏う姿を前に、アダムはうっとりとした表情で美樹を見つめる。
『き、もち…ぃ、あっ、』
『ここ押したら、モット良くなる。』
「ぅあ、あっあぁ、ま、まっ、す、すて、ィし、ひぁ、ーーーーーっ」
『おっと、』
蕾の中でアダムの指先が折れ曲がった瞬間、美樹の下腹部からは堪え切れない吐精感が込み上がってきた。尿意にも似たそれが、尿道を押し広げるかのようにして暴発する。
自慰もあまりしない分、アダムの手によって高まった性感は逃げ場を失い、ぶつ、と絞り出すようにして濃い精液が放たれる。長い射精は、まるで漏らしてしまったかのように量が多かった。それが、尻の間まで垂れて、アダムの指の動きを手助けする。
『気持ちい?ああ、汗がすごいね。可愛い。ここがベットの上だったら最高だったのに。』
『ぁ、だむ…ぁ、あだ、む…っ』
『怖がらないで、そんな目で見つめないでくれ。痛い思いはさせたくないんだ。』
長い射精後の虚脱感からか、美樹はぐずるようにアダムに手を伸ばした。こんなに恥ずかしい思いをしたのに、アダムが近くに来てくれない。触れ合える距離ならしがみついて、その肩口で己の顔を隠すことができるのに。
自分よりも小さな掌を伸ばされて、アダムは堪らなくなった。慎ましい蕾は美樹の精液の助けもあり、少しずつだが二本目も入っていく。熱い胎内だ。揉み込むようにアダムの指にちゅうちゅうと吸い付くそこが、美樹の甘えたい気持ちの表れなんじゃないかと思ってしまうくらい、アダムは煽られた。
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