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守り人は化け物の腕の中
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埃臭い、書庫の禁書室。日の光を遮るように締め切られた窓の隙間から、漏れた光の筋に舞う埃が反射していた。
締め切られた扉の鍵は、イムジンがもぎ取るように司書官から奪ったものだ。
一枚板でできた机の木目の上。黒髪を広げて着衣を乱すヤンレイを見下ろしながら、その表情に愉悦を滲ませている。
「お前は本当に、頭がいいのだか悪いのだかわからん」
「打算的だと笑いますか?私は効率がいいと褒められる方が好みですが、あっ」
「どっちもの間違いだろう」
無骨な指先が、ヤンレイの胸元を晒す。薄桃色に勃ち上がった胸の粒を摘むだけで、上擦った声を漏らすはしたない体だ。組み敷かれてもなお挑戦的な瞳が生意気で気に入っている。
煽るように膝で股座を押し上げられては、期待に応えぬわけにもいくまい。
「生憎、片腕がこれなものでな。お前が進めろヤンレイ」
「ただの趣味の間違いでは?」
「気持ちよくしてやるから早くしろ」
イムジンの言葉に、ヤンレイが目を細める。上半身の衣服を乱したままむくりと起き上がると、向かい合わせになるかのように胡座の上に腰掛けた。
ヤンレイの整った顔が、頬の傷に唇を寄せる。そのまま顔をずらすように唇でこたえると、ヤンレイは厚みのある唇へと薄い舌を這わせた。
「髭を剃ってください、口付けがしづらい」
「剃る気はねえな。これが俺の強さの証だからな」
「安いおひと、私は好みではありません」
「ああ?」
軽口に、イムジンの粗野な声が返される。
ヤンレイの柔らかな唇へと噛み付くように口付けを返すと、皮の厚い手のひらがヤンレイの腰布を解く。
体に巻きつけるように着る深衣がはだけると、生地をずらし薄い肩を露出させた。
細い腕か、首に絡まるようにしてイムジンを引き寄せる。硬い髪を撫でるように、細い指先が差し込まれた。
「腕がなくなって、自慰すらもまともにできない可愛いおひと」
「好んで一回りも違う男に抱かれるお前の方が、よほど好きものだがな」
「っか、まないで……痛い、っ」
細い首に歯を立てるようにイムジンが噛み付いた。薄い皮膚は簡単に破け、つるりとした赤を受け止めるように舌が追いかける。
柔らかな尻の下、興奮したように張り詰める性器が、ヤンレイの尻を持ち上げていた。
腕を無くしても加虐趣味は何も変わらないらしい。悪癖に渋い顔をすれば、性器を押し付けるように腰を掴まれた。
「ああ、紐がありゃあなあ。お前は本当に赤が似合う」
「やめて、っ……な、舐めるから、無理に入れようとしないで、っ」
「おい、お前が動けってのは主導権を渡したわけじゃねえんだぜ。あんまり生意気を言うんじゃねえ」
「ぇ、うわ、っ」
ズ、と大きなものが引きずられる音がしたその時、ヤンレイの体はあっという間に持ち上がった。視界に、青白い腕が見える。あ、と気づいた時にはすでに遅く、ヤンレイの四肢はイムジンへと尻を見せつけるように固定されていた。
「っ呉暁……! なんで、っ」
「なんでとはなんだ。いったろ、俺は今不自由してるって」
楽しそうな声色で、イムジンが宣う。薄い生地をずらすようにして晒したヤンレイの尻を鷲掴むと、尻肉を開き蕾を晒す。
イムジンが男を教え、育てた穴だ。ふくりと縁を腫らしたそこは、こなれるように縦に割れている。
白い肌だからこそ、中心部の赤が卑猥に主張する。先走りを拭うように手を濡らしたイムジンの指が、ヤンレイの蕾をそっと撫で上げた。
「ぅ……、っ……」
「体は期待してるなヤンレイ。お前のここも勃ち上がってる」
「くそ、っ……」
「ほら、お前の中に入るんだ。どうするのが正解かわかるよな」
「んぅ、く……っ……」
イムジンの赤黒い性器が、ヤンレイの唇に押しつけられる。強い性器の匂いにグッと眉を寄せると、ぎこちなく唇を開いた。
口での奉仕だけは、嫌いだった。それでも濡らさないと痛い目を見るのはヤンレイ自身だ。そう教え込まれてから、性器を愛撫するのもイムジンによって仕込まれた。
「深呼吸をしろ、喉を開け」
「お、奥までは嫌だ」
「ダメだ、濡らさねえとお前が痛いぞ。いいのか?」
「く、……」
先走りを塗りつけるように歯列をなぞられ、しぶしぶ唇を開く。早く終わればいい。口に含んだ唾液を塗りつけるように先端に舌を絡めれば、独特の苦味に少しだけえずいた。
「頬の裏を使え。歯ァ立てるなよ、口の中に出したらこれをケツにくれてやる」
「んぅ、ら、らふ、な、っぐ……っ」
「あーー……、あったけえ。なんかいったかヤンレイ」
「んぶ、っ……ご、っ……っ」
悪戯に胸の粒をつねられる。腰を押し付けられるようにイムジンの茂みがヤンレイの鼻を掠めると、狼の瞳は見開かれた。
食道を押し広げられている。暴れて、拒みたいのに。呉暁によって無様に拘束されては尻を振るくらいしかできないだろう。無様な姿に、狼の瞳がじんわりと濡れる。
苦味のある先走りを、舌の付け根に塗り込まれるように腰を動かされた。汚い声が口から漏れ、ガポガポと人が立ててはいけないような音も立てた。
「ぅ、ゔぉえ……っゲホっ、」
「うぉ、きったねえな!テメ、人の竿にゲロ吐きやがって、あーあー……」
「ひゅ、ぅ、うぐ、っいむじ、いゃだも、もう……っんんっ……!」
気がつけば手はひとまとめにされていた。呉暁の太い指が、ヤンレイの唇を無理やり開く。楽しげに笑うイムジンの、己の吐瀉物で汚れた性器を再び含まされる。
狭い喉に押し込まれ、ヤンレイの細い首が膨らんだ。狼の瞳がグルンと上を向き、気がつけばジョロジョロと性器から小便を漏らしていた。
「お前、もういい歳こいてんだから漏らすんじゃねえよ、俺は興奮するけど」
「ーーーーっ、っ」
「お前、そんな顔色にもなるんだなあ」
視界に光が爆ぜて、思考が緩慢になる。酸素を奪われたヤンレイの体は薄い腹を痙攣させていた。イムジンの腰が、ゆっくりと引かれる。吐瀉と混じり合った粘性の高い唾液と鼻血が、黒い茂みに絡みついていた。
「げは、っひ、ひぐっ……‼︎ ぅ、ゔぉえ、あ、あーー……っ‼︎ い、ぃゃだ、っ」
「バッカ声でけえって、聞かれたら面倒くせえだろう。な?」
「ん、ンフ、っ……ぇっ……んぇ、っ……」
大きな手のひらに口を塞がれ、ヤンレイの瞳に怯えが宿る。ひぐ、と情けなく涙をこぼす顔は、普段の涼やかな美貌からは想像もつかないほど汚れていた。
吐瀉に塗れた口元を、己の深衣で拭われる。尿で濡れた股座へと無骨な手が差し込まれると、イムジンはゆっくりと蕾の中に太い指を差し込んだ。
「ぃだ、い……っ、ぃだい、や、やだ、っうう、ぅ……っ」
「すぐ喘ぐんだから、ちっとは我慢しな。ほら、胸でも吸ってやろうか。ん?どうしてほしいんだヤンレイは」
「ゃ、やざ、じく……っ、ゃざじぐして……っ」
「おいおい、面倒臭え恋人みてえなことを言うなよ」
「ぎぃ……っ、い、っーーーー!!」
蕾に当てられた張り詰めた性器が、蕾の皺を巻き込むようにしてグッ、と押し入る。肉を無理やりに割り開かれる痛みは、いつになっても慣れることはない。
この狭いところを通りすぎさえすれば、思考を飲み込まれるほどの快楽が待っていることは知っている。それでも、前戯もなしに入れられた内壁は引き連れ、微かに血を滲ませるほどの無理な挿入であった。
締め切られた扉の鍵は、イムジンがもぎ取るように司書官から奪ったものだ。
一枚板でできた机の木目の上。黒髪を広げて着衣を乱すヤンレイを見下ろしながら、その表情に愉悦を滲ませている。
「お前は本当に、頭がいいのだか悪いのだかわからん」
「打算的だと笑いますか?私は効率がいいと褒められる方が好みですが、あっ」
「どっちもの間違いだろう」
無骨な指先が、ヤンレイの胸元を晒す。薄桃色に勃ち上がった胸の粒を摘むだけで、上擦った声を漏らすはしたない体だ。組み敷かれてもなお挑戦的な瞳が生意気で気に入っている。
煽るように膝で股座を押し上げられては、期待に応えぬわけにもいくまい。
「生憎、片腕がこれなものでな。お前が進めろヤンレイ」
「ただの趣味の間違いでは?」
「気持ちよくしてやるから早くしろ」
イムジンの言葉に、ヤンレイが目を細める。上半身の衣服を乱したままむくりと起き上がると、向かい合わせになるかのように胡座の上に腰掛けた。
ヤンレイの整った顔が、頬の傷に唇を寄せる。そのまま顔をずらすように唇でこたえると、ヤンレイは厚みのある唇へと薄い舌を這わせた。
「髭を剃ってください、口付けがしづらい」
「剃る気はねえな。これが俺の強さの証だからな」
「安いおひと、私は好みではありません」
「ああ?」
軽口に、イムジンの粗野な声が返される。
ヤンレイの柔らかな唇へと噛み付くように口付けを返すと、皮の厚い手のひらがヤンレイの腰布を解く。
体に巻きつけるように着る深衣がはだけると、生地をずらし薄い肩を露出させた。
細い腕か、首に絡まるようにしてイムジンを引き寄せる。硬い髪を撫でるように、細い指先が差し込まれた。
「腕がなくなって、自慰すらもまともにできない可愛いおひと」
「好んで一回りも違う男に抱かれるお前の方が、よほど好きものだがな」
「っか、まないで……痛い、っ」
細い首に歯を立てるようにイムジンが噛み付いた。薄い皮膚は簡単に破け、つるりとした赤を受け止めるように舌が追いかける。
柔らかな尻の下、興奮したように張り詰める性器が、ヤンレイの尻を持ち上げていた。
腕を無くしても加虐趣味は何も変わらないらしい。悪癖に渋い顔をすれば、性器を押し付けるように腰を掴まれた。
「ああ、紐がありゃあなあ。お前は本当に赤が似合う」
「やめて、っ……な、舐めるから、無理に入れようとしないで、っ」
「おい、お前が動けってのは主導権を渡したわけじゃねえんだぜ。あんまり生意気を言うんじゃねえ」
「ぇ、うわ、っ」
ズ、と大きなものが引きずられる音がしたその時、ヤンレイの体はあっという間に持ち上がった。視界に、青白い腕が見える。あ、と気づいた時にはすでに遅く、ヤンレイの四肢はイムジンへと尻を見せつけるように固定されていた。
「っ呉暁……! なんで、っ」
「なんでとはなんだ。いったろ、俺は今不自由してるって」
楽しそうな声色で、イムジンが宣う。薄い生地をずらすようにして晒したヤンレイの尻を鷲掴むと、尻肉を開き蕾を晒す。
イムジンが男を教え、育てた穴だ。ふくりと縁を腫らしたそこは、こなれるように縦に割れている。
白い肌だからこそ、中心部の赤が卑猥に主張する。先走りを拭うように手を濡らしたイムジンの指が、ヤンレイの蕾をそっと撫で上げた。
「ぅ……、っ……」
「体は期待してるなヤンレイ。お前のここも勃ち上がってる」
「くそ、っ……」
「ほら、お前の中に入るんだ。どうするのが正解かわかるよな」
「んぅ、く……っ……」
イムジンの赤黒い性器が、ヤンレイの唇に押しつけられる。強い性器の匂いにグッと眉を寄せると、ぎこちなく唇を開いた。
口での奉仕だけは、嫌いだった。それでも濡らさないと痛い目を見るのはヤンレイ自身だ。そう教え込まれてから、性器を愛撫するのもイムジンによって仕込まれた。
「深呼吸をしろ、喉を開け」
「お、奥までは嫌だ」
「ダメだ、濡らさねえとお前が痛いぞ。いいのか?」
「く、……」
先走りを塗りつけるように歯列をなぞられ、しぶしぶ唇を開く。早く終わればいい。口に含んだ唾液を塗りつけるように先端に舌を絡めれば、独特の苦味に少しだけえずいた。
「頬の裏を使え。歯ァ立てるなよ、口の中に出したらこれをケツにくれてやる」
「んぅ、ら、らふ、な、っぐ……っ」
「あーー……、あったけえ。なんかいったかヤンレイ」
「んぶ、っ……ご、っ……っ」
悪戯に胸の粒をつねられる。腰を押し付けられるようにイムジンの茂みがヤンレイの鼻を掠めると、狼の瞳は見開かれた。
食道を押し広げられている。暴れて、拒みたいのに。呉暁によって無様に拘束されては尻を振るくらいしかできないだろう。無様な姿に、狼の瞳がじんわりと濡れる。
苦味のある先走りを、舌の付け根に塗り込まれるように腰を動かされた。汚い声が口から漏れ、ガポガポと人が立ててはいけないような音も立てた。
「ぅ、ゔぉえ……っゲホっ、」
「うぉ、きったねえな!テメ、人の竿にゲロ吐きやがって、あーあー……」
「ひゅ、ぅ、うぐ、っいむじ、いゃだも、もう……っんんっ……!」
気がつけば手はひとまとめにされていた。呉暁の太い指が、ヤンレイの唇を無理やり開く。楽しげに笑うイムジンの、己の吐瀉物で汚れた性器を再び含まされる。
狭い喉に押し込まれ、ヤンレイの細い首が膨らんだ。狼の瞳がグルンと上を向き、気がつけばジョロジョロと性器から小便を漏らしていた。
「お前、もういい歳こいてんだから漏らすんじゃねえよ、俺は興奮するけど」
「ーーーーっ、っ」
「お前、そんな顔色にもなるんだなあ」
視界に光が爆ぜて、思考が緩慢になる。酸素を奪われたヤンレイの体は薄い腹を痙攣させていた。イムジンの腰が、ゆっくりと引かれる。吐瀉と混じり合った粘性の高い唾液と鼻血が、黒い茂みに絡みついていた。
「げは、っひ、ひぐっ……‼︎ ぅ、ゔぉえ、あ、あーー……っ‼︎ い、ぃゃだ、っ」
「バッカ声でけえって、聞かれたら面倒くせえだろう。な?」
「ん、ンフ、っ……ぇっ……んぇ、っ……」
大きな手のひらに口を塞がれ、ヤンレイの瞳に怯えが宿る。ひぐ、と情けなく涙をこぼす顔は、普段の涼やかな美貌からは想像もつかないほど汚れていた。
吐瀉に塗れた口元を、己の深衣で拭われる。尿で濡れた股座へと無骨な手が差し込まれると、イムジンはゆっくりと蕾の中に太い指を差し込んだ。
「ぃだ、い……っ、ぃだい、や、やだ、っうう、ぅ……っ」
「すぐ喘ぐんだから、ちっとは我慢しな。ほら、胸でも吸ってやろうか。ん?どうしてほしいんだヤンレイは」
「ゃ、やざ、じく……っ、ゃざじぐして……っ」
「おいおい、面倒臭え恋人みてえなことを言うなよ」
「ぎぃ……っ、い、っーーーー!!」
蕾に当てられた張り詰めた性器が、蕾の皺を巻き込むようにしてグッ、と押し入る。肉を無理やりに割り開かれる痛みは、いつになっても慣れることはない。
この狭いところを通りすぎさえすれば、思考を飲み込まれるほどの快楽が待っていることは知っている。それでも、前戯もなしに入れられた内壁は引き連れ、微かに血を滲ませるほどの無理な挿入であった。
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