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こっち向いて、運命。ー半神騎士と猪突猛進男子が幸せになるまでのお話ー

酔った嫁ほど罪なものはない 2 **

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「ふぁ、ぁ…んぅ、う…っ…」
 
 ちゅ、ちゅ、という可愛らしいリップ音が、湯気の充満する浴室内に響いた。エルマーはナナシを膝に乗せたまま、ぽてりと腫れたナナシの胸の突起に甘く吸い付いては、濡れた寝巻き越しにそれを摘んで刺激する。
 
「ん、やらし。透けてんぜナナシ、」
「ぅ、な、ナナシのせいじゃないもん…」
 
 顔を赤らめたナナシのたおやかな手のひらが、エルマーの頬を包み込む。そのままちゅう、と唇に吸い付いて離すと、ナナシはパタパタと尾を揺らす。
 珍しいナナシからの口付けに、高ぶるなと言う方が無理だろう。エルマーはナナシの柔らかな尻の間に性器を押し付けながら、その尾の付け根をグッと押した。
 
「ひぅっ、あ、ぁん、っや、そこやぁ、だ、」
「なんで?お前ここ弄られんの好きだろう。」
「好き、ぁう…ゆ、ゆれちゃ、うもん…」
「揺れていいんだぜ、雄の本能なんだからよ。」
 
 くつくつと笑ったエルマーが、ナナシの喉元を甘噛みする。がじりと歯を立てると、ナナシが喜ぶのだ。強い雄に支配されたがるのは獣の本能である。ナナシはエルマーの頭を抱き込むようにして頬を擦り寄せると、かくん、と腰をゆらめかせた。
 
「ん…、ほら、頑張んねえと入んねえよ。それともまずは指が欲しいか?」
「う、え、える…っ、ぉ、奥…気持ちいの、してぇ…」
 
 少しだけ泣きそうな声で、そんなことを言う。普段のナナシは恥ずかしがってあまり口にしないのだ。酒精の恩恵ってスンバラシイ。エルマーはぐる、と喉を鳴らすと、その縦に割れたナナシの慎ましい蕾にゆっくりと指を侵入させていった。
 
「ひゃ、んぅ…は、ア…ぁ、」
 
 きゅ、と抱きつく腕の力が強まった。ナナシはうっとりとした顔で小さく身を震わすと、内壁の熱い媚肉が絡みつくようにエルマーの指を喰む。一定の間隔で甘く締め付けるのが素直で可愛らしい。滲んだ涙をエルマーの頬に擦り付けるかのように甘えると、耳元で可愛らしく喘ぐ。
 
「き、もひぃ…ふぁ…っ、お、ぉくう…あ、あ、っ」
「もちっと鳴らさねえと、ほら、足で腰挟んでいいからよ。」
 エルマーの大きな手のひらが、指を中に含ませたまま押しつけるようにしてナナシの腰を引き寄せる。ゆるゆると震える細い足をエルマーの腰に絡ませると、褒めるようにナナシの頬に口付けた。
 
「ここ、もうちっと広めたら挿れてやるからよ。腹んなか寂しい?」
「な、ナナシ…く、苦しい、の…好き、だよう…」
「おいおい、その言葉は色々とやべえわ。」
 
 ナナシの吐息混じりの言葉に、エルマーの性器がグッと膨らむ。滑らかな背中は悩ましく反らされると、汗で張り付いたナナシの長い髪が光沢を放つ。蕾から指を引き抜き尻を両手で割り開くと、期待のこもった瞳でエルマーを見下ろした。
 
「んな熱視線送るなって、」
「ぁ、あ、あつ…ふぁ、ち、んち…あつぃ…っ…」
「お前だって、どこもかしこも火照ってるじゃねえの。やーらし、っ…」
 
 くぽ、と先端が蕾の淵に引っ掛けられる。このままエルマーがナナシを下ろせば簡単に入ってしまう。二人の間には、ナナシの小ぶりな性器がピコンと立ち上がり、トロめいた先走りでエルマーの腹筋を汚すのだ。
 
「も、い、いれよ…ね、いいこ、奥、いれよ…っ、」
「っくそ、んとにタチわる…」
「ひぁ、あー…っ…!は、はい、う…っ」
「あ、っ…ち、いな…はは、っ…」
 
 ナナシが小さい子をあやすように、焦らしていたエルマーを扱うものだから、何だか妙な扉を開きそうでいけない。エルマーは強請られるままゆっくりと性器を飲み込ませていくと、その内側が徐々に開いてくる感覚に身を震わせた。気持ちい、頭が馬鹿になってしまいそう。金色の蕩けた瞳は、その甘美な感覚にとろめいた。
 ナナシの気持ちいところを摩擦しながら、エルマーが徐々に細い腰を掴んで揺らす。甘えるように絡みつく媚肉が何よりもの証だ。腹にゆっくりと飲み込んでいく大きなそれが、お伺いをするようにコツンと奥に当たった。
 
「ん…子宮、ここも好きだよな。」
「は、ぁ…そ、そこ…あ、な、ナナシ…だめに、なちゃ…っ」
「ダメになって、もっとやらしいとこ俺に見せてくんねえと。」
「ふあ…っ!」
 
 コツン、と当たれば当たるほど、ナナシは骨抜きになっていく。蕾はやわやわと締め付けを繰り返しては、時折思い出したかのように性器を締め付ける。

「ぇる、っ…える、ぇ、るう…っ…」
「旦那の喜ばせ方教えたろ、」
「ひゃ、ぁうっ…!は、ぁっ、はぁ、あっや、い、ィく…」

 きゅ、と摘まれた突起に身をそらす。ナナシのお耳はぴくんとエルマーの言葉に反応すると、ゆるゆると肩に手をついて腰を持ち上げる。ナナシが浴室のタイルの上に膝をつくと、ゆっくりとエルマーの性器を擦るように腰を揺らめかせた。ぴゅくん、と先端からふきあげた。不器用な腰使いは、正しくエルマーの性感を高めていく。柔らかな手のひらがエルマーの肩を支えにし、白い肌を赤く染めた艶かしい肢体があばかれる。
 
「酔ってんの…かぁいいな、んとにお前は喜ばせんのがうめぇっつうか…」
「ひ、ぁあ、あっゃ、ゃあ、あイ、いっひゃ、ん、んー…!!」
「くぁ、っ…締め付け…すげ、っ…」
 
 先端がぐぽんと狭いところに入り込んだ。揉み込むように内壁が先端に絡み付いて蠕動した。結合部から滑りが筋となって伝い、必死で飲み込もうとしているらしい、ナナシの胎内の貪欲な動きに、エルマーは腰を震わせながら、我慢ならずに吐精してしまった。

「っ、あー…、まだ出すつもり、…なかったのによ…」
「ぁ、は、はぁ、あっあっ…!ふ、んんぅ…っ…」
「ばっか、締め付けんなって、ほら落ち着け、」
「ん、んくっ…、う、ふぁ…」
 
 余程強い刺激だったらしい。ナナシはヘナヘナとエルマーの肩口に顔を埋めると、だらしなく足を放り投げたまま、エルマーの茂みが蕾を撫でるくらいまで腹に性器を収めた。薄い腹がぽこりと膨れる。エルマーのそれが奥まで入りきった証に、意図せぬままチョロチョロと先端から漏らしていた。
 
「あったけ、おい、平気か?」
「ぅ、うご…かぁ、いれ…っ…」
「動いてねえよ、ナナシの腹が勝手に動いてんだけだっての。」
 
 ちぅ、とエルマーがナナシの首筋に赤い鬱血痕を残した。可愛い。タイルの隙間を縫うようにして失禁をしながら、それに気づかぬままうっとりとした顔で余韻に浸る。ゆるゆると甘えるようにエルマーの首後ろに腕を回せば、蕩け切った顔を上げ、ぺしょりとエルマーの唇を舐める。
 
「ん、…何、甘えてんのかぁいいな…」
「ぇる…、な、ナナシ…気持ちく、できぅ、の…い、ぃこ…っ…」
「酔っ払うと、女王様になんのかあ?」
「ふぁ…お、お腹、っ…こつこつして…も、もっと気持ちぃ、の、しよ…っ」
 
 パタパタと尾を揺らしながら、そんなことを言う。犬のように赤い舌をちろりと見せては、おねだりを口にする。女王様のように上から目線のお褒めの言葉を頂きながら、服従するように唇に舌を這わす。エルマーが腹の中でビキリと性器を膨らませると、ナナシはか細い悲鳴をあげて喜んだ。
 
「んとに、タチ悪いな…、お前に酒飲ませんの怖えわ…!」
「きゃぅ、あ、あっ!あぁ、あーっ!」
 
 ナナシの後頭部を支えるように細身な体をタイルの上に押し倒した。濡れた銀の髪の毛を肢体に張り付かせながら、腹の奥を穿つように腰を振り下ろしたエルマーに、ナナシは開かされた足を跳ね上げて答えた。
 
「ぅあ、あっ、あぁ、あっや!い、いゃらっや、やぁあ!!あ、ぎ、っし、しんじゃ、うぅ…っ!!」
「あは、すげぇ鳴くじゃねえの、あー気持ち…っ…」
「ひぁ、あーーーっ!!あぁ、あっこ、こぁいぃーーっ!!ゃら、ぁあぬ、ぬい、へ…っ…!も、い、いっ、ぎだぐな…っ!」
「だってお前、しっこ漏らすほどよかったんだろう?なら潮も吹いてもらわねえと。」
「っゃだ、あ、ああっあ、も、ぉおじまぃ、ぃあ、あっあっあっ!」
「い、っつ、」
 
 身を激しく悶えさせるナナシを押さえつけるように、エルマーはその瞳に獣じみた光を宿しながら何度も腰を振りおろした。結合部から噴き出した、泡だった精液が尾の根元をびしょりと濡らす。前後不覚に陥ったナナシは、目の前を何度も光で明滅させながら、脳が溶けるのではないかと言うほどの激しい快楽の中、ぎちりとエルマーの背中に爪を立てる。
 
「ぜってえ、これ染みるやつ…っやりやがった、な…っ!」
「ぅあ、あーーーっ!!ぇ、える、えるま、あぁ、やだァ、ああっお、おじまい、にっ、ぁ、あ、あ、っで、でぅ、でひゃうから…あぁ…っ!!!!」
「だから出せって言ってンの、っ…!!」
「ヒぁ…っ…ーーーーーーーっ!!!!」
 
 ごちん!と奥の弁を押し広げて、エルマーが入ってきた。ナナシは抱きしめられたまま身を逸らすと、ケポリと口端から唾液を吐き出してのけぞった。がくがくと身を震わし、ぶしゃりと飛沫を噴き上げる。限界まで開かれた蕾の淵から、叩きつけるように吐き出されたエルマーの精液が逆流して噴き溢れ、腰を震わしながら数度に分けて精液を塗りつける。その甘やかな摩擦にひくひくと足をびくつかせると、ナナシはそのまま意識を手放した。
 
「っ、ぶね…っ!」
 
 ガクンと重みを増した体を慌てて支えるように抱きしめる。全身をほの赤く染め上げてぐったりとするナナシを見下ろすと、エルマーはゆっくりと性器を引き抜いた。
 
「うっわ、」
 
 ポカリと開き切った蕾が、弱々しく収縮する。掻き出すとか、そんなのいらなさそうなくらいには精液が溢れてくる。赤い媚肉がいやらしい。エルマーはゆっくりとナナシの体を抱き起こすと、尻を割り開いて滴り落ちる手助けをした。
 
「怒られっかも…」
 
 ハッスルしすぎたかもしれん。肩口に頭をもたれかからせたまま、エルマーはヘロヘロ状態のナナシをちらりとみやる。
 
「んう…」
 
 眉間に皺を寄せながら、なんだか怒っているような顔つきでむにゃりと寝言を漏らす。労わるように頬に口付けをすると、ぶしゅんとくしゃみをひとつ。エルマーは慌てて互いの体を洗い流して身支度を済ませると、大急ぎで浴室を後にした。
 




 
 
「もうお酒飲まないいいーーー!!」
「わ、悪かっったって、な!機嫌直してくれよナナシ!可愛かったって!」
「ひゃああやだああきらいいーーー!!」
 
 翌朝、目覚めと共に昨日のことを思い出したらしいナナシの悲鳴によって、エルマーは飛び起きた。良かった敵襲じゃなくて、そんなことを思う間も無く、朝っぱらからナナシのフルスイングがエルマーの顔面にヒットした挙句、現在に至る。エルマーは顔面に真っ赤な紅葉を張り付かせたまま、ナナシのお酒嫌いという発言をうまく聞き取れずに、顔を真っ青に染めて縋りついた。
 
「嫌いは良くねえ!嫌いじゃなくてもっとちげえ言葉で罵ってくれえ!」
「い、いらないって言った!!ナナシのいうこと聞かないえる悪いこ!ばかあ!!もうエッチしないもん!!ヤダヤダあっち行ってえ!」
「いかねえしお前だってあんなひんひん喘いで、っばかばかやめろ家ん中で魔法はつか、っ」
「やあああもう触んないでええーー!!」
 
 うわあん!!と羞恥ここに極まれり。ナナシは大泣きしながらエルマーを下着一枚で窓から叩き出すと、それはもう見事な速度で結界を展開させた。文字通りの締め出しである。エルマーはエルマーでパンイチで透明な壁に張り付いて許しを乞う。うちに入れぬまま、美丈夫が情けなく嫁に向かって叫ぶ姿は、もはやドリアズの名物になりつつあるのだが、その事実を二人が知るのはまだ先になりそうであった。
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