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こっち向いて、運命。ー半神騎士と猪突猛進男子が幸せになるまでのお話ー
アロンダートの愉悦 **
しおりを挟む汗に張り付く枯れ葉色の髪が、その華奢な体に輪郭を持たせる。
もうサジは、自分の体がどうにかなってしまったのかと思うくらい、頭がキマっていた。
アロンダートの優しげな声と、唇と、そうして男らしい体が汗ばんで、触れ合った場所からじわじわと溶けていってしまいそうなくらい、二人は一つになったのだ。
「ひぅ、も、やぁあ…だ、ぁっ…も、や、やだっ、やあぁ…っ!!」
「駄々ばかり捏ねて、ご所望されたのはサジ様でしょう。貴方が獣の理性のその先を知り、好奇心を満たしたいとおっしゃったのでしょう。」
「いってないぃ…っ!」
「ならば貴方の慎ましやかな御心を汲んだまでのこと。卑しい獣の性器に蹂躙されるお気持ちは、いかがです。」
「うぁ、あーっ!!し、しんらぅ…っば、馬鹿になるうぅ!!」
ひんひんと情けなく泣き喚くサジの姿を見て、アロンダートは心底楽しいといった顔である。サジがいい出したのだから、最後まで責任を取ってもらいたい。
細い腰は、手形がついてしまうくらい何度も掴んで揺さぶられたのだろう。アロンダートは茂みを押し付けるようにサジの蕾に性器を奥深くまで飲み込ませながら、もう一対の両腕でサジの両手を押さえつけて揺さぶる。
「ほら、どこがいいのか教えてくださらねば。」
「ぁう、あ、あっ!!も、もういらな、あ、イィ、う、うー!!」
「いる、いらない?」
「ぃぎ…っ!ん、んうぁ、あ、っあー…」
「聞こえない、ほら言いなさい。」
ぐぽん、と奥まで含ませた先端で結腸を殴る。その度に、サジは目の前が明滅するような激しい快楽に苛まれ、股ぐらをびしゃびしゃにしながら悶え苦しむ。気持ちがいい、ああ、馬鹿になってしまう。ベットシーツに胸の突起を押し付けながら、尻だけ上げた情けない格好で、嬉しそうにアロンダートの性器を締め付けるのだ。
「あ、ア、ロン…っ、ダート、」
「うん?」
「も、…っ、す、好きに、していいからあ…っ、や、優しく、してえ…っ…」
「おや、もういいのか。」
もう主導権を握りたいとか、そんな可愛くないこと言わないから、もういつもみたいに甘やかしてほしい。サジは顔を真っ赤にしながら肩で呼吸をしていた。もう、快感がきつすぎて辛いのだ。
サジの態度が功を奏したのか、アロンダートはそっとサジを抱き上げると、後ろから抱きすくめるようにして膝に乗せた。ヒック、と幼児のように喉を震わせて、気持ちいいので頭が馬鹿になっているサジの膝を抱えて挿入を深くする。
「ほら、くっつきたかったのだな。可愛いなサジ、僕のためにたくさん気持ち良くなってくれてありがとう。」
「っ、っう、ぅう…あ、あぁ、ンっ…!」
「いい声が出たな、ほら、足を開くともっと気持ち良くしてあげられる。できるか。」
「ぁ、あ、で、でき、ぅ…ふあ、あー…」
だらしなく足を開き、大きな性器で薄い腹を押し上げる。サジの奥の弁は先ほどから嬉しそうに先端を舐めしゃぶり、ヘソの奥がくちくなって、神経が忙しい。アロンダートの舌がサジの唇を破りひらき、口内を蹂躙しながら、サジは無意識にゆるゆると腰をゆらめかせる。
「ん、んぅ、ふ、ちゅ…ぅん、あ、っ」
唾液ってこんなに甘かっただろうか。サジはそんなことを思いながら、少しカサついた無骨な指の腹で胸の頂をつねられる。
「ここは、ロズウェルにも明け渡さないからな。」
「ヒぁ…っ!だ、だか、ら…っ、哺乳、びんにして、っ!」
「まあその前に、サジに母乳は出ないだろう。」
「わ、からんだろうがっ!うやぁ…っ!」
はぷ、とアロンダートがサジの胸元に吸い付いた。腹の中の性器を膨らませ、とんでもなく顔のいい美丈夫が何の膨らみもない胸を楽しむ。
「ふァ、あ、気持ちぃ…あ、あっあろ、んっ」
胸の突起に全身の神経が集中してしまったかのようだ。だらしなく口端から唾液をこぼし、きゅうきゅうと性器を締め付ける。歯で先端をかすめられ、サジの視界は飛んでいってしまいそうだった。
「飛ぶな、もうイくから…堪えてくれ、」
「ヘぁ…っ!」
ぐ、とアロンダートの腕に力がか入ったかと思えば、ずろりと性器が内壁を摩擦しながら抜き差しされる。数度の摩擦だけでも辛かったと言うのに、アロンダートは小さくすまないと謝ったかと思えば、勢いよくサジの体を引き下ろした。
「んぉ、あっ…!!あ、あぁ、あっあっぁあ、あっ!!」
「っく、ぁ…いい、声だ…っ…」
「は、はん、んっ!ぐっ、う、うぅあ、あーーっ!!いぎっ、ひゃら、や、やぇ、へ、っじ、じぬ、がらっ…!!」
「死なない、っ」
「じ、っ、じんぢゃうぅうっうぁ、あーっ!ああ、あっい、いぎ、ぅっ!!」
ぐるりとサジの瞳が霞んだ。思考を熱で侵され、火傷しそうなくらいに熱い性器に腹を掘削され、抱え上げられた足はぶらぶらとだらしなく揺れていた。もう、なすがままだ。サジは腹の奥がふにゃふにゃになってしまい、形のいい性器が腹を叩くたびにジョロジョロとはしたなく漏らした。
「ふーっ…!!」
「ひぅ、う!!」
ぐっ、と結合部が膨らんだ。アロンダートが獣のように理性を放り投げた証拠だった。性器の根元の膨らみは、一滴もこぼさせないという征服欲の現れだ。鋭い犬歯がサジの柔らかな肩に食い込んだのと同時に、腹にどぱりと信じられない量の精液を流し込まれた。
「ぅぐ、あ、ぁあ、あ、アツ、ぃ…っ」
プシ、と透明な潮が噴き上げた。もう全て搾り取られたといっても過言ではない。サジはアロンダートを背もたれにするようにぐったりともたれかかりながら、胸で呼吸を繰り返す。くたりとしてへたり込んだ性器を、アロンダートがもにりと握る。
「も…、しまい、だ…っ、触れるな馬鹿者…っ」
「終いなのはサジだけだろう。」
「へ、」
ぐっ、と静液を出し終えたはずのアロンダートの性器が硬さを増した。
「う、うそ…っ、うそうそうそ…っあぁ!!だ、だめ、っ!」
ガクン!と強く揺さぶられ、はくりと口から空気が漏れた。アロンダートが前傾する。抱え上げた細いサジの足を肩に担ぎ上げ、横向きに寝かせると、その美しくいやらしい体を見下ろすかのようにして押し倒した。
「優しくするといってできなかったからな、挽回させてくれ。」
「い、いやだあ!も、もう無理、もう無理っ…!」
「エルマーから聞いた。それはいやよいやよも、という本音の裏返しなのだろう。」
「はあ!?あの馬鹿の言うことなんぞ信じるではいわ!!」
「うむ、ならば僕はずるい男だから、今回ばかりは自分の信じたい物のみを信じようと思う。」
「ヒェ…っ…!」
サジの美しい枯れ葉色の髪の毛に、アロンダートが口づけを落とした。その掌は、まるで繊細なものを扱うかのように優しくサジの頬を撫でる。
「狡猾で聡明な種子の魔女であるサジの僕だぞ。やはり、ずるくなくては締まらないだろう。」
「おま、まさかずるいっていったこと、まだ気にして…っ」
「何を言う。」
アロンダートが、多腕を使ってサジをベットに再び縫いとめた。ほの暗い部屋の中で光る二つの金眼は、間違いなく捕食者のそれであった。
「そんなこと気にするほど、僕は大人気なくはないさ。」
美しく微笑んだアロンダートに、サジは思った。絶対に気にしているに違いないと。フルフルと首をふり、こんなにも降参を示していると言うのに、アロンダートはそんなサジを見て可愛らしいなあとトンチンカンなことを抜かすのだ。
「ひぅ、や、やだああーーーーー!!」
エルフの森に、情けない魔女の悲鳴が響いた。それは育て方を誤ったのか、それとも手綱を握りきれていないからか。どちらにせよ、サジは間違いなくアロンダートによって、獣が理性を失うとどうなるかを身をもって体験する羽目となった。
しかし後日、懲りずにまたアロンダートを煽ってえらい目に遭うのだが、それはひとえに学習能力の乏しいサジだからできることであった。まあ、アロンダートもそういった揚げ足を大人気なく取り上げて好き勝手振る舞うのだから、結局二人は似たもの同士なのだろう。
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