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二章 百貨店にくる顧客に情緒をかき乱される俺の話なんだけど。(大林梓編)
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なんでこんなことになってしまったのだろうか。
大林は、榊原の家で湯船に浸かりながら、そんなことを思った。今日あった出来事を振り返る。昼前くらいに家に行き、まさかの在宅だった榊原に出くわし、なんやかんやあって仲直りをした。いや、喧嘩をしていたわけではないのだが、勝手に気まずくなっていたら、榊原も勝手に気まずくなっていたらしい。
お互いが同じ釜の飯を食らいながら気持ちを吐露して、そうだ、それで仲直りみたいな具合になったのだ。まあ、喧嘩は最初からしていないのだが。
「………。」
湯船が気持ちい。家に帰ると、湯を貯めるのが面倒くさくてシャワーでしか済ませないのだ。湯の色は、翡翠色に染まってる。榊原が山の香りだよと言って渡してきた、入浴剤。本当はパッケージには森の香りと書かれていたのだけれど、榊原が何も疑わずに差し出してくるから、大林も何も言わずに受け取ったのだ。
「なんだよ、山の香りって。スケールがデカすぎんだろ。」
くふ、と思わず笑みがこぼれた。今はここに榊原がいないので、存分に気を抜ける。その思考こそが、すでに大林の負けを意味しているというのに、自分に都合が悪いからと、見て見ぬふりをしている。
絆されている気がする。口元まで湯船に浸かりながら、そんなことを思った。今だって、榊原のおねだりを聞いてしまっている。
大林が逃げるように帰ってしまった、あの日。榊原はケーキを買ってきてくれていた。一人で食べたのだろう、捨てられていた箱を見つけて切なくなってしまったのだ。
榊原は気にしなくていいと笑っていたけれど、それじゃあ収まりがつかなくて、大林から何かしたいと申し出た。そうして榊原から帰ってきた言葉は、いつか来るだろうなと思っていた話だった。
「こないだの一件があるのに、簡単に泊まった俺って、案外ちょろいのかな。」
ボソリと呟く。大林の頭によぎったのは、評価次第ではご褒美を与えると宣った、雄の顔をした榊原と、昼に見せた素直に触れたいと口にした榊原の二つの顔だ。
昼と夜で、性格が変わるのだろうか。そんなことを思ったが、狼男のような変貌を遂げられたとしても、なんだかんだで流されてしまうような気がして怖い。何が怖いかって、ここまで気を許してしまっている自分にだ。
湯船の中で、膝を抱える。もしかして、今日もそういうことをされてしまうのだろうかと考えたら、少しだけ体が反応してしまったのだ。
人の家の風呂場で、二回も勃たせるだなんてどういう了見だ。己の体のことながら、大林は愚息にしっかりしろと喝を入れたい気分である。昼の榊原よろしく、一人反省会を行なっていれば、なんだかのぼせてきた。
「大林くん、スイカバー食べる?」
「うわあ!!」
「あ、ごめん。」
物思いに耽っていたせいで、扉越しの榊原の声にビビり散らかしてしまった。大林が素っ頓狂な声をあげて反応するものだから、扉の向こう側からは、申し訳なさそうな声が聞こえてきた。
大林は湯船から上がると、扉を少しだけ開けて顔を出す。顔の赤さは風呂に入っていたからで誤魔化せるだろう。
「食べる。」
「緑と赤どっちがいい?」
「緑なんてあんの?」
「うん、箱で買うと二種類入ってるんだ。」
無邪気な顔で見せつけてくる。年上のくせに、本当に無邪気だなとも思う。榊原が手渡してくれたバスタオルを体に巻いて出てくると、大林はむんずと緑色のアイスを手に取った。
「こっちにする。」
「そっちメロン味じゃない?顔赤くない?のぼせた?」
「のぼせた…」
バスタオルにくるまって、榊原に向いてもらったアイスを齧っていれば、もう一枚のタオルでわしゃわしゃと髪を拭われる。昼間のお世話を大林が行ったからだろうか。髪を拭われているだけだというのに、なかなかに待遇が良く感じてしまう。
鏡越しに目があった。にこりと微笑まれたので、がじりとアイスに噛み付いて照れを誤魔化す。
こうも、純粋な好意を差し出されるとどうしていいかわからなくなる。榊原に好きだとは口にはされていないが、絶対に俺のこと好きだろうと自惚れても問題はなさそうである。
「メロンだった?」
「あんまわかんね。」
榊原の何気ない問いかけに、食べたいのかと思って、口元にアイスを差し出した。少しの間動きを止めた榊原が、ぎこちなく口元を寄せて齧り付く様子にキョトンとした目を向けてしまったが、よくよく考えて見たら、触れたいと言われた相手にやるのには迂闊すぎた。
照れ臭そうにしながら口を動かす榊原から目を逸らすようにして、大林も無言でアイスを齧る。なんとも言えない、照れ臭さも混じるような空気がその場に漂う。
「ほら、あとは乾かすだけ。着替えは部屋に置いてあるから、着替えたらリビングにおいで。」
「至れり尽くせりじゃん。」
「昼間色々してくれたでしょ。」
そりゃあお賃金いただいてますし。そう口にしようとして、その前提があることを改めて思い出す。濡れたタオルを丸める榊原の手元を見つめる。
左手に光る指輪を見ると、柄にもなく少しだけ気分が下がった。
そうじゃん、こんなふうにされても、もうこいつは人のものなんじゃん。女のように妊娠をすることもない分、後腐れのない関係としてならいいかと誘ったあの日、自分に触れてくる榊原に、女のように扱うなという気持ちが先行した。それと同時に、どうせ最後まで触れる勇気はないだろうとも推測ったのだ。
でも、その時榊原はなんて言っていたか。
「大林くん。」
榊原の声で、呼ばれる。なんだか頭の中を覗かれてしまったかのような気がして、返事もせずに榊原の脇を抜けて寝室へと向かう。何やってんだ、また感じ悪くしちまった。それでも、許してくれる優しさがあるのを知っているから、こうして甘えてしまうのかもしれない。
榊原の家に通うようになってからは、オトモダチと会う機会も減った。暇があれば、レシピサイトをみたりもしている。なんだか、自分が榊原の手によって、どんどん真面目にされているような気さえした。
用意された、榊原のスウェットに足を通す。裾を折らなくては転んでしまいそうな着丈が悔しくて、大林はウエストを巻き上げるようにして履いた。なんだか女子高生の制服のスカートのようだ。トップスも、まあ似たようなものか。
「大林くんってば、」
「何、」
「ああ、明日何時に出るのかなって。」
「明日遅番だから、昼に出ればいい。」
ひょこりと寝室に顔を出した榊原に、つっけんどんに返す。ここまでよくしてもらっているやつの態度ではないなと、自分でも思う。榊原は、なんだ、じゃあ朝は一緒に出られそうだねと笑うと、手に持ったドライヤーを持ち上げて緩く微笑む。
おいで、という意味合いだ。口にしなくてもわかる。大林はノロノロと歩み寄る。なんというか、足が思うように動いてくれないのだ。
「髪乾かさないと、風邪ひいちゃうからね。」
「うん。」
その長い腕で、腰を抱かれた日のことを思い出す。ああいうのは、もうしないのだろうか。まあ、あれは庇う為というのが前提にあったのだけれど、女扱いしてほしくないと思っているくせに、少しだけ熱のこもった目で見てしまった。
「…大林くん、」
「うん?」
「…ごめんね、ちょっと触ってもいいかな。」
榊原の声が、真剣味を帯びる。夜で、風呂上がりで、これから髪を乾かそうって時に、唐突にそれはきた。この人は濡れた俺が性癖なのだろうか。バクン、と一つ心臓を跳ねさせると、ブワリと体が熱くなった。
「っ、い、今…?」
「今、」
待ってほしい、そんな声の低さで言われると、どうしていいかわからなくなる。あの日の夜の、榊原の雄の顔が脳裏に浮かぶ。大きな掌が、後退りをする大林の手首を掴んで引き寄せた。握りしめられた手が熱いのか、自分の体が熱くなっているのか、その境界線が曖昧になる。
もしかして、昼間頑張ったご褒美なのか。榊原が引き寄せるままに、大林はぼすんとその胸元に額をくっつけると、小さく震える吐息を漏らした。
大林は、榊原の家で湯船に浸かりながら、そんなことを思った。今日あった出来事を振り返る。昼前くらいに家に行き、まさかの在宅だった榊原に出くわし、なんやかんやあって仲直りをした。いや、喧嘩をしていたわけではないのだが、勝手に気まずくなっていたら、榊原も勝手に気まずくなっていたらしい。
お互いが同じ釜の飯を食らいながら気持ちを吐露して、そうだ、それで仲直りみたいな具合になったのだ。まあ、喧嘩は最初からしていないのだが。
「………。」
湯船が気持ちい。家に帰ると、湯を貯めるのが面倒くさくてシャワーでしか済ませないのだ。湯の色は、翡翠色に染まってる。榊原が山の香りだよと言って渡してきた、入浴剤。本当はパッケージには森の香りと書かれていたのだけれど、榊原が何も疑わずに差し出してくるから、大林も何も言わずに受け取ったのだ。
「なんだよ、山の香りって。スケールがデカすぎんだろ。」
くふ、と思わず笑みがこぼれた。今はここに榊原がいないので、存分に気を抜ける。その思考こそが、すでに大林の負けを意味しているというのに、自分に都合が悪いからと、見て見ぬふりをしている。
絆されている気がする。口元まで湯船に浸かりながら、そんなことを思った。今だって、榊原のおねだりを聞いてしまっている。
大林が逃げるように帰ってしまった、あの日。榊原はケーキを買ってきてくれていた。一人で食べたのだろう、捨てられていた箱を見つけて切なくなってしまったのだ。
榊原は気にしなくていいと笑っていたけれど、それじゃあ収まりがつかなくて、大林から何かしたいと申し出た。そうして榊原から帰ってきた言葉は、いつか来るだろうなと思っていた話だった。
「こないだの一件があるのに、簡単に泊まった俺って、案外ちょろいのかな。」
ボソリと呟く。大林の頭によぎったのは、評価次第ではご褒美を与えると宣った、雄の顔をした榊原と、昼に見せた素直に触れたいと口にした榊原の二つの顔だ。
昼と夜で、性格が変わるのだろうか。そんなことを思ったが、狼男のような変貌を遂げられたとしても、なんだかんだで流されてしまうような気がして怖い。何が怖いかって、ここまで気を許してしまっている自分にだ。
湯船の中で、膝を抱える。もしかして、今日もそういうことをされてしまうのだろうかと考えたら、少しだけ体が反応してしまったのだ。
人の家の風呂場で、二回も勃たせるだなんてどういう了見だ。己の体のことながら、大林は愚息にしっかりしろと喝を入れたい気分である。昼の榊原よろしく、一人反省会を行なっていれば、なんだかのぼせてきた。
「大林くん、スイカバー食べる?」
「うわあ!!」
「あ、ごめん。」
物思いに耽っていたせいで、扉越しの榊原の声にビビり散らかしてしまった。大林が素っ頓狂な声をあげて反応するものだから、扉の向こう側からは、申し訳なさそうな声が聞こえてきた。
大林は湯船から上がると、扉を少しだけ開けて顔を出す。顔の赤さは風呂に入っていたからで誤魔化せるだろう。
「食べる。」
「緑と赤どっちがいい?」
「緑なんてあんの?」
「うん、箱で買うと二種類入ってるんだ。」
無邪気な顔で見せつけてくる。年上のくせに、本当に無邪気だなとも思う。榊原が手渡してくれたバスタオルを体に巻いて出てくると、大林はむんずと緑色のアイスを手に取った。
「こっちにする。」
「そっちメロン味じゃない?顔赤くない?のぼせた?」
「のぼせた…」
バスタオルにくるまって、榊原に向いてもらったアイスを齧っていれば、もう一枚のタオルでわしゃわしゃと髪を拭われる。昼間のお世話を大林が行ったからだろうか。髪を拭われているだけだというのに、なかなかに待遇が良く感じてしまう。
鏡越しに目があった。にこりと微笑まれたので、がじりとアイスに噛み付いて照れを誤魔化す。
こうも、純粋な好意を差し出されるとどうしていいかわからなくなる。榊原に好きだとは口にはされていないが、絶対に俺のこと好きだろうと自惚れても問題はなさそうである。
「メロンだった?」
「あんまわかんね。」
榊原の何気ない問いかけに、食べたいのかと思って、口元にアイスを差し出した。少しの間動きを止めた榊原が、ぎこちなく口元を寄せて齧り付く様子にキョトンとした目を向けてしまったが、よくよく考えて見たら、触れたいと言われた相手にやるのには迂闊すぎた。
照れ臭そうにしながら口を動かす榊原から目を逸らすようにして、大林も無言でアイスを齧る。なんとも言えない、照れ臭さも混じるような空気がその場に漂う。
「ほら、あとは乾かすだけ。着替えは部屋に置いてあるから、着替えたらリビングにおいで。」
「至れり尽くせりじゃん。」
「昼間色々してくれたでしょ。」
そりゃあお賃金いただいてますし。そう口にしようとして、その前提があることを改めて思い出す。濡れたタオルを丸める榊原の手元を見つめる。
左手に光る指輪を見ると、柄にもなく少しだけ気分が下がった。
そうじゃん、こんなふうにされても、もうこいつは人のものなんじゃん。女のように妊娠をすることもない分、後腐れのない関係としてならいいかと誘ったあの日、自分に触れてくる榊原に、女のように扱うなという気持ちが先行した。それと同時に、どうせ最後まで触れる勇気はないだろうとも推測ったのだ。
でも、その時榊原はなんて言っていたか。
「大林くん。」
榊原の声で、呼ばれる。なんだか頭の中を覗かれてしまったかのような気がして、返事もせずに榊原の脇を抜けて寝室へと向かう。何やってんだ、また感じ悪くしちまった。それでも、許してくれる優しさがあるのを知っているから、こうして甘えてしまうのかもしれない。
榊原の家に通うようになってからは、オトモダチと会う機会も減った。暇があれば、レシピサイトをみたりもしている。なんだか、自分が榊原の手によって、どんどん真面目にされているような気さえした。
用意された、榊原のスウェットに足を通す。裾を折らなくては転んでしまいそうな着丈が悔しくて、大林はウエストを巻き上げるようにして履いた。なんだか女子高生の制服のスカートのようだ。トップスも、まあ似たようなものか。
「大林くんってば、」
「何、」
「ああ、明日何時に出るのかなって。」
「明日遅番だから、昼に出ればいい。」
ひょこりと寝室に顔を出した榊原に、つっけんどんに返す。ここまでよくしてもらっているやつの態度ではないなと、自分でも思う。榊原は、なんだ、じゃあ朝は一緒に出られそうだねと笑うと、手に持ったドライヤーを持ち上げて緩く微笑む。
おいで、という意味合いだ。口にしなくてもわかる。大林はノロノロと歩み寄る。なんというか、足が思うように動いてくれないのだ。
「髪乾かさないと、風邪ひいちゃうからね。」
「うん。」
その長い腕で、腰を抱かれた日のことを思い出す。ああいうのは、もうしないのだろうか。まあ、あれは庇う為というのが前提にあったのだけれど、女扱いしてほしくないと思っているくせに、少しだけ熱のこもった目で見てしまった。
「…大林くん、」
「うん?」
「…ごめんね、ちょっと触ってもいいかな。」
榊原の声が、真剣味を帯びる。夜で、風呂上がりで、これから髪を乾かそうって時に、唐突にそれはきた。この人は濡れた俺が性癖なのだろうか。バクン、と一つ心臓を跳ねさせると、ブワリと体が熱くなった。
「っ、い、今…?」
「今、」
待ってほしい、そんな声の低さで言われると、どうしていいかわからなくなる。あの日の夜の、榊原の雄の顔が脳裏に浮かぶ。大きな掌が、後退りをする大林の手首を掴んで引き寄せた。握りしめられた手が熱いのか、自分の体が熱くなっているのか、その境界線が曖昧になる。
もしかして、昼間頑張ったご褒美なのか。榊原が引き寄せるままに、大林はぼすんとその胸元に額をくっつけると、小さく震える吐息を漏らした。
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