アイデンティティは奪われましたが、勇者とその弟に愛されてそれなりに幸せです。

だいきち

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堕界編

采配

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 イザルからシグムントが言いつけられたことは、なるべく喋るな。だけであった。
 ネーヨと夫婦のふりをする前に、イザルとルシアンの二人によって魔力を与えられた時は、一体何事かと思った。唾液の交換程度ではあったものの、この状況での魔力補充に思うことは一つしかない。
 おそらくシグムントは、
 銀灰色の瞳が、静かにダダの背中を見つめていた。気を許して寝室へと招かれたのだ。重要な話をするときは、二人だけの秘め事にするのが出来る大人の常識である。
 これでいい。これこそが淀みない潜入というものだろう。
 おそらく、この後ネーヨはルシアンによって渡された簡易魔法陣で通信用の小鳥を召喚する。シグムントは、それまでの時間稼ぎを行うのだ。
 形のいい唇が笑みを浮かべる。シグムントは今。この偵察に身をやつすことに、完全に乗り気になっていたのだ。

「んふふ」
「ああ?」
「すまない、なんでもない」

 自己陶酔に思わず陥ったシグムントは、なんとか咳払いで誤魔化した。
 ダダが怪訝そうな顔のまま寝床に腰掛ける。まるで汚れを隠すかのように布がかけられたベッドは、ひどく傷んでいるのだろう。破けた部分からスプリングのようなものがチラリと見えた。

「あんたが知りたいのは、その先の話だろう。子供を助けた、大人の話」
「ダダが見たものを知りたい。それはお、……ぅわたしの探している人かも知れないからな」

 思わずつっかえてしまったが、イザルに言われた通り探し人がいることを仄めかす。ここは閉鎖的な場所だ、旅をしながら堕界まで訪れたという設定にしておけば、訳ありなことくらいバカでもわかる。
 ダダはシグムントの言葉に目を細めた。値踏みされるかのような視線は、信用に値する人物かを見極めているのだろう。しっかりと見つめ返すと、にこりと笑みを浮かべる。

「探し人か。お前も打算的に子供を育てているのだろうよ……ありゃあ明らかにあんたらの赤ん坊じゃない。見た目が全然ちげえからな」
「そこまで読まれていたとは恐ろしい男だな、ダダよ。だがお、私たちは家族だ。そういう設定になっている」
「設定、か。あんたみたいにあけすけなのは嫌いじゃない。俺たちは仲良くなれそうだ」

 勧められるままに、ベットへと腰掛けた。ネーヨのことだ、おそらく聞き耳を立てているに違いない。
 シグムントは、頭の中で話の流れを組み立てた。ダダの話によると、あの馬車に住んでいるのは、二人。そのうちの一人が人間だというのは、シグムントも知っている。唯一の人間は、魔女の子だと言い当ててしまったマナのことに違いない。
 しかし、わからないのはもう一人の男の存在だ。シグムントが知っているのは、淫魔の半魔であるジュナとメリー。半魔だから、もしかしたら年齢も見た目にはそぐわないかも知れないが、問題はそこじゃない。
 
「なあ、もう一人の男はどんなやつだ。人間と、あと一人。ダダはいると教えてくれただろう」
「子供は一人じゃ生きれねえ。人間の常識を当てはめるなら、いわゆる保護者ってやつだろう。だけどな、俺にはままごと遊びにしか見えなかったぜ」
「ママゴト……?」

 ママゴトって、なんだ。
 シグムントは口には出さなかったものの、頭の中では疑問符が散りばめられていた。
 その言葉の意味を問いかけるのは、おそらく愚かな行為なのだろう。ただ言葉の続きを促すように、シグムントは黙ってダダを見つめた。
 
「あの頃、ここは今よりもずっと騒がしかった。あの男は何を思ったかガキを育てたんだ。気まぐれだよ、わかるだろう。お前が赤ん坊を育てるように」
「気まぐれで?」
「淫魔ってのは便利だな、得られる栄養は食いもんだけじゃねえ。だから食いっぱぐれることもねえ」
「もう一人の男は、淫魔だったのか」
「ああそうだ、ま、最近は狩りには出てねえみてえだが」

 ダダの言葉に、シグムントの頭の中はますますこんがらがった。淫魔のハーフで双子ならいる。しかし、大人の淫魔のハーフなど見たこともない。
 マナの周りの子供達と、もう一人の男の存在がつながらないのだ。
 メリーが以前言っていた、七人の兄弟も気配を感じなかった。それも関係しているのだろうかと考えて、シグムントはハッとした。

「……おじさん、が来なかったか?」
「おじさん?」

 メリーが嬉しそうに言っていたのだ。生きていくために、いろんなことを教えてくれた人がいるのだと。
 そんな、半魔の住民に生きる知恵を与えた男が、記憶に残らないわけがないだろうと思ったのだ。

「すまない、私のおじさんではないのだが……そうだな、堕界の道を整えたり、少しの間ここに滞在したという男は、知らないだろうか」
「……、あの土壁の道を作った男のことを、なんでお前が知っている」
「探し人がいると言っただろう、もう忘れたのか」
「ああ、そういえばそうだったな」

 ダダの訝しげな目つきを、なんとかやり過ごす。
 イザルの指定した、探し人がいる夫婦の設定は、実に抜かりない。こうして逃げ道を残すことで、知る筈のないことを知っているという違和感を消してくれるのだ。
 鋭いダダの目つきをやり過ごしたシグムントは、少しだけ張り詰めた緊張をほぐすかのように、小さく呼吸をした。
 反応からして、おそらくメリーにインベントリを与えたというおじさんも知っているのだろう。身を乗り出すように顔を近づける。イザルから言われた、この顔は武器になるという言葉を思い出したのだ。

「な、なんだ……なんでそんなに近づくんだ」
「知りたい、そのおじさんは、マナ達とどんな関係だったんだ」
「……マナ達?」

 ダダの目つきが、再び変わる。その瞬間、シグムントは己の過ちに気がついた。

「俺はあいつの名前を言ってねえ。なんで堕界の勝手がわからねえってやつがその名前を知っている」
「それは……」
「やっぱり外の奴は信用ならねえな。ヒュトー、お前は何者だ」

 ダダの鱗の浮いた手が、手首を掴んだ。大きな手は抵抗をしようとしたシグムントのもう一本の腕もしっかりと掴むと、ぐっと顔を近づけた。
 細かな鱗が、ダダの訝しげな表情に合わせて動く。リザードマンの特徴を如実に表した紫色の舌が、ちろりと唇の隙間から顔を出した。

「ダダ、手を離してくれ。子供がいるんだ」
「そういう設定なんだろう、お前がさっき言った」
「……ああ、そうだった」

 やはり嘘は苦手だ。シグムントはイザルに叱られることを想像して、その表情を歪めた。
 ダダの顔が、呼気が触れるくらい細い首筋へと近づいた。心なしか、自由を奪う大きな手も震えているような気がする。動きの主導権を握っている筈なのに、緊張をするかのようなダダの様子に、シグムントは不思議に思った。

「くそう、お前なんで肌を許すんだ。俺に触れられて、気持ち悪いとかないのか」
「え?」
「もっと、悲鳴とかあげないのか。それが普通の反応じゃないのか」

 ダダの言い分に、シグムントはポカンとした。
 その表情は、少しだけ強張っている。硬い口調に、ダダは他人との触れ合いに慣れていないのだと理解した。
 ダダは恐る恐るシグムントの拘束した手を押し返す。何がしたいのかわからないまま、身を任せるようにベットへ寝転がれば、ダダはますますその顔を青褪めさせた。

「なんで、抵抗しないんだ!」
「していいのか」
「す、……するべきだろう……」
「設定もバレておるしなあ、うーん……」

 このままどうこうされるつもりは毛頭ないが、まだシグムントは質問の答えをもらっていない。ダダによって力弱くベットに縫い付けられたまま、困ったように眉を下げる。
 ちろりと横目で部屋の入り口を見れば、光を遮る扉代わりのぼろ布をまくるようにして、イマカがこちらの様子を窺っていた。おろおろとしている様子から、助けに行こうかを迷っているらしい。
 気持ちは嬉しいが、ダダにもその気がないことはわかっている。シグムントは苦笑いするようにイマカへと視線を向けると、何やら金色の瞳を大きく見開いて引っ込んでいった。

「くそ、気持ち悪がらないのか。お前は俺を」
「気持ち悪くないぞ。だって、ダダは優しくしてくれただろう」
「俺が、優しく?」

 拘束はされているが、その力は実に弱い。シグムントが少し腕を持ち上げれば、ダダは戸惑ったように腕の拘束を解いてくれた。
 他人との触れ合いに慣れていない。きっと、忌諱され続けてきたから、ダダは触れた肉の柔らかさに戸惑っているのだろう。シグムントはゆっくりと起き上がると、己に跨るダダの頬へ手をそえた。
 リザードマン独特の、少しだけ冷たい体温が手のひらから伝わってくる。顔に触れられて硬直したらしい。ダダの呼吸が一瞬だけ止まったその時、鋭い音を立ててボロ布が取り払われた。

「あ」
「だ、あ、ああ‼︎」

 シグムントの間の抜けた声と、ダダの驚愕の声が重なった。
 部屋にじんわりと染み込む威圧感が、室内の温度を一度下げる。不可視の冷気が肌を撫でるように放たれる中、二人の目の前にいたのはイザルであった。

「待テッテイッタジャン‼︎ 待テッテイッタジャン‼︎」
「この売女野郎が……また知らねえ男に尾っぽ振りやがって……」
「ダダだぞ、もう知り合いだ」

 イザルの足元にしがみつくようにして、産着姿のイマカが止めに入っていた。二人の背後では、イェネドに羽交締めにされたルシアンが、その黒目を苛立ちに染めていた。 
 一体何が起きたというのだ。間違いなく状況が読めていないのは、ダダであった。
 己のねぐらに不躾に上がってきた見ず知らずの男どもに、戸惑った様子を見せていたが、しかしイザルの顔を見上げるなり、その目を丸く見開いた。
 
「……あ、あんた、アイゼンか?」
「あ?」

 忘れるわけもない。ダダの口にしたアイゼンという男は、この堕界に少なからず恩恵をもたらした存在だったからだ。しかし、どうやら様子がおかしい。
 呆気に取られるダダの視線を、イザルは怪訝そうな顔で見つめ返していた。

「なんで、お前がその名を……」

 しかし、その妙な空気を破ったのはルシアンの声だった。
 ダダの瞳が、イザルの背後へと向けられる。そこには、アイゼンと呼ばれた男と瓜二つの人物がもう一人いる。間抜け面を晒すように口を開けていれば、ズカズカと向かってきたルシアンによってダダは胸ぐらを掴まれた。

「なんで、お前が父さんの名前を知っている……‼︎」
 
 力強いその声を、イザルがどう捉えたのかはわからない。それでもルシアンの言葉に息を飲むかのように、イザルの表情はわかりやすくこわばった。

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