30 / 73
再びのククルストック
しおりを挟む
眷属となる云々の話は、ひとまずまとまった。結局シグムントの眷属はゴブリンのイマカのみ、ネーヨ、基イェネドはイザルの舎弟──── ただしイェネドは群れのボスだと認識している──── として行動をともにすることとなった。
魔族であるシグムントだけでも手いっぱいなのに、勇者をやめた今。こうして魔族のお供ができるとは、二年前のイザル自身が見たらなんと言うのだろう。人生とは何が起こるかわからないものである。
「せっかく仲間になったと言うに。まさかイマカとばいばいだなんて寂しいものだなあ」
「これからククルストックに戻るんだ。あいつがいたらまた五月蝿くなるだろうよ」
「仲間、弔ってやんなきゃと言っていた。イマカは立派な雄だ」
イザルが散々弄り倒した他人のインベントリを我が物にしたイマカは、フォレストフォールへと戻る決意をした様だ。無論、シグムントが呼び掛ければ馳せ参じる契約はしっかりと交わされている。手の甲に刻まれたミミズ似の契約印には心底嫌そうであったが。
ただ、イザルはきちんと理解していた。おそらく仲間のために残ると言うのは、シグムントへの建前に違いないと。イザルが捨てた他人のインベントリを抱きしめて、イマカはイザルに言ったのだ。
──── 次、呼バレタ時ノタメニ、チットクライハ強クナッテオク。
「ま、あいつも男だっつーことだよ」
「でもラカントフラワー討伐なんて、イマカ一人でできるのか?」
「男に二言は許されない。シグムント、イマカはきっとまじだよ」
「イザルは二言しか言わなさそうだけどなあっきゃいん!」
イザルの拳がシグムントの後頭部をすかさず叩く。
フォレストフォールの出口まで案内してくれたイマカだ。森の中は知り尽くしているのだろう。ラカントフラワーの討伐をすでにイザルが済ませていることは告げていない。やる気満々のイマカを尊重したあたり、イザルもイマカの男気には思うところがあるようだ。
男は、目標があれば強くなれる。イザルの当面の目標は安定した生活であるが。
「う、うーん……」
ネーヨに担がれたアルベルが、小さく唸った。どうやら覚醒が近いらしい。イザルはまたシグムントが余計なことをいうのではと危惧したが、視線を向けた先の表情が曇っていたので口を噤む。落ち込んでいるというか、怯えているようにも見える。
「シ、……」
「うう、う? ……んん……」
「……イェネド、おろしてやれ」
「うん」
気にはなったが、結局イザルは声をかけなかった。
イェネドによって、少々乱暴気味に下されたアルベルが目を覚ます。気がつけば、シグムントはアルベルの視界から逃れるように、イザルの背後へと隠れていた。
「あり……? なんだ戻ってきてるじゃないか‼︎ ってどへぇえっい、イザル‼︎」
「随分なご挨拶じゃねえかアルベル。命の恩人に向かってよォ」
「よ、よりにもよってイザ、う、ううん、なんでもない。うん、俺ぁ生きてこの森でれたんだなあ……」
呑気にあたりを見回している様子から、あの洞窟神殿での出来事は忘れているらしい。蓄えた髭を仕切に撫でていたアルベルの瞳が、イザルの背後に隠れるシグムントを捉える。ようやくイザル以外にも人がいると認識したのか、感心したように宣った。
「はぁあ、見慣れない別嬪さんがおる。褐色のあんたはどこの人だい?」
「アルベル、詮索するな。それよりも報酬をよこせ。捜索依頼だしたのはてめえだろう」
「そりゃあ俺と一緒にいたルルだ。……あんたルル見てねえか?」
「ルル?」
アルベルの問いかけに、イザルはあえて疑問で返した。おそらく、ルルとは拾ったインベントリの真の持ち主だろう。微かに毛を逆立てるイェネドを窘めるように腕を掴むと、言葉の先を促すように、見ていない。と告げた。
「そうか。いや、いいんだ。俺はあいつに殺されかけたしな……。そんな奴の命なんぞ、心配してやる義理もない」
「殺されかけた?」
アルベルは体を揺らして立ち上がると、苛立ちを大袈裟な身振りで吐き出した。
「ルルのやつ、自分が半魔だってことを隠してやがったんだ‼︎ そのまま言わないでくれりゃあこんなことにはならなかったのによう、全く。半魔を雇ったことがバレたら俺は罪になっちまう!」
「なんで半魔だってわかったんだ。まさか、そいつは自分から明かしたのか?」
「そうだよ、俺は人間だと思ってた。だから仕事だって丁寧に教えてやったつもりだ。それがあの野郎、フォレストフォールについた途端、様子がおかしくなりやがって!」
曰く、ルルは突然魔物へと姿を変えたのだという。きっかけはわからない。アルベルの目の前で魔物に姿を変えたルルは、その咆哮で仲間を喚んだのだという。
ヴィホルダーに仲間を喚ぶ特性を持つものはいないことから、イザルはルルが召喚術を持っていたのではないかと推測した。ヴィホルダーは上位種の魔物だ。主人がいるうちはいいが、おそらくルル自身がヴィホルダーに転化してしまった為に、制御が効かなくなったのだろう。
アルベルを見つめるイザルの目は、予想以上に冷たい。興奮したように喋り続けるアルベルとは正反対に、イェネドとシグムントは静かに緊張をしていた。
「んで、アルベルはなんでフォレストフォールまで行ったんだ」
「なんでって、そりゃあ……」
アルベルの目線がイザルの腰に差している聖剣へと向けられた途端、人が変わったように表情をこわばらせた。
「おま、な、なんでそれ持ってんだあ!」
「お前を助け出した手間賃にもらったんだよ。捜索依頼だけじゃ割に合わねえしな。つっても、処分してくれって頼んだのにこの有様さ。ま、お前のことなんざハナから信用しちゃいねえがな」
「ゲッ!」
遺跡で見せた醜い聖剣への執着を、アルベルはすでに持たないようだった。渋い顔はしているが、どちらかというと悪戯がバレたかのような罰の悪さを感じる。
イザルもまた、神殿の時のようにしつこく追求することはしなかった。ただ、しっかりと報酬を貰うつもりであることには変わりない。
「ん」
「な、なんだよ……」
「はやく依頼料よこせや。てめえの思いつきで迷った挙句、駆り出された俺の身にもなれってんだ髭ジジイ」
「グゥウ……」
アルベルは悔しそうな顔をしたが、それ以上の文句を言うことはせずに懐から金の入った皮袋を取り出した。
「……いいかいお嬢ちゃん。悪いことは言わねえ……付き合う男くらいは自分の目で見定めにゃ行かん。少なくとも老耄から金を巻き上げる様な男はダメだ」
「う、うん」
「そこの若いの、お前もだぞ。いいな」
「…………」
イザルが予想した通り、アルベルは己がシグムントに何をしたのかも忘れている様だ。イェネドは訝しげにアルベルを睨んだだけで、頷きひとつすら応じなかった。
受け取った金をインベントリに突っ込むと、イザルは付け足すようにアルベルへと口を開いた。
「アルベル、お前がこのまま剣を持っていたら、命は奪われていたかもしれない」
「ああ⁉︎」
「この剣は聖剣なんかじゃねえ、どっちかっつうと魔に引き寄せられる剣だからな」
イザルの言葉に、アルベルは推し黙った。思うところがあったらしい。稲穂の眉の隙間から睨みつけるように、イザルの剣を見つめる。
「お、俺ぁ確かに……あん時は俺じゃあなかったのかもしれん」
額に汗を滲ませる。聖剣を手にした時に目に浮かんだ剣の記憶は、アルベルに悪夢を見させた。血生臭い香りと魔物の肉を絶つ記憶。背筋も凍る感覚を植え付けられたはずなのに、自然と足は森へと向かっていたと言う。今は柄を握った感触すら思い出せない。むしろ、聖剣によって操られていたと言われる方が腑に落ちる。
「そ、そんな恐ろしいもんを俺に預けるな‼︎ お前は馬鹿か‼︎」
「俺はてっきりあんたが言いつけ通りに処分してくれると思ったんだがなあ」
「こっちは金払って買い取ったんだぞ‼︎ そもそも曰く付きだなんて誰が思うかあ‼︎」
「そう。だからあんたが勝手に好きにした。やめておけとも俺は言ったがな。はなからてめえに忠告の義務を果たしてあんだよ」
最後までアルベルの記憶が欠けていることを、イザルは伝えないままであった。シグムントもイェネドも、それについては何も言わなかった。
聖剣が手元に戻ってきた今、アルベルが受ける影響は何もない。遺跡にいた時と比べても、今のアルベルは別人の様に感じた。
シグムントは、静かに考え込んでいた。先程イザルが言っていた、魔に引き寄せられる剣という言葉が、頭の片隅から離れなかったのだ。己も、そのうちの一つなのだろうかと考えて、少しだけ落ち込んだ。イザルがこの体を討伐しに来た過去は変えられないが、叶うことならもう二度と経験はしたくないと思ってしまったのだ。
「いやだな」
「あ?」
「ううん、なにも」
イザルのとなりにいると、どんどんと贅沢になっていくような気がする。この気持ちだけは悟られたくないなと取り繕う姿が気にかかったらしい。イザルは妙なものを見る目でシグムントを見つめていた。
結局、シグムントはククルストックの宿に戻っても、一人落ち込んだままであった。
魔族であるシグムントだけでも手いっぱいなのに、勇者をやめた今。こうして魔族のお供ができるとは、二年前のイザル自身が見たらなんと言うのだろう。人生とは何が起こるかわからないものである。
「せっかく仲間になったと言うに。まさかイマカとばいばいだなんて寂しいものだなあ」
「これからククルストックに戻るんだ。あいつがいたらまた五月蝿くなるだろうよ」
「仲間、弔ってやんなきゃと言っていた。イマカは立派な雄だ」
イザルが散々弄り倒した他人のインベントリを我が物にしたイマカは、フォレストフォールへと戻る決意をした様だ。無論、シグムントが呼び掛ければ馳せ参じる契約はしっかりと交わされている。手の甲に刻まれたミミズ似の契約印には心底嫌そうであったが。
ただ、イザルはきちんと理解していた。おそらく仲間のために残ると言うのは、シグムントへの建前に違いないと。イザルが捨てた他人のインベントリを抱きしめて、イマカはイザルに言ったのだ。
──── 次、呼バレタ時ノタメニ、チットクライハ強クナッテオク。
「ま、あいつも男だっつーことだよ」
「でもラカントフラワー討伐なんて、イマカ一人でできるのか?」
「男に二言は許されない。シグムント、イマカはきっとまじだよ」
「イザルは二言しか言わなさそうだけどなあっきゃいん!」
イザルの拳がシグムントの後頭部をすかさず叩く。
フォレストフォールの出口まで案内してくれたイマカだ。森の中は知り尽くしているのだろう。ラカントフラワーの討伐をすでにイザルが済ませていることは告げていない。やる気満々のイマカを尊重したあたり、イザルもイマカの男気には思うところがあるようだ。
男は、目標があれば強くなれる。イザルの当面の目標は安定した生活であるが。
「う、うーん……」
ネーヨに担がれたアルベルが、小さく唸った。どうやら覚醒が近いらしい。イザルはまたシグムントが余計なことをいうのではと危惧したが、視線を向けた先の表情が曇っていたので口を噤む。落ち込んでいるというか、怯えているようにも見える。
「シ、……」
「うう、う? ……んん……」
「……イェネド、おろしてやれ」
「うん」
気にはなったが、結局イザルは声をかけなかった。
イェネドによって、少々乱暴気味に下されたアルベルが目を覚ます。気がつけば、シグムントはアルベルの視界から逃れるように、イザルの背後へと隠れていた。
「あり……? なんだ戻ってきてるじゃないか‼︎ ってどへぇえっい、イザル‼︎」
「随分なご挨拶じゃねえかアルベル。命の恩人に向かってよォ」
「よ、よりにもよってイザ、う、ううん、なんでもない。うん、俺ぁ生きてこの森でれたんだなあ……」
呑気にあたりを見回している様子から、あの洞窟神殿での出来事は忘れているらしい。蓄えた髭を仕切に撫でていたアルベルの瞳が、イザルの背後に隠れるシグムントを捉える。ようやくイザル以外にも人がいると認識したのか、感心したように宣った。
「はぁあ、見慣れない別嬪さんがおる。褐色のあんたはどこの人だい?」
「アルベル、詮索するな。それよりも報酬をよこせ。捜索依頼だしたのはてめえだろう」
「そりゃあ俺と一緒にいたルルだ。……あんたルル見てねえか?」
「ルル?」
アルベルの問いかけに、イザルはあえて疑問で返した。おそらく、ルルとは拾ったインベントリの真の持ち主だろう。微かに毛を逆立てるイェネドを窘めるように腕を掴むと、言葉の先を促すように、見ていない。と告げた。
「そうか。いや、いいんだ。俺はあいつに殺されかけたしな……。そんな奴の命なんぞ、心配してやる義理もない」
「殺されかけた?」
アルベルは体を揺らして立ち上がると、苛立ちを大袈裟な身振りで吐き出した。
「ルルのやつ、自分が半魔だってことを隠してやがったんだ‼︎ そのまま言わないでくれりゃあこんなことにはならなかったのによう、全く。半魔を雇ったことがバレたら俺は罪になっちまう!」
「なんで半魔だってわかったんだ。まさか、そいつは自分から明かしたのか?」
「そうだよ、俺は人間だと思ってた。だから仕事だって丁寧に教えてやったつもりだ。それがあの野郎、フォレストフォールについた途端、様子がおかしくなりやがって!」
曰く、ルルは突然魔物へと姿を変えたのだという。きっかけはわからない。アルベルの目の前で魔物に姿を変えたルルは、その咆哮で仲間を喚んだのだという。
ヴィホルダーに仲間を喚ぶ特性を持つものはいないことから、イザルはルルが召喚術を持っていたのではないかと推測した。ヴィホルダーは上位種の魔物だ。主人がいるうちはいいが、おそらくルル自身がヴィホルダーに転化してしまった為に、制御が効かなくなったのだろう。
アルベルを見つめるイザルの目は、予想以上に冷たい。興奮したように喋り続けるアルベルとは正反対に、イェネドとシグムントは静かに緊張をしていた。
「んで、アルベルはなんでフォレストフォールまで行ったんだ」
「なんでって、そりゃあ……」
アルベルの目線がイザルの腰に差している聖剣へと向けられた途端、人が変わったように表情をこわばらせた。
「おま、な、なんでそれ持ってんだあ!」
「お前を助け出した手間賃にもらったんだよ。捜索依頼だけじゃ割に合わねえしな。つっても、処分してくれって頼んだのにこの有様さ。ま、お前のことなんざハナから信用しちゃいねえがな」
「ゲッ!」
遺跡で見せた醜い聖剣への執着を、アルベルはすでに持たないようだった。渋い顔はしているが、どちらかというと悪戯がバレたかのような罰の悪さを感じる。
イザルもまた、神殿の時のようにしつこく追求することはしなかった。ただ、しっかりと報酬を貰うつもりであることには変わりない。
「ん」
「な、なんだよ……」
「はやく依頼料よこせや。てめえの思いつきで迷った挙句、駆り出された俺の身にもなれってんだ髭ジジイ」
「グゥウ……」
アルベルは悔しそうな顔をしたが、それ以上の文句を言うことはせずに懐から金の入った皮袋を取り出した。
「……いいかいお嬢ちゃん。悪いことは言わねえ……付き合う男くらいは自分の目で見定めにゃ行かん。少なくとも老耄から金を巻き上げる様な男はダメだ」
「う、うん」
「そこの若いの、お前もだぞ。いいな」
「…………」
イザルが予想した通り、アルベルは己がシグムントに何をしたのかも忘れている様だ。イェネドは訝しげにアルベルを睨んだだけで、頷きひとつすら応じなかった。
受け取った金をインベントリに突っ込むと、イザルは付け足すようにアルベルへと口を開いた。
「アルベル、お前がこのまま剣を持っていたら、命は奪われていたかもしれない」
「ああ⁉︎」
「この剣は聖剣なんかじゃねえ、どっちかっつうと魔に引き寄せられる剣だからな」
イザルの言葉に、アルベルは推し黙った。思うところがあったらしい。稲穂の眉の隙間から睨みつけるように、イザルの剣を見つめる。
「お、俺ぁ確かに……あん時は俺じゃあなかったのかもしれん」
額に汗を滲ませる。聖剣を手にした時に目に浮かんだ剣の記憶は、アルベルに悪夢を見させた。血生臭い香りと魔物の肉を絶つ記憶。背筋も凍る感覚を植え付けられたはずなのに、自然と足は森へと向かっていたと言う。今は柄を握った感触すら思い出せない。むしろ、聖剣によって操られていたと言われる方が腑に落ちる。
「そ、そんな恐ろしいもんを俺に預けるな‼︎ お前は馬鹿か‼︎」
「俺はてっきりあんたが言いつけ通りに処分してくれると思ったんだがなあ」
「こっちは金払って買い取ったんだぞ‼︎ そもそも曰く付きだなんて誰が思うかあ‼︎」
「そう。だからあんたが勝手に好きにした。やめておけとも俺は言ったがな。はなからてめえに忠告の義務を果たしてあんだよ」
最後までアルベルの記憶が欠けていることを、イザルは伝えないままであった。シグムントもイェネドも、それについては何も言わなかった。
聖剣が手元に戻ってきた今、アルベルが受ける影響は何もない。遺跡にいた時と比べても、今のアルベルは別人の様に感じた。
シグムントは、静かに考え込んでいた。先程イザルが言っていた、魔に引き寄せられる剣という言葉が、頭の片隅から離れなかったのだ。己も、そのうちの一つなのだろうかと考えて、少しだけ落ち込んだ。イザルがこの体を討伐しに来た過去は変えられないが、叶うことならもう二度と経験はしたくないと思ってしまったのだ。
「いやだな」
「あ?」
「ううん、なにも」
イザルのとなりにいると、どんどんと贅沢になっていくような気がする。この気持ちだけは悟られたくないなと取り繕う姿が気にかかったらしい。イザルは妙なものを見る目でシグムントを見つめていた。
結局、シグムントはククルストックの宿に戻っても、一人落ち込んだままであった。
22
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説

楽な片恋
藍川 東
BL
蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。
ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。
それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……
早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。
ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。
平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。
高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。
優一朗のひとことさえなければ…………


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

支配者に囚われる
藍沢真啓/庚あき
BL
大学で講師を勤める総は、長年飲んでいた強い抑制剤をやめ、初めて訪れたヒートを解消する為に、ヒートオメガ専用のデリヘルを利用する。
そこのキャストである龍蘭に次第に惹かれた総は、一年後のヒートの時、今回限りで契約を終了しようと彼に告げたが──
※オメガバースシリーズですが、こちらだけでも楽しめると思い
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる