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不測の事態 

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 イザルは、顔に焦燥を滲ませ森の中を駆けていた。
 気を抜いていたわけじゃなかった。は、本当に突然に現れたのだ。シグムントは、イザルの目前で玩具のように鷲掴まれて連れてかれた。破裂音のようにけたたましい音を立てて現れた、灰色の大きな手によって。
 体の内側で、心臓が限界まで跳ね回っている気がする。イザルは風魔法の身体強化で走る速度を上げた後、ヴィホルダーと思われる魔物を追って森の中へと飛び込んだ。

「くそ、くそ…っ、くそ、くそが……‼︎」

 喉から絞り出すような声が森に響く。イザルのブーツが土を抉り、砂利を弾き飛ばす。進行を妨げる枝葉を素手で振り払うせいで、その腕には何本もの赤い線が伸びていた。
 なんで悲鳴を上げない。こういう時に限って、なんで大人しくなる。
 イザルの脳裏に過るのは、抵抗すらできない間抜けなシグムントに起こりうる最悪だ。

「シグムント……‼︎ っどこだ‼︎」

 服従魔法の干渉範囲外にいるのだろう、先ほどまで認知していた気配は途絶えている。
 巨大な腕の持ち主だ。きっと動きは鈍く、すぐに追いつけるだろうと思っていた。しかし一向に見つからない。この深い森の中で、闇に紛れるように溶けたとでもいうのだろうか。
 フォレストフォールは、一種の迷宮でもある。闇雲に走り回ればイザルだって迷うだろう。しかし、そんなことを考える余裕がなかった。
 木々がざわめく。月夜茸の胞子が漂い、イザルを幻惑の中へと手招くように瞬く。草木の隙間から、靄の向こう側から、イザルが正気を失うのを今か今かと待っている。
 薄暗い森の中。木々が孕む闇の中から、幾つもの赤い光がイザルを見つめていた。気がつけば、見覚えのある道に戻ってきていたのだ。
 こめかみに青筋が浮かぶ。シグムントを死なせられない理由がある。それなのに、フォレストフォールは空気を読まずに邪魔をしてくる。急いでいるのに、行手を阻まれる。一人旅の時には気にも留めなかった状況が、今はこんなにも煩わしい。

「ざけんな、こっちは忙しいんだ……」

 ポツンと落とされた声は、随分と低かった。
 イザルの足元では、静かに魔力が円を描く。光が少しずつ陣を描き終えると、黒髪の隙間から銀灰の瞳を光らせる。
 感覚を研ぎ澄ませ、探るのはシグムントではない。イザルは己にそう命じながら、シグムントの体内に残るイザルの魔力を探知する。
 魔力を練り上げるイザルを前に、長い犬歯を剥き出しにして大きなフォレストウルフが飛び掛かる。

「だから。今それどころじゃねえって言ってんだろうがァア‼︎」

 銀灰の瞳が軌跡を描く。上半身を捻るように振りかぶったイザルの手が、勢いよくフォレストウルフの口吻を鷲掴む。一回り以上大きな体を地べたへと力任せに押さえつけると、上下関係を示すかのように跨った。
 
「てめえ、ここらがナワバリだよなあ……ちょうどいいや、人探し手伝ってくれや」

 押さえつけた口吻からは、ぶくぶくと赤い血の泡が漏れ出ていた。地べたに爪痕を残すほどの強い抵抗を、イザルはものともしていない。
 威嚇するように睨みつける魔物の目に視線を合わせると、底冷えするような声で言った。

「クソ犬。俺のいうことを聞け」

 フォレストウルフの瞳孔が、キュウ、と細まった。声に魔力を乗せた隷属魔法は、イザルがシグムントへと施した服従魔法よりも高位の術だ。押さえつけた体を縛るように伸びた呪文の鎖が、一際フォレストウルフの首を締め上げた。森の中に響き渡るような絶叫は、体の芯まで呪う隷属魔法の怖気をありありと示している。
 そして、隷属魔法には代償が必要だった。命を天秤にかけるための生贄だ。しかし、それもすでに算段はついていた。

「そこにいるお前の仲間、全部生贄にしてやるよ」

 ひどく歪んだ笑みを見せたその時。フォレストウルフの体を縛る鎖が四方へと伸びる。木々の隙間や。草むらに隠れていた魔物の体が、次々と生贄に捧げられていく。茶褐色の毛並みが、夜を纏うように漆黒へと変貌した。







 水の音が聞こえる。それと、何か焦げ臭い匂い。

「ぅ、……ぇほ、っ……」

 シグムントはひどく埃っぽい場所にいた。肌に感じるざらつく感触から、どうやら地べたに伏しているようだ。
 体が軋む、なんでこんなところにいるのだろう。確か、イザルが凄くかっこよくて、胸がドキドキして、それで駆け寄って、たくさん褒めてあげたくて……

「ぁ」

 掠れた声が、静かに地べたに染み込んだ。意識がはっきりとしてきて、ようやく探るように景色に意識を向けることができた。
 どうやらとても大きな洞窟の中にいるらしい。天井に向かって何本もの柱が伸びているあたり、ここは遺跡のようだった。痛む体を叱咤して、身じろぐ。手足は動くが、尋常ではないほど肩が痛い。治癒が使えれば、なんてことはないだろうに。深く呼吸をして痛みを散らす。
 地べたに煤がこびりついており、壁に立てかけられた鍋もあった。生活の跡が確かにある。痛む体を叱咤して反対側へと顔を向ければ、階段が地上へと続いてた。おそらく、登りきったその場所が出口だろう。

「ぃ、う……っ」

 身を起こそうとして、できなかった。しかし、一瞬高くなった視界がとらえたのは、何者かの人影だ。

「……?」

 人影じゃない、人だ。もしかして、あの人が今回の依頼主だろうか。シグムントの銀灰の瞳には、作業着のようなものを身に纏う、小太りの男がいた。背負った大きな荷物を左右に揺らしながら、ゆっくりとシグムントへと近づいてくる。ハーフドワーフに見えなくもないが、きっと人間なのだろう。

「……こんにちは」
「あ……こ、こん……?」

 髭面の、大体五十代くらいだろう男がしばし絶句した。無理もない、こんな場所で人が倒れているとなれば、当然の反応である。男は大慌てでシグムントへと駆け寄ると、荷物を放り投げ地べたに膝をついた。
 

「あんた、なんでこんなところで寝っ転がってんだ」
「違う、俺は君を助けにきたんだ……ええと、武器屋の店主かな?」
「あ、ああ、いかにも……しかしそんなボロボロで助けると言われてもな」

 武器屋の店主であるアルベルは、にっこりと倒れたまま笑うシグムントに困り果てた。なにしろ、アルベルよりも助けが必要な身なりで微笑まれたのだ。

「俺は……シグムント。イザルの、友達だ」
「ええ? イザルって、あのイザルかい?」
「君が知っているイザルと、俺が知っているイザルは違うかもしれない。……そうだなあ、優しい方のイザルだ」
「ああ、じゃあ人違いかもしれん……」

 互いに認識しているイザルが同一人物であることは、どうやら気がついていないようだ。
 徐にインベントリを広げたアルベルが、中身の少ないポーションを取り出した。この状況での使い道は、シグムントの治癒のみだ。稲穂のような下がり気味の眉の隙間から、小さな目をのぞかせる。
 
「そんなに動けるなら背骨は折れてなさそうだが、……ああわかった、肩が外れちまってんだ」
「すごいな君は、そんなこともわかるのか」
「アルベルだよお嬢ちゃん。直してやりたいけどさ、体触るのも申し訳ねえしなあ……」

 しどろもどろになるアルベルの心労は、シグムントにはわかりかねた。しかし、足りない頭で察するに。おそらくアルベルが己の性別を間違えていることは容易く受け取れた。
 脳裏をよぎるのは、イザルによる恫喝だ。もしかしたら、ルシアン以外にも女と偽ったほうが都合がいいのかもしれない。人を騙すのは心苦しいが、イザルがいない今、間違ったとしても拳骨をくらうことはないだろう。
 シグムントは決意をすると、安心させるようにアルベルへと笑みを向けた。

「俺はイザルのお手つきだから、触られても全然構わない」
「俺の知ってるイザルのお手つきだとしたら、俺が構うんだよなあ……」

 自信を見せつけるシグムントとは対照的に、アルベルの顔は引きつっていた。
 しかし、助けに来たという言葉は聞き逃しはしなかった。シグムントの口振りでは、イザルも共に来ているようだ。おそらく頼りになるのはどこぞのイザルのみだと、すがる思いでアルベルは神妙に頷いた。

「わかった、これは治療行為だ。俺にゃあ嫁さんも娘もおるしな。変な気も起こさんから、体に触れるのも許しとくれよ」
「構わない。あとできれば優しくはめてくれ」
「今はめるって言うのやめてくんない!?」

 
 シグムントはボロボロではあったが、この事態を楽観視していた。むしろ、イザルよりも先に遭難者を見つけたのだ。誇らしくすら思っている。
 もしかしたら、イザルが褒めてくれるかもしれない。己の状況を棚に上げてふくふく笑う姿を、アルベルだけは怯えたように見つめていたが。

「嬢ちゃん、歯ぁ食いしばっとれよ」
「ぅ、ンっ……」

 薄い肩に添えられたアルベルの手に力が入る。
 耳の奥で鈍い音が響き、冷や汗が噴き出した。何とか声を上げることを堪えたが、強い痛みに涙が滲んだ。

「ん、ふっ……」
「わああ、まっとれまっとれ!」

 処置をされたシグムントよりも、アルベルのほうが青い顔をしている。
 インベントリから取り出した布を水で湿らせたかと思うと、肩に添わせるように布をあてがい凍らせる。
 
「ぅあ、……っ、冷たい、なんだこれ……」
「なんだもねえよ、腫れちまってんだから冷やさねえと。本当は治癒かけてやりてえけど、それだとこっちの魔力枯渇が先だ。外傷ならポーションが効くけどよう」
「すまない、手当をありがとう……」
「あんた自分で治癒はかけらんねえのか? 学校でも習うだろう。自分でかける方が魔力使わねえよ」

 またシグムントの知らない常識が出てきた。今話を合わせても、そのうちボロは出てしまうだろう。
 金色の目に映るアルベルは、心配をしてくれる心優しい人物だ。シグムントは少しだけ悩んだが、素直に治癒を使えないんだと告白することにした。

「つかえない。そりゃ一体どういう意味だ」
「ああ、俺の体の中に流れている魔力は、俺のものではないんだ。だから、使うんだとしたら俺でなくイザルの為に使いたい」
「そりゃ……また難儀な体してんなあ……。でも、そのイザルだってあんたが無事なほうがいいだろうよ」
「ああ、だから今はまだ温存しておきたいんだ」

 シグムントの微笑みに、アルベルがたじろいだ。
 なかなかにお目にかかれない美貌の持ち主は、随分と愚かな思考の持ち主だと思ったのだ。
 体はボロボロのくせして、妙な操立てで体を蔑ろにする。職業柄効率を重視するアルベルなら、今すぐにでも治癒を使って逃げるのに。
 しかし、シグムントにそのつもりがないのはありありと分かった。
 外からは、時折木を引き摺るような音が聞こえてくる。おそらく魔物が何かをしているのだろう。
 洞窟の外は大きな湖になっていた。その外周を二体のヴィホルダーが警戒するように歩き回っているのだ。
 
「……ヴィホルダーをみたろ、またあの化け物に襲われかねん。俺はさっさと動けるようにしておくべきだと思うがね」
「そうだな……、俺の知っているヴィホルダーよりも、随分と大きかった気もするが……」
「あんた魔物に詳しいのかい? でも、あれは一筋縄じゃ行かんだろうよ、毛色が違うようだしなあ」

 ヴィホルダーは知能の低い魔物だ。当然、何を思って二匹が湖の外を徘徊してるのかもわかりかねた。
 
「なんにせよ、俺はまだ見向きもされちゃいねえが、あんたが喰われずにここにきたってのは……なんか理由があるのかねえ」
「話がしたいな、意思の疎通ができるものがいればだが……」
「ここにゃ俺しかいねえよ。お優しいイザルがくるなら話は別だがな」

 二人の溜め息が重なった。外の状況がわからないのが痛い。シグムントは体内に巡るイザルの魔力を感じ取ると、そっと目を閉じた。
 距離が離れてしまったからか、服従魔法は途切れてしまっている。意図せぬ状況に対して罰が発動しないことから、本当に簡易的なものだったらしい。
 シグムントの意思が働かない不測の事態が起こることを想定していたのだろう。イザルの万が一の想定は奇しくも当たってしまったということだ。
 やはり、イザルは頭がいい。それとも、一応は心配してくれていたのだろうか。
 そんなことを考えると、なんだか少しだけ照れ臭くなる。緩んでしまった口元を引き結ぶ。そんな様子を、アルベルは変なものを見る目で見つめていた。



 
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