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「口開けて、ほら。」
「ん、んぁ…っ…」
「ふは、…かわい…。」
まるで雛の餌付けのようだ。ミハエルは上手にサディンから与えられるご飯をこぼさぬように、何度もサディンと唇を重ねる。口端から溢れても、サディンが舌で掬い上げて運んでくれるし、上手に食べれたらいい子だねって首や頸を噛んでくれる。
サディンは幸せだった。己の愛しい大切が、自分の庇護下で、自らの人としての尊厳や体の主導権を明け渡してくれるのだ。これって、とんでもなくでかい愛情だなあ。そんなことを思って、ああ、俺は幸せ者だなとうっとりとミハエルを見る。
二人してキマってしまった頭は、元には戻らない。狭いベットの巣の上で、サディンはミハエルに与えたスープの器を床に置き、だらしなく脱ぎ捨てた団服を散らかしたまま、はだけたシャツとウエストのホックを外したボトムのまま、ミハエルを後ろから抱き締める。
「ああ、そういえばヨナハンは蜘蛛の巣の一員になったらしい。今朝シスが言っていたんだ。」
「第三騎士団はおやめに?」
「ああ、でもなぜか俺の団にきた。きっと押しつけられたんだろう。あいつはお前を探してるみたいだったけど、出張していると言ったら、よく耐えられますねと言われた。」
「そうですか…。ああ、研修をサボってしまった事実がバレてしまったら、僕はどうなってしまうんでしょう…。」
「どうにもなるものか。むしろ俺がまたダラスにどやされるだろう。」
「ああ、でもお母さんの方が怖いかもしれません。」
紐で繋がれているというのに、ミハエルは何も気にしないで、他愛のない会話を楽しむ。
鼻先を擦り合わせ、唇を啄み、額を重ねてうっとりと互いを見つめ合う。指先を絡めながら、サディンがミハエルの下唇を悪戯に吸えば、ミハエルもくふんと笑って仕返しをする。
「ルキーノの方が、骨が折れそうだ。」
「なんだかんだ、お母さんが一番強いですから、っ…ンぅ、」
「は、可愛い声が出たな。」
くつくつ笑いながら、サディンがそんなことを言う。手がシャツ生地をどかすようにしながら侵入する。ふに、とつままれた胸の突起に小さく身を震わせると、ミハエルはぺしょりとサディンの唇を舐めた。
「やらしくなったな、」
「サディンが、そうさせたくせに。」
「うん、」
可愛い。頭がバカになってしまったように、同じ言葉しか出てこない。サディンは味蕾をすり合わせるかのようないやらしいキスを堪能しながらミハエルをキツく抱き締めると、コツンと額を重ねた。
「まだ、挿入は許してくれないの。」
「ご、ごめんなさい…、」
「謝ってほしいんじゃなくてさ、」
カサついた親指がそっと唇をなぞる。それだけで、ミハエルは期待のこもった目で見つめてしまう。ダメなのに、サディンの手をねだってしまいたくなる。今でもこんなに奥が切ないのに、体のことを考えると、ミハエルは自分が我慢のできないダメな大人になった気分だった。
「何か理由があるなら言ってほしいし、それが分かれば、俺だってもう少し優しくできるんだけど。」
「やさ、しいですよ?」
ミハエルのキョトン顔に、サディンがポカンとした顔をする。こんなに独占欲をむき出しにして、監禁まがいなことをしているというのに、ミハエルはまるで何を言っているのかわからないと言った具合にサディンを見上げる。なんてことだ。懐が深いなんてものじゃない。サディンはじわりと頬を染めると、なんだか居た堪れなくなった。
「おう、そうか…うん、なんか、急に気恥ずかしくなってきた。」
「へ、なんで赤くなってるんですか。」
「…俺のこと、甘やかすのうまいよなミハエルは。」
「甘えてくれるの、可愛くて嬉しいです…。」
顔を赤らめて、ミハエルが可愛らしく微笑む。自分よりも年下の、天然で幼くて、かなりクソ真面目でドジな恋人は、サディンが自身に対してする行動は、全て嬉しいといわんばかりに喜ぶ。なんというか、俺のこと大好きすぎるだろう。自負もへったくれもない。こうまでして、ミハエルがサディンを全身で全肯定してくれるから、どんどんと歯止めが効かなくなってしまう。
「ミハエルは、こうして俺が囲っても文句を言わないよな。」
「はい。」
「嫌だって言わないし、俺のしたいこと全部させてくれるし、だけど」
「はい、ぁ、っ」
「ここも、こんなにぐずぐずなのに、挿れさせてくんない。」
にゅく、とサディンの掌が、ミハエルの小ぶりな袋を押さえながらゆっくりと指を侵入させる。掠れた甘やかな声が漏れ、ミハエルの太ももにサディンの男らしい腕が挟まれる。
ちゅ、ちゅ、と音を立てながら、赤く染まった耳や頬に口付けを落とし抜き差ししてやれば、サディンによって開かれた素直な体は、まるで答えるように指を締め付ける。
「ン、ンぅ…は、あ、あ、あ、…っ」
「まだお預け?こんなに美味そうなのに、ミハエルは意地悪だな…。」
「ぁう、っ…ゆ、ゆび…気、持ち、ぃ…っ…」
サディンの胸板に身を預けるように、ミハエルがもたれかかる。フルフルと震える太ももは、もう力が入りそうにない。ゆらめきそうになる腰を理性で止めながら、ミハエルはサディンの首筋に鼻先を埋めるようにして熱い吐息を漏らした。
「いいこ、わかるだろ。お前を前にして、俺はもうこんなになってんの。」
「あつ…い、…」
「触ってミハエル、入れちゃいけないなら、お前の手で気持ち良くして。」
頬に口付けられ、サディンの甘い声でそんなことを言われる。可愛い、僕の雄がおねだりをしている。ミハエルは胸をトクトクと鳴らしながら、その小さな掌をサディンの下肢へと回す。固くて、なめらかな腹筋をたどり、下着の隙間から手を差し入れる。少し硬めの茂みを掌に感じながら、一際熱いサディンの太い性器をゆるく握りしめた。
「ン…、小さい手だな。」
「サディンが、大きいだけです。」
「ウブだったのに、ここ一週間でやらしくなっちまった。」
「お嫌ですか…、」
「いいや、大好き。」
「ン、ふは、っ…」
素直なサディンが面白くて、ミハエルが小さく噴き出す。唇を押し付けるかのようなキスの後、サディンはミハエルをゆっくりと押し倒す。自分がこんなに歯止めが効かない男だとは知らなかった。ミハエルが細い体を隠すように身に纏った大きなシャツをたくしあげる。赤く色づいた胸の頂はサディンの執拗な愛撫によって、ふくりとその存在を主張している。挿入を伴わないペッティング。ミハエルの手でにゅくにゅくと性器を弄られて終わりのそれに、いい加減サディンも我慢が効かなくなってきた。
「入れないから、足かして。」
「へ、…っぁ、わあ、っ!」
ミハエルの細い足を一纏めにして抱え上げると、サディンはその太ももの肉の隙間に擦り付けるようにして挿入した。白い肌の隙間を押し広げるかのように見え隠れするサディンの男臭いそれに、ミハエルは全身を痺れさせながらも、きゅうっと足を閉じて答える。
僕の雄が、足だけで我慢してくれようとしている。でも、きっと入れたいのだろうなあ。そんなことを思いながら、時折ミハエルの小ぶりな性器と擦れ合う。
「は…も、焦ったい…っ…、」
「ン、んぅ…サディ、ン…かわい…い、」
「うるさいよ、ったく。」
赤らんで、色っぽい顔のまま、サディンがむすりとむくれる。顔の横に両肘をついてミハエルを囲ったサディンの腰使いが徐々に強まる度に、ミハエルの性器はサディンの先走りを潤滑油にして、濡れた音を立てながら刺激される。後ろの蕾がひくひくと収縮する。ほしい、もどかしい感覚に身悶えながら、ミハエルは乱れた呼吸を繰り返す。もどかしいのに、気持ちがいいのだ。
「ぃ、いっぱい…っ、気、もちく…なって…あっ、ン、ンう、ぅ、ゃ…っ…」
「あ…っ、く…ん、も、…っ、や、らし…」
「ぅあ、ぁん…っ、も、ほし、ぃ…ど、うしよ…っ…」
「いれんな、って…いう、癖に…っ…ずるいな、お前…っ…」
「ご、ぇっ…ぁさ、っ…ふ、ンぁ…っイ、イっちゃぅう…っんンーー…!」
ちろりと唇の隙間から見えた赤い舌に、たまらなくなってサディンが口づけを深める。ひくつく蕾に親指をぐっと押し込んだと同時に、精液を噴き上げたミハエルの痴態を見やる。長い髪が首筋に張り付き、とろけた表情で虚空を見つめるその姿が目に毒で、サディンも小さく息を詰めて腰を震わす。
「っぁあ…、く…っ…」
感じいったサディンの声色に、ミハエルの小さな欲が満たされる。ビシャリとかけられた精液が、己のそれと混ざって薄い腹に散らされると、互いに呼吸も整わぬままに何度も口付けた。
幸せだ、ずっとこのままでいいのに。仄暗い欲を腹に抱えたまま、ミハエルもサディンも、互いの体温を何度も確かめ合う。ぬるつく体液をそのままに、惰眠を貪り、目を覚まし、また愛し合うを何度も繰り返す。サディンの魔力譲渡は無意識下のうちにミハエルの腹の子に提供され、足りなくなれば唾液や精液をねだる。洗脳であれば楽なのに、本気で求め合うから始末に負えない。
狭い部屋での、ひそやかな行為は誰にも邪魔は許されない。サディンの聖域は自尊心を満たす最高の雌で、愛しき大切だ。
我ながら爛れていると思う。そして、そうやって過ごしてきた日々の中で、最近のサディンは、先生がいないのにえらくご機嫌だよね。そういう何気ない一言がぽろりと周りから出始めているなど、本人たちは知らなかった。
「ん、んぁ…っ…」
「ふは、…かわい…。」
まるで雛の餌付けのようだ。ミハエルは上手にサディンから与えられるご飯をこぼさぬように、何度もサディンと唇を重ねる。口端から溢れても、サディンが舌で掬い上げて運んでくれるし、上手に食べれたらいい子だねって首や頸を噛んでくれる。
サディンは幸せだった。己の愛しい大切が、自分の庇護下で、自らの人としての尊厳や体の主導権を明け渡してくれるのだ。これって、とんでもなくでかい愛情だなあ。そんなことを思って、ああ、俺は幸せ者だなとうっとりとミハエルを見る。
二人してキマってしまった頭は、元には戻らない。狭いベットの巣の上で、サディンはミハエルに与えたスープの器を床に置き、だらしなく脱ぎ捨てた団服を散らかしたまま、はだけたシャツとウエストのホックを外したボトムのまま、ミハエルを後ろから抱き締める。
「ああ、そういえばヨナハンは蜘蛛の巣の一員になったらしい。今朝シスが言っていたんだ。」
「第三騎士団はおやめに?」
「ああ、でもなぜか俺の団にきた。きっと押しつけられたんだろう。あいつはお前を探してるみたいだったけど、出張していると言ったら、よく耐えられますねと言われた。」
「そうですか…。ああ、研修をサボってしまった事実がバレてしまったら、僕はどうなってしまうんでしょう…。」
「どうにもなるものか。むしろ俺がまたダラスにどやされるだろう。」
「ああ、でもお母さんの方が怖いかもしれません。」
紐で繋がれているというのに、ミハエルは何も気にしないで、他愛のない会話を楽しむ。
鼻先を擦り合わせ、唇を啄み、額を重ねてうっとりと互いを見つめ合う。指先を絡めながら、サディンがミハエルの下唇を悪戯に吸えば、ミハエルもくふんと笑って仕返しをする。
「ルキーノの方が、骨が折れそうだ。」
「なんだかんだ、お母さんが一番強いですから、っ…ンぅ、」
「は、可愛い声が出たな。」
くつくつ笑いながら、サディンがそんなことを言う。手がシャツ生地をどかすようにしながら侵入する。ふに、とつままれた胸の突起に小さく身を震わせると、ミハエルはぺしょりとサディンの唇を舐めた。
「やらしくなったな、」
「サディンが、そうさせたくせに。」
「うん、」
可愛い。頭がバカになってしまったように、同じ言葉しか出てこない。サディンは味蕾をすり合わせるかのようないやらしいキスを堪能しながらミハエルをキツく抱き締めると、コツンと額を重ねた。
「まだ、挿入は許してくれないの。」
「ご、ごめんなさい…、」
「謝ってほしいんじゃなくてさ、」
カサついた親指がそっと唇をなぞる。それだけで、ミハエルは期待のこもった目で見つめてしまう。ダメなのに、サディンの手をねだってしまいたくなる。今でもこんなに奥が切ないのに、体のことを考えると、ミハエルは自分が我慢のできないダメな大人になった気分だった。
「何か理由があるなら言ってほしいし、それが分かれば、俺だってもう少し優しくできるんだけど。」
「やさ、しいですよ?」
ミハエルのキョトン顔に、サディンがポカンとした顔をする。こんなに独占欲をむき出しにして、監禁まがいなことをしているというのに、ミハエルはまるで何を言っているのかわからないと言った具合にサディンを見上げる。なんてことだ。懐が深いなんてものじゃない。サディンはじわりと頬を染めると、なんだか居た堪れなくなった。
「おう、そうか…うん、なんか、急に気恥ずかしくなってきた。」
「へ、なんで赤くなってるんですか。」
「…俺のこと、甘やかすのうまいよなミハエルは。」
「甘えてくれるの、可愛くて嬉しいです…。」
顔を赤らめて、ミハエルが可愛らしく微笑む。自分よりも年下の、天然で幼くて、かなりクソ真面目でドジな恋人は、サディンが自身に対してする行動は、全て嬉しいといわんばかりに喜ぶ。なんというか、俺のこと大好きすぎるだろう。自負もへったくれもない。こうまでして、ミハエルがサディンを全身で全肯定してくれるから、どんどんと歯止めが効かなくなってしまう。
「ミハエルは、こうして俺が囲っても文句を言わないよな。」
「はい。」
「嫌だって言わないし、俺のしたいこと全部させてくれるし、だけど」
「はい、ぁ、っ」
「ここも、こんなにぐずぐずなのに、挿れさせてくんない。」
にゅく、とサディンの掌が、ミハエルの小ぶりな袋を押さえながらゆっくりと指を侵入させる。掠れた甘やかな声が漏れ、ミハエルの太ももにサディンの男らしい腕が挟まれる。
ちゅ、ちゅ、と音を立てながら、赤く染まった耳や頬に口付けを落とし抜き差ししてやれば、サディンによって開かれた素直な体は、まるで答えるように指を締め付ける。
「ン、ンぅ…は、あ、あ、あ、…っ」
「まだお預け?こんなに美味そうなのに、ミハエルは意地悪だな…。」
「ぁう、っ…ゆ、ゆび…気、持ち、ぃ…っ…」
サディンの胸板に身を預けるように、ミハエルがもたれかかる。フルフルと震える太ももは、もう力が入りそうにない。ゆらめきそうになる腰を理性で止めながら、ミハエルはサディンの首筋に鼻先を埋めるようにして熱い吐息を漏らした。
「いいこ、わかるだろ。お前を前にして、俺はもうこんなになってんの。」
「あつ…い、…」
「触ってミハエル、入れちゃいけないなら、お前の手で気持ち良くして。」
頬に口付けられ、サディンの甘い声でそんなことを言われる。可愛い、僕の雄がおねだりをしている。ミハエルは胸をトクトクと鳴らしながら、その小さな掌をサディンの下肢へと回す。固くて、なめらかな腹筋をたどり、下着の隙間から手を差し入れる。少し硬めの茂みを掌に感じながら、一際熱いサディンの太い性器をゆるく握りしめた。
「ン…、小さい手だな。」
「サディンが、大きいだけです。」
「ウブだったのに、ここ一週間でやらしくなっちまった。」
「お嫌ですか…、」
「いいや、大好き。」
「ン、ふは、っ…」
素直なサディンが面白くて、ミハエルが小さく噴き出す。唇を押し付けるかのようなキスの後、サディンはミハエルをゆっくりと押し倒す。自分がこんなに歯止めが効かない男だとは知らなかった。ミハエルが細い体を隠すように身に纏った大きなシャツをたくしあげる。赤く色づいた胸の頂はサディンの執拗な愛撫によって、ふくりとその存在を主張している。挿入を伴わないペッティング。ミハエルの手でにゅくにゅくと性器を弄られて終わりのそれに、いい加減サディンも我慢が効かなくなってきた。
「入れないから、足かして。」
「へ、…っぁ、わあ、っ!」
ミハエルの細い足を一纏めにして抱え上げると、サディンはその太ももの肉の隙間に擦り付けるようにして挿入した。白い肌の隙間を押し広げるかのように見え隠れするサディンの男臭いそれに、ミハエルは全身を痺れさせながらも、きゅうっと足を閉じて答える。
僕の雄が、足だけで我慢してくれようとしている。でも、きっと入れたいのだろうなあ。そんなことを思いながら、時折ミハエルの小ぶりな性器と擦れ合う。
「は…も、焦ったい…っ…、」
「ン、んぅ…サディ、ン…かわい…い、」
「うるさいよ、ったく。」
赤らんで、色っぽい顔のまま、サディンがむすりとむくれる。顔の横に両肘をついてミハエルを囲ったサディンの腰使いが徐々に強まる度に、ミハエルの性器はサディンの先走りを潤滑油にして、濡れた音を立てながら刺激される。後ろの蕾がひくひくと収縮する。ほしい、もどかしい感覚に身悶えながら、ミハエルは乱れた呼吸を繰り返す。もどかしいのに、気持ちがいいのだ。
「ぃ、いっぱい…っ、気、もちく…なって…あっ、ン、ンう、ぅ、ゃ…っ…」
「あ…っ、く…ん、も、…っ、や、らし…」
「ぅあ、ぁん…っ、も、ほし、ぃ…ど、うしよ…っ…」
「いれんな、って…いう、癖に…っ…ずるいな、お前…っ…」
「ご、ぇっ…ぁさ、っ…ふ、ンぁ…っイ、イっちゃぅう…っんンーー…!」
ちろりと唇の隙間から見えた赤い舌に、たまらなくなってサディンが口づけを深める。ひくつく蕾に親指をぐっと押し込んだと同時に、精液を噴き上げたミハエルの痴態を見やる。長い髪が首筋に張り付き、とろけた表情で虚空を見つめるその姿が目に毒で、サディンも小さく息を詰めて腰を震わす。
「っぁあ…、く…っ…」
感じいったサディンの声色に、ミハエルの小さな欲が満たされる。ビシャリとかけられた精液が、己のそれと混ざって薄い腹に散らされると、互いに呼吸も整わぬままに何度も口付けた。
幸せだ、ずっとこのままでいいのに。仄暗い欲を腹に抱えたまま、ミハエルもサディンも、互いの体温を何度も確かめ合う。ぬるつく体液をそのままに、惰眠を貪り、目を覚まし、また愛し合うを何度も繰り返す。サディンの魔力譲渡は無意識下のうちにミハエルの腹の子に提供され、足りなくなれば唾液や精液をねだる。洗脳であれば楽なのに、本気で求め合うから始末に負えない。
狭い部屋での、ひそやかな行為は誰にも邪魔は許されない。サディンの聖域は自尊心を満たす最高の雌で、愛しき大切だ。
我ながら爛れていると思う。そして、そうやって過ごしてきた日々の中で、最近のサディンは、先生がいないのにえらくご機嫌だよね。そういう何気ない一言がぽろりと周りから出始めているなど、本人たちは知らなかった。
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