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「う…。」
「おいおいなんですか。食あたりかミハエル。」
「と、トイレ…っ…」
「おやまあ。」
バタバタと手洗い場へと駆け込んだミハエルに、ギョッとした顔をする医術局の面々。珍しくミハエルが朝帰りですと言った様子で部署に現れたかと思えば、朝礼後にこれである。付き人しかり。サリエルは呆れた様子でミハエルを見送ると、相変わらずの悪魔のような恐ろしい風貌で呆気にとられた面々を見やる。
「何を見ている人間ども。拝観料をもらうぞ。」
ミハエルがいなくなった途端、赤い瞳孔で睨みつけられた同僚たちは、アッイヤナンデモナイデス。と引き攣り笑みを浮かべながら見なかったふりをする。一体全体何が起こっているのやら。医術局の華でもあるミハエルが、ここのところずっと具合が悪そうなのだ。心配ではあるが、マジモンの触らぬ神に祟りなしなので、皆表立って心配することはできないでいた。
「戻りました…」
「戻しましたの間違いじゃないのですか。」
「うう…」
サリエルの揶揄いにもいつものツッコミが出ないほどであった。ぷよぷよとミハエルの周りをぐるりと回ったかと思えば、ガシリと顔を鷲掴んで上を向かせる。みんなびくりとした顔をして固まれば、ミハエルは端的に、最も効果のある方法で嗜めた。
「口付けをしたらサディンに言い付けますよ。」
「チッ。」
どうやらサリエルはミハエルが最近自分を構わないのでむくれているらしい。顔をぐいっと近づけるものだから、皆一様に冷や汗をかいたのだが、ミハエルも随分と強くなったものである。
「今日は研究局に顔を出さねばなりません、サリエル、それが終わったらお昼休みにブラッシングしてあげますから。」
「絶対だな。その約束を違えたらお前の寝込みを襲いますからね。」
「わかりましたから、あなたはお気に入りのブラシでも用意しておきなさい。」
「ふふん、しばし席を外す。昼には戻る。」
「はいはい。」
ミハエルがバインダーに資料を挟みながら受け流す。怖い執着の神様はというと、その鞭のような尾をご機嫌に振り回しながら空気に溶けるようにして消え去った。
「み、ミハエル…お前体調大丈夫なのか。」
「ああ、朝からごめんなさい…。食当たりなのかわからないんですけど…」
「検査するならしてやるから、あんまり無理するなよ。」
「そうだぞ、ヒョロっこいからそんなになるんだ。」
サリエルが消えた途端に、わらわらと集まって来てはポケットにお菓子やら栄養ドリンクやらを詰め込まれる。ミハエルは両手が塞がっていたため固辞することもできずにいたが、周りがこうして自分を心配してくれることのありがたみに照れ臭そうに頬を染めた。
「あ、ありがとうございます…、お菓子、好きです。」
「ウッ」
「あああ、早く元気になったらケーキ買ってあげるからな!」
「俺もミハエルが好きそうな焼き菓子とか持ってくるからな!」
「頑張れよミハエルの胃!!」
「そうだぞ、男の子なんだから強い消化器官を養えよミハエル!!」
「は、はい…が、頑張ります…!」
なんで消化器官を応援してくれたのだろうとは思ったが、その場にいた全員が下心はないですと変な方向に男らしさをアピールしたからに他ならない。ミハエルはそんな無駄な気回しなど気がつくはずもなく、ポケットを菓子でパンパンにしながら、いそいそと医術局をでた。
チョコレートにスノーボール、黒糖を絡めたナッツ、果てはビタミンタブレットやハッカ飴、小さなクッキーやら幼児が喜びそうなロリポップ、なんだか素焼きの豆も入っていて、みんな手軽に食べられるものを見る限り、頭を使うことの多い医術局ならではの個性が出ている。ミハエルは両ポケットに幸せの重みを感じながら、ダラスに頼まれた資料片手に研究局へと向かっていた。
「なんだかこう言うのを、小さな幸せというのでしょうか。」
「何かいいことでもあったのですか?」
道中、背後から聞いたことのある声がして、思わず振り向く。そこには第三騎士団所属のヨナハンが不思議そうに立っており、ミハエルは慌ててペコリとお辞儀をした。
「わ…っ、と…あ、こ、こんにちは…」
「こんにちは、って、ああ、お菓子が落ちましたよ。」
「ああっ、す、すみません。」
おじぎの勢いで散らばったお菓子を、ヨナハンがおかしそうに笑いながら、膝をついて拾ってくれる。ミハエルはオロオロしながらも、気恥ずかしそうに顔を赤らめながらお礼を言うと、ちょっと失礼しますよと添えてポケットの中に収めてくれた。
「なぜそんなにお菓子をパンパンに入れているのですか?」
「ああ、これは…。職場の皆様が僕にくださったのですよ。」
「そうですか、どうやら当分はお菓子には困らなさそうだ。」
「あはは、確かに、」
ヨナハンが面白そうに言う。ミハエルはお礼を述べたのちにその場を辞そうとしたが、どうやらヨナハンは道に迷っていたようだった。なんでも、ジルバに呼ばれたらしい。第三騎士団にもヨナハンの事情は伝わっているらしく、居場所がない分おそらく退団の話になるだろうとのことだった。
「まあ、仕方ありません。新しい仕事でも探す他はないですね。」
「そんな、まだそうと決まったわけではないのでしょう?」
「ですが、まあ娼館とのダブルワークの騎士は市井の者には示しもつきません。」
苦笑いをしながらそんなことを言うヨナハンに、ミハエルは困った顔をした。ヨナハンは確かに不義理をしたのかも入れないが、その件の真相を知っているミハエルからしてみれば、やり方はどうであれ、崇高な志のもとの行動だと思ったからだ。
「あの、呼び出しは何時までに向かう予定ですか。僕、この後研究局に行かねばならないんですけど、道案内しましょうか。」
「いいのですか?それはありがたいですが。」
「構いません、ええと、まだ時間があるようでしたら、先に研究局によっても?」
「それはもちろん、実はまだ時間があるのです。ゆっくり城を見てまわりたいなと思っていたので。」
どうやら自分の提案は迷惑じゃないらしいとわかり、ミハエルはホッとした。研究局に行くなら荷物を持ちますよと申し出てくれたヨナハンは、半ばもぎ取るかのように荷物を受け取ると、できるうちに騎士の勤めをしなくては。と茶目っ気たっぷりにそんなことを言った。
道中、城はもう少し華美な場所が多いかと思ったと言うヨナハンに、ミハエルは同意する。おそらく他国の城は二人の想像の通りなのだろうが、この城の国王が華美なものを好まない。グレイシス国王は必要最低限の場所のみ城らしく装飾はしているが、ここで働くものたちが主に使う通路や棟は、傷がついてもいいように派手な装飾はないのですよというと、ヨナハンは不思議そうに首を傾げた。
「傷、ですか。」
「なんでも、過去に敵襲によって焼かれた部屋があるそうです。魔物が人に化けて、侵入してしまったみたいで。」
「騎士は何をしていたのですか。」
「宴の最中だったので、貴族を外に出さぬようにと会場の警備に徹していたようです。」
「では、制圧は一体誰が。」
「おや、ヨナハンさんはもうその方をご存知のはずですよ。」
くすくす笑いながら、当時その場にいたエルマーとサジ、そして第二王子たちとその腹心が撃退したというと、目を丸くして驚いていた。エルマーもサジも、ヨナハンからしてみれば少ししか変わらない年齢だ。サディンの父親だと言うと、もはや言葉も出ないと言った具合に驚愕をする。
「神のご寵愛を戴くと言うことは、時を止めることと同義ですか…。」
「そうなのかもしれません、でも、僕は同じ時代を生きることができる幸運に感謝していますけどね。」
「それは、サディン団長がいるからですか?」
「それもありますが…。」
ミハエルの言葉が思わず詰まる。後もう少しで研究局だという曲がり角で、ヨナハンがミハエルの手を握りしめたのだ。
「ええと、もうすぐですので…。」
「ミハエル、貴方の団長への気持ちは、知っています。」
「ヨナハンさん…?」
ミハエルを見下ろす真剣な瞳に、戸惑った顔の自身が映る。この状況がわからなくて、つい手を離してもらおうと緩く引く。振り払えば離せる力加減で握られているのに、ヨナハンが少しだけ辛そうな顔をするのが気になって、ミハエルはそれができなかった。
「おいおいなんですか。食あたりかミハエル。」
「と、トイレ…っ…」
「おやまあ。」
バタバタと手洗い場へと駆け込んだミハエルに、ギョッとした顔をする医術局の面々。珍しくミハエルが朝帰りですと言った様子で部署に現れたかと思えば、朝礼後にこれである。付き人しかり。サリエルは呆れた様子でミハエルを見送ると、相変わらずの悪魔のような恐ろしい風貌で呆気にとられた面々を見やる。
「何を見ている人間ども。拝観料をもらうぞ。」
ミハエルがいなくなった途端、赤い瞳孔で睨みつけられた同僚たちは、アッイヤナンデモナイデス。と引き攣り笑みを浮かべながら見なかったふりをする。一体全体何が起こっているのやら。医術局の華でもあるミハエルが、ここのところずっと具合が悪そうなのだ。心配ではあるが、マジモンの触らぬ神に祟りなしなので、皆表立って心配することはできないでいた。
「戻りました…」
「戻しましたの間違いじゃないのですか。」
「うう…」
サリエルの揶揄いにもいつものツッコミが出ないほどであった。ぷよぷよとミハエルの周りをぐるりと回ったかと思えば、ガシリと顔を鷲掴んで上を向かせる。みんなびくりとした顔をして固まれば、ミハエルは端的に、最も効果のある方法で嗜めた。
「口付けをしたらサディンに言い付けますよ。」
「チッ。」
どうやらサリエルはミハエルが最近自分を構わないのでむくれているらしい。顔をぐいっと近づけるものだから、皆一様に冷や汗をかいたのだが、ミハエルも随分と強くなったものである。
「今日は研究局に顔を出さねばなりません、サリエル、それが終わったらお昼休みにブラッシングしてあげますから。」
「絶対だな。その約束を違えたらお前の寝込みを襲いますからね。」
「わかりましたから、あなたはお気に入りのブラシでも用意しておきなさい。」
「ふふん、しばし席を外す。昼には戻る。」
「はいはい。」
ミハエルがバインダーに資料を挟みながら受け流す。怖い執着の神様はというと、その鞭のような尾をご機嫌に振り回しながら空気に溶けるようにして消え去った。
「み、ミハエル…お前体調大丈夫なのか。」
「ああ、朝からごめんなさい…。食当たりなのかわからないんですけど…」
「検査するならしてやるから、あんまり無理するなよ。」
「そうだぞ、ヒョロっこいからそんなになるんだ。」
サリエルが消えた途端に、わらわらと集まって来てはポケットにお菓子やら栄養ドリンクやらを詰め込まれる。ミハエルは両手が塞がっていたため固辞することもできずにいたが、周りがこうして自分を心配してくれることのありがたみに照れ臭そうに頬を染めた。
「あ、ありがとうございます…、お菓子、好きです。」
「ウッ」
「あああ、早く元気になったらケーキ買ってあげるからな!」
「俺もミハエルが好きそうな焼き菓子とか持ってくるからな!」
「頑張れよミハエルの胃!!」
「そうだぞ、男の子なんだから強い消化器官を養えよミハエル!!」
「は、はい…が、頑張ります…!」
なんで消化器官を応援してくれたのだろうとは思ったが、その場にいた全員が下心はないですと変な方向に男らしさをアピールしたからに他ならない。ミハエルはそんな無駄な気回しなど気がつくはずもなく、ポケットを菓子でパンパンにしながら、いそいそと医術局をでた。
チョコレートにスノーボール、黒糖を絡めたナッツ、果てはビタミンタブレットやハッカ飴、小さなクッキーやら幼児が喜びそうなロリポップ、なんだか素焼きの豆も入っていて、みんな手軽に食べられるものを見る限り、頭を使うことの多い医術局ならではの個性が出ている。ミハエルは両ポケットに幸せの重みを感じながら、ダラスに頼まれた資料片手に研究局へと向かっていた。
「なんだかこう言うのを、小さな幸せというのでしょうか。」
「何かいいことでもあったのですか?」
道中、背後から聞いたことのある声がして、思わず振り向く。そこには第三騎士団所属のヨナハンが不思議そうに立っており、ミハエルは慌ててペコリとお辞儀をした。
「わ…っ、と…あ、こ、こんにちは…」
「こんにちは、って、ああ、お菓子が落ちましたよ。」
「ああっ、す、すみません。」
おじぎの勢いで散らばったお菓子を、ヨナハンがおかしそうに笑いながら、膝をついて拾ってくれる。ミハエルはオロオロしながらも、気恥ずかしそうに顔を赤らめながらお礼を言うと、ちょっと失礼しますよと添えてポケットの中に収めてくれた。
「なぜそんなにお菓子をパンパンに入れているのですか?」
「ああ、これは…。職場の皆様が僕にくださったのですよ。」
「そうですか、どうやら当分はお菓子には困らなさそうだ。」
「あはは、確かに、」
ヨナハンが面白そうに言う。ミハエルはお礼を述べたのちにその場を辞そうとしたが、どうやらヨナハンは道に迷っていたようだった。なんでも、ジルバに呼ばれたらしい。第三騎士団にもヨナハンの事情は伝わっているらしく、居場所がない分おそらく退団の話になるだろうとのことだった。
「まあ、仕方ありません。新しい仕事でも探す他はないですね。」
「そんな、まだそうと決まったわけではないのでしょう?」
「ですが、まあ娼館とのダブルワークの騎士は市井の者には示しもつきません。」
苦笑いをしながらそんなことを言うヨナハンに、ミハエルは困った顔をした。ヨナハンは確かに不義理をしたのかも入れないが、その件の真相を知っているミハエルからしてみれば、やり方はどうであれ、崇高な志のもとの行動だと思ったからだ。
「あの、呼び出しは何時までに向かう予定ですか。僕、この後研究局に行かねばならないんですけど、道案内しましょうか。」
「いいのですか?それはありがたいですが。」
「構いません、ええと、まだ時間があるようでしたら、先に研究局によっても?」
「それはもちろん、実はまだ時間があるのです。ゆっくり城を見てまわりたいなと思っていたので。」
どうやら自分の提案は迷惑じゃないらしいとわかり、ミハエルはホッとした。研究局に行くなら荷物を持ちますよと申し出てくれたヨナハンは、半ばもぎ取るかのように荷物を受け取ると、できるうちに騎士の勤めをしなくては。と茶目っ気たっぷりにそんなことを言った。
道中、城はもう少し華美な場所が多いかと思ったと言うヨナハンに、ミハエルは同意する。おそらく他国の城は二人の想像の通りなのだろうが、この城の国王が華美なものを好まない。グレイシス国王は必要最低限の場所のみ城らしく装飾はしているが、ここで働くものたちが主に使う通路や棟は、傷がついてもいいように派手な装飾はないのですよというと、ヨナハンは不思議そうに首を傾げた。
「傷、ですか。」
「なんでも、過去に敵襲によって焼かれた部屋があるそうです。魔物が人に化けて、侵入してしまったみたいで。」
「騎士は何をしていたのですか。」
「宴の最中だったので、貴族を外に出さぬようにと会場の警備に徹していたようです。」
「では、制圧は一体誰が。」
「おや、ヨナハンさんはもうその方をご存知のはずですよ。」
くすくす笑いながら、当時その場にいたエルマーとサジ、そして第二王子たちとその腹心が撃退したというと、目を丸くして驚いていた。エルマーもサジも、ヨナハンからしてみれば少ししか変わらない年齢だ。サディンの父親だと言うと、もはや言葉も出ないと言った具合に驚愕をする。
「神のご寵愛を戴くと言うことは、時を止めることと同義ですか…。」
「そうなのかもしれません、でも、僕は同じ時代を生きることができる幸運に感謝していますけどね。」
「それは、サディン団長がいるからですか?」
「それもありますが…。」
ミハエルの言葉が思わず詰まる。後もう少しで研究局だという曲がり角で、ヨナハンがミハエルの手を握りしめたのだ。
「ええと、もうすぐですので…。」
「ミハエル、貴方の団長への気持ちは、知っています。」
「ヨナハンさん…?」
ミハエルを見下ろす真剣な瞳に、戸惑った顔の自身が映る。この状況がわからなくて、つい手を離してもらおうと緩く引く。振り払えば離せる力加減で握られているのに、ヨナハンが少しだけ辛そうな顔をするのが気になって、ミハエルはそれができなかった。
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