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白い花の海が、風に吹かれてサワサワと揺れる。辺り一帯、まるで刈り取ったかのように木々はなく、静かで幻想的な光景が広がっていた。
その美しい草はらを、土汚れのついた靴が分け入るように歩みを進める。長い槍を背負ったルスフスは、一人の女の前で足を止めた。
「こんにちはお嬢さん、いい天気ですねえ」
「こんにちは」
まさか、返事が返ってくるとは思わなかったらしい。ルスフスの目が、わずかに見開かれた。一見、普通の女に見える。しかし、まとう魔力は魔物のそれであった。
白い髪を風に遊ばせる。静かに佇むその姿は、そこらでは目にできないほどの上等な容姿であった。
「なぜ驚く必要があるの」
「あまりにも綺麗な声だったからね。君の名前はなんていうんだい? 俺はルスフス」
「モラリアよ」
一陣の強い風が吹いて、平野を揺らす。モラリアの纏う白いドレスが膨らんで、艶かしい足が裾から見えた。違和感は、確かにあった。まるで命の温もりを感じられないのだ。人の真似ごとをしていると言った方が、実にしっくりくる。
「うら若き乙女は、恥ずかしがってドレスの裾を押さえるもんですよ」
「そうなの、なら次はそう振る舞うわ」
「次ですか。俺にその機会がやってくることを願うばかりですね」
太陽は高く登っている。しかし、天候からは考えられないほどの重く冷たい空気が、ゆっくりと足元を覆っていく。白いドレスは、幻覚が解けるように色褪せていく。裾は破れ、炎を浴びたかのように焼けている。再び見えた足は肉が削げ落ち、死の匂いが強くなる。
糸でつるさげられた人形のようにぎこちない動きで、モラリアはルスフスへと手を伸ばした。
「ねえ、恋人になってくれる」
「積極的な女性は嫌いじゃないよ」
笑みを浮かべたルスフスの皮膚が、剥がれるように鱗へと変化していく。やがて両腕は硬質な蛇の鱗に覆われると、その手で槍を握りしめた。
「驚いたわ。あなた、魔族なのね」
「獣人だよ、モラリア」
「面白いことを言うわね、だって」
モラリアの目の前を、光が過ぎ去った。硬質なもので空気を切り裂く音がして、先ほどまで付いていたはずのモラリアの頭が転がった。ルスフスによって、言葉を遮るように首を刎ねられたのだ。白い髪が、ベールのように頭部を包み込む。その髪の隙間から、灰銀の瞳だけがギョロリとルスフスへと向けられた。
「癇に障った?」
「まだ喋れるのか」
ルスフスは冷えた瞳でモラリアを睨み据えると、手の中で槍を回した。冷たい色をした切先が地べたへと向けられる。刃が大きく横に滑るように払ったのは、氷の荊であった。
「ウメノちゃん」
「広域展開魔法、アンチエリア」
上空から降ってきたウメノの声に、モラリアが反応を示す。しかし、姿を認識する頃には遅く、ミカヅキ平野を覆うように薄紫色の結界が貼られた。
「いくらでも暴れていいよ」
「ウメノちゃんはきのこをよろしくね」
ルスフスの軽口を受け止める。アモンの翼が大きく風を掴むと、ウメノは地べたを持ち上げるように姿を見せたグランドマタンゴへと向かっていった。二体の魔物を、二人で討伐をする。事前に決めていた役割をこなすように、ウメノはアモンと。ルスフスはユドと共に敵と対峙する。
ウメノが羽を散らすように視界から消えたのを確認すると、ルスフスはモラリアから離れるように飛び退いた。影を追いかけるように突き出した氷の柱。無詠唱で行使された術に目を細めると、ルスフスは地べたに降り立つとともに鱗を顔に走らせる。
無骨な指が、己の喉元を指差した。まるで嘲笑うかのようにモラリアを見つめると、ルスフスは宣った。
「首切れたから無詠唱ってことでいいのかな。そっちのがありがたいんだけど」
「残念、この体はハイエルフのものなのよ」
「ああ、じゃあもしかしなくてもそう言うこと?」
「お利口さんは好きよ」
モラリアの首が、再び繋がった。長く伸びた筋繊維によって引き寄せられるかのように再生したのだ。灰銀の瞳が、じわりと赤く染まる。その瞬間、脚鱗に覆われた右手が勢いよく地べたへと突き刺さった。
「本当に、なんでもありなのね」
「流石にこれはおこられるかも」
モラリアの行使した術の残滓を追いかけるように、地べたが勢いよくぬかるんでくる。それは草花を枯らすほど強い猛毒だ。モラリアの纏うブーツの先に、土が触れた。その瞬間、這い上がるように腐食は始まった。
赤い瞳が僅かに見開かれる。
「腐食魔法、あなたやっぱり」
「ユド」
「いいだろう」
モラリアの背後へと姿を現したユドが、砂を巻くように手を振るった。光の粒子はキラキラと輝き、モラリアの体へと張り付いていく。一体、なんだというのだ。白いドレスを揺らすようにして、モラリアの手はユドを振り払った。しかし、答えはすぐに示された。
「っ、……なろほどね」
「石化魔法じゃ。砂を舐めるなよ」
ユドの土魔法が、モラリアの右腕を瞬く間に石化させる。死体を無理やり動かしている、不安定な体だ。比重をかければ、途端に均衡を崩すことは目に見えていた。
「人の中身は腐るんだよ、モラリア」
「っ」
ぐらりと揺れた体を支える手は、石化している。体勢を崩すように石化した右腕を地べたへとつくと、触れた手の先から腐食が始まった。
「息吹よ」
薄い唇が、静かに言葉を告げた。どこから共なくいてつく風が吹き荒れる。氷の礫がユドとルスフスの二人へと襲いかかると、皮膚に張り付いた場所から氷の侵食が始まった。足元の毒沼は、徐々に氷によって足場が形成されていく。相性はすこぶる悪いかもしれない。小さく舌打ちをしたルスフスが頬に張り付いた氷を拭ったとき、僅かに痛みを感じだ。
「気をつけて、無理やり剥がそうとすると皮膚が持ってかれるわ」
「ユド、お前は無事か」
「老耄の心配をありがとうよ」
なるほど、モラリアは氷結魔法に定着の無属性魔法を使ったらしい。知識の広さは体を奪ったハイエルフのものか。氷がルスフスのつま先に触れる。まるで根を張るようにつま先から侵食し始めると、ルスフスは槍で氷を叩き割った。
「ああもう、女だからって油断してたのは認めるよ」
「お前も浮かべばいいじゃないか」
「お前らみたいにできるわけないじゃんね」
無茶を言うユドが、氷の侵食を遮るように砂を撒いた。魔力を帯びた氷へと吸い付くと、ユドは無骨な指をパチンと弾く。その瞬間、熱を持った砂がみるみるうちに氷を溶かしていく。どうやら粒子の隙間に溜まった空気を、砂の摩擦で温めたらしい。しゅうしゅうと煙を出し始めた氷に、モラリアは微かに笑みを浮かべる。
「効率の悪いこと」
「小娘が、あまりジジイの手を焼かせるんじゃない」
「でも、そんな使い方があるだなんて知らなかったわ。今見て、しっかりと覚えた」
モラリアの白い手が、ゆっくりと持ち上がった。その瞬間、捲れ上がるように氷の地べたは剥がされた。ルスフスの頬に張り付いた氷が、じわりと皮膚に痛みを与える。ルスフスが気を取られた瞬間、地べたから剥がされた氷が鋭利な針となって放たれた。
「ルスフス‼︎」
「ぐ、っ……‼︎」
細い針は、ルスフスの体を勢いよく貫いた。腐食の毒は、耐性を持つルスフスには効かない。しかし体を穿った氷の針は、急激にルスフスの体へと広がっていく。
「やられてばっかでたまるか……っユド、消えろ!」
「くぅ……‼︎」
ルスフスの体にブワリと蛇の鱗が走る。微かに頬にうかんでいただけのそれが、氷の侵食を防ぐように全身を覆っていく。左目が、鋭く光った。水色の動向は爬虫類の鋭いそれに変わると、モラリアの体を射抜くように睨みつけた。
「ぁく、っ」
「蛇に睨まれて、逃げられると思うな」
「か、体が……動かない……?」
ルスフスの体の動きを奪うように、氷は首の下まで侵食していた。まだ、口は動かせる。伸びた牙を見せつけるようにグパリと口を開くと、一息に毒霧を吐き出した。
その美しい草はらを、土汚れのついた靴が分け入るように歩みを進める。長い槍を背負ったルスフスは、一人の女の前で足を止めた。
「こんにちはお嬢さん、いい天気ですねえ」
「こんにちは」
まさか、返事が返ってくるとは思わなかったらしい。ルスフスの目が、わずかに見開かれた。一見、普通の女に見える。しかし、まとう魔力は魔物のそれであった。
白い髪を風に遊ばせる。静かに佇むその姿は、そこらでは目にできないほどの上等な容姿であった。
「なぜ驚く必要があるの」
「あまりにも綺麗な声だったからね。君の名前はなんていうんだい? 俺はルスフス」
「モラリアよ」
一陣の強い風が吹いて、平野を揺らす。モラリアの纏う白いドレスが膨らんで、艶かしい足が裾から見えた。違和感は、確かにあった。まるで命の温もりを感じられないのだ。人の真似ごとをしていると言った方が、実にしっくりくる。
「うら若き乙女は、恥ずかしがってドレスの裾を押さえるもんですよ」
「そうなの、なら次はそう振る舞うわ」
「次ですか。俺にその機会がやってくることを願うばかりですね」
太陽は高く登っている。しかし、天候からは考えられないほどの重く冷たい空気が、ゆっくりと足元を覆っていく。白いドレスは、幻覚が解けるように色褪せていく。裾は破れ、炎を浴びたかのように焼けている。再び見えた足は肉が削げ落ち、死の匂いが強くなる。
糸でつるさげられた人形のようにぎこちない動きで、モラリアはルスフスへと手を伸ばした。
「ねえ、恋人になってくれる」
「積極的な女性は嫌いじゃないよ」
笑みを浮かべたルスフスの皮膚が、剥がれるように鱗へと変化していく。やがて両腕は硬質な蛇の鱗に覆われると、その手で槍を握りしめた。
「驚いたわ。あなた、魔族なのね」
「獣人だよ、モラリア」
「面白いことを言うわね、だって」
モラリアの目の前を、光が過ぎ去った。硬質なもので空気を切り裂く音がして、先ほどまで付いていたはずのモラリアの頭が転がった。ルスフスによって、言葉を遮るように首を刎ねられたのだ。白い髪が、ベールのように頭部を包み込む。その髪の隙間から、灰銀の瞳だけがギョロリとルスフスへと向けられた。
「癇に障った?」
「まだ喋れるのか」
ルスフスは冷えた瞳でモラリアを睨み据えると、手の中で槍を回した。冷たい色をした切先が地べたへと向けられる。刃が大きく横に滑るように払ったのは、氷の荊であった。
「ウメノちゃん」
「広域展開魔法、アンチエリア」
上空から降ってきたウメノの声に、モラリアが反応を示す。しかし、姿を認識する頃には遅く、ミカヅキ平野を覆うように薄紫色の結界が貼られた。
「いくらでも暴れていいよ」
「ウメノちゃんはきのこをよろしくね」
ルスフスの軽口を受け止める。アモンの翼が大きく風を掴むと、ウメノは地べたを持ち上げるように姿を見せたグランドマタンゴへと向かっていった。二体の魔物を、二人で討伐をする。事前に決めていた役割をこなすように、ウメノはアモンと。ルスフスはユドと共に敵と対峙する。
ウメノが羽を散らすように視界から消えたのを確認すると、ルスフスはモラリアから離れるように飛び退いた。影を追いかけるように突き出した氷の柱。無詠唱で行使された術に目を細めると、ルスフスは地べたに降り立つとともに鱗を顔に走らせる。
無骨な指が、己の喉元を指差した。まるで嘲笑うかのようにモラリアを見つめると、ルスフスは宣った。
「首切れたから無詠唱ってことでいいのかな。そっちのがありがたいんだけど」
「残念、この体はハイエルフのものなのよ」
「ああ、じゃあもしかしなくてもそう言うこと?」
「お利口さんは好きよ」
モラリアの首が、再び繋がった。長く伸びた筋繊維によって引き寄せられるかのように再生したのだ。灰銀の瞳が、じわりと赤く染まる。その瞬間、脚鱗に覆われた右手が勢いよく地べたへと突き刺さった。
「本当に、なんでもありなのね」
「流石にこれはおこられるかも」
モラリアの行使した術の残滓を追いかけるように、地べたが勢いよくぬかるんでくる。それは草花を枯らすほど強い猛毒だ。モラリアの纏うブーツの先に、土が触れた。その瞬間、這い上がるように腐食は始まった。
赤い瞳が僅かに見開かれる。
「腐食魔法、あなたやっぱり」
「ユド」
「いいだろう」
モラリアの背後へと姿を現したユドが、砂を巻くように手を振るった。光の粒子はキラキラと輝き、モラリアの体へと張り付いていく。一体、なんだというのだ。白いドレスを揺らすようにして、モラリアの手はユドを振り払った。しかし、答えはすぐに示された。
「っ、……なろほどね」
「石化魔法じゃ。砂を舐めるなよ」
ユドの土魔法が、モラリアの右腕を瞬く間に石化させる。死体を無理やり動かしている、不安定な体だ。比重をかければ、途端に均衡を崩すことは目に見えていた。
「人の中身は腐るんだよ、モラリア」
「っ」
ぐらりと揺れた体を支える手は、石化している。体勢を崩すように石化した右腕を地べたへとつくと、触れた手の先から腐食が始まった。
「息吹よ」
薄い唇が、静かに言葉を告げた。どこから共なくいてつく風が吹き荒れる。氷の礫がユドとルスフスの二人へと襲いかかると、皮膚に張り付いた場所から氷の侵食が始まった。足元の毒沼は、徐々に氷によって足場が形成されていく。相性はすこぶる悪いかもしれない。小さく舌打ちをしたルスフスが頬に張り付いた氷を拭ったとき、僅かに痛みを感じだ。
「気をつけて、無理やり剥がそうとすると皮膚が持ってかれるわ」
「ユド、お前は無事か」
「老耄の心配をありがとうよ」
なるほど、モラリアは氷結魔法に定着の無属性魔法を使ったらしい。知識の広さは体を奪ったハイエルフのものか。氷がルスフスのつま先に触れる。まるで根を張るようにつま先から侵食し始めると、ルスフスは槍で氷を叩き割った。
「ああもう、女だからって油断してたのは認めるよ」
「お前も浮かべばいいじゃないか」
「お前らみたいにできるわけないじゃんね」
無茶を言うユドが、氷の侵食を遮るように砂を撒いた。魔力を帯びた氷へと吸い付くと、ユドは無骨な指をパチンと弾く。その瞬間、熱を持った砂がみるみるうちに氷を溶かしていく。どうやら粒子の隙間に溜まった空気を、砂の摩擦で温めたらしい。しゅうしゅうと煙を出し始めた氷に、モラリアは微かに笑みを浮かべる。
「効率の悪いこと」
「小娘が、あまりジジイの手を焼かせるんじゃない」
「でも、そんな使い方があるだなんて知らなかったわ。今見て、しっかりと覚えた」
モラリアの白い手が、ゆっくりと持ち上がった。その瞬間、捲れ上がるように氷の地べたは剥がされた。ルスフスの頬に張り付いた氷が、じわりと皮膚に痛みを与える。ルスフスが気を取られた瞬間、地べたから剥がされた氷が鋭利な針となって放たれた。
「ルスフス‼︎」
「ぐ、っ……‼︎」
細い針は、ルスフスの体を勢いよく貫いた。腐食の毒は、耐性を持つルスフスには効かない。しかし体を穿った氷の針は、急激にルスフスの体へと広がっていく。
「やられてばっかでたまるか……っユド、消えろ!」
「くぅ……‼︎」
ルスフスの体にブワリと蛇の鱗が走る。微かに頬にうかんでいただけのそれが、氷の侵食を防ぐように全身を覆っていく。左目が、鋭く光った。水色の動向は爬虫類の鋭いそれに変わると、モラリアの体を射抜くように睨みつけた。
「ぁく、っ」
「蛇に睨まれて、逃げられると思うな」
「か、体が……動かない……?」
ルスフスの体の動きを奪うように、氷は首の下まで侵食していた。まだ、口は動かせる。伸びた牙を見せつけるようにグパリと口を開くと、一息に毒霧を吐き出した。
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