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第三章

第114話 ネネルvsザヤネ

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皆さんこんにちは、【千夜の騎士団】所属、ザヤネ・スピルカです。

わけあって今はザサウスニア帝国に加担しています。

それにしてもクロエ……ここまでの力を隠して持っていたとは。

危ない危ない、一瞬遅れてたら私も氷漬けでした。

ダメだったかー、結構迷ってるように見えたんだけどなー。

勧誘する時、人間からの迫害を受けた記憶を揺さぶれば、

大体こっちに傾くんですけど、

彼女は既にそれを補う心の拠り所を持っているようですね。

ギカク化の正しい制御方法教えれば

感謝して言うこと聞いてくれると思ったんだけどなー。

そんなことを考えていたらとんでもない轟音と共に雷が落ちてきました。

え? あれ、〝雷魔ネネル〟? 

うわちゃー、やば、早く帰ろう。

あ、でも届くかも……うりゃ!!

影の槍をたくさん作って攻撃してみました。

避けられました。

ですよね。

影は伸ばすには限界があります。

切り離すことも出来ないし、

空中の相手にはどうすることも出来ません。

相性悪いなあ……有翼人ってホント厄介!

とりあえず影の中に潜って避難しました。

影の中には昔取り込んだ敵兵が屍となって漂っています。

一つの屍から弓を拝借。ちょっと借りるね、ふふふ。

影の中からは外が見えます。反対に外からは見えません。

なので影の中から攻撃してみます。

……おりゃ!

軽く防がれました。

お返しと言わんばかりに雷が入ってきます。

危ないですし、とんでもない轟音で心臓に悪いです。

私は影から頭だけ出しました。

「ちょっと、卑怯よ! 地面に降りなさいよ」

挑発してみました。

「いやよ、なんであんたの有利なところで戦わなくちゃいけないのよ」

ですよね。私もそう思います。挑発は失敗です。

困りました。打つ手がありません。

とりあえず逃げます。

ドカンドカン雷が落ちます。

めっちゃ怖いです。バカみたいな轟音で耳も痛いです。

ドカンどころじゃないですね、落雷ですからね、

ブギャリグギャリギュララグギャギャンバリバリズウウウゥゥンンですね。

そういえば前に擬音ばっかりで会話してると頭悪くみえるよとクガに言われました。

腹が立ちます。思い出しむかつきです。

ていうか影をスイスイとジグザグに移動させて避けてるんですが、

これだといずれ当たる展開ですね。

左に塔が見えます。……やってみますか。

塔の壁をすいすい登っててっぺんへ。

そしてジャンプ! よし、雷魔の近くまで行けました。

影から半身だけ出して、影の槍!!

お見事、自分!! 雷魔のふくらはぎを貫けました。

と思ったら右手が熱い!!

至近距離でレーザーを撃たれました。

右手首から先を消し飛ばされたようです。

痛いです、人生で一番痛いです。

すぐに影で縛って止血をしました。

影が水のように氷上に着地し、

平らになるまでに2回雷が中に入ってきました。

あっぶね、です。

一目散に逃げました。

雷が追ってきますが、何とか振り切りました。

と思ったら今度は炎の大蛇が頭上を過りました。

熱いです。魔剣フラレウム、オスカー王子ですね。

後ろを確認している暇はありません。

すっぽりと影に入ったまま、森の中に逃げ込み、

ようやく逃げ切りました。


少し調子に乗りすぎましたね。

ギカク化してもよかったんですが、

ここでキトゥルセン軍を潰しちゃうと、

ザサウスニア帝国へのダメージがまだ少ないんですよ。

そうするとリアムさんに小言言われちゃうんで。

限界まで潰し合わせるのが我々の任務だって。

結構ネチネチしつこいんですよね、あのおじさん。

ま、仕事ですから、そこらへんはしっかりやります。

あーでもむかつくなー雷魔ネネル。

右手無くなっちゃったじゃないのよ。

いつか借りは返さないと、ですね。

クロエには優しくしたけど、あのタヌキ顔は必ず殺します。

ふふふ、楽しみ楽しみ。
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