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第三章

77話 嬉しい拷問

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 捕虜となった優奈は智香と真琴に連行され、二人の拠点へと連れて来られた。
 そこで手錠をはめられ、正座させられる。

「考えたね。捕虜にすれば復活も出来ないから、捕まえている限り、相手の戦力を永続的に削ぐことができる。流石だよ」

 優奈は敵として褒め称えるが、智香は構わずに優奈に言う。

「時間がないから手短に聞くけど、優奈ちゃん達の作戦とトラップの有無、使用武器を教えてほしい」
「そんなの言えないよ。言ったら後で麻衣ちゃんにお仕置きされちゃうから」
「どうしても?」
「うん。いくら智香ちゃんの頼みでも、仲間は売れないね」
「そっか。じゃあ拷問するしかないね」
「ご、拷問?」
「言いたくなるまで痛めつけるの。痛いの嫌なら、早めに話しちゃった方がいいよ」
「いやぁ、生憎そっちの趣味はなかったようでして……」

 以前の麻衣との体験で、SMの趣味がないことを自覚していた優奈は表情を強張らせる。

「真琴ちゃん。そろそろ麻衣ちゃん達が復活する頃だから、狙撃ポイント行って足止めしといて」
「お、おう。あんまり酷いことはしない方がいいと思うぜ」

 真琴は若干引きつつも、指示に従って拠点から出て行った。


 二人になったところで智香は優奈を足で押し倒す。
 拘束されて身動きが取れなかった優奈はあっさりと床に転がった。

「さ、早く言わないと酷いことされちゃうよ」

 智香は優奈に跨ると、そのお腹に腰を下ろして座った。
 その時、優奈の手に持っていた自分のパンツが視野に入る。

「まだ持ってたんだ。流石だね。優奈ちゃん」

 智香はクスクスと笑う。
 トラップに使われていた智香のパンツ。
 優奈にとってはお宝なので、どんな状況になっても手放しはしなかった。

 しかし、そこで優奈が気付く。

(智香ちゃんのパンツが私の手にあるってことは、このスカートの中は……)

 トラップ用に態々予備を持ってきたとも思えない。
 なら、そのパンツは着用していたもの以外ありえなかった。

 そう思うと、優奈は智香が座って触れている部分が熱くなる感じがしてきた。

「スカートの中が気になる? 情報を教えてくれるなら、見せてあげてもいいけど?」
「……」

 優奈は迷いを見せるが、口は噤んだままだった。
 喋る様子のない優奈を見た智香は立ち上がって靴を脱ぐ。
 そして、その素足を優奈の身体の上に乗せた。

「言わないなら、こうやってお仕置きされても仕方ないよね」

 乗せた足をグリグリとやり、優奈の身体を踏み躙る。
 役になりきっているのか、いつもの智香と違い、若干Sっ気のある雰囲気を醸し出していた。


 足蹴にされている優奈はというと、見えそうで見えない智香のスカートの中を必死に覗こうとしていた。
 拘束された身体で身を捻らせて動こうとするが、智香の足に押されて見える位置にまで行くことが出来ない。
 しかし、そのお預けされてる感も優奈には堪らなかった。
 グリグリと踏まれる感じも心地よい。

(これ、いいかも……)

 麻衣に鞭打ちされた時はただの痛みしか感じなかったが、今は何となく良さを感じていた。
 優奈の表情で、智香が勘付く。

「これで喜んじゃうんだ? 変態」
「変態で、すみませんっ」

 優奈は嬉しそうな表情で謝罪する。
 その様子は変態そのものだった。

「この、変態! 変態! 変態!」

 智香は詰りながら優奈を踏む。
 その勢いでスカートが揺れ、優奈の位置から中身が見えた。

「あっ」

 優奈の表情がパァっと明るくなる。
 すると、その反応で見られたことに気付いた智香は足を一旦離し、スカートをすぐに押さえた。

「見たなー。優奈ちゃんのエッチ」

 もう、その反応だけで優奈は昇天してしまいそうだった。


 踏むのを止め、智香は次の行動に移す。

「ちょっと酷いかもしれないけど、優奈ちゃんだから大丈夫だよね」

 そう言い、優奈を蹴飛ばして俯せにさせる。
 そして腰を上げさせてスカートを捲り、お尻を丸出しにさせた。

「変態にはお仕置きだよ」

 手を振り上げ、優奈のお尻を強く引っ叩いた。

「ぶひいいいい!!」

 お尻を叩かれた優奈は歓喜の表情を見せる。

「ありがとうございます!」

 叩かれても尚、優奈は喜んでいた。

「ほんと変態。麻衣ちゃんに鞭打ちされた時、心の中では喜んでたんでしょ」
「そ、そんなことは……」
「嘘。だって今、優奈ちゃん凄い笑顔だもん」

 智香がお尻ペンペンを続けるが、優奈の顔は非常に嬉しそうな表情をしていた。
 本当に目覚めたのか、それともノーパンに釣られて演技に乗っていたせいで錯覚しているだけなのかは、優奈本人にも分からない。
 だけど今、優奈はとても幸せな気分だった。


 その時、真琴が外から戻って来る。

「智香、狙撃ポイント抜けられた……って、それやり過ぎだろ」

 お尻を真っ赤に腫らした優奈と、そのお尻に向かって手を振り上げていた智香。
 二人を見た真琴はドン引きした顔をしていた。

 智香はハッとして優奈から手を離す。

「あはは、優奈ちゃんが乗ってくれたから、つい。もう近くまで来てる?」
「ああ。セントリーガンのゾーンはまだ越えられてないけど、そんな時間はないと思う」

 智香は一度考える素振りをしてから、優奈に近づいて耳打ちする。

「またやってほしかったらチームの情報教えて。教えてくれなかったら、これっきりだから」
「っ、分かりました。全部教えます」

 お仕置きを報酬に出され、優奈はあっけなく落ちてしまった。
 落ちた優奈は自軍の情報と美咲の知り得る限りの状況を全て提供した。

 そこからは、あっという間だった。

 情報が筒抜けで装備まで知られた麻衣達は対策された戦術によって蹂躙され、あっけなく拠点を制圧されてしまった。




 試合が終わり、五人は入口の場所まで戻ってきた。

「勝ったー」

 勝利した智香と真琴はハイタッチして喜ぶ。

「ボロ負けだわ。誰かさんがベラベラと私達の情報喋ったせいで」
「色仕掛けにやられたんだよぅ」

 麻衣はジト目で優奈を見る。
 情報を吐いたことが勝敗を決めたので、この試合の戦犯は優奈だった。

「拷問じゃね? 優奈、思いっきり尻叩かれたりしてたから、あれは仕方ねーよ。というか、あそこまでやるのはダメだと思うぞ。優奈の尻、真っ赤だったし」
「……ごめんなさい」

 ノリノリで演じていた智香だが、試合が終わって冷静になり、やり過ぎたと反省していた。

「ううん。ゾクゾクして良かったよ。もっと甚振られたい」

 優奈がフォローするが、その言葉は非常に変態チックだった。

「変態ごっこもやってたんだ?」
「まぁ、そんな感じ」

 日頃から似たようなことをやっていた為、美咲と真琴はそれで納得した。
 だが、麻衣は拷問で楽しんでいたことを見抜き、軽蔑の視線を向けていた。


「拷問はさておいて、智香、強過ぎよ。情報抜きにしても遠くからヘッドショットかますし、罠も嫌らしいのばかりだったわ」

 智香の実力は他の子と比べ、明らかに頭一つ抜けていた。

「ゲームの真似しただけだよ。それに真琴ちゃんも上手く立ち回ってくれたから」
「いいコンビネーションだったもんな。やっぱりあたしら最強のタッグだぜ」

 智香と真琴が仲良く腕を組む。
 すっかり仲良しであった。

「二回戦目もやろうぜ」
「ええ。私も望むところよ。でも今度は優奈とは違うチームにしてちょうだい。もう足引っ張られるの嫌だから」

「酷いー」

 優奈が嘆くと、皆から笑いが起きる。

 それからも引き続き、皆でサバゲーを楽しんだ。
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