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09 - 二学年 一学期 夏 -
05
しおりを挟む大倉の誕生日も終わって、梅雨も過ぎ、本格的な夏がやって来た。
あと2週間で俺たちは夏休みを迎えるわけだけど…。
今回も無事に赤点ありませんでした!全て真琴と大倉のおかげです!ありがとう!持つべきものは友と彼氏だわ!
「まぁ、航ちゃんは頑張ろうと思えば出来る子ではあるからねぇ」
「えへへ」
「だからって色々めんどくさいからサボるとかはなしだよ?」
「ハイ…」
相変わらず、真琴は俺の母さんみたいな事を言う。てか、母さんより母さんなんだって。母さんだってそんなに言わないもん。てか俺どんだけ母さんって言ってるんだ。
そう言えば、あれから椎名 アリスは大倉のクラスに来なくなったらしい。
この前の大倉の言葉で懲りたのか、それともまだ立ち直れてなくて来れてないのかは、分からないけど…取り敢えず、大倉の周りは平穏を取り戻したらしい。良かった良かった。
ただ、俺の方は変わらずで…。
ヒマさえあれば井上に話しかけられてる。
最近だと、しつこく連絡先交換しようと言われてるけど、これで交換したら絶対に頻繁に連絡来ちゃうから、ずっと「嫌だ」って言い続けてる。
俺、学んだんだ。こいつにはストレートに嫌な事を言わないと伝わらないって。いや、言っても伝わらない事の方が多い気がするけど…それでも伝えてる。
「井上くんは、航ちゃんの事が好きなんだろうねぇ」
「やっぱそーなのかな…」
「じゃないと、そこまでしつこくしないでしょ」
「…いっその事、好意ぶつけてくれたら断れるのになぁ」
「確かにねぇ。今の段階で断るのって、航ちゃんのただの自意識過剰だもんねぇ」
「そうなんだよ…」
別に、俺は自分がモテるとは一切思ってない。
でも、井上の俺への態度は、俺でも分かるくらいの態度ではあるんだけど、肝心な事は言わないから断るに断れなくて。
でもかと言って友達になりたいとも思わないから、正直言うとどうでも良いんだけど。
「まぁ、なんかあったら大倉くんか俺に言いなねー」
「うん」
何もないのが1番良いんだけどね…。
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