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06 - END -
しおりを挟む瑛ちゃんと、気持ちを改めた?と言うのか。そんな感じから数日。
今日はお互いに予定ないからちゃんとした時間に帰れる。
そう言えば、この前の僕と瑛ちゃんの行動が、いろんなところで噂になってて、どうしたものかと。
「手を繋いでた」「いや、繋いでない」「ガッツリ繋いでた」「繋いでるように見えただけ」とかなんかもう、色々と。
瑛ちゃんに言ったら「気にするな」って言われたけど。
なんだったら「噂になってほしかった」とか言われた。
いいけど…いいんだけど…なんか、ねぇ?はずかしいじゃん…?
でもまぁ…その噂のおかげなのか、瑛ちゃんに告白する人減ったけど。なんだったら「応援してる!」とか言われるようになっちゃったけど。
「いく?」
「………」
「郁人!」
「あっ!え?あ、なに?」
「どした?ぼーっとして」
「あ…考えごと」
「なに?」
「え?」
「なに考えてたの?」
「ぁー…えっと…、」
噂されるの嫌だけど、うれしいとか思ってたって、言えるわけない!
はずかしすぎて無理。今絶対顔真っ赤。無理。
「郁人?」
「あの…えーっとね?」
「うん?」
「あのー…う、うれしいなぁ、なんて」
「なにが?」
「あの…うわさ、が」
「噂がうれしかったの?」
「う、うん…」
「…そっか」
「うん…」
うわー…はずかしい。ほんともうっ、はずかしい!
噂がうれしいとか、やばいじゃん。馬鹿じゃん。なに言ってんの僕?!
「あの、瑛ちゃん!今の言葉忘れて、」
「俺も」
「えっ?」
「俺も。うれしいよ」
「瑛ちゃん?」
「俺と郁人が噂されるの、うれしいよ」
「っ……むり」
「え?」
むりぃ…はずかしいのとうれしいので本当に無理。
瑛ちゃんは、本当にかっこよくて、男女問わず人気で、誰に対しても優しくて。
そんな瑛ちゃんを独り占めできてることもたまらなくうれしくて、はずかしくて…。
あー…やばい。すごいすき。
「ふはっ」
「え、瑛ちゃん?」
「郁人、顔真っ赤」
「っ!だ、だって!」
「郁人、かわいい」
「も、もう!!」
「あはははっ」
僕には、すきな人がいて、その人はとても優しくて、温かくて、しあわせをくれる人で。
僕より一回り大きい手をしてて、その手も温かくて優しくて。
瑛ちゃん、ごめんね。
僕、瑛ちゃんのこと、ずっと離してあげられない。
ずっとずっと、だいすきだよ、瑛ちゃん。
「いく」
「うん?」
「ずっと、一緒な」
「…うん!」
END
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