17 / 26
season 3
01
しおりを挟む※今回は終始京輔サイドで進みます
※基本京輔は重い人です(愛故です)
※ヤンデレかも知れません
梨恵と結婚して3年目になった。
嫌いになることなんか一切なく、なんだったら好き大好きの気持ちが増え続けるばかりで、俺が溺れ死んでしまうかのよう。いや、死なないけど!
出会った頃のクールビューティーな梨恵は鳴りを顰めることなく今も健在だけど、それでも出会った頃に比べると笑顔が増えて、感情も口に出してくれるようになった。
好きとか大好きとかめんどくさいとか嫌だとか!
前は顔見て判断してたけど、いや今もそんな頻繁に口に出してくれるわけじゃないけど、前よりは全然!
まぁ、口に出しては欲しいけど、出さなくともわかるからいいんだけどね。えへへ、惚気ですすみません。
「梨恵ちゃん」
「……え、なに」
「え、そんな引く?」
「いや…久しぶりにちゃん付けで呼ばれたから…ちょっと警戒」
「なんで!たまにはいいじゃん!じゃなくて!」
「なに?」
「いつになったら俺のこと呼び捨てしてくれるの?」
「えっ?」
「俺たち結婚してもう3年だよ?そろそろ敬語も抜けてきたし、呼び捨てしてくれないの?」
「そ、れは…」
「ダメ?」
「ぅっ…」
俺知ってるんだ。
梨恵が俺の上目遣いに弱いこと。
上目遣いしてお願いすると、大抵のことは許されるの知ってるんだ。
そう、確信犯。
「俺だけ呼び捨てって…寂しいじゃん…」
「…じょ、徐々に、呼び捨てにする」
「ほんと?!」
「うん…でも、すぐには無理だよ?」
「じゃあ、早速今言って!」
「ねぇ、話聞いてた?」
聞いてる。聞いてるけど、聞いてない。
だって呼んでくれるって!嬉しくて!
そりゃ、大好きな人には呼び捨てにされたいじゃん。
なんだったらあだ名つけてくれてもいいんだけどな。
梨恵しか呼ばない呼び名とか最高じゃない?
子供が産まれても、梨恵には絶対に名前で呼ばれたいし、俺も絶対にずっと名前で呼びたいし。
「さぁ、呼んで!」
「………きょうすけ…さん」
「さんいらない」
「…きょ、すけ」
「きょすけもいいかも…?でも名前呼んで」
「………きょうすけ」
「っ!!!!うん!俺、京輔!!」
「………」
「はぁぁぁ…梨恵かわいい好き大好き」
「うん…私も、好きだよ…京輔」
「っ…うん」
名前呼び捨てにされるだけでこんなに嬉しいんだな。
俺、京輔でよかった。
苦しいくらいに梨恵をぎゅーぎゅー抱きしめて、初めて呼び捨てされて嬉しい気持ちを噛みしめた。
「あとさ、梨恵」
「うん?」
「結婚指輪、贈ってもいい?」
「えっ…?」
お付き合い始めた時に、婚約指輪は贈った。
でも、結婚する時に梨恵は「水仕事してるから大丈夫」って、断ってきた。
そんなものなのかな?とか思ったけど、ここ最近になってやっぱり指輪贈りたいなぁって思い始めた。
「この指輪だけでもつけてくれてるから嬉しいんだけどね?」
「う、うん」
「でもやっぱり、ちゃんと俺たち夫婦ですって証が欲しいんだ」
「京輔さん…」
梨恵の左手を取って、薬指に嵌められてる指輪に軽くキスする。
これだけでも勿論、俺の梨恵って思えるんだけど、やっぱりちゃんと俺の奥さんは梨恵っていう証が欲しい。
俺の、ただの独占欲に過ぎないんだけどね。
梨恵を独り占め出来るのは俺だけだし、梨恵を愛してるのも俺だけ。
梨恵の唯一の家族も俺だけだし、梨恵の理解者であるのも俺だけ。
全部、俺だけ。俺だけのものだから。
怒りも笑顔も悲しみ全ての感情が、俺で起こればいいとさえ思ってる。
気持ち悪い?怖い?
いいよ、周りからどう思われようと。
だって俺は、それだけ梨恵のこと愛してるから。
梨恵の人生に、俺だけがいればそれでいい。
俺の人生にも、梨恵だけがいればそれでいい。
あ、でも子供が出来たら子供も愛するよ?
だって、俺と梨恵の子供だよ?かわいいに決まってるじゃん?
ま、でも当分は2人きりがいいけどね。
「ダメ?」
「っ…ダメじゃ、ない」
「よかった」
「ありがとう…うれしい…っ」
「うん。今度カタログ一緒に見ながら決めようね?」
「うんっ!」
今日一の笑顔が見れてすげぇしあわせ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~
蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。
なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?!
アイドル顔負けのルックス
庶務課 蜂谷あすか(24)
×
社内人気NO.1のイケメンエリート
企画部エース 天野翔(31)
「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」
女子社員から妬まれるのは面倒。
イケメンには関わりたくないのに。
「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」
イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって
人を思いやれる優しい人。
そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。
「私、…役に立ちました?」
それなら…もっと……。
「褒めて下さい」
もっともっと、彼に認められたい。
「もっと、褒めて下さ…っん!」
首の後ろを掬いあげられるように掴まれて
重ねた唇は煙草の匂いがした。
「なぁ。褒めて欲しい?」
それは甘いキスの誘惑…。
ずぶ濡れで帰ったら置き手紙がありました
宵闇 月
恋愛
雨に降られてずぶ濡れで帰ったら同棲していた彼氏からの置き手紙がありーー
私の何がダメだったの?
ずぶ濡れシリーズ第二弾です。
※ 最後まで書き終えてます。
私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。
冷血弁護士と契約結婚したら、極上の溺愛を注がれています
朱音ゆうひ
恋愛
恋人に浮気された果絵は、弁護士・颯斗に契約結婚を持ちかけられる。
颯斗は美男子で超ハイスペックだが、冷血弁護士と呼ばれている。
結婚してみると超一方的な溺愛が始まり……
「俺は君のことを愛すが、愛されなくても構わない」
冷血サイコパス弁護士x健気ワーキング大人女子が契約結婚を元に両片想いになり、最終的に両想いになるストーリーです。
別サイトにも投稿しています(https://www.berrys-cafe.jp/book/n1726839)
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる