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四章 椿蓮
百三十話 メグリと継承者
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20本程、焦げ茶色の鉄槍を地面からグロウリーのコアに向かって飛ばした。槍はコアを貫通したように見え、肉から剥がれたコアはこぼれ落ちる様に地面へ落下してゆく。
「…さて、どうしようか」
このままコアへトドメを刺しに行ってもいいが、そこで攻撃してきたとして瞬発性のない魔法で反撃できるかどうか。
使える魔法を頭の中で整理してみる。組み合わせて動きを封じ、そして確実にコアを破壊する方法はあるか…?
そう迷っていると、背負ったリンが肩を叩いた。
「メグリ、あいつ動いてる」
そう言われて見ると、確かに手らしき部分を地面について立ち上がろうとしている。肉に覆われていて分からなかったが、足も付いているみたいだ。
傍の木造建築に火をつける。グロウリーの炎が燃え尽きれば、明かりは完全に消えてしまう事になる。
「人型…。コアも自立できるんだね」
コアが動く。そのままの体で、人間が走るのと同じ格好でこちらへ向かってきた。
「…あれ」
どこか、引っかかった。
その正体はすぐに理解出来た。コアの走り方はどこか、ツバキのそれによく似ていた。よく見ると背丈も同じくらいだ。
あれは、コアとは一体、なんなんだ…?
「メグリ!」
少しの間呆けていた。その間に距離は縮まる。
「あっ」
すぐに炎を前方へ放つ。動きの鈍さから、当たって吹っ飛ぶと思ったのだが…。
コアはそのまま前進してきた。やっぱりコアに炎は効かないのか? 風圧も押しのけるなんて…!
「メグリ、あいつの足元見て」
「足元…?」
そう促されて見ると、変だった。コアが一歩踏み込むと、まるで積雪を踏んでいるかのように足元の瓦礫は砕け、コアの足は沈み込む。
更に、あの体躯からは不自然な程の大きな足音、そして地響き。
「あいつ、そうとう重量あるみたいだね」
「…そっか、だから風圧にも耐えられるんだ」
「だとしたら、厄介だね」
彼の進行を阻む為に効くのは、鉱石の魔法くらいか。槍は貫通した。表面は脆いはず。なら連続で打ち込めばこちらは被害なく倒せる。
地面からさっきより太めの槍を突き出した。尖った先は当たらなかったが、腕にかすって微かに削れたように見えた。
かなり距離が近くなる。15メートルくらいか。
今度は先の尖っていない、巨木の丸太のような物を地面から突き出した。
それは音と共にコアに当たったかのように見えた。風邪で炎の灯りが揺れる。
「どこ…?」
「メグリ!」
「え…」
違う。当たってなかった。
コアは真上に飛び上がっていた。そして弧を描いてこちらへ向かってきた。
「嘘…、あの重量で飛べるの…!?」
「…さて、どうしようか」
このままコアへトドメを刺しに行ってもいいが、そこで攻撃してきたとして瞬発性のない魔法で反撃できるかどうか。
使える魔法を頭の中で整理してみる。組み合わせて動きを封じ、そして確実にコアを破壊する方法はあるか…?
そう迷っていると、背負ったリンが肩を叩いた。
「メグリ、あいつ動いてる」
そう言われて見ると、確かに手らしき部分を地面について立ち上がろうとしている。肉に覆われていて分からなかったが、足も付いているみたいだ。
傍の木造建築に火をつける。グロウリーの炎が燃え尽きれば、明かりは完全に消えてしまう事になる。
「人型…。コアも自立できるんだね」
コアが動く。そのままの体で、人間が走るのと同じ格好でこちらへ向かってきた。
「…あれ」
どこか、引っかかった。
その正体はすぐに理解出来た。コアの走り方はどこか、ツバキのそれによく似ていた。よく見ると背丈も同じくらいだ。
あれは、コアとは一体、なんなんだ…?
「メグリ!」
少しの間呆けていた。その間に距離は縮まる。
「あっ」
すぐに炎を前方へ放つ。動きの鈍さから、当たって吹っ飛ぶと思ったのだが…。
コアはそのまま前進してきた。やっぱりコアに炎は効かないのか? 風圧も押しのけるなんて…!
「メグリ、あいつの足元見て」
「足元…?」
そう促されて見ると、変だった。コアが一歩踏み込むと、まるで積雪を踏んでいるかのように足元の瓦礫は砕け、コアの足は沈み込む。
更に、あの体躯からは不自然な程の大きな足音、そして地響き。
「あいつ、そうとう重量あるみたいだね」
「…そっか、だから風圧にも耐えられるんだ」
「だとしたら、厄介だね」
彼の進行を阻む為に効くのは、鉱石の魔法くらいか。槍は貫通した。表面は脆いはず。なら連続で打ち込めばこちらは被害なく倒せる。
地面からさっきより太めの槍を突き出した。尖った先は当たらなかったが、腕にかすって微かに削れたように見えた。
かなり距離が近くなる。15メートルくらいか。
今度は先の尖っていない、巨木の丸太のような物を地面から突き出した。
それは音と共にコアに当たったかのように見えた。風邪で炎の灯りが揺れる。
「どこ…?」
「メグリ!」
「え…」
違う。当たってなかった。
コアは真上に飛び上がっていた。そして弧を描いてこちらへ向かってきた。
「嘘…、あの重量で飛べるの…!?」
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