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二章
約束の行方①
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今夜もお願いしていい……? と囁かれた声で、私の奥深い場所に仄かな熱が灯る。切なく甘い響きは波紋のように広がり、やんわりと手足の自由を奪っていく。どこまでも溺れてしまいたいと思わせる、妖しい誘惑に囚われる。身も心も焦がすこの疼きを快感と呼ぶのだと、私はエミリア––同い年の義理の妹––に教えられた。秘密の約束を交わして魔法学園に入学し、同じ部屋で寝起きすることになったその夜に、体で理解させられた。喉が震えて答えられない私に焦れたのか、肩に顔をのせているエミリアが耳もとに寄せた唇をずらす。私の長い金の髪を避けて、戯れのように肌をなぞっていく。
「っ……、んっ……♡」
わずかな触れ合いで反応してしまうことが恥ずかしくて堪えていたのに、肉感的な唇の感触が誤魔化すことを許さなかった。力強い腕がお腹に回されて、後ろからぴたりと体を寄せられる。薄い寝間着越しの温もりにうっとりと目を閉じたところで、逃げ道などないことはわかっていた。お尻にぐりぐりと押し付けられる熱く硬い昂ぶりが、約束を果たせとせがむ。自分を見失うような感覚の渦へ押し流そうとする。蕩けるような快感を与え合うことを、エミリアは望んでいる。
「ねえ、……お願い。助けて、義姉さん……♡」
––エミリアはずるい。普段は名前で呼ぶのに、お願いごとをするときだけ私を義姉と呼ぶ。同じ髪油を使っているエミリアの長い銀糸からはなぜか、私を搔き乱す香りがする。潤んだ浅紫の瞳に覗き込まれると、湧き上がる未知の感情に息が詰まる。輝くように美しい大切な義妹との約束を、破ることなんてできない。私を頼ってくれる彼女の美貌を、失望で歪ませたくはない。強引で、でも優しいエミリアは、辛抱強く私の答えを待つ。私は視線を絡めて、変わることのない答えを返す。
「ええ、……いらっしゃい、エミリア……♡」
それからのエミリアの行動は早かった。力でも魔力でも叶わない私を抱き上げて音漏れを防ぐ魔法を唱えながら、迷いのない足取りで寝室へ向かう。ありがとう、と呟いて私をベッドに下ろしたエミリアは、そっと手を翳した。
(ぁっ……♡ 今夜も……、挿れるつもりなのね……♡)
私の下腹部に唱えられたのは妊娠を防ぐ魔法と、治癒の魔法。学園でも随一の技量を持つエミリアは、一般に知られている術式よりも高度な術式を用いて魔法を唱える。そのおかげ、というだけではないのだろうけれど、私はエミリアとの行為で痛みを感じたことは一度もなかった。二年生最後の日にこれらの魔法を唱えたエミリアを受け入れてからというもの、月のものが訪れている期間以外は、ここ二か月ほど毎晩体を重ねている。
いくら約束を守るためとはいえ、義理姉妹関係の私たちがして良いことではないのでは……? という疑問が頭をよぎる。ほとんど性知識のなかった私でさえ、こうした行為がどのような間柄で行われるのかは想像できたからだ。しかし私は、エミリアに問うことができずにいる。––拒むことをできないままでいる。
◇
優れた魔法の才能があるのに、エミリアはキャノソニアス魔法学園に入学することをためらっていた。義理姉妹になってまだひと月も経っていなかったけれど、彼女ほど秀でた人が入学をためらう理由が、私には見当も付かなかった。それに父も義母も、私たちがそろって学園に行くための手続きを滞りなく済ませてくれていた。
素直に疑問を口にした私に、エミリアはすがるように抱きついてきた。一人っ子で誰かとスキンシップを取ったことのなかった私は、彼女の振る舞いが嬉しかった。私を義姉と認めて甘えてくれているのだと思い、義妹を抱き返した。いつも凛と佇む背の高い彼女が身を屈めて頼ってくれる姿は、とても可愛かった。
エミリアは私の胸に顔を押し付けて、『自信がないの……』と言った。なんの、と問う前に、『……私はふたなりだから、性欲を抑えられる自信がないの』と続けた。はじめて聞くエミリアの涙声に、心が締め付けられた。ふたなりがどのようなことなのかも、その性欲がどれほどのものなのかも知らないのに、私は『大丈夫よ、エミリア。私がそばにいるもの』と答えた。弾かれたように顔を上げた彼女は、『それは……、フローラが助けてくれるっていうこと?』と目を輝かせた。義理であっても、姉妹が助け合うのは当然のこと。もちろんよ、と答えた私に、『……ありがとう。私には、義姉さんだけが頼りよ。だからこれは、私たちだけの秘密。……約束ね』と言って小指を差し出した。はじめて義姉と呼んでもらった私は自分の小指を絡めて、『ええ、約束』と言って指切りをした。
約束を交わしたエミリアは、入学の日を心待ちにしている様子だった。大人びていると思っていた彼女の年相応の一面を、私は微笑ましく見守っていた。学園側の配慮なのか両親の意向なのかはわからないが、エミリアと私は学園で過ごす三年間、寮の同じ部屋で過ごすのだと聞かされていた。親元を離れて暮らす新鮮さに浮かれていた私は入学した夜、エミリアと交わした約束の意味を知った。
◇
「はっ♡ どうしたの、フローラ。考えごと……?」
「んぁっ♡ そんなこと、……ぁあっ♡♡」
私の寝間着も下着も剝ぎ取ったエミリアが口づけを止めて、自分の衣服も素早く脱ぎ去った。彫刻のように均整の取れた肢体が私の体に重なったと思ったら、エミリアは煌めく銀の髪を掻き上げて顔を伏せてしまう。あちこちに紅い痕の残る乳房を揉みしだかれ、ぢゅぅうっ♡♡と音を立てて鎖骨に吸い付かれた。見抜かれて動揺する私の乳首に舌を這わせると、集中して、というように強くしゃぶり上げてくる。
「んちゅっ♡ ふっ……♡ おっぱいだけじゃ、物足りなかったかしら♡?」
「ぁっ……♡! んんっ♡♡ ひっ、ぁ……ぐりぐり、いやぁ……っ♡♡」
「本当に……♡? クリびんびんにして、こんなに濡らしてるのに♡♡?」
閉じた膝の間に滑り込んだ指先が内ももを撫で上げて、秘所を暴く。割れ目をなぞられ、その上にある敏感な芽を転がされると腰が震えてしまう。快感を教え込まれた私の体はエミリアが与えてくれる刺激を待ちわびていたようにほころび、新たな蜜を垂らして迎えた。
「ぢゅううっ♡♡ ふふ、いやらしい匂いが漂ってくる……♡♡」
「んっ……♡♡ んぁあ……っ♡♡」
エミリアの唾液で濡れた乳首は、吹きかかる吐息すら快感として受け取る。嘲るように呟いて胸から下へ口づけていく彼女が、開いて、と短く言った。お願いなのか命令なのか、熱に浮かされた私には判断できない。それでも唯一はっきりしているのは、義妹を助けなくてはならないということだ。
私を見下ろす浅紫の瞳が、寝室の灯りに照らされて妖艶に光る。エミリアが言っていたふたなり特有の激しい性欲に燃える眼差しが、一心に注がれる。視線を感じるだけで、お腹の奥がきゅん♡♡と疼いてしまう。けれどこうなってしまうのはエミリアを受け入れるために必要で、仕方がないことのはずだ。なのにエミリアは、私を淫乱な女だと詰る。ふたなりの自分よりよっぽど発情しているじゃない、と囁いて、淫らに蕩けることを覚えた女の部分を責め苛む。
エミリアが私を変えたんじゃない、とは言い返さない。私の意志で約束を交わしたのに義妹に責任転嫁したら、それこそ失望させてしまうだろうから。
エミリアに応えるために、胸に付くくらい膝を折り曲げる。足元に移動したエミリアに向かって脚を広げ、両手で割れ目をくぱぁ♡♡と開いた。満足そうに微笑んだ彼女が脚の間に顔を近付けて、もっとよ、と息を吹きかける。
「ん……っ、ぅうっ……♡♡」
「ありがとう、フローラ♡♡ あら……♡♡? ……見てるだけなのに、どろどろのマン汁が溢れてくるわ♡♡ もしかして私がお願いする前から、ちんぽ咥える準備できてたの♡♡?」
「ぁん……っ♡♡ 準備なんて……ち、ちがうわっ♡♡」
「そう、……残念♡♡ それじゃ今夜も念入りに、おまんこほぐさないとね♡♡」
「ぁっ……♡♡ んんっ♡♡ ひ、ぁっ♡♡ んぁあっ……♡♡」
くぱくぱ♡♡と蠢く蜜口を見せつけるようなこの体勢は、何度取らされても慣れることができない。自分でもよく見たことのない場所をエミリアに曝け出すことが、恥ずかしくないわけがない。涙が滲んでしまいそうな羞恥心を必死に抑え込んで女陰を開いているのに、彼女はさらに私を煽る。反論を聞き流して、開いた割れ目に遠慮なく触れ、舌を這わせ、長い指で掻き回してしまう。
「れろれろっ♡♡ ぢゅるぅぅうっ♡♡ ぷはっ♡♡ 少し弄っただけでこんなに蕩けさせて……♡♡ ねえ、わかる♡♡? 指を抜こうとすると、きゅうきゅう絡みついてくるわ♡♡」
「ひっ、ぅ……♡♡ んぁ、っぁああ♡♡! っ……そんなの、んぅっ……♡♡ 知らな、ぁあんっ♡♡!」
「ああ、そうよね……♡♡ 指じゃなくてちんぽで抉らないと、フローラの肉厚おまんこがどれほど淫らなのか、わかりにくいわよね♡♡♡」
膣内を好き勝手弄んでいた指が、じゅぷぅっ♡♡と卑猥な音を立てて抜かれる。手首まで垂れていく愛液を舐めながら体を起こしたエミリアは、すかさず下半身を押し付けてきた。彼女の体の一部とは思えない凶悪な見た目をした昂ぶりが血管を浮かせて脈打ち、ずりゅ♡♡にゅりゅっ♡♡と割れ目を擦り上げる。指一本とは比べ物にならない太さと質量を持った熱いそれが、蜜口にあてがわれる。膨らんだ陰核を指先で優しく撫でて、エミリアが私に問う。
「十分ほぐれているように感じるから、もう挿れていい♡♡? それとも、もっとほぐしたほうがいいかしら♡♡?」
「ぁっ♡♡ ぁん……っ♡ あっ、もう……っ♡♡」
「もう……、なに♡♡? どちらがいいの♡♡? ちゃんと答えて、フローラ♡♡」
「んぁああっ♡♡!」
体を屈めて私に顔を近付けたエミリアの先端が、ぬぷぷ……♡♡と媚肉を掻き分けた。圧倒的な大きさに喘いでしまう私に構わず、エミリアは浅い場所を小突いてはちゅぽんっ♡♡と抜いて、また蜜口を抉じ開ける。とっさに口を押さえようとした両手を掴まれて、ベッドに押さえつけられてしまった。
「ぁんっ♡♡ いれてっ♡♡ いい、からぁっ♡♡」
「はっ♡♡ なにを、挿れていいの♡♡?」
「っ……♡♡!」
「これの呼び方、教えたわよね♡♡?」
「ひぁっ♡♡! ぁあっ♡♡ そこ、やっ♡♡ だめぇ……っ♡♡!」
昂ぶりの先端が、陰核をずりゅ♡♡ずりゅ♡♡と擦り上げる。腰を引いて快感から逃れたくても、組み敷かれている体勢ではどうにもならない。強い刺激を与えられて達してしまいそうになると、エミリアはぴたりと動きを止めた。
「言ってくれないとこのままだけど……、フローラはどうしたい♡♡?」
「ぁっ♡♡ はっ♡♡ はっ……♡♡」
答えなんてわかりきっているはずなのに、エミリアはじっと私を見つめてくる。浅紫の瞳に映る自分の顔は、快楽を欲して淫靡な熱に染まっていた。
「……エミリアの、お……、おちんぽ……、いれて……っ♡♡♡」
「……っ、ええ♡♡♡♡」
「ぁぁああーーーっ♡♡♡!」
羞恥を堪えて答えを口にしたとたん、エミリアの剛直にどちゅんっ♡♡と貫かれた。溜まっていた快感が一気に弾け、背中を反らして喘いでしまう。意図せず腰が跳ねて、膣内を押し広げている昂ぶりを締め上げてしまうたび、さらなる快感が全身を震わせる。高みから戻って来られない私に深く口づけたエミリアが、唾液を啜って舌なめずりした。
「は、ぁっ♡♡ 挿れただけでマン汁垂れ流してイっちゃうなんて、間違いなく淫乱でしょ……♡♡♡ ほら、見える♡♡♡? フローラのきれいな色のおまんこがこんなに広がって、私のちんぽ根元までみっちり咥え込んでるのよ♡♡♡?」
「……あっ♡♡♡♡!? んぁっ♡♡ はっ♡♡ はぁ♡♡ わ、わたしっ♡♡ そんなんじゃ……ぁっ♡♡」
繋がっている場所を見せつけて断じるエミリアの言葉を、首を振って否定する。けれど目の当たりにさせられたそこは彼女の言葉通り愛液を溢れさせて、硬く逞しい昂ぶりをぎゅう……♡♡と抱きしめていた。
「ふうん……♡♡♡? いい加減認めてくれると思ったんだけど、強情ね♡♡♡ 素直なおまんこは美味しそうに私のちんぽしゃぶって離さないのに♡♡♡♡ ……いいわ、理解させてあげる♡♡♡♡ 清楚な貴女の本性が、ドスケベだってこと♡♡♡♡ 私のちんぽなしじゃいられない、淫乱な女なんだってこと♡♡♡♡♡」
「はっ♡♡♡ ぁっ♡♡♡ なにをいって……♡♡♡ あぁっ♡♡♡♡!? あんっ♡♡♡ あっ♡♡♡ んぁあっ♡♡♡!」
酷薄な笑みを浮かべたエミリアが、達した余韻で痙攣する膣内を激しく嬲りはじめてしまう。私の体は乱暴とすら感じられる抽挿にさえ悦んで、しとどに蜜を溢れさせる。ごりゅごりゅ♡♡と襞を掻き分けて突き上げる怒張を、最奥まで受け入れてしまう。されるがまま揺さぶられる私を獰猛な目つきで眺めながら、エミリアは息を荒げて動きを速めた。
「っ……、んっ……♡」
わずかな触れ合いで反応してしまうことが恥ずかしくて堪えていたのに、肉感的な唇の感触が誤魔化すことを許さなかった。力強い腕がお腹に回されて、後ろからぴたりと体を寄せられる。薄い寝間着越しの温もりにうっとりと目を閉じたところで、逃げ道などないことはわかっていた。お尻にぐりぐりと押し付けられる熱く硬い昂ぶりが、約束を果たせとせがむ。自分を見失うような感覚の渦へ押し流そうとする。蕩けるような快感を与え合うことを、エミリアは望んでいる。
「ねえ、……お願い。助けて、義姉さん……♡」
––エミリアはずるい。普段は名前で呼ぶのに、お願いごとをするときだけ私を義姉と呼ぶ。同じ髪油を使っているエミリアの長い銀糸からはなぜか、私を搔き乱す香りがする。潤んだ浅紫の瞳に覗き込まれると、湧き上がる未知の感情に息が詰まる。輝くように美しい大切な義妹との約束を、破ることなんてできない。私を頼ってくれる彼女の美貌を、失望で歪ませたくはない。強引で、でも優しいエミリアは、辛抱強く私の答えを待つ。私は視線を絡めて、変わることのない答えを返す。
「ええ、……いらっしゃい、エミリア……♡」
それからのエミリアの行動は早かった。力でも魔力でも叶わない私を抱き上げて音漏れを防ぐ魔法を唱えながら、迷いのない足取りで寝室へ向かう。ありがとう、と呟いて私をベッドに下ろしたエミリアは、そっと手を翳した。
(ぁっ……♡ 今夜も……、挿れるつもりなのね……♡)
私の下腹部に唱えられたのは妊娠を防ぐ魔法と、治癒の魔法。学園でも随一の技量を持つエミリアは、一般に知られている術式よりも高度な術式を用いて魔法を唱える。そのおかげ、というだけではないのだろうけれど、私はエミリアとの行為で痛みを感じたことは一度もなかった。二年生最後の日にこれらの魔法を唱えたエミリアを受け入れてからというもの、月のものが訪れている期間以外は、ここ二か月ほど毎晩体を重ねている。
いくら約束を守るためとはいえ、義理姉妹関係の私たちがして良いことではないのでは……? という疑問が頭をよぎる。ほとんど性知識のなかった私でさえ、こうした行為がどのような間柄で行われるのかは想像できたからだ。しかし私は、エミリアに問うことができずにいる。––拒むことをできないままでいる。
◇
優れた魔法の才能があるのに、エミリアはキャノソニアス魔法学園に入学することをためらっていた。義理姉妹になってまだひと月も経っていなかったけれど、彼女ほど秀でた人が入学をためらう理由が、私には見当も付かなかった。それに父も義母も、私たちがそろって学園に行くための手続きを滞りなく済ませてくれていた。
素直に疑問を口にした私に、エミリアはすがるように抱きついてきた。一人っ子で誰かとスキンシップを取ったことのなかった私は、彼女の振る舞いが嬉しかった。私を義姉と認めて甘えてくれているのだと思い、義妹を抱き返した。いつも凛と佇む背の高い彼女が身を屈めて頼ってくれる姿は、とても可愛かった。
エミリアは私の胸に顔を押し付けて、『自信がないの……』と言った。なんの、と問う前に、『……私はふたなりだから、性欲を抑えられる自信がないの』と続けた。はじめて聞くエミリアの涙声に、心が締め付けられた。ふたなりがどのようなことなのかも、その性欲がどれほどのものなのかも知らないのに、私は『大丈夫よ、エミリア。私がそばにいるもの』と答えた。弾かれたように顔を上げた彼女は、『それは……、フローラが助けてくれるっていうこと?』と目を輝かせた。義理であっても、姉妹が助け合うのは当然のこと。もちろんよ、と答えた私に、『……ありがとう。私には、義姉さんだけが頼りよ。だからこれは、私たちだけの秘密。……約束ね』と言って小指を差し出した。はじめて義姉と呼んでもらった私は自分の小指を絡めて、『ええ、約束』と言って指切りをした。
約束を交わしたエミリアは、入学の日を心待ちにしている様子だった。大人びていると思っていた彼女の年相応の一面を、私は微笑ましく見守っていた。学園側の配慮なのか両親の意向なのかはわからないが、エミリアと私は学園で過ごす三年間、寮の同じ部屋で過ごすのだと聞かされていた。親元を離れて暮らす新鮮さに浮かれていた私は入学した夜、エミリアと交わした約束の意味を知った。
◇
「はっ♡ どうしたの、フローラ。考えごと……?」
「んぁっ♡ そんなこと、……ぁあっ♡♡」
私の寝間着も下着も剝ぎ取ったエミリアが口づけを止めて、自分の衣服も素早く脱ぎ去った。彫刻のように均整の取れた肢体が私の体に重なったと思ったら、エミリアは煌めく銀の髪を掻き上げて顔を伏せてしまう。あちこちに紅い痕の残る乳房を揉みしだかれ、ぢゅぅうっ♡♡と音を立てて鎖骨に吸い付かれた。見抜かれて動揺する私の乳首に舌を這わせると、集中して、というように強くしゃぶり上げてくる。
「んちゅっ♡ ふっ……♡ おっぱいだけじゃ、物足りなかったかしら♡?」
「ぁっ……♡! んんっ♡♡ ひっ、ぁ……ぐりぐり、いやぁ……っ♡♡」
「本当に……♡? クリびんびんにして、こんなに濡らしてるのに♡♡?」
閉じた膝の間に滑り込んだ指先が内ももを撫で上げて、秘所を暴く。割れ目をなぞられ、その上にある敏感な芽を転がされると腰が震えてしまう。快感を教え込まれた私の体はエミリアが与えてくれる刺激を待ちわびていたようにほころび、新たな蜜を垂らして迎えた。
「ぢゅううっ♡♡ ふふ、いやらしい匂いが漂ってくる……♡♡」
「んっ……♡♡ んぁあ……っ♡♡」
エミリアの唾液で濡れた乳首は、吹きかかる吐息すら快感として受け取る。嘲るように呟いて胸から下へ口づけていく彼女が、開いて、と短く言った。お願いなのか命令なのか、熱に浮かされた私には判断できない。それでも唯一はっきりしているのは、義妹を助けなくてはならないということだ。
私を見下ろす浅紫の瞳が、寝室の灯りに照らされて妖艶に光る。エミリアが言っていたふたなり特有の激しい性欲に燃える眼差しが、一心に注がれる。視線を感じるだけで、お腹の奥がきゅん♡♡と疼いてしまう。けれどこうなってしまうのはエミリアを受け入れるために必要で、仕方がないことのはずだ。なのにエミリアは、私を淫乱な女だと詰る。ふたなりの自分よりよっぽど発情しているじゃない、と囁いて、淫らに蕩けることを覚えた女の部分を責め苛む。
エミリアが私を変えたんじゃない、とは言い返さない。私の意志で約束を交わしたのに義妹に責任転嫁したら、それこそ失望させてしまうだろうから。
エミリアに応えるために、胸に付くくらい膝を折り曲げる。足元に移動したエミリアに向かって脚を広げ、両手で割れ目をくぱぁ♡♡と開いた。満足そうに微笑んだ彼女が脚の間に顔を近付けて、もっとよ、と息を吹きかける。
「ん……っ、ぅうっ……♡♡」
「ありがとう、フローラ♡♡ あら……♡♡? ……見てるだけなのに、どろどろのマン汁が溢れてくるわ♡♡ もしかして私がお願いする前から、ちんぽ咥える準備できてたの♡♡?」
「ぁん……っ♡♡ 準備なんて……ち、ちがうわっ♡♡」
「そう、……残念♡♡ それじゃ今夜も念入りに、おまんこほぐさないとね♡♡」
「ぁっ……♡♡ んんっ♡♡ ひ、ぁっ♡♡ んぁあっ……♡♡」
くぱくぱ♡♡と蠢く蜜口を見せつけるようなこの体勢は、何度取らされても慣れることができない。自分でもよく見たことのない場所をエミリアに曝け出すことが、恥ずかしくないわけがない。涙が滲んでしまいそうな羞恥心を必死に抑え込んで女陰を開いているのに、彼女はさらに私を煽る。反論を聞き流して、開いた割れ目に遠慮なく触れ、舌を這わせ、長い指で掻き回してしまう。
「れろれろっ♡♡ ぢゅるぅぅうっ♡♡ ぷはっ♡♡ 少し弄っただけでこんなに蕩けさせて……♡♡ ねえ、わかる♡♡? 指を抜こうとすると、きゅうきゅう絡みついてくるわ♡♡」
「ひっ、ぅ……♡♡ んぁ、っぁああ♡♡! っ……そんなの、んぅっ……♡♡ 知らな、ぁあんっ♡♡!」
「ああ、そうよね……♡♡ 指じゃなくてちんぽで抉らないと、フローラの肉厚おまんこがどれほど淫らなのか、わかりにくいわよね♡♡♡」
膣内を好き勝手弄んでいた指が、じゅぷぅっ♡♡と卑猥な音を立てて抜かれる。手首まで垂れていく愛液を舐めながら体を起こしたエミリアは、すかさず下半身を押し付けてきた。彼女の体の一部とは思えない凶悪な見た目をした昂ぶりが血管を浮かせて脈打ち、ずりゅ♡♡にゅりゅっ♡♡と割れ目を擦り上げる。指一本とは比べ物にならない太さと質量を持った熱いそれが、蜜口にあてがわれる。膨らんだ陰核を指先で優しく撫でて、エミリアが私に問う。
「十分ほぐれているように感じるから、もう挿れていい♡♡? それとも、もっとほぐしたほうがいいかしら♡♡?」
「ぁっ♡♡ ぁん……っ♡ あっ、もう……っ♡♡」
「もう……、なに♡♡? どちらがいいの♡♡? ちゃんと答えて、フローラ♡♡」
「んぁああっ♡♡!」
体を屈めて私に顔を近付けたエミリアの先端が、ぬぷぷ……♡♡と媚肉を掻き分けた。圧倒的な大きさに喘いでしまう私に構わず、エミリアは浅い場所を小突いてはちゅぽんっ♡♡と抜いて、また蜜口を抉じ開ける。とっさに口を押さえようとした両手を掴まれて、ベッドに押さえつけられてしまった。
「ぁんっ♡♡ いれてっ♡♡ いい、からぁっ♡♡」
「はっ♡♡ なにを、挿れていいの♡♡?」
「っ……♡♡!」
「これの呼び方、教えたわよね♡♡?」
「ひぁっ♡♡! ぁあっ♡♡ そこ、やっ♡♡ だめぇ……っ♡♡!」
昂ぶりの先端が、陰核をずりゅ♡♡ずりゅ♡♡と擦り上げる。腰を引いて快感から逃れたくても、組み敷かれている体勢ではどうにもならない。強い刺激を与えられて達してしまいそうになると、エミリアはぴたりと動きを止めた。
「言ってくれないとこのままだけど……、フローラはどうしたい♡♡?」
「ぁっ♡♡ はっ♡♡ はっ……♡♡」
答えなんてわかりきっているはずなのに、エミリアはじっと私を見つめてくる。浅紫の瞳に映る自分の顔は、快楽を欲して淫靡な熱に染まっていた。
「……エミリアの、お……、おちんぽ……、いれて……っ♡♡♡」
「……っ、ええ♡♡♡♡」
「ぁぁああーーーっ♡♡♡!」
羞恥を堪えて答えを口にしたとたん、エミリアの剛直にどちゅんっ♡♡と貫かれた。溜まっていた快感が一気に弾け、背中を反らして喘いでしまう。意図せず腰が跳ねて、膣内を押し広げている昂ぶりを締め上げてしまうたび、さらなる快感が全身を震わせる。高みから戻って来られない私に深く口づけたエミリアが、唾液を啜って舌なめずりした。
「は、ぁっ♡♡ 挿れただけでマン汁垂れ流してイっちゃうなんて、間違いなく淫乱でしょ……♡♡♡ ほら、見える♡♡♡? フローラのきれいな色のおまんこがこんなに広がって、私のちんぽ根元までみっちり咥え込んでるのよ♡♡♡?」
「……あっ♡♡♡♡!? んぁっ♡♡ はっ♡♡ はぁ♡♡ わ、わたしっ♡♡ そんなんじゃ……ぁっ♡♡」
繋がっている場所を見せつけて断じるエミリアの言葉を、首を振って否定する。けれど目の当たりにさせられたそこは彼女の言葉通り愛液を溢れさせて、硬く逞しい昂ぶりをぎゅう……♡♡と抱きしめていた。
「ふうん……♡♡♡? いい加減認めてくれると思ったんだけど、強情ね♡♡♡ 素直なおまんこは美味しそうに私のちんぽしゃぶって離さないのに♡♡♡♡ ……いいわ、理解させてあげる♡♡♡♡ 清楚な貴女の本性が、ドスケベだってこと♡♡♡♡ 私のちんぽなしじゃいられない、淫乱な女なんだってこと♡♡♡♡♡」
「はっ♡♡♡ ぁっ♡♡♡ なにをいって……♡♡♡ あぁっ♡♡♡♡!? あんっ♡♡♡ あっ♡♡♡ んぁあっ♡♡♡!」
酷薄な笑みを浮かべたエミリアが、達した余韻で痙攣する膣内を激しく嬲りはじめてしまう。私の体は乱暴とすら感じられる抽挿にさえ悦んで、しとどに蜜を溢れさせる。ごりゅごりゅ♡♡と襞を掻き分けて突き上げる怒張を、最奥まで受け入れてしまう。されるがまま揺さぶられる私を獰猛な目つきで眺めながら、エミリアは息を荒げて動きを速めた。
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