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一章

ほどほどを飛び越えて

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 ベッドで仰向けになってもらったクランさんの唇からおへそにかけて、隈なく口づけを落としていく。先ほどまでの行為で熱を持ち汗ばんだ肌は唇にしっとりと吸い付いて、口づけている自分のほうが愛撫してもらっているようだった。

「ちゅっ♡♡♡ ちゅぅ♡♡♡ クランさん……♡♡♡」
「んっ♡♡♡ ふっ、ぅ……♡♡♡」

 あらわになっている胸もお腹も遠慮なく撫で回し、全身でクランさんの温もりを味わう。ぢゅぅうっ♡♡と強めに吸って紅い痕が残ると、恋人を独占しているのだという実感が湧き上がった。
 興奮は増していくばかりで、獲物を前にした獣のような荒い呼吸になってしまう。発情抑制剤を飲んでいてもこんな状態なのだから、飲んでいなければこうしたことを考えるひと欠片の理性さえ失っていただろう。努めて大きく息を吐いて、唇できめ細かな肌をなぞった。
 クランさんは両手で口を押さえてしまっているためくぐもった喘ぎが漏れ聞こえるだけだけれど、普段は耳にすることのない色めいた声であることには違いない。この声を引き出せるのも聞くことができるのも恋人である自分だけなのだと思うと、狂おしい愛おしさが胸を満たした。

「すぅー……っ♡♡♡♡ はっ、いい匂い♡♡♡♡」

 脚の間に体を割り込ませて、太ももに腕を回す。少し湿っている寝間着越しの股間に顔をうずめれば、本能を刺激する女の匂いが強く香った。欲望を煽り立てる匂いに、強く囚われてしまう。きっと蜜を蓄えて潤っているだろう隠れた場所を想像すると、口内に唾液が溢れた。

「すーっ……♡♡♡♡ んんっ、クランさん、……触るね♡♡♡♡?」
「ぁっ♡♡♡♡ 顔が、近すぎますっ……♡♡♡♡ ひぁっ、ぁあんっ♡♡♡♡!」

 匂いを嗅いでいることがばれてクランさんが口から手を離した隙に、目の前の割れ目を片手で撫で摩る。脚を閉じられないように太ももを捕まえているから、思うように触るのがむずかしい。ふっくらとしているおまんこ全体をすりすり♡♡と摩りつつ大きく脚を開かせて、可愛らしく寝間着を押し上げている陰核を指先で捏ね、陰唇に強く口づけた。寝間着と下着越しなのが残念だが、いきなり脱がせてしまったらクランさんの言う『ほどほど』を超えて本気で拒まれてしまうかもしれない。少しは我慢も覚えなくては、と自分に言い聞かせながら、クランさんの秘められた場所を責め立てた。

「すんすんっ♡♡♡♡ 寝間着越しでも、ここが膨らんでるのがわかるね♡♡♡♡ ぷにぷにして可愛い♡♡♡♡」
「ふっ♡♡♡♡ ぁっ♡♡♡♡ んんぅ……っ♡♡♡♡」

 クランさんはまた手で口を押さえてしまったみたいだけれど、抱えている脚を震わせて腰を揺らめかせているから感じてくれてはいるようだ。人差し指と中指を揃えて硬さが増していく陰核を撫で転がし、寝間着と下着ごと割れ目の柔肉を唇で食んで愛撫を重ねた。

(匂いが強くなって頭くらくらする♡♡♡♡ 直接触って舐め回して、ちんぽで奥まで掻き混ぜたい……っ♡♡♡♡ ぐっ……でも我慢、我慢……っ♡♡♡♡!!)

 クランさんから漏れる艶やかな声にも情欲を煽られつつ、服越しのおまんこを弄り続ける。寝間着は内側の蜜と外側の唾液でべとぉ……♡♡といやらしく濡れて、クランさんも着替えさせなくてはならない状態にしてしまった。

「ぁあっ♡♡♡♡ んぁ、ぁああっ……♡♡♡♡!」
「あむっ♡♡♡♡ ふっ♡♡♡♡ クランさん、ここ、すごく濡れちゃってるから、脱いじゃおう♡♡♡♡?」

 小刻みに痙攣しながら達した様子のクランさんの脚をベッドに下ろす。本当は自分も寝間着を脱いでしまいたいのだが、あられもない姿のクランさんを前にして暴走しない自信がない。濡れた寝間着越しにも蠢いているとわかるおまんこを撫でて、返答を待った。

「はっ……♡♡♡♡ んっ、それは……♡♡♡♡」
「クランさんに直接触ってもらったときも、舐めてもらったときも、……信じられないくらい気持ち良かったよ♡♡♡♡ 大好きなクランさんにも、たくさん気持ち良くなって欲しいな……♡♡♡♡」

 躊躇う気持ちを断ち切れるように後押しし、引かれてしまいそうな欲望は胸にとどめて嘘偽りのない本音を伝えた。

「あ、あまり、見ないでくださいね……♡♡♡♡」
「……っ♡♡♡♡♡!!! わ、わかった……♡♡♡♡♡」

 頬を真っ赤に染めて見つめてくれるクランさんに許可をもらった私は、寝間着に手をかける。少し腰を浮かせてくれた彼女から一気に引き下ろしてあらわれた黒い下着と肉感的な太ももに、目を奪われた。透き通るような白い肌と黒い下着の組み合わせはたまらない淫靡さで、私の理性を容赦なく揺さぶる。みっともなく喉がなってしまうのをどうすることもできないまま、震える手で下着を下ろしていった。

(わ……、糸引いてる♡♡♡♡ こんなになるくらい感じてくれてたってこと♡♡♡♡? 薄紅色のきれいなおまんこが、とろとろに蕩けてる……♡♡♡♡)

「はっ♡♡♡♡ クランさん、美味しそう♡♡♡♡」
「っ……♡♡♡♡! ぁっ、……レンカさんっ♡♡♡♡!?」

 ––見ないなんて、無理だ。下着を剝ぎ取って脚の間に素早く体を割り込ませたから、思う存分顔を近づけて観察した。
 髪色と同じ銀色の薄い恥毛は、愛らしく膨らんだ陰核を隠せていない。てらてらと妖しく濡れ光る媚肉が蠢いたと思ったら、新たな蜜をとろ……♡♡と垂らした。むっちりとした肉付きの良さを感じさせる盛り上がったおまんこはいかにも柔らかそうで、少し顔を覗かせている襞を思いきり広げ、暴いてしまいたくなる。割れ目から立ち上るむわぁ……♡♡♡♡とした蠱惑的な匂いに誘われるまま、私はクランさんのおまんこにしゃぶりついた。

「ぢゅうぅっ♡♡♡♡ んちゅっ♡♡♡♡ れろれろ♡♡♡♡ ぢゅぢゅぅぅぅ♡♡♡♡」
「ああっ♡♡♡♡!? ひっ♡♡♡♡ ぁん♡♡♡♡ ひぁあっ♡♡♡♡」

 柔らかな内ももに顔を挟まれる心地よさに、さらに息が荒くなってしまう。滑らかな脚を掴んで抱え込み、甘やかに感じられる愛液を啜った。ぬめる襞を掻き分けて舐め回し、大きく開けた口全体で柔らかな感触を味わう。陰核を包皮ごと指で摘まみちゅこちゅこ♡♡と扱いて、舌を引き込もうとする膣口をにゅる♡♡ぢゅぷっ♡♡と卑猥な音を立ててほじくった。

(クランさんの愛液美味しい♡♡♡♡ 全部舐めたい♡♡♡♡ 濡れそぼった熱い襞が舌に絡んで、きゅうきゅう締め付けてくる♡♡♡♡)

 いつの間にかクランさんは口もとを覆っていた手で、私の頭を弱弱しく押そうとしている。ちらりと顔を上げてクランさんを窺ったけれど、ひっきりなしに可愛い声で鳴いていて、本気で嫌がっているのかはわからない。抵抗にならない仕草にも激しく欲情した私は、熱烈に愛撫を続けた。
 次々に溢れてくる愛液が垂れてしまうのが惜しくて、お尻のほうまで追いかける。すぼまっている可愛い穴とのあわいを舐め回すと、たっぷりとほじくっていた膣口が物欲しそうに蠢いた。

「ぢゅるるっ♡♡♡♡ はぁっ♡♡♡♡ ここのほうが、好き♡♡♡♡? もっとするね♡♡♡♡」
「ぁっ♡♡♡♡ らめっ♡♡♡♡ もう、やめ……っ♡♡♡♡!」

 顔をずらして勃ち上がった陰核を吸い、どろどろにほぐれた膣口にずぷぷっ♡♡と中指を埋める。待ちかねていたように絡みつく襞を愛おしく撫でて、指を曲げたり掻き混ぜたりして嬲りつつ、奥まで挿入した。舌足らずなクランさんの可愛さにあてられてちんぽが疼く。締め付けはきついけれど動かせないほどではない膣内も、自分で慰めていたのだろうか。れるれる♡♡と口内で舐め転がしている陰核も、根元まで指を咥え込んでいるおまんこも嬉しい反応を伝えてくれる。快感を求めて自分で手を動かしているクランさんを想像すると、ますます興奮した。

「ぁあ、んっ♡♡♡♡! ほどほど、と……ぃっ、……んぁあっ♡♡♡♡!」

 嬌声に、戸惑うような言葉が混じっていた気がする。でもここで止めてしまったら、絶頂が近そうなクランさんが辛いはずだ。心の中で言い訳をして聞こえなかった振りをした私は、腰を跳ねさせるクランさんを指と口を駆使してさらに責め立てた。

「ぢゅうっ♡♡♡♡ ぢゅうぅ♡♡♡♡ はっ♡♡♡♡ んちゅっ♡♡♡♡」
「んんっ♡♡♡♡ ぁっん……♡♡♡♡ んぁっ♡♡♡♡ んぅーーー……っ♡♡♡♡!」

 私の頭を遠ざけようとしていた両手で口もとを塞いでしまったらしいクランさんが、細い悲鳴のような声を漏らしてどっと愛液を溢れさせた。きゅぅぅぅうっ♡♡♡♡と収縮する膣壁が、咥えている指を離したくないとでもいうように何度も締め上げてくる。
 気持ち良さを長引かせたくて達したおまんこから口を離さず、繰り返し指を動かしては快感を伝えてくれる襞を撫でていた。乱れた呼吸が落ち着きを取り戻した頃合いに唇を離し、そうっと指を引き抜く。愛液塗れの中指を追いすがるようにくぱくぱ♡♡と蜜口を蠢かせて力なく脚を開いたまま体を震わせているクランさんは、凄絶な妖艶さだった。

「んっ……♡♡♡♡ クランさん、その……♡♡♡♡」

 指を舐めながら体を起こし、クランさんの状態を窺う。目を閉じて浅い呼吸をしている彼女は、疲れ果ててしまったようだ。ほぼ全裸のクランさんを見下ろしているのはまずい––。眠る恋人を貪ってしまいそうで、魅力的すぎるクランさんから慌てて視線を引き剥がす。手近にあるタオルを取って清め、棚にある彼女の下着を取り出して身に付けさせた。起こしてしまわないように、今夜はこのまま私のベッドに寝てもらおう。ゆっくりと上掛けを引き上げると、クランさんは穏やかな寝息を立てはじめた。
 ひとまず安心した私は汗や愛液で濡れた下着やタオルを持って、部屋に備え付けられている簡素な洗面台に向かう。無心で処理できれば良かったのだが、結局汚れを洗い流すことができたのは、クランさんの愛液が染みた下着を嗅いで欲を発散した後のことだった。
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