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6、湯浴みのお世話もお任せいただけることになりました②

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 お嬢様がお屋敷を発ってから、わたくしの胸にはぽっかりと大きな穴が開いてしまったようでした。あれほど濃密に過ごした時間が、まるで夢の中の出来事に感じてしまいます。

(……恋をするとこんなにも、ままならなくなってしまうものなのですね)

 父母を亡くし、前の女性主人にお仕えする契約が成立したときに、わたくしは幼いなりに、これからは自分の力で生きて行くしかないのだと覚悟しました。一人前のメイドとなるため必死に働いてきたわたくしにとって、恋や愛といった煌びやかな感情は遠いものだったのです。年齢を重ねるごとに色恋沙汰の諸々を耳にする機会は増えましたが、自分に縁のあるものだとは感じておりませんでした。
 お嬢様と出会い、思いがけず触れ合う機会をいただけたことで、わたくし自身も戸惑うほどの激情がこの胸に育っていたのだと気付いてしまいました。お嬢様のお力になり、お喜びくださるお顔が見たい。お嬢様のお望みは、すべて叶えて差し上げたい。––メイドとして誇りを持っていた奉仕の心は、いつから秘めた思慕に裏打ちされた愛情に取って代わってしまったのでしょう。
 ささやかながら、わたくしがこれまで築いてきた自身の足で立ち生きていくための土台が、心もとなくなってしまったように感じました。お嬢様と向き合っている間は追い払うことのできた悪い想像が、心に靄を広げていきます。

(悩んでいても仕方のないことに、心を乱すわけにはまいりません。……わたくしのすべきことをきちんとして、お嬢様をお待ちしましょう)

 ゆっくりと深呼吸して気持ちを切り替えたわたくしは、メイドとして与えていただいている仕事に励みました。

 帰宅する予定だとおっしゃっていた日の夜になっても、お嬢様はお戻りになりません。静まり返ったお屋敷のか細い灯りの中で待ち続けておりましたが、もうすぐ日付が変わろうかという時間になって、ひそやかに玄関の扉が開きました。

「……っ! エレナ、起きていてくれたの……♡♡」
「お嬢様……♡♡」

 お嬢様は静かに駆け寄って、わたくしを力強く抱きしめてくださいます。お背中にそっと腕を回したわたくしは、待ちわびていたお嬢様の温もりに身も心も蕩けてしまいそうでした。外気の混じったお嬢様の香りを胸いっぱいに吸い込み、わたくしはようやく「……お帰りなさいませ♡♡♡」とご挨拶ができました。

「ただいま、エレナ♡♡ 遅くなってしまったのに……、迎えてくれてありがとう♡♡♡」
「お嬢様……、ご無事でなによりでございました……♡♡」

 わたくしの顔を上向かせてから、お嬢様はこの場所が玄関であることを思い出されたようです。口づけの代わりに頬ずりをしてくださると、「私の部屋で、一緒に眠りましょう……♡♡?」と甘く囁いてくださいました。
 身を寄せ合うようにしてお嬢様のお部屋へ向かい、お預かりした外套を整えて衣装棚に仕舞います。ご自分で寝間着をご用意されたお嬢様に湯浴みをなさいますか、と問いかけるとふいと目を泳がせて、迷っていらっしゃるようでした。

「そうね……、軽く済ませてこようかしら」
「それでは、お手伝いさせていただきます……♡♡」
「もう遅い時間なのだし、先に休んでいて構わないのよ?」
「お心遣いありがとうございます。けれどわたくしは……、お帰りを心待ちにしていたリーゼ様のお側にいたいのです♡♡♡」
「エレナ……♡♡♡ ありがとう♡♡♡」

 嬉しそうに微笑んでくださるお嬢様に手を引かれ、お出かけされる前に愛していただいた浴室へと向かいます。ついそうした触れ合いを期待してしまいますが、お帰りになったばかりのお嬢様にご負担をかけるわけにはまいりません。しかしいざ全裸でお嬢様に向かい合うと、抑えていた恋しさが溢れ出してしまいそうでした。

「リーゼ様、お加減はいかがでしょうか……♡♡♡?」
「ちょうどいいわ……♡♡♡」

 体用のタオルを泡立ててお背中を流し終えると、お体を反転させたお嬢様がやんわりとわたくしの腰を掴み、優しく口づけてくださいました。お嬢様も、わたくしを恋しく想ってくださっていたのでしょうか––。温かなお湯を浴びながら愛情の籠った口づけを交わしている内に、お体を洗う手の動きがすっかりおろそかになってしまいました。

「はぁっ……♡♡♡ ……ちゃんとしてしまったら、止まれなくなってしまいそうだから……♡♡♡」

 舌を吸い上げてから独り言のように呟いたお嬢様が、わたくしの手から泡塗れのタオルを取り上げてしまいます。口づけにうっとりとしていたわたくしはされるまま壁を向いて手をつく体勢になり、少し開いていた太ももの間にタオルを押し付けられました。次第にお股からお尻の割れ目までを淫らににゅる♡♡ぬりゅ♡♡と擦られて、気持ち良くなってしまいます。

「ぁあっ♡♡♡ ふぁ、……っん♡♡♡!」
「はっ♡♡♡ ここに、挿れるわね……♡♡♡」
 
 はしたなく垂れた蜜と塗り付けられた泡でぬめるお股を、お嬢様の剛直がぬりゅんっ♡♡と擦り上げました。気を取られて無防備になったおっぱいには、たっぷりと泡の付いた手がすかさず伸びてきます。背中にぴたりと寄り添ってくださるお嬢様を振り向くと、食らいつくような口づけに言葉を呑み込まれました。
 お嬢様はわたくしの両方の乳首も泡塗れにしておっぱいを揉みしだきながら、膨らんだ先端でおまんこを押し広げて秘芯まで突き上げると、腰を引いておちんちん全体で割れ目をなぞっていきます。お嬢様に包み込まれて愛される悦びに震え、泡と蜜の垂れた太ももをきゅっ♡♡と狭めてしまえば、おちんちんが擦れる度ににゅっこ♡♡ぬゅこっ♡♡と卑猥な音が響きました。触れ合っている場所から立て続けに強い快感が走り、お嬢様の口内でくぐもった嬌声を上げてしまいます。

(……っおちんちんを、おまんこに挿れてくださるおつもりではないようですが……、全身でお嬢様を感じられて、気持ちいい……っ♡♡♡♡♡!)

 喘ぐように息継ぎしたわたくしを情熱的な眼差しで見つめてくださるお嬢様の片手が、おへその下をくっ♡♡と軽く押し込みました。子宮を意識させられて、おまんこが切なく疼いてしまいます。ゆっくりと、しかし大きく揺さぶられながら、高みへと押し上げられていきます。わたくしを撫でつけるおちんちんがいっそう大きくなったと感じた直後、お腹を押し込んでいた手がわたくしの秘芯をくにゅ♡♡と剥き出しにして、先端を激しく擦りつけ責め立ててきました。

「ひぁっ……♡♡♡♡! ぁあ、リーゼさま……っ、んぁぁあああっ♡♡♡♡♡!」
「んぁ、は、ぁっ、エレナ………っ♡♡♡♡♡! ぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡♡!」
 
 びゅるる―――――――っ♡♡♡♡♡♡!

 唇から逃れてあられもなく喘いでしまったわたくしが達すると、お尻に思いきり腰と陰嚢を押し付けたお嬢様も絶頂を迎えました。快感に跳ねる体を抱きしめられて、大量に射精するおちんちんの脈動を鮮明に感じます。何度目か痙攣の後、ぶぴゅっ♡♡! と壁に放たれた濃い白濁が伝い落ちていくのを眺め息を整えていたわたくしの項に、お嬢様の熱い吐息が吹きかかりました。

「はっ、はぁ……エレナ♡♡♡♡♡♡ ぢゅぅうううっ♡♡♡♡♡♡!」
「んっ、ぁあ……っ♡♡♡♡♡♡♡!」

 ぞろりと舌で舐め上げられた場所に、痛みを感じるほど吸い付かれてしまいます。痕を付けていただいているのだとわかって、感じ入ったわたくしは軽く達してしまいました。
 体の力が抜けてしまったわたくしを後ろから支えてくださったお嬢様が、壁の精液を洗い流していきます。体を反転してお嬢様の懐に抱かれると、心地よい疲労感と寂しさを拭い去る安心感に包まれました。

「たくさん擦ってしまったけど、……痛みはない?」
「んっ♡♡♡ 大丈夫、です」

 お嬢様とともに汗ばんだ肌をお湯で流して、しばらくの間ただ抱きしめ合っていました。「……エレナ♡♡」とわたくしを呼ぶ凛としたお声に顔を上げます。

「付き合ってくれてありがとう♡♡♡♡♡ 後は私に任せて……、ね♡♡♡♡♡」
「ぁっ……♡♡♡♡♡ リーゼ様……♡♡♡♡♡」

 湯浴みのお世話をお任せいただけることになったのですが、きちんと務めを果たすことができないまま、わたくしの濡れた太ももを優しく洗い流すお嬢様のてのひらにほだされてしまいました。
 湯浴みも寝支度も済ませ、ベッドに並んで横たわったリーゼ様の穏やかな微笑みに見守られて、わたくしは満たされた気持ちで目を閉じました。
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