上 下
13 / 18

6、湯浴みのお世話もお任せいただけることになりました①

しおりを挟む
 背中に触れる柔らかな感触に意識を掬い上げられて、わたくしは心地よい眠りから目覚めました。頬を寄せている温もりから香る好ましい匂いを、うっとりと吸い込みます。

「ふふ……っ♡ くすぐったいわ、エレナ♡」
「っ……♡♡! ぁ、もうし……んぅっ♡♡!」

 頭上から降りかかる凛としたお声を耳にして、寝惚けた思考をあたふたと回転させました。わたくしはお嬢様の胸もとに押し付けていた顔を上げ、謝罪をお伝えしようとしたのですが、ぎゅぅう♡♡と強く抱き寄せていただいたはずみに言葉を呑み込んでしまいます。

「昨夜はそのまま眠ってしまって……、ごめんなさい……。……辛いところはないかしら?」
「わたくしこそ……、リーゼ様に寄り添わせていただく心地よさに負けて、お体を清めることもせず……、申し訳ございませんでした。体は……腰が少しばかり気だるく感じますが、痛みはございません」

 続けてわたくしを労わってくださるお優しいお心遣いに感謝を申し上げると、少しお顔を離したお嬢様にじーっと見つめられました。

「……ほんとうに?」

 不安に揺れる瞳を見つめ返したわたくしは、「ほんとうです……♡♡」と囁いて、お嬢様の唇に口づけてしまいます。お嬢様と想いが通じて結ばれたわたくしは、立場をわきまえずに浮かれておりました。奇跡的に関係を深めることができたとはいえ、わたくしはお嬢様にお仕えするメイドです。使用人が主の手付きになることはめずらしくありませんが、それ以上の関係を結んだという事例はごくごく稀でした。
 お嬢様が正式に伴侶を迎えられるまでの間だけでも、この幸せに身も心も浸っていたい––。主と使用人としてではなく触れ合いたい、とお嬢様はおっしゃってくださいましたが、お考えが変わらないという保証はないのです。それでも甘やかな気分がわたくしに分不相応な願いを抱かせようとして、胸が切なく疼きました。

「……エレナ♡♡♡」
「ぁっ……♡♡♡ んぅっ♡♡♡」

 わたくしの返事に安心したご様子のお嬢様が、艶やかな唇を寄せてくださいます。ちゅっ♡♡ちゅぅ♡♡と音を立てて吸われる気持ち良さに唇を開くと、すかさずお嬢様の熱い舌がわたくしの口内を探ってきました。欲を高めるような激しさではないのに、お嬢様に与えていただく快感を知ったわたくしの体は、期待に震えてしまいます。

「ぢゅっ♡♡ ねろぉ♡♡ ちゅぅぅっ♡♡ はっ、……はぁ♡♡」
「ぁんっ♡♡ ふ、ぅ♡♡ んぁっ♡♡ ぁ、ん……、はっ♡♡」

 まだ上手く息継ぎのできないわたくしは、すぐに音を上げてしまいました。そっと唇を離したお嬢様は柔らかな微笑を浮かべると、わたくしの髪を優しく撫でてくださいます。

「このままでは……、エレナを一日中ベッドに縛り付けてしまいそうだわ」

 そうできないことを残念がるように小さく呟いたお嬢様は、わたくしを助け起こしてくださいました。

(お嬢様に一日中愛していただけたら……、わたくしは……♡♡♡)

 注いでいただいた精液が膣内に残っているのを感じながら、下腹を撫で摩ります。一度でもたっぷりと満たしてくださったのに、一日中注ぎ続けていただいたなら身籠ったようにお腹が膨らんでしまいそう––、などと淫靡な想像をしてしまいました。そうしていただけないことを残念に思いつつ、わたくしはお嬢様が手渡してくださったお水をいただきました。

「支度をはじめるには、まだ早い時間ね。……エレナが嫌ではなければ、一緒に湯を浴びない?」

 ごくごくとお水を飲み干したお嬢様が、控えめに提案をしてくださいます。わたくしが嫌だなどと思うはずがありません。その旨をお伝えしたわたくしは、甘やかしてくださるお嬢様にまた横抱きの状態で浴室へとお連れいただきました。

「……さすがに狭かったわね」
「わたくしは、……むしろ狭いほうが」

 嬉しいですと続けた小さな呟きは、お嬢様が栓を捻って流れ出したお湯に掻き消されてしまいました。並び立つ体にほどよく水流がかかるように調節してくださったお嬢様は、私をくるりと反転させて後ろから抱きしめてくださいます。耳もとで「私が洗ってあげるわ」と囁いたお嬢様は手早く石鹸を泡立てると、体用のタオルを取り上げることなく、わたくしの肌に直接泡を塗り広げました。

(ぁっ……♡♡♡! お優しく泡で清めていただいているのに、気持ち良くなってしまいます……っ♡♡♡)

 背中をお嬢様に寄りかからせる体勢で、泡塗れのてのひらの動きにただ翻弄されてしまいます。昨夜も残していただいた吸い痕を辿り、お腹まで肌を撫で下ろしていた手が、おっぱいへ戻ってきました。泡に塗れて滑りやすくなった乳首をきゅ♡♡きゅぅ♡♡と絞るように指で擦られ、乳房全体を執拗に揉みしだかれてしまいます。

「っん……♡♡♡ ふ、ぅ……っ♡♡♡!」
「っ……、ここはもう十分きれいね♡♡♡ 次は、お尻を洗うわ♡♡♡」

 いやらしい声を上げないように両手で口もとを押さえているのですが、狭い浴室には吐息が響いてしまいました。脚を擦り合わせて快感を耐えているわたくしの上半身をお湯で洗い流してくださったお嬢様は、また石鹸を泡立てるとお尻を揉みはじめます。むにゅぅ♡♡もにゅ♡♡と左右のお尻を掴むように泡を広げられ、恥ずかしい穴までぬめる指先にくり♡♡くり♡♡とくすぐられて、わたくしのお股からはついに蜜が垂れてしまいました。

「んんぅ……っ♡♡♡ ぁっ……ぅ♡♡♡」
「は、……エレナ♡♡♡ 流し終わったから、今度はこちらを向いてね♡♡♡」

 お股が淫らに疼いてぎこちない動作になってしまいましたが、わたくしはお嬢様を振り返り、背中を壁に預けました。少しひんやりとした壁が、わたくしの火照った体から熱を逃がしてくれます。ほうっ……♡♡と息を吐いた隙に、わたくしの前に屈み込んだお嬢様が太ももに泡を塗りたくってしまいました。脚を閉じているわたくしを見上げたお嬢様が「傷つけていないかたしかめたいから、ちゃんと見せて……♡♡♡?」とおっしゃいます。

(……っ♡♡♡♡♡! そのように可愛らしい表情で見つめられてしまったら、もっとお股が疼いてしまいます……♡♡♡!)

 はしたなく蠢いている場所をお見せする羞恥に震えながら、わたくしはお嬢様の目の前で太ももを開きました。それだけではよく見えなかったのか、手の泡を洗い流したお嬢様がわたくしの割れ目に指をかけてくぱ……♡♡と広げてしまいます。

「はぁ……っ♡♡♡ エレナ、痛みはない?」
「ぁあっ、……んっ♡♡♡! だ、大丈夫です……っ♡♡♡」
「ぁ……っ♡♡♡ 昨夜のが、溢れてきたわ♡♡♡ ……少し触ってみるわね♡♡♡」
「ひぁっ……♡♡♡ ぁ、……んぅっ♡♡♡!」

 片手で割れ目をしっかりと開いたまま、揃えられたお嬢様の指が蜜口をやんわりと撫で摩りました。

(ぁあっ……♡♡♡! 愛していただけるのだと勘違いしたわたくしのおまんこが……、お嬢様の指に吸い付いてしまいます……っ♡♡♡!)

 指で弄られるお股からは、ちゅぅ♡♡にゅちゅぅっ♡♡と粘り気のある卑猥な音が聞こえてきます。心配してくださっているお嬢様の指で快感を得てしまったわたくしは、恥ずかしさのあまり体を震わせました。

「っ……痛い、というわけではなさそうね♡♡♡ なかもきれいにするわ……♡♡♡」
「ぇっ……!? ひぁっ、ぁぁあっ……♡♡♡♡!」

 蜜口を撫でていたお嬢様の指が、ぬぷっ♡♡と挿し入れられます。濡れそぼったそこはすんなりとお嬢様の指を受け入れて、悦びを伝えようと絡みついてしまいました。残っている精液を掻き出す指先が気持ちいいところを何度も掠めて、わたくしはお嬢様にお股を押し付けるように腰を揺らめかせてしまいます。

「可愛い、エレナ……っ♡♡♡♡」
「ぁんっ♡♡♡ ふっ……♡♡♡ んぁあ……っ♡♡♡!」

 わたくしの膣内を掻き回す手を休めず、栓を捻って流れ出るお湯を止めたお嬢様が、秘芯にちゅう♡♡と吸い付きました。両手で押さえても漏れてしまうはしたない声が反響して、さらに羞恥を煽ります。
 指の抽挿もいつの間にか激しくなり、わたくしのお股からは動きに合わせてぢゅぽっ♡♡にゅぽっ♡♡と蜜が飛び散ってしまいました。鼻先で恥毛を掻き分けられ、秘芯を根元から咥えて舐めしゃぶられると、わたくしはもう限界でした。

「ひっ、ぁあっん♡♡♡! リーゼさま……ぁっ♡♡♡!!」
「ぢゅるっ♡♡♡ ちゅぅぅ♡♡♡ にゅちゅぅ……っ♡♡♡」

 がくがくと腰を震わせたわたくしは、お嬢様に吸い付かれ深く指を埋められたまま達してしまいました。

「ぁっ……♡♡ は、っ……♡♡」
「ぢゅうぅっ♡♡♡ はぁっ♡♡♡ エレナ♡♡♡」

 快楽の余韻に痙攣する膣内から優しく指を引き抜いたお嬢様が立ち上がり、壁に寄りかかって息を切らしているわたくしを正面から抱きしめてくださいました。甘えさせていただいて身を寄せると、わたくしのお腹に硬いおちんちんが当たります。なにかをおっしゃられる前に、わたくしは思いきってお嬢様をお誘いしました。

「あの……っ♡♡♡! リーゼ様の、おちんちんを……♡♡♡ くださいませ……♡♡♡♡」
「んぅっ……♡♡♡♡!」

 片手を伸ばして陰茎を掴み、先端まで優しく扱きます。せっかくきれいに洗っていただいたのに申し訳ないのですが、わたくしはお嬢様が欲しくて我慢ができませんでした。

「わたくしが体を痛めていないことは、たしかめていただけたはずです……っ♡♡♡ どうか……♡♡♡♡」

 愛おしいお体から離れたわたくしはまた壁に背中を預け、片手をお尻のほうから回して脚を持ち上げました。お嬢様の視線を感じながら、自らの指で秘唇を開きます。

「エレナ……っ♡♡♡♡♡!」

 飛びかかるように距離を詰めたお嬢様が、持ち上げた脚に片腕をくぐらせてわたくしの腰を引き寄せました。たまりかねたご様子で唇にむしゃぶりつくと、お腹に手を翳して魔法を使ってくださいます。荒々しい息継ぎの合間に「こっちの脚も上げて♡♡♡ 私にしがみついて♡♡♡」と囁いたお嬢様の首に、両腕を回して強く抱きつきました。
 持ち上げたもう片方の脚にも腕をくぐらせたお嬢様は、わたくしのお尻を両手で鷲掴んでしまいます。完全にわたくしを抱え上げると、先走りを垂らした先端が蕩けた蜜口にぬちゅぅっ♡♡とあてがわれました。

「ふっ、……ぁあっ♡♡♡♡♡!!」
「んぅうっ……♡♡♡♡♡! んぁぁああっ♡♡♡♡♡!」

 唇を重ねていられないほど、一気におちんちんが突き上げてきます。わたくしの体重をものともせずに、お嬢様はわたくしを力強く揺さぶっておまんこを貪りはじめました。お嬢様に身を預けてしまっているため、あっという間に絡みつく襞を掻き分けられて、ずんっ♡♡ずちゅんっ♡♡と膣奥を責め立てられてしまいます。

(あっ……♡♡♡♡♡ お嬢様が切ないお顔をして、わたくしを突き上げてくださって……♡♡♡♡♡ 求めてくださって嬉しい♡♡♡♡♡ またたくさん、なかに出して欲しい♡♡♡♡♡♡!)

 振り落とされないようにしがみついているわたくしは、自分を見つめてくださるお嬢様の必死な表情に気が付いて胸が熱くときめきました。艶やかな金糸を乱れさせ、薔薇色の瞳に欲情を浮かべ、麗しい唇を開いて呼吸を荒げたお嬢様の凄絶なお美しさに、さらなる愛液を溢れさせたおまんこがきゅぅぅぅううっ♡♡♡♡♡♡! とおちんちんを締め上げてしまいます。

「んぁぁあああっ♡♡♡♡♡! エレナっ……♡♡♡♡♡♡! おまんこ、しゃぶりついてくるっ♡♡♡♡♡♡!」
「ぁあっ♡♡♡♡♡♡! あんっ♡♡♡♡♡♡! リーゼさま、ぁあっ♡♡♡♡♡♡!」

 激しい腰使いでどちゅっ♡♡どちゅんっ♡♡と抽挿を速めたお嬢様がわたくしを呼ぶお声が響いて、抑えきれない嬌声を上げてしまいました。子宮口を貫く勢いの律動にいいように乱され、遠慮なく求めていただけているのだという実感も、わたくしをたまらなく興奮させます。
 全身を駆け巡る凄まじい快感を堪えることもできず瞬く間に高みへと上り詰めたわたくしのなかに、ほぼ同時に達してくださったお嬢様の精液が押し寄せました。おちんちんを最奥に突き上げたお嬢様は何度もお体を震わせて、残らず注ぎ込んでくださいます。手足を絡みつかせて精液を受け取ったわたくしに、最後にびくりと大きく腰を震わせたお嬢様がはあはあと肩で息をしながら口づけてくださいました。
 ずりゅぅっ♡♡とおちんちんを抜かれ、抱え上げられていた脚をゆっくりと下ろされます。ふらついてしまったわたくしを、お嬢様はきつく抱いてくださいました。汗ばんだ体を寄せ合って温もりが溶け合う心地よさに恍惚となりつつ、お嬢様が繰り返してくださる深い口づけを味わいました。
 
 いつものお仕度の時間まで湯浴みが長引いてしまい、わたくしは急いでお嬢様の身支度を整えました。どうにか自身の支度も済ませて退室しようとするわたくしの手を取り上げたお嬢様が、まじまじと指を眺めています。

「……? どうか、なさいましたか?」
「ええと……。その……、前に貴女が湯浴みを手伝うと、申し出てくれたことがあったでしょう? そのときは断ってしまったけれど、……これからは、お願いしてもいいかしら?」
「……っ♡♡! はい、しっかりと務めさせていただきます」
「そう、ありがとう……♡♡」

 持ち上げた手の甲に、お嬢様は柔らかな口づけを落としてくださいました。流れるような美しい仕草に、思わず見惚れてしまいます。

「それと……今日は予定を変更して、出かけなければならないの。帰宅は明後日になると思うわ」
「っ……、かしこまりました。お帰りをお待ちしております」

 浮ついてしまっていたわたくしは、動揺が顔にあらわれてしまわないように意識しました。お嬢様がお出かけされる前は、事前にお話いただくことが習慣となっていたためです。いつもは領内のどこへどのような用事で向かうのか、までわたくしにもお教えくださるのですが……、お嬢様と離れることが、とても心細く感じてしまいます。

「エレナ……♡♡♡」

 はっと顔を上げると、お嬢様が唇を重ねてくださいました。わたくしの不安を見透かしたかのように、お嬢様は優しく抱擁してくださいます。

「できるだけ早く帰れるようにするわね。……後でまた、見送りをしてくれる?」
「は、はい……、お嬢様」

 二人きりでいるのですが、普段通りにしなければと思うあまりお嬢様、とお呼びしてしまいました。少し寂しそうに微笑まれたお嬢様にご挨拶をして、部屋を後にします。お見送りを済ませたら明後日までお嬢様にお会いできないのだ、という事実が想像以上に心に重くのしかかりました。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私たちは、女同士でエッチする

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:205pt お気に入り:168

【R18】奴隷に堕ちた騎士

BL / 完結 24h.ポイント:560pt お気に入り:448

理香は俺のカノジョじゃねえ

BL / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:68

ふたなりを隠す女騎士と、彼女に助けられた女魔法使い

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:34

いたずらはため息と共に

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:269pt お気に入り:171

処理中です...