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消えない記憶
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わたしはいまだにあのときのことを夢で見る。
なにも見えない真っ暗な世界。
わたしの視界は布製のアイマスクで遮断されていた。
「いいかい」
男の生暖かい息と低い声が鼓膜に到達する。
わたしは無言でゆっくり頷いた。
同時にアイマスクが外され、強烈な光がわたしの瞳に射し込んできた。あまりの眩しさにギュッとまぶたを閉じる。
そして再びゆっくり目を開けると、まるで霧がスーッと引いていくように徐々に視界が鮮明になっていく。
三脚の上に乗せられたビデオカメラのレンズは、わたしを睨みつけるように監視している。
2メートルほど先にあるモニター代わりの大型のテレビに、大きく足を開いた状態のまま、絞り出されるように胸をきつく縛られた全裸の幼い少女が映し出されていた。
わたしは思わず目をそらした。けれど男はそれを許さなかった。
「しっかり見ろ」と、わたしの顎を鷲掴みにして再び正面を向かせた。
なにも見えない真っ暗な世界。
わたしの視界は布製のアイマスクで遮断されていた。
「いいかい」
男の生暖かい息と低い声が鼓膜に到達する。
わたしは無言でゆっくり頷いた。
同時にアイマスクが外され、強烈な光がわたしの瞳に射し込んできた。あまりの眩しさにギュッとまぶたを閉じる。
そして再びゆっくり目を開けると、まるで霧がスーッと引いていくように徐々に視界が鮮明になっていく。
三脚の上に乗せられたビデオカメラのレンズは、わたしを睨みつけるように監視している。
2メートルほど先にあるモニター代わりの大型のテレビに、大きく足を開いた状態のまま、絞り出されるように胸をきつく縛られた全裸の幼い少女が映し出されていた。
わたしは思わず目をそらした。けれど男はそれを許さなかった。
「しっかり見ろ」と、わたしの顎を鷲掴みにして再び正面を向かせた。
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