悪魔 兄 降臨

愛美

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悪魔と遭遇

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リビングに足を踏み入れた瞬間、異次元空間に迷い込んだような錯覚に陥った。

平和すぎる日常生活を送ってきたわたしにとって、その光景はあまりにもショッキングだった。

数日前に買ってもらったばかりのピンク色のビーズソファーの上に、異常に体の大きなゴリラみたいな男が、ふんぞり返ったまま膝の上に置いたパーティーサイズのお寿司を両手いっぱいにすくい上げて、むしゃむしゃと音を立てて食べていた。

しかも、ピザやフライドチキンの空箱やハンバーガーの包装紙が山のように積み上げられている。

その側では、お父さんが飼い主に叱られた子犬のように、うなだれたまま正座していた。

「その人だれ?」

まるで有刺鉄線が張り巡らされているみたいなピリピリとした空気の中、わたしは声を振り絞ってお父さんに問いかけた。

お父さんは唇をブルブルと震わせながら釣り上げられたお魚みたいに口をパクパクさせて「お、お、おまえの...」と、答えた。

うまく聞き取れなかったわたしは、答えを求めるように横にいるお母さんの顔を見た。

「あなたの腹違いのお兄さんよ!」

お母さんは発狂したように叫んで、床に崩れ落ちた。

「えっ?えーーーっ!」
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