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第六話

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そこから次の日の日の入りまではあっという間だった。


結局あの後は、本能の暴走に伴う霊力の暴走で体がキャパオーバーして熱を出してたおれにそんな無体働けるか、と言う先生の弁でソウイウ事するのは明日からって事になって。
おれはそのまま先生の部屋で、先生は居間で寝るって事でその場は解散した。

ちなみに心の底で抱いていた寝たら全て元通りになるんじゃないかって言う淡い期待は簡単に消え去り、今朝雨音で目を覚ましてから今までに先生からは少なくても三回以上精気をキスで貰っていて、今は。
先生に頼んで結局また足りなくなった精気を補充して貰ってる最中だったりする。




「ま、今日に限って言えば朝から周に男同士の房事講習受けてたからな、お前さん。体への刺激も強いし仕方ないだろ。ほら、顔あげろ。」

「ん……。」

いくらやむを得ないと言っても皆の前で精気を貰うのはさすがにはばかられるからおれの部屋で、と頼んだ時嫌な顔一つせずに頷いて部屋まで来てくれた先生の腕の中で俯かせていた顔をあげれば、鼻先が付くくらい至近距離にあった先生の顔がさらに近付いて、ゆっくり唇が重ねられた。

「ンッ……!」

ばくばくと早鐘を打つ心臓の音が聞こえませんように、と祈りながら先生が普段着として愛用してる濃紺の作務衣の胸元を握りしめる。

後頭部と腰に腕を回された腕に軽く力が込められ、ぴったりと隙間なく体が密着してから少しだけ開いた唇の隙間から口内に先生の舌が差し込まれ、ぴくんと肩が跳ねるとそれを宥めるように後頭部を撫でられながら昨日と今日、散々弄られた上顎のザラザラした部分に舌が這わせられた。

「ッふ、ァ、ッあ……!!」

断続的に弱い電気を流されるようなビリビリとした刺激に身悶えながら体の奥に熱が灯っていくのを感じて作務衣から手を離し先生の首に腕を回す。

ッ体……熱いッ……。

「ッ……ン、ぅ、ッ」

何度も執拗にそこばかり刺激して全然精気をくれない先生に焦れて、ねだるように舌先で先生の舌を舐めると同時に舌を絡め取られ、唾液と共に流し込まれる精気をこくんと喉を鳴らして飲み込めばそれまで少しだけ空虚感を感じていた体の奥が満たされる感覚に体を震わせる。

……おれの体、本当に変わっちゃったんだ。

そんな今朝から何度目か分からない溜め息を内心で付きながら無意識に閉じていた瞼をそっとあげると目の前には先生の精悍な顔と常より伏せられた鳶色の瞳があった。

……ああ、やっぱ、好き。

「……ッンん!! ッあ、ッゥん……ッ! せ、だめ……ッ立ってられな……ふ、ァ……!」

瞬間自然に沸き上がった想いにトクンと胸が高鳴り、先生の瞳が上げられて視線が合ったと思うが否や後頭部をがっちり押さえられ、じゅっと絡めた舌を強く吸われびくんと体が跳ねる。
何度も絡め直されては吸ったり舐められて、どんどん深くなっていくキスの息継ぎの合間に訴えるとふっと瞳を緩めた先生の舌が抜かれ、最後にチュッと唇を吸ってからやっと唇が解放された。

「すまん、お前さんがあまりに可愛い声を出すからな、ついつい歯止めがきかんかった。」

「……う~~……。先生、今日それ二回目……。」

全く悪びれる様子もなくぽんぽんと頭を撫でてくる先生を酸欠と羞恥で潤んだ目で睨み付ければにやりとたちの悪そうな笑みを浮かべた先生にべろりと唇全体を舐められる。

「うッ!! もーー、せんせえ!」

流石にこれ以上は本気で腰が抜けそうで慌てて掌で口を覆えば、今度はその手の甲にキスされてカッと頬が熱くなる。

「うう゛~~~~!!」

もう何をどうしても墓穴を掘る気しかしなくて、せめてもの反撃に先生の首に回していた腕を一旦解くと背中に回し直し、先生の胸に顔を埋めてぎゅっと抱き付くと可笑しそうに笑った先生の手が後頭部の髪を梳くようにして撫で始めた。

「ちょいからかい過ぎたか。久し振りにコアラ擬きになったな、璃。」

「……コアラじゃないもん。」

すりすりとその胸に頬を擦り寄せどうしようもなく安心する体温に自然と体から力が抜けていく。
そのまま先生の胸板に耳を押し付ければとくとくと一定のリズムを打つ心地良い心音にほう、と息を付いた。

「おい璃、もうすぐ夕飯だ。寝るなよ?」

「……寝ないもん。」

……ああ、もう。

「……先生、好き。」

「……ああ、璃。俺もお前さんが愛しくて仕方ねぇ。……本当に莫迦な子程可愛いとはよく言ったもんだな。」

優しい声音と髪を梳く優しい手の動きに胸の奥が切なくて仕方なくて。
当たり前のようにその言葉がぽろりと口から溢れ落ちたそれが明らかに恋心を含んでいた事に気が付き無意識に体が強張ったけど、小さく笑い声を漏らした先生にぽんぽんと頭を撫でられながらそう告げられほっと体から再び力が抜ける。

それはおれとは違う『愛しい』だろうけど、でも……。

――――って!?

「先生また莫迦って言った!?」

「お、やっと顔上げやがったな莫迦璃。ほれ、このままだとお前さんマジで寝そうだからな。少し早いが居間に行くぞ。」

「ひゃっ?!」

聞き捨てならないその単語にバッと顔をあげればにやりと意地悪な笑みを浮かべた先生にひょいと抱き上げられる。

「もーー、一度ならず二度までも!!」

落ちないようにしっかりしがみつきながら唇を尖らせるおれの背中をぽんぽんと撫でながら歩き出した先生がおれの部屋の襖を開けて階段を降りていく。

「……う~~……おれ莫迦じゃないもん!」

「へいへい、莫迦じゃないってんなら、俺の『言葉の意味』をさっさと理解する事だな。」

昨夜と同じ事を言いながら、やっぱり先生が言う『言葉の意味』が分からなくて首を傾げるとやっぱ莫迦じゃねえか、と突っ込まれた。

「莫迦じゃないもん、莫迦って言った方が莫迦なんだもん!!」

「何ガキみてえな事言ってんだ。や、ガキだったわ。……ま、どうしても分からねえってんなら聞きにきたら教えてやるよ。条件付きでな。」

「…………う。」

先生がこういう時はつまり『自分である程度は考えろ』って事で、例え聞きに言っても簡単に答えを教えてくれた事がないのを身を持って知っているため眉を寄せうーーうーー唸っているとところでよ、と先生に話かけられる。

「すっかり忘れてるみたいだから一応言っとくが。璃、今夜からやるから風呂あがったら俺の部屋に来いよ?」

さらりと告げられた内容にドクンと心臓が跳ねあがった。
……忘れてない、忘れてないけど、でも。
意識した瞬間ガチッと緊張と少しの不安で固まりかけた体に苦笑しながらもすりっと体を擦り寄せ先生にさらに強くしがみつく。

「……忘れてないもん。お風呂上がったら先生の部屋行くから、待ってて。」

「――ああ。なに心配するな、出来る限り優しくしてやる。お前さん、ハジメテだしな。」

震えそうになる喉を叱咤して先生にそう告げれば、そんなの全部お見通しだったんだろう先生に軽く背中を擦られて小さく頷いたものの、周兄に夕御飯はしっかり食べるように言われてるけど、こんな状態じゃ普通に食べれそうになくて内心で小さく息を付いた。



+++



その心配していた夕御飯は多分先生と同様おれの緊張や不安を把握していた周兄と、それを手伝ったのだという勇玖によってのだし巻き卵を始めとしたおれの好物ばかりばかりだった。
特に、いつもより焦げて形も崩れたおれのお皿に乗せられてたまるっと一本のだし巻き卵は、勇玖がおれのために初めて作ってくれたものだと周兄から聞いて嬉しくて仕方なくて無理しなくていいと言う勇玖に美味しいって何度も言いながら食べきって、やっぱり先生にもやしな体のどこに入るんだ、って呆れられたけど。

……だって本当に美味しかったし。

そう改めて心の中で呟き、目の前にある先生の自室の襖を軽くノックしてから開けるとそこには先生と周兄、そして勇玖の姿があった。

「おう。璃、来たか。今日はあみだはなしで、俺が一番風呂でお前さんが二番風呂だった筈だか思ったより遅かったな、何かあったか?」

「う、ううん。」

来い来いと手招きされてしっかりエアコンが効いて涼しい部屋の中に入りながら首を振る。
そう、別に何かあった訳じゃない。
ただお風呂でやっぱ色々意識しちゃって念入りに体を洗ったりだとか、男同士で使うソコは『準備』が必要だって周兄の講習で教えて貰ったからその『準備』をしてただけだもん。

……と言うか。

「周兄と勇玖は何で先生の部屋に? もしかしておれタイミング悪かった?」

昨日みたく中央に引かれた布団の奥、障子戸の前でごそごそしている二体に声をかけると振り返った周兄にううん、と返された。

「そんな事ない。ただ志紅と璃の体のケアはするって言ったからな。ちょっとその準備と。勇玖に手伝って貰ってソレの取り付けをな。」

「ソレ?」

くすくす笑いながら和箪笥と向き合う位置の壁を指差した周兄につられてそこへ目を向ければ、昨夜まで無かった壁に沿うようにして置かれたローボードとその上に設置された薄型の二十六インチテレビに目を見張る。

ちなみに夜辻島は人の身では決して辿り着けないけど夜辻島側から人の世に行く事は比較的容易い事もあり、技術は人の世の最新と同じレベルだ。

でも、これ美鈴姉が凄く高いって言ってた最新版!

「テレビ!? どうしたのこれ!」

そのままテレビの前に座りリモコンで何か設定している先生の隣に座り尋ねればぽんぽんとおれの頭を撫でた先生がああ、と口を開いた。

「これからは、夜に璃がこの部屋にいる事が増えるからこれくらいの娯楽は用意して当然だ、と今朝美鈴と黒波に家電屋に引っ張ってかれてな。買わされた。その周辺機器も合わせてな。」

とんだ出費だった、とおれの髪を掻き回しながら言う先生に苦笑する。

「そっか。それで今日午前中一刻ぐらい先生達いなかったんだ。」

「ああ。よし、周。設定終わったぞ。」

「うん。此方も準備出来た。また何か足りなかったら言ってくれ。」

「ああ。」

周兄のその言葉に視線を其方に向けると障子戸の少し手前にやっぱり昨日はなかったちょっとしたサイドボードがあり、その上には水出し緑茶が入った硝子製のピッチャーとグラスが二つ、小皿に盛られたチョコレートが置かれていた。

「――チョコレート? 」

今からソウイウ事する場所には少しだけ違和感があるそれに首を傾げるとああ、と笑いながら周兄が先生を見遣る。

「何せまだ戌の下刻を回ったばかりだからな。いくら志紅でもいきなりがっついたりはしないだろうからって事で時間潰し用に。チョコレートも水出し緑茶も気持ちをリラックスさせる効能があるからいいかなと思ってさ。……さて、俺達はそろそろ行こうか。」

「そうですな。」

互いに顔を見合せ、二体が立ち上がったのを見て反応しかけたおれの腰を先生がぐいっと引き寄せた。

「……せんせ……。」

「いいから、此処に座ってろ。悪かったな。周、勇玖。」

「いや。じゃあ志紅、璃の事頼んだよ。くれぐれも無茶させないように!」

「おう。初心者に無茶させたりしねえから安心しろ。」そ

うひらひらと手を振る先生に嫌がおうでもまた緊張してきて固まっているとぽんと周兄の手が頭に置かれる。

「…………周兄。」

「……璃。昨夜はああ言ったけど、まだ十一の璃にこんな事強いるしか方法が思い付かなくてごめん。志紅は璃を傷付けたりしないはずだけど、もし乱暴にされたらすぐ呼んで。結界だろうがなんだろうが破って突入するから。」

「周兄のせいじゃないもん。だから大丈夫。……う、うん。」

後半についてどこまでも本気で言ってそうな周兄にとりあえずこくこく頷いていると主、と周兄の隣に立つ勇玖に呼ばれて視線を向ける。

「今夜は自分も周殿の自室で周殿と黒波殿と控えております。何かありましたら呼んで下さい。――御武運を。」

「う、うん。ありがと、勇玖。」

そう告げれば眦を僅かに下げた勇玖がでは、とおれと先生に頭を下げ周と一緒に退室して。
おれと先生だけになった部屋は一気に静寂に包まれた。
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