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第一章
第2話 ニンジャ、山の中
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「待ってくれ、それはどういう意味……だ?」
耕助はそんな言葉を発しながら意識を覚醒させえる。
眼を開けるとそこには巨大な、正確には視界いっぱいになるまで近づいた猫の顔があった。
「……ミケ?」
それは先ほど選択したサポートキャラである三毛猫のミケに間違いない。
首を傾げるかのような妙に人間染みた動きで、こちらをのぞき込んでいるかのようだ。
「こんなモーションあったっけ?」
サポートキャラは基本的に命令通りにしか動かないが放置していると独自のモーションを取り、ミケの場合毛づくろいをしたりのびをしたりするのだが、こんな風に覗き込んでくるかのような動きは記憶にない。
しかし耕助にはそんなことより気になることがあった。
「どこだここ?」
昨日ログアウトしたのは街中で同じ場所に現れるはずだというのに、ここはうっそうとした樹木が立ち並ぶ山中の様だ。
見慣れない場所だというだけなら何らかの突発イベントでも始まったのかと推測することも出来るが、異常はそれだけではない。
「いや……あれ? なんだ、これ?」
立ち上がった耕助は周りを見回し、自分の身体を見下ろして更に困惑の声をあげる。
如何に最新技術のVRSによる仮想空間とは言え、あくまで疑似の感覚でしかなくどれほど現実に近かろうとどこか作り物と感じさせる虚構の世界でしかない。
つまり注意すれば現実でないと直ぐにわかるのだが、今耕助を取り巻いている環境はいつものゲーム内とは違っていた。
身体全体に浴びる日差しの暖かさや遠くから聞こえる鳥のさえずり、湿度を含んだ濃い緑の匂いなど全てが圧倒的な現実感を伴っていながら全くの自然で、一切の違和感を感じないのだ。
「ゲーム内……じゃない? 現実か? いやでもこれは……」
五感で感じる全てがここは仮想世界ではなく現実世界だと訴えているのだが、自分の身体を見下ろせば先ほどまで着ていたはずの見慣れた部屋着ではなく、これまた見慣れたゲーム内での装備だ。
魔獣や聖獣の毛と鋼糸が編み込まれた黒紫の忍装束に、玄武の脚甲、白虎の手甲、青龍の鎖帷子、朱雀の鉢金という四神の加護を得た防具。
通常防御だけでなく属性防御も限界まで高めておりありとあらゆる攻撃を九割以上軽減する、どれも苦労して作成したものだ。
そして背中には『鬼神斬』、愛刀でもある忍者刀だ。
最希少金属であるヒヒイロカネを大量に用意したうえで極限まで精錬して作り上げた至高の逸品で、『エターナルワールド』内においても十指入るだろうと自負している。
だがこれらは全て現実には存在しないはずの物で、ここがゲーム内であることは間違いなはずだが、試しに柄に手を伸ばすと馴染みのある手触りなのだがやはりどこか違う。
とにかく様子がおかしいので、ステータス画面を呼び出そうとしたがこれに関しては全く反応しない。
「おいおい、どうなってるんだ……」
何度やっても無反応で流石に焦り始める。
これが何らかの故障か異常の場合、その異常を知らせるためのGMコールも出来ないということで、そして何より
「これじゃログアウトもできない……」
現実世界に戻ることができないと言うことだが、それはここがゲーム内では無いという可能性も示唆している。
「と、とにかく落ち着け……ログインする前に何があったか思いだすんだ」
ここが仮想世界なのか現実世界なのかますます区別がつかなくなる中で自分に言い聞かせるかのように呟き、何故こうなったかを思い返してみる。
「確かログインの最中に外から凄い音が……あれは雷だろうな」
とてつもない轟音で、全身を叩くかのような衝撃を受けたのは覚えている。
おそらくそれが関係しているとは思うが、具体的にどうしてかは当然思いつかない。
「他に覚えていることは……そうだ夢を見たんだよな。なんか偉そうな、妙に威厳ある爺さんからこの世界を頼むとかどうとか……」
夢にしては妙に現実的で、どういった意味だと問いただそうと声をあげたところで目が覚めたのだ。
これも気にはなるのだが、事態究明には役に立ちそうにない。
結局何が起こったか解らず、耕助が混乱している中で足元ではミケが退屈そうに欠伸をしている。
これも本来ならありえない動きだが、今の耕助に気づく余裕はなかった。
必死に頭を働かせて自分に起きたことを考えているが、答えを出す前に状況が動くことになる。
「お、本当にいやがった」
突然背後から聞こえて来たその声に対し、振り向くより先に大きく跳ねて距離をとると同時に抜刀して声の主に対して身構えたのだが、この自分の動きと反応に耕助自身が驚いてしまう。
身体が勝手に動いたのだが、ゲーム内なら可能だが現実とてもではないが不可能な動きだった。
耕助が刀を向けた先にいたのは濃茶のズボンにシンプルな白のシャツを着た、年の頃は四十代後半といったところの白髪で口ひげを蓄えた男だ。
「……そう警戒しないでくれ、俺は敵じゃない」
耕助の過剰とも言える反応に少し驚くものの、気持ちは解るがと男は苦笑する。
大柄のがっしりとした身体に彫りの深い顔だが、その表情は柔和でこちらに向けている視線も穏やかなものだが、耕助には返事をする余裕は無かった。
(この人……強い)
男の余裕な態度とは対照的に耕助の方は額に冷や汗が流れ、向かい合うだけで得体の知れない恐怖にも似た緊張が背筋を走っている。
柏木耕助としてはまるで解らなかったがライバとしてなら解る、戦ってはいけない相手だと。
抜き放った鬼神斬の刀身は陽の光を反射してゲーム内と同じように、いやそれ以上の輝きを放っており頼もしさを感じさせるのだがこの男に対してはどれほど役に立つのか……そんなことさえ考えてしまう。
「確かカシワ……コースケだったな、俺の名前はバルナルドだ。色々と混乱しているだろうが状況を説明したい。いきなりで信用できないのは解るが話を聞いてくれないか?」
そんな耕助の内心を知ってか知らずか、バルナルドと名乗った男は気さくな笑顔を浮かべながら親し気に話しかけてくる。
最近色々とあってやや人間不信になっていた耕助でも気を許してしまいそうな笑顔で、一切の敵意を感じさせないバルナルドに我ながら単純すぎると思いながらも警戒心を薄れさせていた。
刀を抜いている耕助に対してバルナルドは平然とした余裕な態度で、自分だけ警戒しているのが馬鹿らしくもなってきたのだ。
「状況を……説明?」
「そうだ。ここがどこで何故こんな場所にいるか、何でお前の名前を知っているか、そして俺が何者かとか色々だ……ここじゃなんだからな、近くに俺の家があるんだがそこで話さないか? 茶ぐらい出そう」
「…………」
「主よ、ここは情報が欲しいところだ。ついて行くべきでは?」
「……それしかない……か!?」
確かに警戒は薄れたが流石に即答できないでいた中、聞こえてきた声に反射的に答えてしまうが、弾かれた様に足元を見る。
「少なくともここで途方に暮れているよりはマシであろう」
そこにいたのはこちらを見上げているミケで、流暢に人語を話している。
「喋るのか、その猫」
バルナルドが驚いたかのように言うが、それは耕助も同じだった。
「……ミケ、お前喋れるのか?」
ゲーム内においては高度な人工知能により、ある程度のやり取りが出来るNPCは存在するがサポートキャラには実装されていないはずだ。
「吾輩が喋るのがそんなに不思議か? 確かに今までは必要ない故に口を開かなんだが猫だからと言って喋らないという先入観を持つのは視野を狭めているのと同義だぞ」
妙に偉そうなやれやれと言わんばかりの物言いで、耕助のことを主と呼んではいるがぞんざいな態度だ。
「まあいい……猫用にはミルクがあったはずだ」
「頂こう」
バルナルドは背を向けて歩き出すと、ミケは耕助に構わずついていく。
それにつられた訳ではないが耕助も一つため息をついた後歩き始めた。
耕助はそんな言葉を発しながら意識を覚醒させえる。
眼を開けるとそこには巨大な、正確には視界いっぱいになるまで近づいた猫の顔があった。
「……ミケ?」
それは先ほど選択したサポートキャラである三毛猫のミケに間違いない。
首を傾げるかのような妙に人間染みた動きで、こちらをのぞき込んでいるかのようだ。
「こんなモーションあったっけ?」
サポートキャラは基本的に命令通りにしか動かないが放置していると独自のモーションを取り、ミケの場合毛づくろいをしたりのびをしたりするのだが、こんな風に覗き込んでくるかのような動きは記憶にない。
しかし耕助にはそんなことより気になることがあった。
「どこだここ?」
昨日ログアウトしたのは街中で同じ場所に現れるはずだというのに、ここはうっそうとした樹木が立ち並ぶ山中の様だ。
見慣れない場所だというだけなら何らかの突発イベントでも始まったのかと推測することも出来るが、異常はそれだけではない。
「いや……あれ? なんだ、これ?」
立ち上がった耕助は周りを見回し、自分の身体を見下ろして更に困惑の声をあげる。
如何に最新技術のVRSによる仮想空間とは言え、あくまで疑似の感覚でしかなくどれほど現実に近かろうとどこか作り物と感じさせる虚構の世界でしかない。
つまり注意すれば現実でないと直ぐにわかるのだが、今耕助を取り巻いている環境はいつものゲーム内とは違っていた。
身体全体に浴びる日差しの暖かさや遠くから聞こえる鳥のさえずり、湿度を含んだ濃い緑の匂いなど全てが圧倒的な現実感を伴っていながら全くの自然で、一切の違和感を感じないのだ。
「ゲーム内……じゃない? 現実か? いやでもこれは……」
五感で感じる全てがここは仮想世界ではなく現実世界だと訴えているのだが、自分の身体を見下ろせば先ほどまで着ていたはずの見慣れた部屋着ではなく、これまた見慣れたゲーム内での装備だ。
魔獣や聖獣の毛と鋼糸が編み込まれた黒紫の忍装束に、玄武の脚甲、白虎の手甲、青龍の鎖帷子、朱雀の鉢金という四神の加護を得た防具。
通常防御だけでなく属性防御も限界まで高めておりありとあらゆる攻撃を九割以上軽減する、どれも苦労して作成したものだ。
そして背中には『鬼神斬』、愛刀でもある忍者刀だ。
最希少金属であるヒヒイロカネを大量に用意したうえで極限まで精錬して作り上げた至高の逸品で、『エターナルワールド』内においても十指入るだろうと自負している。
だがこれらは全て現実には存在しないはずの物で、ここがゲーム内であることは間違いなはずだが、試しに柄に手を伸ばすと馴染みのある手触りなのだがやはりどこか違う。
とにかく様子がおかしいので、ステータス画面を呼び出そうとしたがこれに関しては全く反応しない。
「おいおい、どうなってるんだ……」
何度やっても無反応で流石に焦り始める。
これが何らかの故障か異常の場合、その異常を知らせるためのGMコールも出来ないということで、そして何より
「これじゃログアウトもできない……」
現実世界に戻ることができないと言うことだが、それはここがゲーム内では無いという可能性も示唆している。
「と、とにかく落ち着け……ログインする前に何があったか思いだすんだ」
ここが仮想世界なのか現実世界なのかますます区別がつかなくなる中で自分に言い聞かせるかのように呟き、何故こうなったかを思い返してみる。
「確かログインの最中に外から凄い音が……あれは雷だろうな」
とてつもない轟音で、全身を叩くかのような衝撃を受けたのは覚えている。
おそらくそれが関係しているとは思うが、具体的にどうしてかは当然思いつかない。
「他に覚えていることは……そうだ夢を見たんだよな。なんか偉そうな、妙に威厳ある爺さんからこの世界を頼むとかどうとか……」
夢にしては妙に現実的で、どういった意味だと問いただそうと声をあげたところで目が覚めたのだ。
これも気にはなるのだが、事態究明には役に立ちそうにない。
結局何が起こったか解らず、耕助が混乱している中で足元ではミケが退屈そうに欠伸をしている。
これも本来ならありえない動きだが、今の耕助に気づく余裕はなかった。
必死に頭を働かせて自分に起きたことを考えているが、答えを出す前に状況が動くことになる。
「お、本当にいやがった」
突然背後から聞こえて来たその声に対し、振り向くより先に大きく跳ねて距離をとると同時に抜刀して声の主に対して身構えたのだが、この自分の動きと反応に耕助自身が驚いてしまう。
身体が勝手に動いたのだが、ゲーム内なら可能だが現実とてもではないが不可能な動きだった。
耕助が刀を向けた先にいたのは濃茶のズボンにシンプルな白のシャツを着た、年の頃は四十代後半といったところの白髪で口ひげを蓄えた男だ。
「……そう警戒しないでくれ、俺は敵じゃない」
耕助の過剰とも言える反応に少し驚くものの、気持ちは解るがと男は苦笑する。
大柄のがっしりとした身体に彫りの深い顔だが、その表情は柔和でこちらに向けている視線も穏やかなものだが、耕助には返事をする余裕は無かった。
(この人……強い)
男の余裕な態度とは対照的に耕助の方は額に冷や汗が流れ、向かい合うだけで得体の知れない恐怖にも似た緊張が背筋を走っている。
柏木耕助としてはまるで解らなかったがライバとしてなら解る、戦ってはいけない相手だと。
抜き放った鬼神斬の刀身は陽の光を反射してゲーム内と同じように、いやそれ以上の輝きを放っており頼もしさを感じさせるのだがこの男に対してはどれほど役に立つのか……そんなことさえ考えてしまう。
「確かカシワ……コースケだったな、俺の名前はバルナルドだ。色々と混乱しているだろうが状況を説明したい。いきなりで信用できないのは解るが話を聞いてくれないか?」
そんな耕助の内心を知ってか知らずか、バルナルドと名乗った男は気さくな笑顔を浮かべながら親し気に話しかけてくる。
最近色々とあってやや人間不信になっていた耕助でも気を許してしまいそうな笑顔で、一切の敵意を感じさせないバルナルドに我ながら単純すぎると思いながらも警戒心を薄れさせていた。
刀を抜いている耕助に対してバルナルドは平然とした余裕な態度で、自分だけ警戒しているのが馬鹿らしくもなってきたのだ。
「状況を……説明?」
「そうだ。ここがどこで何故こんな場所にいるか、何でお前の名前を知っているか、そして俺が何者かとか色々だ……ここじゃなんだからな、近くに俺の家があるんだがそこで話さないか? 茶ぐらい出そう」
「…………」
「主よ、ここは情報が欲しいところだ。ついて行くべきでは?」
「……それしかない……か!?」
確かに警戒は薄れたが流石に即答できないでいた中、聞こえてきた声に反射的に答えてしまうが、弾かれた様に足元を見る。
「少なくともここで途方に暮れているよりはマシであろう」
そこにいたのはこちらを見上げているミケで、流暢に人語を話している。
「喋るのか、その猫」
バルナルドが驚いたかのように言うが、それは耕助も同じだった。
「……ミケ、お前喋れるのか?」
ゲーム内においては高度な人工知能により、ある程度のやり取りが出来るNPCは存在するがサポートキャラには実装されていないはずだ。
「吾輩が喋るのがそんなに不思議か? 確かに今までは必要ない故に口を開かなんだが猫だからと言って喋らないという先入観を持つのは視野を狭めているのと同義だぞ」
妙に偉そうなやれやれと言わんばかりの物言いで、耕助のことを主と呼んではいるがぞんざいな態度だ。
「まあいい……猫用にはミルクがあったはずだ」
「頂こう」
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