強くてニューサーガ

阿部正行

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8巻

8-3

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 3


「やはりそうなったわね」

 カイルがギルボール国でのガラドフとのやり取りを説明すると、ミナギは予想通りだと感想を漏らす。

「ああ、だが少なくとも悪くはない反応だった。エルフ側の出方次第で、会談を再開するとのことだからな」
「こちらから……エルフから会談の再開を申し込むというのは、相当に難しいぞ」

 ウルザでさえ、未だドワーフには複雑な感情を持っているのだ。会談の実現がどれほど困難なことか想像できなかった。

「長老会には、私の父もいるが……あの人は私の話を聞いてくれないしな」

 ウルザが目を伏せて少し寂しげに呟く。それだけで、父親との間に確執かくしつを抱えていることがよく伝わった。
 リーゼが何か言いたげだったが、踏み込んでいいのかどうか判断できず、結局声をかけることはなかった。

「……それと言われた通り、ただ交渉したいとだけ話して詳しい内容は伝えていないが、それで大丈夫なのか?」
「エルフとドワーフとの協力は必要だ……今回移動してきて、改めて確信したよ」

 実は『大侵攻』のときにジルグス国がすぐに援軍を出していても、間に合ったかどうかは微妙なところだった。
 一方で、ギルボール国とエブンロの森の間は平原のため移動に適しており、何よりエルフには風の精霊に命じて進軍速度を上げることができる。ギルボール国が襲われたとしても、恐らく一日もあれば救援に向かえる。
 今はカイルが魔族に影響を及ぼしているため、魔族の一斉攻撃が起こるかどうかは解らないが、起こるものとして行動していかなければならない。
 初戦でギルボール国を滅ぼさないためには、エルフの協力が必要だとカイルは確信していた。

「さて、明日は大変だ。早めに休んでおこう」
「あれ? 見張りはいいの?」

 いつも野営するときは必ず交代制で見張りを置いているが、それを決めずに休もうとしているカイルに、リーゼが問う。

「今回は大丈夫だ。俺達のことをこれ以上ないほど人がいるからな」

 きっと、少しでも怪しいところはないかと目を皿のようにしているはずだ、とカイルはニヤリと笑うのだった。


  ◇◇◇


 翌日、寝不足らしきソレイスを連れて森を進んでいくと、昼頃になってようやくエルフの居住区が見えてきた。
 そこは樹齢千年は軽く超えていそうな巨木が並んでいるばかりで、不思議なことに地面の上を歩いているエルフはほとんどいないし、住まいらしきものもない。
 それもそのはず、エルフは皆、樹上に住んでいた。
 見上げると、まるで蜘蛛くもの巣のように樹々の枝から枝へと橋が張り巡らされていて、そこをエルフ達が歩いている。

「樹上都市か……」
「慣れれば結構便利だぞ」

 ウルザがカイルに軽く笑いかけながら、巨木に巻き付いたらせん階段を上っていく。
 上からの眺めはまさに緑一色で、樹そのものが家になっていた。ウルザが言うには、苗木に魔法をかけてそうした形へと成長させるらしい。

「地下都市の次は樹上都市か、ほんと正反対だな」

 きょろきょろと周りを見渡しながら、セランがそんな感想を漏らす。
 店舗らしきものは存在せず、当然ながらエルフ以外を見かけることはない。
 ギルボール国の活気ある喧騒とは対称的な、おもむきある静謐せいひつとでも言うべきか。ここには万を超えるエルフがいるそうだが、時折風に揺れる樹々のざわめき以外に聞こえるものはなかった。
 ウルザに先導されて歩いていく一行に、エルフ達の視線が注がれる。
 中には興味深そうな視線もあるが、人間が何をしに来た、と言わんばかりの負の感情が籠められているものが大半だった。
 とはいえ、無論そんな視線で気圧されたり委縮いしゅくしたりするような面子めんつではなく、堂々とした態度で進み続けた。

「やはりエルフは相変わらずのようじゃな」

 少し呆れた感じでシルドニアが言う。
 ソレイスは極端にせよ、それでもエルフとしては当然の反応だったということだ。

「そうね、何でこんなに自分達以外を嫌うんだろ。もっと……あ、ごめん」

 思わずエルフに対する文句を言ってしまいそうになったリーゼが、前を歩くウルザに謝る。

「気にしないでくれ、事実なのだから言われて当然だ」

 ウルザはそう自嘲気味に笑う。

「このままでいいとは思っていないが、もはや染みついているからな……どうすればいいのか、私には解らない」
「そうなの? でもウルザみたいな人が増えていけば、きっと良くなると思うよ」

 リーゼにとってはウルザがエルフの基準になっており、決して難しいことではないと思っているようだ。

「そうだと……いいんだがな……」

 ウルザの独り言のような呟きは、すぐにき消えてしまう。
 中心部にあるひときわ大きな樹に着くと、ここまで黙ってついてくるだけだったソレイスが口を開く。

「これは生命の樹と呼ばれている、我らエルフの母なる樹だ。これより大きな樹木は、ドラゴン達が住まうという世界樹だけであろうな」

 ソレイスが説明する口調はまるで自分のことのように自慢気じまんげで、どうだ人間どもよ、と言わんばかりだ。
 確かに神々こうごうしささえ感じられる立派な樹だが、かつてその世界樹に行き、中に入ったこともあるカイル達にとってはそれほど目新しいものではなく、微妙な表情にしかならない。
 ウルザなどは、同族の井の中のかわずぶりを見て恥ずかしそうな顔になっている。

「この中には入れるのは一人だけだ、残りは近くにある家で待機していろ。誰にするか、さっさと選べ」

 ソレイスの言葉に、無言でカイルが前に出る。

「カイル、頑張ってね」

 仲間達の見送りを受けて、カイルが生命の樹の中に入ろうとすると、ウルザもそれについてきた。

「ウルザ、君も待っていろと言われたはずだ」

 ソレイスが慌てて止めるが、ウルザは首を横に振る。

「それだけは聞けない。私はカイルと一緒に行く。責任は私がとる」

 これは絶対に譲れないとばかりのウルザにソレイスは何か言いたそうだったが、結局首を振った後、ついてこいと言う。

「すまない、付き合わせて。ただでさえ無理を言っているのに……」

 カイルは前を歩くソレイスに聞こえないよう、そっとウルザに話しかける。
 今回エブンロの森の長老会に話を持ち掛けることができたのは、全てウルザのおかげである。そのために相当な無理をしてくれていたことは明らかだった。

「いいんだ、私は自分のやりたいことをやっているだけだ」

 気丈に答えるウルザだが、表情は強張っており、内心ではそうとう緊張している様子だ。命令に逆らっているのだから、当然と言えば当然である。
 カイルはそんなウルザを力づけるためか、手を絡めるように握る。

「あ……」

 ウルザが声を上げるが、前を歩くソレイスに気付かれないよう慌てて口を押さえた。

「カイル……本当に説得できると思っているのか?」

 ウルザはカイルのことを信じてはいるが、どうしても不安をぬぐえないでいた。

「一人を除いて頭の固い人達ばかりで、その一人のおかげで話し合いの場は作れたが、そこまでだ。それにドワーフへの……偏見へんけんり固まっている」
「策、というか考えはある。どちらにしろ避けては通れないんだ」

 カイルはそう言うものの、エルフとしてエルフをよく知るウルザはやはり心配だ。
 だがカイルは今まで、言ったことは必ず成し遂げてきた。ウルザが握っている手に力を籠めると、カイルも握り返す。そうすることによって、不安は少しずつ収まっていった。
 そして幸か不幸か、背後でそんなことが行われているとも知らぬまま、ソレイスは振り返りもせず不機嫌そうに言う。

「人間よ、お前が何の話を持ってきたかは知らないが、期待はしないことだな」

 今までと違い、それは忠告じみた発言だった。

「私が望むのはエルフの、この森の安定だ。これでも長老会に参加を許されている身だ、お前が妙な真似をしないよう監視させてもらうぞ!」

 ソレイスも長老会に参加する、そう聞いてカイルは驚いた。
 となると今までの態度は流石にまずかったのでは……と、今更ながら感情のまま行動したことを自省する。
 ソレイスがウルザの幼馴染と知り、彼女への想いを感じ取ったために、つい挑発的な態度をとってしまったのだ。
 大人げないかもしれないが、幼い頃の、自分の知らないウルザを知っているのだと思うと、ついやってしまったことだった。今だって気付かれるかもしれないのに手を繋いでいる。

「大丈夫だ。ああは言っているが、ただの補佐、というか見習いだ。念のために護衛も兼ねて参加を許されているだけで、発言権はない」

 そっとウルザが耳打ちすると、カイルはほっとして、もう一度握っている手に力を籠める。
 周りから見ればつまらなくてくだらない優越感だろうが、今のカイルにとっては何よりも大事なことだった。




 4


 やがて三人は奥にある扉の前についた。その中に入ると、木のテーブルと椅子が並んでおり、六人のエルフがいた。
 ほとんどが老人で、顔に大きな傷を持つ者や穏やかな表情の老婆などだ。
 これがエルフの代表者による長老会の面々であり、表面上こそ平然としつつも、ほとんどが胡乱うろんな者を見る目をカイルに向けている。
 その中でも上座にいるのは、他の者よりも比較的若い、人間なら五十歳前後と思われる男のエルフだ。
 ソレイスもひどかったがこちらも相当なもので、カイルを完全な敵として見ており、今すぐ斬りかかってきてもおかしくないほどである。

「カイル達を連れてきました……父上」

 そして彼こそが、エブンロの森の長で、ウルザの父親でもあるリフアロだった。

「初めまして、カイルと言います。この度はこうして話を聞いて頂ける機会を設けてくださって、誠にありがとうございます」

 カイルとしては丁寧に挨拶したつもりだったが、リフアロに反応はなく、ただひたすらに睨みつけてくる。
 流石に沈黙に耐えきれなくなり、カイルの方から更に話しかけようとしたそのとき――

「ウルザ……」

 リフアロは何やら思いつめたかのような顔で、カイルではなく娘の方に話しかけた。

「お前が森を飛び出したとき、何故止められなかったと思う?」
「え?」

 突然の質問に戸惑とまどうウルザに構わず、リフアロは続ける。

「お前は幼き頃から好奇心が強く、変化のとぼしい森の中に飽き外の世界に興味を持つだろうと解っていた。止めても、いずれ振り切って出ていっただろう。だからこそお前には早くから精霊使役を教え、短剣の扱いも鍛えた。身を守れるようにな……」
「で、では……」
「立場上、表立って支援などできるはずがないだろ」

 自分の考えに耳を傾けず、常に反対するわからず屋の父だと、ウルザは思っていた。
 だがリフアロはリフアロなりに娘を理解して、行動を黙認してくれたのだと知り、何も解っていなかったのは自分の方だと顔が赤くなる。

「……道理で簡単に出奔しゅっぽんできたと思いました……」
「お前は私の子として、いずれはこの神聖な森の守り手になってほしかった。それに備え、外で見聞を広めるというのも一つの手と考えていた」

 エルフの森を治める長は世襲制というわけではないが、ある程度は血筋も考慮される。外の世界を知るのもそのための経験だと、リフアロは期待したのだろう。

「だからこそ涙を呑んで、断腸の思いで送り出した……お前は外で何を見てきた? 何を経験してきた?」
「い、色々です。とてもこの場で説明できるものでは……」

 言葉をにごすような言い草だが、ウルザが言う通り本当に色々あった。ありすぎたのだ。
 確かにはじめはごく普通の旅だったはずだが、カイルに会って以降は、もはや吟遊詩人の英雄譚の方が現実味があるくらいだ。
 ジルグス国のミレーナ王女を王位継承問題にからむ暗殺騒動から救ったかと思えば、魔族とも戦い、竜王ゼウルスにも会ったし、魔族領で魔王ルイーザにも会った。
 挙句の果てに女神メーラにまで会ったとでも話そうものなら、信じる信じない以前に精神状態を疑われるだろうから、ここで正直に報告するわけにもいかない。

「確かに色々あったようだな。成長のあかしが見える……どうやら上位精霊も使役できるようになったと見える」
「な……」

 これには、部屋の隅で黙って見ていたソレイスが思わず声を上げてしまう。
 エルフは総じて精霊使いではあるが、上位精霊まで使役できる者となると数えるほどしかおらず、ましてやウルザのような若いエルフでは皆無に近い。

「これでも親だ、娘の成長くらい顔を見れば解る……よく精進しょうじんしたな、本当に……」
「あ、ありがとうございます……」

 リフアロの優しい声と穏やかな微笑みは、我が子の成長を喜ぶ親のそれであり、ウルザもそんな父に対して素直に礼を言えた。
 長い間抱えていた父への誤解やわだかまりが解けたような気分になり、ウルザは久しぶりに父に笑顔を向けられそうな気がした。
 しかしすぐに、状況は一変する。

「だが……だがやはり反対すべきであった。お前を閉じ込めてでも外に行かせるべきではなかった……そう後悔しているところだ」

 リフアロは歯ぎしりをしながらカイルを睨みつける。

「まさか、人間の男を連れてくるとはな……」

 これ以上ないほど苦々しい声で、そう漏らすリフアロ。

「いえ、カイルとはそのような関係ではなく……」

 ウルザも慌てて弁明しようとするが、どう説明すればいいか解らない。
 友人とか仲間とか、当たりさわりのない関係であると言おうとするが、それをカイルの前で言うのには抵抗があった。

「気付かないとでも思ったのか!?」

 テーブルを思い切り殴りつけ、忌々いまいましさを露わにした口調でリフアロは問い詰める。

「お前とそこの人間の間に繋がりが見える! つまり【契約の応用】を結んでいることだ! 既に婚姻を結んでいるではないか!」

 カイルに指を突きつけ、血管が切れそうなぐらいリフアロは興奮している。
【契約の応用】。それは魂に直結している名前、真名まなを明かして相手に絶対の契約を施すものだが、多くの場合これはエルフにとって婚姻の儀式と同義なのだ。
 ウルザは確かにカイルとこの儀式を済ませている。

「ご、誤解です! カイルとはそ、そのような関係ではありません! これはやむにやまれぬ事情があってのことでして……!」

 ウルザは顔を真っ赤にして否定するが、ちらちらカイルを見ながらもじもじしている様子では、口でどれほど否定しても説得力がなかった。
 そんな様子に更に腹が立ち、リフアロのカイルに対する敵意は殺意にまで高まりつつある。
 一方のカイルと言えば、流石に何か反論しなければとは思いつつも、ここまで怒り狂った相手に何と声をかければいいのか解らなかった。
 もし「お義父とうさん」などと呼びかけようものなら、その瞬間に血を見ることになるのはまず間違いない。

「そこらでお止めなさい、リフアロ」

 あと数秒遅れれば戦闘が始まったのでは、というタイミングで、これまで黙って様子を見ていたエルフの老婆がさとすように言った。

「し、しかし……」

 なだめられたリフアロの憤激が急速に収まっていく。

「親としてのお前の気持ちは解るわ、でもここは長としての立場を優先しなさい」

 他のエルフの老人達もその言葉にうんうんと頷いている。

「あ、ありがとうございます、ニルアおばあ様……」
「いいのよ。あなたにも色々あったのでしょう」

 ウルザからニルアと呼ばれた老婆が優しく微笑む。恐らく彼女がウルザの言っていた、ただ一人頭の固くない長老会のメンバーなのだろう。

「さて、カイルと言いましたね。今回はウルザの嘆願たんがんでこの長老会を開きました。ただし、どのような話かは解りませんが、あまり期待はしませんように。いいですね?」

 確かに彼女は他とは違うようだが、それでも精々中立で公正といった具合だろう。

「はい、このような場を開いていただけただけで、心から感謝しております」

 カイルもここぞとばかりに心からの礼を述べる。

「……お前のことは多少なりとは聞き及んではいる。外では中々の名声を得ているようだな」

 深呼吸をして少し落ち着いたリフアロが忌々しそうに言った。
 エルフは閉鎖的ではあるが、他の種族と完全に没交渉というわけではない。
 例えば森と国境が接している国と交渉を行うことはあるし、森では手に入らない物を得るために最低限の交易も行っているので、ある程度はカイルの噂も聞いていたのだ。

「だがこの場ではそれは関係ない、さっさと要件を言え」

 お前を八つ裂きにするのはその後だ、と言わんばかりにカイルを睨みつけるリフアロ。
 ここでドワーフとの会談を再開してくれと頼んでも、間違いなく却下される。
 だからカイルは、別方向から攻めることにした。
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