49 / 57
第2章 天空の城と伸びる塔の謎
第49話 ボス毒爆発
しおりを挟む
「えへへへへ~」
「イムムムム~」
仲間想いで男気溢れる毒魔物軍団のリーダーポイズワロウから“弓の名手”、“勇敢な戦士”と言われ、ほくそ笑む歩斗とスララス。
その件についてはもっとじっくり聞きたいところ……だが、それより先にまずやるべき事がある。
「ポーッズッズ! おい、落ちこぼれのポイズワロウ。そういえば“カス共”はどうした? あまりに弱すぎて勝手に死んじまったのかポズ?」
下品に笑う親玉。
歩斗は、ソレが草原に残してきた毒魔物たちを指してること、そしてこの親玉は見た目こそポイズワロウに似てるものの、中身は待ったく別物だということも分かった。
ついさっきまで戦っていたばかりの敵だとしても、今は共に戦うポイズワロウに対する酷い言い方、その仲間に対する侮辱的な発言、それらは歩斗たちの闘志に火を着けるのに十分過ぎた。
「行くよスララス!」
「イムイムゥ!!」
弓を構える歩斗。
その手に持つのはもちろん毒爆の矢。
ブルルンボディをキュッと縮めて、いつでも相手に向かって跳びかかれる体勢を取るスララス。
「落ちこぼれが連れてくるのはどうせカスだポズ! オマエらやっちまえポズ!!」
親玉の号令に従うように、上空を旋回していた5体の毒ツバメたちが歩斗たちめがけて一斉に急降下。
ヒューッと風を切る音が絡まり合いながら、どんどん大きくなっていく。
「は、はやっ!? って、大丈夫。きっとやれる……なぜならボクは弓の名手だから!」
ポイズワロウから贈られた言葉を胸に、歩斗は構えた弓を上へと向けた。
5体の敵はもうすぐそこまで迫っていたが、
「えいっ……えいっ……えいっ!」
素早く手を動かし、3本の矢を連続で放つ。
パンッ、パンッ、パンッ!
命中率100%!
「な、なんだとポズ……!?」
初めて動揺の色を見せる親玉のすぐそばに、3体の毒ツバメが力なく落下。
それぞれ30以上の赤数字煙が出るのと同時にスーッと姿を消した。
「よっしゃー!」
大喜びの歩斗。
……が。
「アユト君! まだ残ってるよー!!」
後ろの方にある木の陰に身を潜めるケリッツの声が飛んでくる。
5-3=2。
残りの2体も毒爆の矢が引き起こした強烈な破裂音に一瞬怯んだものの、再び急降下を始めていた。
「あっ、やばっ……」
浮かれて油断していた歩斗は急いで次の矢をセットしようとするが、毒ツバメたちはもう目と目が合う位置まで到達していた。
万事休す……では無い!
「イムイムゥ!!」
むしろそこまで下りてくるのを待っていたとばかりに、スララスがピョーンと大きく跳びはねた。
「イムッ!」
「グヘッポズ……!」
向かって左の毒ツバメに体当たり攻撃が直撃!
敵の体を足掛かりにして、すかさずすぐ横に居るもう1体の毒ツバメに体当たり!
「イムッ!」
「グヘッポ……ズ……!」
2体のツバメは揃って歩斗のそばの地面に落下。
レベル13になったスララスの強烈な〈跳弾攻撃〉により、大ダメージを負った毒ツバメたちはスーッと姿を消した。
すると、どこからともなく陽気な音楽が流れて来る。
ズッチャ、ズッチャ。
シャン、シャン、シャン♪
おなじみレベルアップ隊の登場……が、その時。
「おのれクソガキ、クソスライム!! よくもやってくれたなポズッ!!!!」
一瞬で仲間を全滅させられて怒りに声を震わせる親玉。
「えっ、えっ……?」
レベルアップ隊のリーダーが動揺するのもお構いなしに、足場にしていた宝箱を蹴り上げながら前方に飛び出す。
ターゲットは……歩斗!
「ひぃ! ちょっ、いきなり……!?」
焦りながらも何とか弓を親玉毒ツバメに向けようとするが、明らかに間に合わないタイミング。
スララスは少し離れた場所に落下しており、すぐにジャンプしようと力を込めたが親玉はもう歩斗のすぐ目前。
「さらにこうだポズ!!」
真っ直ぐ飛んで来た親玉が体を捻ると、横回転が加わってスピードが何倍にもアップ。
それ以上に攻撃力が増加しているのは間違いなく、直撃したら瀕死どころか即死の可能性大。
「う……うわぁ!!」
涼坂家の長男、毒多島にて死す……かと思いきや!
「そうはさせないロウ!」
翼を大きく広げたポイズワロウが歩斗の前に体を投げ出す。
「チッ! まあいい。落ちこぼれ、お前から死ぬポズ!!」
ドンッ!
親玉の回転式体当たり攻撃がポイズワロウを直撃!
ダメージは……75!?
明らかに威力が増してると思われた親玉の必殺技を食らったにも関わらず、ポイズワロウの体から出たのは75の赤い数字煙。
瀕死状態にはなったものの、かろうじて一命を取り留める。
なぜなら……。
「ポイズワロウ!! それに……スララス!!」
そう。
親玉の攻撃がヒットするのとほぼ同じタイミングで、スララスがポイズワロウと歩斗の間に入ってきていたのだ。
ボワンと膨らました体が攻撃の威力を吸収し、ポイズワロウを即死から救っていた。
だが、そのせいでスララスも『65』のダメージを負ってしまう。
「ど、どうなってるんだポズ……」
自慢の必殺技で決着を付けることができなかったことに戸惑う親玉毒ツバメ。
「ア、アユト君!!」
「うん! もう準備完了だよ!!」
ケリッツの声に応える歩斗の顔は余裕の笑みすら浮かべていた。
その裏にあるのは、ポイズワロウから貰った言葉。
そして、そのポイズワロウとスララスが身をもって自分を守ってくれた行動を無駄にしてはいけないという強い気持ち。
「えいっ! えいっ、えいっ、えいっ!!!」
立て続けに4発。
歩斗は手元にある全ての毒爆の矢を連射した。
ターゲットはもちろん親玉だが……パンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!!
見事すべて命中!
白煙48!
白煙59!
白煙65!
そして……赤煙77!!
歩斗の……いや、全員の思いを乗せた毒爆の矢はヒットする度にダメージを増していき、ついには瀕死の赤煙にまで到達!
しかも、親玉の体は──。
「ク……こんなバカな……落ちこぼれが連れてきた人間のクソガキにやられるわけが……な……」
悔しさに包まれながら、スーッと姿を消していった。
「……やったー! 勝った勝ったいぇーい!!」
大はしゃぎの歩斗だったが、すぐに瀕死の仲間がいることを思いだし、回復の矢を手に取ってポイズワロウとスララスの体に撃ち込んだ。
「イムイムゥ!!」
「おお、スララス元気になって良かった!」
「フッ……やるなロウ」
「ポイズワロウも! って、でへへ」
照れくさそうに指で鼻の下をこする歩斗の元に、ずっと隠れて見守っていたケリッツが駆け寄って来た。
「凄いよアユト君! まさかこの島のボスを倒しちゃうなんて!!」
「も、もう、みんなしてべた褒めしすぎじゃないもう……でへへ」
猛烈な褒め褒め攻撃に照れ死にしそうな歩斗……に異変が。
「えっ? ちょっ、なに……??」
歩斗の体がキラキラと輝きだしたのだ。
不思議そうに見つめるケリッツ、スララス、ポイズワロウ。
「……あっ、そうか。10体の魔物を倒したから……ねえ、急だけど、ボクもうすぐここから居なくなっちゃうんで!」
「もしかして、さっき話してた魔法陣鍵ミッションってやつ?」
「そうそう……って、寂しいよ~。せっかく仲良くなれたのにぃ」
喜びから一転、共に戦った仲間との急な別れに涙ぐむ歩斗。
「弓の名手に涙は似合わないロウ。それに、オレたちはどこに居たって仲間だロウ?」
「ポイズワロウ……ううう、ありがとう」
どこまでも格好いい毒ツバメリーダーの言葉に感極まる歩斗。
……と、その時。
「ん? 仲間……って言った?」
「ああ、何か文句があるのかロウ?」
「違う違う! 仲間ってことは……へへへ、そっかそっか!」
歩斗は右手でそっと首に巻いたチョーカーに触れながら、満足げに笑ってみせた。
その体の輝きが一段と増していく。
「あっ、そうだ。あの宝箱! まだ開けてないんだけど!! ねえポイズワロウ、何が入ってるか知ってる?」
「ああ、もちろんだロウ。宝箱の中身は毒多島の秘宝〈超最高級毒消し草〉だロウ。あらゆる毒を一発で治すと言われて──」
「えっ、マジ!? ねえ、それさえあれば……!!」
歩斗は興奮気味にケリッツの方を見た。
「う……ううう……ありがとう……みんなありがとう……!」
ケリッツの目から涙が溢れた。
ここに来るまでの道中、不治の毒におかされた母親の件を聞いていたポイズワロウが、その翼をそっとケリッツの背中に置いた。
歩斗の体はもう強烈な光で真っ白になっている。
「そろそろやばっ……ってことで、みんなまた!」
「さらばだロウ!」
「アユト君、きっとまた……!」
「さよならイムぅ!!」
「いや、スララスは普通にまた会えるし!」
歩斗の素早いツッコミにより、涙から笑顔に変わる面々。
その体はスーッと消え始め……。
「そうだケリッツ」
「なに??」
「この島の場所は……」
「あっ、アユトはロフミリアから来たんだっけ? それはたぶんここからずっと北に──」
と、ケリッツの話を最後まで聞くことなく、歩斗の体はすっと消えてしまった。
「イムムムム~」
仲間想いで男気溢れる毒魔物軍団のリーダーポイズワロウから“弓の名手”、“勇敢な戦士”と言われ、ほくそ笑む歩斗とスララス。
その件についてはもっとじっくり聞きたいところ……だが、それより先にまずやるべき事がある。
「ポーッズッズ! おい、落ちこぼれのポイズワロウ。そういえば“カス共”はどうした? あまりに弱すぎて勝手に死んじまったのかポズ?」
下品に笑う親玉。
歩斗は、ソレが草原に残してきた毒魔物たちを指してること、そしてこの親玉は見た目こそポイズワロウに似てるものの、中身は待ったく別物だということも分かった。
ついさっきまで戦っていたばかりの敵だとしても、今は共に戦うポイズワロウに対する酷い言い方、その仲間に対する侮辱的な発言、それらは歩斗たちの闘志に火を着けるのに十分過ぎた。
「行くよスララス!」
「イムイムゥ!!」
弓を構える歩斗。
その手に持つのはもちろん毒爆の矢。
ブルルンボディをキュッと縮めて、いつでも相手に向かって跳びかかれる体勢を取るスララス。
「落ちこぼれが連れてくるのはどうせカスだポズ! オマエらやっちまえポズ!!」
親玉の号令に従うように、上空を旋回していた5体の毒ツバメたちが歩斗たちめがけて一斉に急降下。
ヒューッと風を切る音が絡まり合いながら、どんどん大きくなっていく。
「は、はやっ!? って、大丈夫。きっとやれる……なぜならボクは弓の名手だから!」
ポイズワロウから贈られた言葉を胸に、歩斗は構えた弓を上へと向けた。
5体の敵はもうすぐそこまで迫っていたが、
「えいっ……えいっ……えいっ!」
素早く手を動かし、3本の矢を連続で放つ。
パンッ、パンッ、パンッ!
命中率100%!
「な、なんだとポズ……!?」
初めて動揺の色を見せる親玉のすぐそばに、3体の毒ツバメが力なく落下。
それぞれ30以上の赤数字煙が出るのと同時にスーッと姿を消した。
「よっしゃー!」
大喜びの歩斗。
……が。
「アユト君! まだ残ってるよー!!」
後ろの方にある木の陰に身を潜めるケリッツの声が飛んでくる。
5-3=2。
残りの2体も毒爆の矢が引き起こした強烈な破裂音に一瞬怯んだものの、再び急降下を始めていた。
「あっ、やばっ……」
浮かれて油断していた歩斗は急いで次の矢をセットしようとするが、毒ツバメたちはもう目と目が合う位置まで到達していた。
万事休す……では無い!
「イムイムゥ!!」
むしろそこまで下りてくるのを待っていたとばかりに、スララスがピョーンと大きく跳びはねた。
「イムッ!」
「グヘッポズ……!」
向かって左の毒ツバメに体当たり攻撃が直撃!
敵の体を足掛かりにして、すかさずすぐ横に居るもう1体の毒ツバメに体当たり!
「イムッ!」
「グヘッポ……ズ……!」
2体のツバメは揃って歩斗のそばの地面に落下。
レベル13になったスララスの強烈な〈跳弾攻撃〉により、大ダメージを負った毒ツバメたちはスーッと姿を消した。
すると、どこからともなく陽気な音楽が流れて来る。
ズッチャ、ズッチャ。
シャン、シャン、シャン♪
おなじみレベルアップ隊の登場……が、その時。
「おのれクソガキ、クソスライム!! よくもやってくれたなポズッ!!!!」
一瞬で仲間を全滅させられて怒りに声を震わせる親玉。
「えっ、えっ……?」
レベルアップ隊のリーダーが動揺するのもお構いなしに、足場にしていた宝箱を蹴り上げながら前方に飛び出す。
ターゲットは……歩斗!
「ひぃ! ちょっ、いきなり……!?」
焦りながらも何とか弓を親玉毒ツバメに向けようとするが、明らかに間に合わないタイミング。
スララスは少し離れた場所に落下しており、すぐにジャンプしようと力を込めたが親玉はもう歩斗のすぐ目前。
「さらにこうだポズ!!」
真っ直ぐ飛んで来た親玉が体を捻ると、横回転が加わってスピードが何倍にもアップ。
それ以上に攻撃力が増加しているのは間違いなく、直撃したら瀕死どころか即死の可能性大。
「う……うわぁ!!」
涼坂家の長男、毒多島にて死す……かと思いきや!
「そうはさせないロウ!」
翼を大きく広げたポイズワロウが歩斗の前に体を投げ出す。
「チッ! まあいい。落ちこぼれ、お前から死ぬポズ!!」
ドンッ!
親玉の回転式体当たり攻撃がポイズワロウを直撃!
ダメージは……75!?
明らかに威力が増してると思われた親玉の必殺技を食らったにも関わらず、ポイズワロウの体から出たのは75の赤い数字煙。
瀕死状態にはなったものの、かろうじて一命を取り留める。
なぜなら……。
「ポイズワロウ!! それに……スララス!!」
そう。
親玉の攻撃がヒットするのとほぼ同じタイミングで、スララスがポイズワロウと歩斗の間に入ってきていたのだ。
ボワンと膨らました体が攻撃の威力を吸収し、ポイズワロウを即死から救っていた。
だが、そのせいでスララスも『65』のダメージを負ってしまう。
「ど、どうなってるんだポズ……」
自慢の必殺技で決着を付けることができなかったことに戸惑う親玉毒ツバメ。
「ア、アユト君!!」
「うん! もう準備完了だよ!!」
ケリッツの声に応える歩斗の顔は余裕の笑みすら浮かべていた。
その裏にあるのは、ポイズワロウから貰った言葉。
そして、そのポイズワロウとスララスが身をもって自分を守ってくれた行動を無駄にしてはいけないという強い気持ち。
「えいっ! えいっ、えいっ、えいっ!!!」
立て続けに4発。
歩斗は手元にある全ての毒爆の矢を連射した。
ターゲットはもちろん親玉だが……パンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!!
見事すべて命中!
白煙48!
白煙59!
白煙65!
そして……赤煙77!!
歩斗の……いや、全員の思いを乗せた毒爆の矢はヒットする度にダメージを増していき、ついには瀕死の赤煙にまで到達!
しかも、親玉の体は──。
「ク……こんなバカな……落ちこぼれが連れてきた人間のクソガキにやられるわけが……な……」
悔しさに包まれながら、スーッと姿を消していった。
「……やったー! 勝った勝ったいぇーい!!」
大はしゃぎの歩斗だったが、すぐに瀕死の仲間がいることを思いだし、回復の矢を手に取ってポイズワロウとスララスの体に撃ち込んだ。
「イムイムゥ!!」
「おお、スララス元気になって良かった!」
「フッ……やるなロウ」
「ポイズワロウも! って、でへへ」
照れくさそうに指で鼻の下をこする歩斗の元に、ずっと隠れて見守っていたケリッツが駆け寄って来た。
「凄いよアユト君! まさかこの島のボスを倒しちゃうなんて!!」
「も、もう、みんなしてべた褒めしすぎじゃないもう……でへへ」
猛烈な褒め褒め攻撃に照れ死にしそうな歩斗……に異変が。
「えっ? ちょっ、なに……??」
歩斗の体がキラキラと輝きだしたのだ。
不思議そうに見つめるケリッツ、スララス、ポイズワロウ。
「……あっ、そうか。10体の魔物を倒したから……ねえ、急だけど、ボクもうすぐここから居なくなっちゃうんで!」
「もしかして、さっき話してた魔法陣鍵ミッションってやつ?」
「そうそう……って、寂しいよ~。せっかく仲良くなれたのにぃ」
喜びから一転、共に戦った仲間との急な別れに涙ぐむ歩斗。
「弓の名手に涙は似合わないロウ。それに、オレたちはどこに居たって仲間だロウ?」
「ポイズワロウ……ううう、ありがとう」
どこまでも格好いい毒ツバメリーダーの言葉に感極まる歩斗。
……と、その時。
「ん? 仲間……って言った?」
「ああ、何か文句があるのかロウ?」
「違う違う! 仲間ってことは……へへへ、そっかそっか!」
歩斗は右手でそっと首に巻いたチョーカーに触れながら、満足げに笑ってみせた。
その体の輝きが一段と増していく。
「あっ、そうだ。あの宝箱! まだ開けてないんだけど!! ねえポイズワロウ、何が入ってるか知ってる?」
「ああ、もちろんだロウ。宝箱の中身は毒多島の秘宝〈超最高級毒消し草〉だロウ。あらゆる毒を一発で治すと言われて──」
「えっ、マジ!? ねえ、それさえあれば……!!」
歩斗は興奮気味にケリッツの方を見た。
「う……ううう……ありがとう……みんなありがとう……!」
ケリッツの目から涙が溢れた。
ここに来るまでの道中、不治の毒におかされた母親の件を聞いていたポイズワロウが、その翼をそっとケリッツの背中に置いた。
歩斗の体はもう強烈な光で真っ白になっている。
「そろそろやばっ……ってことで、みんなまた!」
「さらばだロウ!」
「アユト君、きっとまた……!」
「さよならイムぅ!!」
「いや、スララスは普通にまた会えるし!」
歩斗の素早いツッコミにより、涙から笑顔に変わる面々。
その体はスーッと消え始め……。
「そうだケリッツ」
「なに??」
「この島の場所は……」
「あっ、アユトはロフミリアから来たんだっけ? それはたぶんここからずっと北に──」
と、ケリッツの話を最後まで聞くことなく、歩斗の体はすっと消えてしまった。
0
お気に入りに追加
658
あなたにおすすめの小説
ラック極振り転生者の異世界ライフ
匿名Xさん
ファンタジー
自他ともに認める不幸体質である薄井幸助。
轢かれそうになっている女子高生を助けて死んだ彼は、神からの提案を受け、異世界ファンタジアへと転生する。
しかし、転生した場所は高レベルの魔物が徘徊する超高難度ダンジョンの最深部だった!
絶体絶命から始まる異世界転生。
頼れるのは最強のステータスでも、伝説の武器でも、高威力の魔法でもなく――運⁉
果たして、幸助は無事ダンジョンを突破できるのか?
【幸運】を頼りに、ラック極振り転生者の異世界ライフが幕を開ける!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
妖精王オベロンの異世界生活
悠十
ファンタジー
ある日、サラリーマンの佐々木良太は車に轢かれそうになっていたお婆さんを庇って死んでしまった。
それは、良太が勤める会社が世界初の仮想空間による体感型ゲームを世界に発表し、良太がGMキャラの一人に、所謂『中の人』選ばれた、そんな希望に満ち溢れた、ある日の事だった。
お婆さんを助けた事に後悔はないが、未練があった良太の魂を拾い上げたのは、良太が助けたお婆さんだった。
彼女は、異世界の女神様だったのだ。
女神様は良太に提案する。
「私の管理する世界に転生しませんか?」
そして、良太は女神様の管理する世界に『妖精王オベロン』として転生する事になった。
そこから始まる、妖精王オベロンの異世界生活。
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる