38 / 57
第2章 天空の城と伸びる塔の謎
第38話 魔烈の花と白い塔
しおりを挟む
冬が終わり、涼坂家の長男歩斗が6年生、長女の優衣が5年生へと学年が1つずつレベルアップ。
父の直樹は企画発案者及びチームリーダーとして、社運をかけた新作スマホゲーム開発に大忙しだった。
そして、母の香織は……。
「わぁ、綺麗に咲いたわね~」
平日の昼下がり。
香織がリビングの窓を開けると、春の心地良い風に乗って庭一面に咲く花々の匂いが飛び込んで来た。
その始まりは、宝箱の中に入っていた〈謎の種〉。
マイホームの半分が異世界に転移してから数ヶ月が経ち、一握りの種がここまで色鮮やかに成長した。
さすが異世界ロフミリアで拾った種。
何もせずとも不思議な力で様々な色や形の花を咲かせ……たわけでは無い。
「そうそう、昨日入れといたんだった!」
香織は体をクルッと反転させ、パタパタとスリッパの音を立てながらキッチンへと向かい、炊飯器の隣にどーんと居すわる存在感たっぷりな黒い釜の中を覗き込んだ。
そう、それは優衣が異世界での初冒険で持ち帰った錬金釜。
正確に言えば、これは優衣の異世界友達ロフニスの家に代々伝わる秘宝。
それを諸事情により涼坂家が預かってるだけなのだが、本人が「気にせず使っちゃって良いですよ!」と言ってくれたので、気にせず大いに活用しているのであった。
「あら、初めて見る感じの種が出来たんじゃない?」
香織は錬金釜の中からオレンジ色に輝く一粒の種を取りだし、満足げに呟いた。
何かを2つ入れると別の新しい何かに変わる、そんな不思議な能力を持つこの釜。
使い方は意外と簡単。
錬金したいアイテムAとアイテムBを釜の中に入れる。
さらに、〈錬金火種〉と呼ばれる錬金素材を適量投入するだけ。
ロフニス曰く、錬金するアイテムのレア等級により必要な〈錬金火種〉が変わってくるらしいのだが、それを入手するまでは錬金できないのか……と、がっかりしたのも束の間。
なんと、直樹が旅商人ポブロトから貰った(正確に言うと前払いで買った)アイテム袋の中に、〈錬金糖〉という錬金素材が入っていたのだ。
「早速、植えてみましょ!」
香織は軽い足取りでリビングを抜けて庭に出た。
赤や青、黄色や紫、緑に黒、白にピンクに……と、足りない色を探す方が大変なほど、本当に色とりどりの花が咲き誇っている。
最初は赤い花しか無かったことを考えると、錬金釜の力おそるべし、と言ったところだ。
ちなみに、今この庭に咲いているのは全て〈魔烈の花〉という名の花。
可愛い見た目とは裏腹に、花が枯れた後に残る実には様々な魔法の力が封じ込められており、自分や敵、それに床や壁にぶつけると殻が破れて中の魔法が発動する。
そう、それがいわゆる〈魔烈の実〉と呼ばれるアイテム。
つまり、香織は(本人がどう思ってるかどうかは別として)単に趣味で花を育てているわけではなく、家族みんなの異世界探検の力になっているのだ。
「よしっ、ここが良さそうね」
香織は色合いのバランスを考えつつ、黄色い花が多く咲いている辺りの土に新しく錬金した種を植えた。
そして、近くの地面に置きっぱなしにしていた水色のじょうろを手に取り、フンフンフンと鼻歌交じりで水を撒き始める。
それもただのじょうろでは無く、水属性の特殊な素材が使われているため中に入れた水の量よりも多くの水を撒くことが──。
ガサゴソガサ……。
「あらやだ」
近くの草むらが僅かに音を立てると、香織は水を撒くのを中断。
じょうろを地面に置き、代わりにエプロンのポケットから〈魔烈の実〉を取りだした。
それは鮮やかな赤い〈魔烈の花〉から取ったもので、火炎属性魔法の力が封じ込められている。
レア等級的にはそれほど高くないのだが、ちょっとした魔物を追い払うには十分の代物。
香織は音がした草むらの方を向き、重心を低くしていつでもそれを投げられるように構えていると……。
「イムイムイムゥ~!!」
草むらから飛び出して来たのは、ピンク色のボディに、ふんわりボブヘアという可愛らしすぎるスライム。
香織とは一緒に異世界を旅した顔なじみだ。
「あらボブスラちゃんだったの! もう、驚かさないでよ~。っていうか久し振り! 元気だった?」
「イムイムゥ!」
「そう、元気そうで何よりね! あっ、そうだ。ちょうど良いものが……ちょっと待ってて」
香織は小走りでリビングに上がり、キッチンの棚から何かを取りだして急いで戻ってきた。
「はい、どうぞ!」
腰をかがめてボブスライムに差し出した香織の手の上にあるのは、ひとくちサイズのフィナンシェ。
「ほら、スラちゃんこれ好きでしょ? あっでも、最初に会った時にあげた高級なやつよりは全然安物だから、そこんとこよろしくね!」
何がよろしくなのか謎だけど……とスライムが思ったかどうか定かでは無いが、少なくとも嬉しそうな表情を浮かべているのは間違い無い。
「イムイムゥ~!」
頭をペコリと下げた後、ボブスライムは香織の手に向かって顔を寄せ、パクッとフィナンシェを頬張った。
「……イムイムゥ~!!」
「そう! お気に召したみたいで良かった!」
相変わらず、何のアイテムも使わないで天性の感覚でスライムと会話する香織。
もっとも、それはボブスライムの方にも言えるのかも知れないが。
「イムイムッ! イムイムゥ~!!」
突然、ボブスライムがピョンピョンと上下に跳びはねだした。
「ん? どした?」
「イムイムゥ~」
「あら、フィナンシェのお礼でもしてくれるの?」
「イムゥ!!」
ボブスライムは自慢のふんわりボブをなびかせながら、ピョンピョンと香織の横を通り過ぎ、そのまま涼坂家のリビングを回り込むように飛び跳ねて行く。
「そっちに何かあるのかしら? ちょっと待って~」
香織は可愛らしいスライムの背中を追って駆けだした。
「やだ、こんな所にこんなものがあったの?」
ボブスライムを追ってたどり着いたのは、異世界に転移した“半分涼坂家”からほど近い場所。
そこにあったのは、真っ白な筒状の塔。
自分が見つけましたー!
と言わんばかりに、ボブスライムが香織にドヤ顔を向けながらピョンピョンと上下に跳び跳ね続けていた。
「今まで全然気付かなかったわぁ」
好奇の目を向けながら、香織はゆっくりと塔の回りを一周してみた。
外壁は大理石のような質感で、1階部分には鉄の扉と3つの窓、それより上の階(と言っても恐らく4階程度)には前後左右に等間隔で窓が4つ。
決して高い建物とは言えないが、存在感は十分。
こんなに家から近いのに、何で今まで気付かなかったんだろう……と、香織は小首を傾げながら扉の前で立ち止まる。
「ねえスラちゃん、ちょっと中に入ってみちゃおっかな?」
跳びはねながら付いてきていたスライムに向かって問いかける。
「イムゥ……」
ずっと楽しげだったボブスライムの表情が少し曇った。
「あら、やめといた方が良いかな? うーん……ちょっとだけ!」
おっとりしてるようで意外と冒険心を隠し持つタイプの香織は、「ごめん下さーい」とまるで近所の知り合いの家にでも訪れかのように、ゆっくり扉を開いた。
中は薄暗いものの、意外と埃やかび臭い匂いなどは無い。
「イムイムゥ……!」
背後から聞こえるボブスライムの心配そうな声に対して「はいはい、ちょっとだけだからね~」と返事をしながら、香織やゆっくり塔の中へと足を踏み入れた。
……と、その時。
バタンッ!!
もの凄い勢いで扉が閉まる音。
「えっ?」
外からの光が完全に遮断され、さすがに焦りながら後ろを振り向く香織。
そこに見えたのは、閉じきった扉。
手で押してみても微動だにしない。
「あらぁ……どうしましょ」
怪しげな塔に閉じ込められた香織だったが、自分の事より、もうすぐ帰って来る子ども達が家の鍵を持っていたかどうかの方が気になっていた……。
父の直樹は企画発案者及びチームリーダーとして、社運をかけた新作スマホゲーム開発に大忙しだった。
そして、母の香織は……。
「わぁ、綺麗に咲いたわね~」
平日の昼下がり。
香織がリビングの窓を開けると、春の心地良い風に乗って庭一面に咲く花々の匂いが飛び込んで来た。
その始まりは、宝箱の中に入っていた〈謎の種〉。
マイホームの半分が異世界に転移してから数ヶ月が経ち、一握りの種がここまで色鮮やかに成長した。
さすが異世界ロフミリアで拾った種。
何もせずとも不思議な力で様々な色や形の花を咲かせ……たわけでは無い。
「そうそう、昨日入れといたんだった!」
香織は体をクルッと反転させ、パタパタとスリッパの音を立てながらキッチンへと向かい、炊飯器の隣にどーんと居すわる存在感たっぷりな黒い釜の中を覗き込んだ。
そう、それは優衣が異世界での初冒険で持ち帰った錬金釜。
正確に言えば、これは優衣の異世界友達ロフニスの家に代々伝わる秘宝。
それを諸事情により涼坂家が預かってるだけなのだが、本人が「気にせず使っちゃって良いですよ!」と言ってくれたので、気にせず大いに活用しているのであった。
「あら、初めて見る感じの種が出来たんじゃない?」
香織は錬金釜の中からオレンジ色に輝く一粒の種を取りだし、満足げに呟いた。
何かを2つ入れると別の新しい何かに変わる、そんな不思議な能力を持つこの釜。
使い方は意外と簡単。
錬金したいアイテムAとアイテムBを釜の中に入れる。
さらに、〈錬金火種〉と呼ばれる錬金素材を適量投入するだけ。
ロフニス曰く、錬金するアイテムのレア等級により必要な〈錬金火種〉が変わってくるらしいのだが、それを入手するまでは錬金できないのか……と、がっかりしたのも束の間。
なんと、直樹が旅商人ポブロトから貰った(正確に言うと前払いで買った)アイテム袋の中に、〈錬金糖〉という錬金素材が入っていたのだ。
「早速、植えてみましょ!」
香織は軽い足取りでリビングを抜けて庭に出た。
赤や青、黄色や紫、緑に黒、白にピンクに……と、足りない色を探す方が大変なほど、本当に色とりどりの花が咲き誇っている。
最初は赤い花しか無かったことを考えると、錬金釜の力おそるべし、と言ったところだ。
ちなみに、今この庭に咲いているのは全て〈魔烈の花〉という名の花。
可愛い見た目とは裏腹に、花が枯れた後に残る実には様々な魔法の力が封じ込められており、自分や敵、それに床や壁にぶつけると殻が破れて中の魔法が発動する。
そう、それがいわゆる〈魔烈の実〉と呼ばれるアイテム。
つまり、香織は(本人がどう思ってるかどうかは別として)単に趣味で花を育てているわけではなく、家族みんなの異世界探検の力になっているのだ。
「よしっ、ここが良さそうね」
香織は色合いのバランスを考えつつ、黄色い花が多く咲いている辺りの土に新しく錬金した種を植えた。
そして、近くの地面に置きっぱなしにしていた水色のじょうろを手に取り、フンフンフンと鼻歌交じりで水を撒き始める。
それもただのじょうろでは無く、水属性の特殊な素材が使われているため中に入れた水の量よりも多くの水を撒くことが──。
ガサゴソガサ……。
「あらやだ」
近くの草むらが僅かに音を立てると、香織は水を撒くのを中断。
じょうろを地面に置き、代わりにエプロンのポケットから〈魔烈の実〉を取りだした。
それは鮮やかな赤い〈魔烈の花〉から取ったもので、火炎属性魔法の力が封じ込められている。
レア等級的にはそれほど高くないのだが、ちょっとした魔物を追い払うには十分の代物。
香織は音がした草むらの方を向き、重心を低くしていつでもそれを投げられるように構えていると……。
「イムイムイムゥ~!!」
草むらから飛び出して来たのは、ピンク色のボディに、ふんわりボブヘアという可愛らしすぎるスライム。
香織とは一緒に異世界を旅した顔なじみだ。
「あらボブスラちゃんだったの! もう、驚かさないでよ~。っていうか久し振り! 元気だった?」
「イムイムゥ!」
「そう、元気そうで何よりね! あっ、そうだ。ちょうど良いものが……ちょっと待ってて」
香織は小走りでリビングに上がり、キッチンの棚から何かを取りだして急いで戻ってきた。
「はい、どうぞ!」
腰をかがめてボブスライムに差し出した香織の手の上にあるのは、ひとくちサイズのフィナンシェ。
「ほら、スラちゃんこれ好きでしょ? あっでも、最初に会った時にあげた高級なやつよりは全然安物だから、そこんとこよろしくね!」
何がよろしくなのか謎だけど……とスライムが思ったかどうか定かでは無いが、少なくとも嬉しそうな表情を浮かべているのは間違い無い。
「イムイムゥ~!」
頭をペコリと下げた後、ボブスライムは香織の手に向かって顔を寄せ、パクッとフィナンシェを頬張った。
「……イムイムゥ~!!」
「そう! お気に召したみたいで良かった!」
相変わらず、何のアイテムも使わないで天性の感覚でスライムと会話する香織。
もっとも、それはボブスライムの方にも言えるのかも知れないが。
「イムイムッ! イムイムゥ~!!」
突然、ボブスライムがピョンピョンと上下に跳びはねだした。
「ん? どした?」
「イムイムゥ~」
「あら、フィナンシェのお礼でもしてくれるの?」
「イムゥ!!」
ボブスライムは自慢のふんわりボブをなびかせながら、ピョンピョンと香織の横を通り過ぎ、そのまま涼坂家のリビングを回り込むように飛び跳ねて行く。
「そっちに何かあるのかしら? ちょっと待って~」
香織は可愛らしいスライムの背中を追って駆けだした。
「やだ、こんな所にこんなものがあったの?」
ボブスライムを追ってたどり着いたのは、異世界に転移した“半分涼坂家”からほど近い場所。
そこにあったのは、真っ白な筒状の塔。
自分が見つけましたー!
と言わんばかりに、ボブスライムが香織にドヤ顔を向けながらピョンピョンと上下に跳び跳ね続けていた。
「今まで全然気付かなかったわぁ」
好奇の目を向けながら、香織はゆっくりと塔の回りを一周してみた。
外壁は大理石のような質感で、1階部分には鉄の扉と3つの窓、それより上の階(と言っても恐らく4階程度)には前後左右に等間隔で窓が4つ。
決して高い建物とは言えないが、存在感は十分。
こんなに家から近いのに、何で今まで気付かなかったんだろう……と、香織は小首を傾げながら扉の前で立ち止まる。
「ねえスラちゃん、ちょっと中に入ってみちゃおっかな?」
跳びはねながら付いてきていたスライムに向かって問いかける。
「イムゥ……」
ずっと楽しげだったボブスライムの表情が少し曇った。
「あら、やめといた方が良いかな? うーん……ちょっとだけ!」
おっとりしてるようで意外と冒険心を隠し持つタイプの香織は、「ごめん下さーい」とまるで近所の知り合いの家にでも訪れかのように、ゆっくり扉を開いた。
中は薄暗いものの、意外と埃やかび臭い匂いなどは無い。
「イムイムゥ……!」
背後から聞こえるボブスライムの心配そうな声に対して「はいはい、ちょっとだけだからね~」と返事をしながら、香織やゆっくり塔の中へと足を踏み入れた。
……と、その時。
バタンッ!!
もの凄い勢いで扉が閉まる音。
「えっ?」
外からの光が完全に遮断され、さすがに焦りながら後ろを振り向く香織。
そこに見えたのは、閉じきった扉。
手で押してみても微動だにしない。
「あらぁ……どうしましょ」
怪しげな塔に閉じ込められた香織だったが、自分の事より、もうすぐ帰って来る子ども達が家の鍵を持っていたかどうかの方が気になっていた……。
1
お気に入りに追加
658
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
異世界最強のレベル1
銀狐
ファンタジー
世界的人気VRMMO【The World of Fantasy】略してTWF。
このゲームでは世界大会があり、1位を勝ち取った者のみだけ入れるギルドがある。
そのギルドに一通のメッセージが届いた。
内容は今まで見たことが無いクエストが書かれている。
俺たちはクエストをクリアするために承諾した。
その瞬間、俺たちは今までに見たことが無いところへ飛ばされた。
妖精王オベロンの異世界生活
悠十
ファンタジー
ある日、サラリーマンの佐々木良太は車に轢かれそうになっていたお婆さんを庇って死んでしまった。
それは、良太が勤める会社が世界初の仮想空間による体感型ゲームを世界に発表し、良太がGMキャラの一人に、所謂『中の人』選ばれた、そんな希望に満ち溢れた、ある日の事だった。
お婆さんを助けた事に後悔はないが、未練があった良太の魂を拾い上げたのは、良太が助けたお婆さんだった。
彼女は、異世界の女神様だったのだ。
女神様は良太に提案する。
「私の管理する世界に転生しませんか?」
そして、良太は女神様の管理する世界に『妖精王オベロン』として転生する事になった。
そこから始まる、妖精王オベロンの異世界生活。
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる