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第1章 ロフミリアの3つの国
第2話 ささみと生ぬるい風
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「パパ大丈夫……!?」
窓に向かって棒立ち状態で固まっている父の様子を心配してか、優衣は椅子から飛び降りて駆け寄った。
「あ、う、うん。大丈夫……なのかな。変なの見えちゃったけど」
ガラスを隔てたすぐ向こう側に見えたスライムらしき生物は、すぐに姿を消してしまった。
雫型をギュッと押し潰したような、あるいは玉ねぎのようなシルエット。
青い色したソレを見た瞬間、直樹の脳裏に浮かんだのは『スライム』という単語。
しかも、風で飛ばされてきたぬいぐるみとかではなく、明らかに生きて動いているように見えた。
「変なの、って? なにもいないけどぉ?」
優衣は、両手をベタッと窓ガラスに付けてジーッと外の様子を伺ったが、土と草以外は何も見えず、チェッと残念がっている。
「なになになに? 変なのってなに? もぐもぐ」
今度は歩斗もからあげを頬張りながら2人の元にやってきて、ベタッと窓ガラスに手と顔を付けてジーッと外の様子を伺う。
「闇だよ闇。何も見えない……って、いつもこんなに暗かったっけ?」
小首を傾げる歩斗。
「……確かに暗いな」
と、直樹は眉をひそめた。
この家の庭は……というか、そもそも庭と言ってもギリギリ物干し台をおけるぐらいの広さしかなく、前に住んでいたマンションのベランダと大差ないほどの大きさである。
したがって、すぐそこにはブロック塀があり、その向こう側はもう隣家の外壁と窓があるはずなのだが、直樹の瞳に映る外の景色は、隣家の窓から漏れる明かりの1つもなく、漆黒の闇で覆われていた。
「なあ香織、ちょっとこっち来てくれる?」
直樹はダイニングの方を振り向き、1人でテーブルに腰掛けてマイペースにからあげを食べている妻に声を掛けた。
彼女は不敵な笑みを浮かべながら箸を置き、そっと立ち上がってゆっくり3人の元へと歩み寄る。
そして、勝ち誇ったような目で直樹を見つめながら囁いた。
「ほら、居たでしょ?」
「あ、うん、まあ、居たな。っぽいやつが……って、それもなんだけど、庭の様子がおかしくない? こんなにまっ暗だったっけ? 隣の家ってすぐそこだよな?」
直樹は窓の外に訝しげな視線を送った。
マイホームではあるものの、昼間は仕事で家を空けており、夜は夜で疲れて帰ってきて食事してお風呂に入って寝るぐらいなものなので、正直まだ把握し切れていない部分が多々あった。
その点、専業主婦として基本家に居る生活を送っている香織の方が、このマイホームの知識に関しては直樹よりも遙かに上であることは間違い無い。
「そう、おかしいのよ。今朝、洗濯物を干した時は特に何も引っかかることは無かったんだけどね……」
香織は静かに語り始めた。
いつも朗らかでニコニコしているのがデフォルトな母が、いつになく真剣な面持ちをしているからか、直樹はもちろん、優衣と歩斗も話を聞くモードに入っていた。
「それからお昼ご飯食べて、掃除やらなんやらして、夕方近くになって空が少し暗くなってきたかな……ぐらいで洗濯物を取り込もうとしたとき、スライムを見たの。可愛らしいんだけどさすがに突然のことに驚いちゃって。急いでバッと洗濯物全部取って部屋に戻っちゃったのよね。で、もう一度部屋の中からスライムが居た場所を見たんだけどもう居なくなっちゃってて。でも、その時から明らかに、庭の様子がおかしくなったの。隣の家が綺麗さっぱり無くなっちゃって、まるでこの家が全然違う場所にワープしちゃったみたいで」
香織は右手の平を頬に当てて、窓ガラスに向かってフウッと軽くため息をついた。
「家がワープ!? すげぇ! でも、ボク普通に学校から帰ってきたらいつもの場所にこの家あったけど!」
「うん。あったよ!」
優衣が元気よく手を挙げて、兄の意見に同意を示す。
「ああ、パパも普通に帰って来ることができたしなぁ……」
直樹も会社から車で帰ってきたことを思い出しながら呟く。
そもそも、スライムだのワープだのあまりに荒唐無稽な話なのだが、長年連れ添った妻の表情から察するに、とてもふざけている様には見えなかった。
なにより、自分の目がスライムらしき生物を見たという事実。
「出て確かめりゃいいじゃん」
歩斗は窓の鍵に手を掛けた。
「ちょ、ちょっと待て。アイツがまだその辺に居るかも……」
「えっ? アイツってなに?」
「なにって……あのスライム……的な……」
直樹は自分の口から現実離れした単語を発していることに対する恥ずかしさと、子どもの身を守りたい気持ちの板挟みに遭い、口ごもってしまった。
「ねえ、それって“ささみ”じゃない? さっきから見かけないし……」
優衣の発言に答えるようなタイミングで
「にゃーん」
と、直樹の背後から鳴き声がした。
振り向くと、フローリングの板目を優雅に歩く茶トラ猫の姿があった。
「あっ、ささみ~!」
優衣が駆け寄って抱きしめようとすると、涼坂家の愛猫ささみはサッと避けて、スーッと歩斗の方へに歩み寄っていく。
「へへへ、ささみはホント僕の事が好きだなぁ……へへへ」
顔のパーツが落ちそうになるほどデレデレの歩斗は、腰をかがめてささみの背中を撫でた。
「ブー! ささみのバカバカバカぁ~」
口をとがらせ、地団駄を踏んで悔しがる優衣だったが、ささみはお構いなしとばかりに歩斗のなでなで攻撃に対し、気持ちよさそうに目を細めている。
そもそも、箱に入れられて捨てられていたささみを拾って涼坂家に連れてきたのが歩斗だったのだが、その恩義があるのかどうか、とにかく一番懐いていた。
と言っても、歩斗以外の人間に冷たいというわけではなく、歩斗ほどではないが思い出したように甘えてきたりするので、他の3人にとってはむしろそのツンデレっぷりがたまらなかったりもしていた。
「コイツがちゃんとウチの中に居たってことは、さっきのはやっぱり……」
直樹は、しゃがみ込んでささみのアゴ下あたりを指でちょろちょろしながら呟いた。
「スライムだかなんだかわからないけど、とにかく外に出て確認してみようよ!」
歩斗がすくっと立ち上がった。
「賛成! ささみが懐いてくれないから、わたしはそのスライムを見つけて飼うんだ! そう決めたんだ!」
優衣が賛同する。
普段なにかとケンカすることも多い兄妹。
しかし、ここぞという時には息がピッタリ合うことが多く、父である直樹としては喜ばしくもあり、徒党を組まれて困ることもありなのだが、いまこの状況は完全に後者であった。
普通に考えれば、家のリビングから窓を開けて庭に出るだけであり、いくら夜とは言えまず危険に遭うとは思えないのだが、直樹にとってさっき見たスライムの存在、そして窓の外に見える不気味な闇が、安全とはほど遠いように思えて仕方が無かった。
だから、窓の鍵を外そうとする歩斗の手を抑えようと……したその時。
「にゃーん!」
ささみが鳴き声を上げながら直樹の足下に近づくと、部屋着のスエット越しにふくらはぎのあたりを爪でカリカリし始めた。
「ちょ、ちょい、ささみ何してんの!?」
直樹は焦ると同時に、ささみからちょっかい出されている喜びに浸っていた。
歩斗はその隙を見逃さず、ササッと鍵を外して窓を開けた。
ヒュゥゥゥゥ。
生ぬるい風がリビングの中に吹き込む。
そして、最初に外へと飛び出したのは歩斗……でも優衣……でもなく、ささみだった。
「お、おい待て待て!」
直樹の声には、ペットの猫が外に飛び出してしまったという焦りに加え、あっという間にちょっかいタイムが終わった悲しみもこもっている。
「ユイ、行くぞ!」
「うん!」
子ども達が真っ先にささみの後を追って庭に出ると、地面に並べられていたサンダルを履いて闇の中へと消えて行く。
どんどん遠のいていく足音は、闇の先にはブロック塀も隣家も無いことを示していた。
「お前ら待てって! もう、俺も行く!」
直樹は焦りながらもしっかり自分のサンダルを選んで履き、庭へと飛び出した。
まず、襲いかかって来た大きな違和感。
それは気温。
エアコンが効いた部屋の中よりも暑く、一瞬にして直樹の顔からは汗が溢れていた。
季節はもう冬に差し掛かっていて、コート無しでは居られないというのに……。
窓に向かって棒立ち状態で固まっている父の様子を心配してか、優衣は椅子から飛び降りて駆け寄った。
「あ、う、うん。大丈夫……なのかな。変なの見えちゃったけど」
ガラスを隔てたすぐ向こう側に見えたスライムらしき生物は、すぐに姿を消してしまった。
雫型をギュッと押し潰したような、あるいは玉ねぎのようなシルエット。
青い色したソレを見た瞬間、直樹の脳裏に浮かんだのは『スライム』という単語。
しかも、風で飛ばされてきたぬいぐるみとかではなく、明らかに生きて動いているように見えた。
「変なの、って? なにもいないけどぉ?」
優衣は、両手をベタッと窓ガラスに付けてジーッと外の様子を伺ったが、土と草以外は何も見えず、チェッと残念がっている。
「なになになに? 変なのってなに? もぐもぐ」
今度は歩斗もからあげを頬張りながら2人の元にやってきて、ベタッと窓ガラスに手と顔を付けてジーッと外の様子を伺う。
「闇だよ闇。何も見えない……って、いつもこんなに暗かったっけ?」
小首を傾げる歩斗。
「……確かに暗いな」
と、直樹は眉をひそめた。
この家の庭は……というか、そもそも庭と言ってもギリギリ物干し台をおけるぐらいの広さしかなく、前に住んでいたマンションのベランダと大差ないほどの大きさである。
したがって、すぐそこにはブロック塀があり、その向こう側はもう隣家の外壁と窓があるはずなのだが、直樹の瞳に映る外の景色は、隣家の窓から漏れる明かりの1つもなく、漆黒の闇で覆われていた。
「なあ香織、ちょっとこっち来てくれる?」
直樹はダイニングの方を振り向き、1人でテーブルに腰掛けてマイペースにからあげを食べている妻に声を掛けた。
彼女は不敵な笑みを浮かべながら箸を置き、そっと立ち上がってゆっくり3人の元へと歩み寄る。
そして、勝ち誇ったような目で直樹を見つめながら囁いた。
「ほら、居たでしょ?」
「あ、うん、まあ、居たな。っぽいやつが……って、それもなんだけど、庭の様子がおかしくない? こんなにまっ暗だったっけ? 隣の家ってすぐそこだよな?」
直樹は窓の外に訝しげな視線を送った。
マイホームではあるものの、昼間は仕事で家を空けており、夜は夜で疲れて帰ってきて食事してお風呂に入って寝るぐらいなものなので、正直まだ把握し切れていない部分が多々あった。
その点、専業主婦として基本家に居る生活を送っている香織の方が、このマイホームの知識に関しては直樹よりも遙かに上であることは間違い無い。
「そう、おかしいのよ。今朝、洗濯物を干した時は特に何も引っかかることは無かったんだけどね……」
香織は静かに語り始めた。
いつも朗らかでニコニコしているのがデフォルトな母が、いつになく真剣な面持ちをしているからか、直樹はもちろん、優衣と歩斗も話を聞くモードに入っていた。
「それからお昼ご飯食べて、掃除やらなんやらして、夕方近くになって空が少し暗くなってきたかな……ぐらいで洗濯物を取り込もうとしたとき、スライムを見たの。可愛らしいんだけどさすがに突然のことに驚いちゃって。急いでバッと洗濯物全部取って部屋に戻っちゃったのよね。で、もう一度部屋の中からスライムが居た場所を見たんだけどもう居なくなっちゃってて。でも、その時から明らかに、庭の様子がおかしくなったの。隣の家が綺麗さっぱり無くなっちゃって、まるでこの家が全然違う場所にワープしちゃったみたいで」
香織は右手の平を頬に当てて、窓ガラスに向かってフウッと軽くため息をついた。
「家がワープ!? すげぇ! でも、ボク普通に学校から帰ってきたらいつもの場所にこの家あったけど!」
「うん。あったよ!」
優衣が元気よく手を挙げて、兄の意見に同意を示す。
「ああ、パパも普通に帰って来ることができたしなぁ……」
直樹も会社から車で帰ってきたことを思い出しながら呟く。
そもそも、スライムだのワープだのあまりに荒唐無稽な話なのだが、長年連れ添った妻の表情から察するに、とてもふざけている様には見えなかった。
なにより、自分の目がスライムらしき生物を見たという事実。
「出て確かめりゃいいじゃん」
歩斗は窓の鍵に手を掛けた。
「ちょ、ちょっと待て。アイツがまだその辺に居るかも……」
「えっ? アイツってなに?」
「なにって……あのスライム……的な……」
直樹は自分の口から現実離れした単語を発していることに対する恥ずかしさと、子どもの身を守りたい気持ちの板挟みに遭い、口ごもってしまった。
「ねえ、それって“ささみ”じゃない? さっきから見かけないし……」
優衣の発言に答えるようなタイミングで
「にゃーん」
と、直樹の背後から鳴き声がした。
振り向くと、フローリングの板目を優雅に歩く茶トラ猫の姿があった。
「あっ、ささみ~!」
優衣が駆け寄って抱きしめようとすると、涼坂家の愛猫ささみはサッと避けて、スーッと歩斗の方へに歩み寄っていく。
「へへへ、ささみはホント僕の事が好きだなぁ……へへへ」
顔のパーツが落ちそうになるほどデレデレの歩斗は、腰をかがめてささみの背中を撫でた。
「ブー! ささみのバカバカバカぁ~」
口をとがらせ、地団駄を踏んで悔しがる優衣だったが、ささみはお構いなしとばかりに歩斗のなでなで攻撃に対し、気持ちよさそうに目を細めている。
そもそも、箱に入れられて捨てられていたささみを拾って涼坂家に連れてきたのが歩斗だったのだが、その恩義があるのかどうか、とにかく一番懐いていた。
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直樹は、しゃがみ込んでささみのアゴ下あたりを指でちょろちょろしながら呟いた。
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「賛成! ささみが懐いてくれないから、わたしはそのスライムを見つけて飼うんだ! そう決めたんだ!」
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しかし、ここぞという時には息がピッタリ合うことが多く、父である直樹としては喜ばしくもあり、徒党を組まれて困ることもありなのだが、いまこの状況は完全に後者であった。
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だから、窓の鍵を外そうとする歩斗の手を抑えようと……したその時。
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ささみが鳴き声を上げながら直樹の足下に近づくと、部屋着のスエット越しにふくらはぎのあたりを爪でカリカリし始めた。
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直樹は焦ると同時に、ささみからちょっかい出されている喜びに浸っていた。
歩斗はその隙を見逃さず、ササッと鍵を外して窓を開けた。
ヒュゥゥゥゥ。
生ぬるい風がリビングの中に吹き込む。
そして、最初に外へと飛び出したのは歩斗……でも優衣……でもなく、ささみだった。
「お、おい待て待て!」
直樹の声には、ペットの猫が外に飛び出してしまったという焦りに加え、あっという間にちょっかいタイムが終わった悲しみもこもっている。
「ユイ、行くぞ!」
「うん!」
子ども達が真っ先にささみの後を追って庭に出ると、地面に並べられていたサンダルを履いて闇の中へと消えて行く。
どんどん遠のいていく足音は、闇の先にはブロック塀も隣家も無いことを示していた。
「お前ら待てって! もう、俺も行く!」
直樹は焦りながらもしっかり自分のサンダルを選んで履き、庭へと飛び出した。
まず、襲いかかって来た大きな違和感。
それは気温。
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