私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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おまけぇ……

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「本編始まる前にこれだけ言わせて?」

 少しだけ深呼吸した後、もはや呆れ帰ったようにこう言った。

「恋愛小説と書いている作者は末期」

       *テクディア視点*
「買い物?」

「そうだ。お前だって服とかほしいだろ?」

 完全に頭がはてな状態のリリアナ。
 毎回、リリアナはほしいものがないというかなんというか、欲がないので、こっちから誘ってみたのだ。

「いや特にはねぇかな」

「そういうところだぞ」

「だってだよ?前の回振り返ってみ??女子力なんてとうに消え去ったんだよ」

 男物の服を着る時点でアウトだし、確かに納得はしてしまう。

「それ言ってて虚しくならないのか?」

「痛いところつくんじゃない」

 あからさまにもうめんどくさくなった、というより諦めた感があった。
 僕的には本人が良ければ、女子力があってもなくてもどうでもいい気はする。

「ま、ええよ。ほしいものあるし」

「ほしいもの?」

「教えてほしい?」

「どちらかといえば」

 少し悩んだあと、そう返答した。

「教えません~」

 にこっとこちらに微笑みかけて、声のトーンも少しだけ高かくしていた。
 笑うと可愛いとはまさにこの事だ。

「けど、買い物かぁ……引きこもってたからわかんね」

「そうだな、先に行っとくがサキラもついてくるぞ」

「おけ」

「でも、本当にお前何がほしいんだ?」

 教えないと言われると、教えてほしくなってしまうのが人間というもの。

「なんだと思う?」

「めんどくさいぞ」

「酷い…………ヒントはプレゼント」

「誰かにあげるのか?」

「おん」

「食べ物か?」

「いやぁ?どーだろーね」

 明らかにこの状況を楽しんでいる。にやにやとしながら、僕の返答を楽しみに待ってるようだ。

「………そんなに親しい人なのか?」

 気になっていた事を恐る恐る聞く。

「そーね、今までの中で一番仲良いかも」

「…そうか………」

 その言葉に心がモヤモヤした。ぐるぐると感情を誰かにかき混ざれてしまうような感覚。

 この感情を例えるなら、

 「嫉妬」

 そう言うべきであろう。 

 そんな事、リリアナには言えないが……
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