私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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おまけぇ……

笑って、笑って、疲れたよね

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「笑うな」

「どーゆことねん」

 苦笑いしながら、返答に困る。さっきから意味がわからない。

「笑うのがわからなかったら、笑わないで、助けを求めればいい」

「人に迷惑がかかるやろ」

「それを迷惑だと人は思わないぞ。むしろ、頼ってくれて嬉しいと思うんだ」

「わからないねぇ……」

 ぽつりと呟く。人に頼るのは良くないことだ。頼って、結局何もできなくなってしまう。
 それは、私だって望んでない。

「わからなくてもいいだろ。お前の家庭環境のせいだったろうが、少なくともお前を大切に思ってくれる人はいるはずだ」

「お前は、頭はいいがほんっと頭悪いよな」

「日本語おかしいぞ~」

 私がへらへらと笑いながらそう言うと、テクディアは少しの間口を閉ざし、その後ゆっくりと言葉を紡いでいった。

「………別に僕達はお前の表だけを見てるわけじゃない。ちゃんと裏も見ている。それでも、お前の事を好きと言えるんだ」

「嘘だ」

「嘘じゃない」

「嘘つき」

「嘘つきじゃない」

 私は知っている。あなた達は嘘つきだ。
 裏切らないなどと戯言を言いながらも、みんな裏切って離れてく。

「なら、命令する。本音を言え」

 言いたい

「………辛い」

 気づけばそうぽつりと呟いていた。なぜ、その言葉が出てしまったんだろう。

「続けろ」

「すがるところがないんだよ……っ…辛いと言っても誰も助けてくれない。なら、嘘でも笑えばいい。嘘をついて、嘘の仮面を被って、それでみんなは幸せになる」

「けど、お前は幸せにならない」

 まるで、心が静かに叫んでいるようにも聞こえてしまうような言い方。
 テクディアは一歩一歩私に近づいてくる。

「幸せさ、嘘をついて、みんなが笑えば」

「僕は笑わない、笑えない」

「笑えよ!笑ってくれよ…お願いだから……」

 願望だ

「……覚えてるか?前に言ったこと。「笑わせる遊び」僕は覚えてるぞ」

「………」

 言葉が出てこない

「もう一回聞く、お前は僕達が嫌いか?」

 顔が見れない、俯いて、目をそらす。

「…っ……嫌いになれるわけ、ない……」

「それが、お前の本心だ」

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