私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

第四章 終わらない

六十七話

　彼女は僕の生贄として来ました。

　彼女は奇跡の能力を持っていて、その能力は使うと術者自身に呪いがある、だから呪いがうつる、というだけで生贄になったといいます。

　もちろん、その呪いは他人にはうつりませんし。だから、嘘です。
　生贄としてきた彼女は、明るく元気でまるで、生贄として来たなんて嘘みたいでした。

「メフィスト！」

　その僕を呼ぶ彼女の声が愛しくて、数日たったある日、彼女は僕の伴侶となりました。


　そして、平穏な日が続き、子供も生まれました。
　けど、その子供は、彼女の奇跡の能力を受け継いでしまっていたのです。
　その代わりに彼女は奇跡の能力は消え去り、子供に全て受け渡ってしまったようでした。

　それ自体はどうにかなる話でしたが、問題は他の神達です。

　その僕の血も受け継いだ子供はどうするのか、次の神にすべきなのか。

　僕の血を、神の血を受け継いだ僕達の子供、リリアナは人間の血も入ってますが神にも、もちろんなれました。

「この子、は………」

「メフィスト、駄目よ。この子は人間として育てるべきなの」

「そうですね……」

　リリアナが生まれ、段々と二人して心が不安定になっていきました。

　けど、ある日彼女とリリアナは消え去っていました。人間界に彼女とリリアナは行ったのです。

　そして、彼女は他の貴族にリリアナを養子として預けたのを聞きました。
　リリアナの気配は魔法か何かで消え去り、追跡する事も不可能でした。

　彼女は、最後に微笑みながら

「さようなら」

　そう言い残したのを覚えています。


　彼女は最後に皇帝に殺されたといいます。