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第三章 生き方
六十三話
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「終わったァァァァァ」
終わった途端に発狂した。普通に、普通に疲れた。いや、誰だよ。こんな資料漁ってたやつ。
とりあえず、その資料をまとめ、その確信たる情報を公にすることは今できる。
とはいえど、一回リリッシュクール家に行って最高の挨拶をしに行こう。
「ちょっとサキラ。私、リリッシュクール家行ってくるわ」
行こうとした途中でばったりと会ったサキラにそう言い残し素通りしようとした。
「はい、いってらっしゃ………はぁ!??そんなコンビニに行く感覚で!??」
「え、うん。だって、脅すだけだし」
その大きな声に驚き、思わず後ろを振り向いてしまう。
「脅すって………もし、その情報を取るために殺されそうになったとしたら?」
「ふ…っ……あの馬鹿がそんな事を考えられるとでも??」
「いやいや、そんなことはな…………くもないですね」
「でしょ?」
「けど、付き添いでついていきますからね」
「はいよ~」
* *
「ふ……っ…!この俺様に金を恵むのだろう?やっと俺のすごさがわかったか!!」
もう帰っていいかな
この人は何も変わってない気がする。私達がいきなり来たのも悪いが、来ていきなりそう言われるとさすがに引く。
「馬鹿なん」
「あぁ!天才だ!!」
「聞け」
「それで?金はどこにあるんだ?」
「聞けや」
話噛み合わなすぎて、もう殴りたくて殴り込みたい。
どうせならキックもかましたいが、さすがに怒られるのでやめよう。
「は?死ね」
抑えられませんでした☆
「リリアナ様!抑えてください!!本来なら○つけなきゃいけないんですよ!?」
落ち着いてサキラが止めに入った。
いやだって、売られた喧嘩は買わなくちゃいけないと誰かに言われた気がする。
「ゴミ共はやはり躾が悪いな」
「もはや、殺そうかな」
「怖いですよ!それに本来の目的を!!」
「あ、そうやった。お前さ、契約書見せてみ?てか、持ってきてくれ」
「は…っ!それを見に来たのか!!馬鹿だな!!うちの金庫のパスワードつき、パスワードは404の金庫に厳重にしまっている!」
「ねぇ、いい加減馬鹿だと自覚しよ?」
パスワードの意味がないんだが?もうパスワードに謝れよ。
というか、よくその三数字でパスワード入れたな、と思ってしまうほどだ。
「じゃ、取引しよ?このお前らのうちの極秘情報、秘密にするからその契約書破棄して」
「じょ、情報?極秘情報ってなんだ?と、取引?おい!お前ら!!俺に取引などという言葉の意味を教えろ!」
「お前もうわざとだろ」
呆れるほどの馬鹿でこの人、本当は天才なんじゃねと錯覚してしまうほどである。
てか、まずおかしい。
この人は、教育受けたはずだよね。
クロードが大声で近くにいる使用人達にそういうと、こそこそと耳を貸してもらって使用人達が説明していく。
やっと説明し終わったのか、先程とは全く違うような表情で叫び声らしきものをあげる。
「な…っ!お前本気か!??で、でも待て!俺の使用人達が離れるわけが……!!」
「だってさ?どうする?私のところ来れば、給料もそれなりにあげよっか?」
私がそういうと使用人達が次々とざわめきだし、いろんな声をあげていく。
多数が行く!という人で、行かない人は大体「家の都合で……」というものであった。
「はい、どします?」
「ぐ……っ…」
「 契 約 書 く れ 」
「………わ、わかった!負ける!!負ける!」
はい、馬鹿は根を上げ、契約書をきっちり持ってきてくれましたとさ。
* *
「てか、こんなんでいいんですか?」
「え?」
帰ってる途中いきなり声をかけられたのでびくっとしてしまった。
こんなんでいい、という言葉に少しだけ突っかかったからだ。
「だって、復讐とか言ってたじゃないですか」
「もちろん、最初から契約書もらって情報ばら撒く気でいたけど??」
「ヤバすぎません?どっちにしろリリッシュクール家は落ちるじゃないですか」
「そりゃあそうよ。あいつら、いろいろ前科あるし……」
「あはは………」
苦笑いをしながら、けれども少しだけ微笑んでいた。
というか、元からその気でいたのだがどうやら知らなかったようだ。
「へ………?」
そして、家に帰ってきたとき、沢山の使用人と料理に囲まれ、言葉を失った。
え、なにいつからここパーティー会場になったの?と思うほどだ。
「お嬢様!おめでとうございます!!」
「おめでとうございます!!」
帰ってきて唐突のお祝いの言葉にはてなマークが浮かぶばかりだった。
だって、ちょっと見渡してみたが、ギクテッドだっていたし、料理がやたら豪華だし。
困惑していると、テクディアが近くに寄って、話しかけてきた。
「やっと一段落ついてな。お前との正式な婚約が終わった」
「え」
そういえば、これ恋愛小説だわ。
てか、婚約なんてあったんだ。もうそういう事を忘れてしまっていた。
「と、いうことだ。まぁ、それを言ったら、みんなして「祝います!」とか言い出してな。こうなった」
「おっふ……」
行動が早すぎる。
これをたった一日でやったなんて、どうやったんだよとツッコみたい。
「てか、私こんなところに相応しい格好をしてないんですが!?」
「そうか?お前はいつでも綺麗じゃないか」
にこっと優しく微笑みられ、顔が思わずぼっと一瞬として真っ赤になってしまった。
美系の特権。
やばい、え、何この子。やば。
語彙力が失いかけている。
「お前モテるで」
「それはお前だろう?」
「特大ブーメラン」
「まぁ、いいじゃないか。こんな楽しいパーティーも」
やはり少しだけ笑いながらも私にそう言ってきた。
乙女の心は純粋なのでやめてほしい。あ、でも、私は乙女じゃないので論外だが。
「嫌とは言ってません~」
「それじゃあ、夜通しでやるか」
「キャラ崩壊!」
とか、言いながらその言葉通り夜通しで行うことになったのだーーー
でも、ある日その少女に悲劇が来るとは誰も知らずに………
第三章終わり
作者コメ
答えは⑤の馬鹿を極めしものです!
ねこぱんちさんおめでとうございます!!てか、的確なんだよなぁぁぁ
うん、終わった。んで、四章で最後です。
あ、そういえば軽い気持ちで恋愛小説のなんちゃらかんちゃら大会?に参加してみました((名前覚えろ
まぁ、なんにもないんですけども((じゃあ言うな
と、言うことで四章はリリアナとお父さん?のお話が主になると思います。
頑張るぞー!
終わった途端に発狂した。普通に、普通に疲れた。いや、誰だよ。こんな資料漁ってたやつ。
とりあえず、その資料をまとめ、その確信たる情報を公にすることは今できる。
とはいえど、一回リリッシュクール家に行って最高の挨拶をしに行こう。
「ちょっとサキラ。私、リリッシュクール家行ってくるわ」
行こうとした途中でばったりと会ったサキラにそう言い残し素通りしようとした。
「はい、いってらっしゃ………はぁ!??そんなコンビニに行く感覚で!??」
「え、うん。だって、脅すだけだし」
その大きな声に驚き、思わず後ろを振り向いてしまう。
「脅すって………もし、その情報を取るために殺されそうになったとしたら?」
「ふ…っ……あの馬鹿がそんな事を考えられるとでも??」
「いやいや、そんなことはな…………くもないですね」
「でしょ?」
「けど、付き添いでついていきますからね」
「はいよ~」
* *
「ふ……っ…!この俺様に金を恵むのだろう?やっと俺のすごさがわかったか!!」
もう帰っていいかな
この人は何も変わってない気がする。私達がいきなり来たのも悪いが、来ていきなりそう言われるとさすがに引く。
「馬鹿なん」
「あぁ!天才だ!!」
「聞け」
「それで?金はどこにあるんだ?」
「聞けや」
話噛み合わなすぎて、もう殴りたくて殴り込みたい。
どうせならキックもかましたいが、さすがに怒られるのでやめよう。
「は?死ね」
抑えられませんでした☆
「リリアナ様!抑えてください!!本来なら○つけなきゃいけないんですよ!?」
落ち着いてサキラが止めに入った。
いやだって、売られた喧嘩は買わなくちゃいけないと誰かに言われた気がする。
「ゴミ共はやはり躾が悪いな」
「もはや、殺そうかな」
「怖いですよ!それに本来の目的を!!」
「あ、そうやった。お前さ、契約書見せてみ?てか、持ってきてくれ」
「は…っ!それを見に来たのか!!馬鹿だな!!うちの金庫のパスワードつき、パスワードは404の金庫に厳重にしまっている!」
「ねぇ、いい加減馬鹿だと自覚しよ?」
パスワードの意味がないんだが?もうパスワードに謝れよ。
というか、よくその三数字でパスワード入れたな、と思ってしまうほどだ。
「じゃ、取引しよ?このお前らのうちの極秘情報、秘密にするからその契約書破棄して」
「じょ、情報?極秘情報ってなんだ?と、取引?おい!お前ら!!俺に取引などという言葉の意味を教えろ!」
「お前もうわざとだろ」
呆れるほどの馬鹿でこの人、本当は天才なんじゃねと錯覚してしまうほどである。
てか、まずおかしい。
この人は、教育受けたはずだよね。
クロードが大声で近くにいる使用人達にそういうと、こそこそと耳を貸してもらって使用人達が説明していく。
やっと説明し終わったのか、先程とは全く違うような表情で叫び声らしきものをあげる。
「な…っ!お前本気か!??で、でも待て!俺の使用人達が離れるわけが……!!」
「だってさ?どうする?私のところ来れば、給料もそれなりにあげよっか?」
私がそういうと使用人達が次々とざわめきだし、いろんな声をあげていく。
多数が行く!という人で、行かない人は大体「家の都合で……」というものであった。
「はい、どします?」
「ぐ……っ…」
「 契 約 書 く れ 」
「………わ、わかった!負ける!!負ける!」
はい、馬鹿は根を上げ、契約書をきっちり持ってきてくれましたとさ。
* *
「てか、こんなんでいいんですか?」
「え?」
帰ってる途中いきなり声をかけられたのでびくっとしてしまった。
こんなんでいい、という言葉に少しだけ突っかかったからだ。
「だって、復讐とか言ってたじゃないですか」
「もちろん、最初から契約書もらって情報ばら撒く気でいたけど??」
「ヤバすぎません?どっちにしろリリッシュクール家は落ちるじゃないですか」
「そりゃあそうよ。あいつら、いろいろ前科あるし……」
「あはは………」
苦笑いをしながら、けれども少しだけ微笑んでいた。
というか、元からその気でいたのだがどうやら知らなかったようだ。
「へ………?」
そして、家に帰ってきたとき、沢山の使用人と料理に囲まれ、言葉を失った。
え、なにいつからここパーティー会場になったの?と思うほどだ。
「お嬢様!おめでとうございます!!」
「おめでとうございます!!」
帰ってきて唐突のお祝いの言葉にはてなマークが浮かぶばかりだった。
だって、ちょっと見渡してみたが、ギクテッドだっていたし、料理がやたら豪華だし。
困惑していると、テクディアが近くに寄って、話しかけてきた。
「やっと一段落ついてな。お前との正式な婚約が終わった」
「え」
そういえば、これ恋愛小説だわ。
てか、婚約なんてあったんだ。もうそういう事を忘れてしまっていた。
「と、いうことだ。まぁ、それを言ったら、みんなして「祝います!」とか言い出してな。こうなった」
「おっふ……」
行動が早すぎる。
これをたった一日でやったなんて、どうやったんだよとツッコみたい。
「てか、私こんなところに相応しい格好をしてないんですが!?」
「そうか?お前はいつでも綺麗じゃないか」
にこっと優しく微笑みられ、顔が思わずぼっと一瞬として真っ赤になってしまった。
美系の特権。
やばい、え、何この子。やば。
語彙力が失いかけている。
「お前モテるで」
「それはお前だろう?」
「特大ブーメラン」
「まぁ、いいじゃないか。こんな楽しいパーティーも」
やはり少しだけ笑いながらも私にそう言ってきた。
乙女の心は純粋なのでやめてほしい。あ、でも、私は乙女じゃないので論外だが。
「嫌とは言ってません~」
「それじゃあ、夜通しでやるか」
「キャラ崩壊!」
とか、言いながらその言葉通り夜通しで行うことになったのだーーー
でも、ある日その少女に悲劇が来るとは誰も知らずに………
第三章終わり
作者コメ
答えは⑤の馬鹿を極めしものです!
ねこぱんちさんおめでとうございます!!てか、的確なんだよなぁぁぁ
うん、終わった。んで、四章で最後です。
あ、そういえば軽い気持ちで恋愛小説のなんちゃらかんちゃら大会?に参加してみました((名前覚えろ
まぁ、なんにもないんですけども((じゃあ言うな
と、言うことで四章はリリアナとお父さん?のお話が主になると思います。
頑張るぞー!
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