私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第三章 生き方

五十四話

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「あーーー暇」

 やる事がなさすぎて、暇すぎる。なんだか最初の頃に戻ったみたいだ。
 一日三食、わりと美味。

「金稼ぐかぁ……」

 みんな、私の副業が気になってはいるのではないだろうか。
 いっつも副業がーとか言ってるくせに何をやってるかは知らないだろう。

 正解はーーー

「ハッカーでした」

 ハッカーとはみんなが知ってるあれだ。
 また①②などと選択肢が出ると尺の都合で作者が困るため普通に言った。

 この世界は、主に魔法。ということは、今君達が生きている世界よりものすごく高度な技術で作られている。

 魔法はそういう細かな内部を操作するのは苦手な為、ハッカーというのは貴重だ。

 なによりハッカーは金も稼げるから楽。

「よーし、やるかーーーっ!??」

 意気込んだ途端に、嫌な予感がふわりと舞った。気づいてなかったが、なにやら外が少し騒がしい。

 私の本能は、逃げることを悟った。

「リリアナ様ー!!」

 私の本能は、逃げられないことを悟った。

 ドアからノックもなしに、サキラが乗り込んできた。
 汗だくで少しだけ困惑しているようだ。

「あ、あの、失礼します!それで、その、リリアナ様の妹リーシャン様がリリアナ様に会いたいと、申しております」

「はぁ!??」

「本当なんです!」

 思わず、大声で叫びながら、席を勢いよく立ってしまった。
 あいつが、あのクソ妹が。そりゃあ、最近行方をくらましているなぁとは思っていたが、頭を打ったらしい。

「ちょ、まち。サブマシンガンとロケランと爆弾持ってくから」

「それじゃあこの屋敷がぶっ壊れます!!」

「いいよ!」

「良くないです!」

「ロケランって結構威力あるのになぁ……」

「せめて、サブマシンガンでお願いできません?」

「武器は持っていいのかよ」

 諦めたようにそういうサキラにツッコんでしまった。
 まぁ、武器持たせてくれるのなら嬉しいのだが、その返答は予想もしてなかった。

「いやだって、物理攻撃が一番いいじゃないですか」

「物騒すぎて草」

 そうして戦場リーシャンの元へと向かう羽目になったのだ………
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