私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第二章 心の霧

五十話(テクディア視点)

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「それで?なぜリリアナを攫った?」

 リリアナの姿が見えなくなったあと、僕はストームにといた。
 こちらに来るまで、結界とかで大変だったというのに。

「おー、怖い怖い。何言うてるん?だって、リリアナが外に行きたいと望んだんよ?わいらはそれを助けただけ」

 笑い混じりにそう答えた。

「な…っ……」

「疑うんならリリアナに聞いてみ?」

「……そうか、けど次はないからな。どうせ、僕らは腐れ縁だ」

「せやな、もちろん知っとるで」

 皇帝の血筋と魔塔の血筋。それはとても強いもので、契約である。
 先代が仲良かったとかそんな理由で契約を結ばれてしまった。

「けど、ええん?箱庭に閉じ込めるようなまねをして。愛でてるつもりなん?」

「さて、どうだろうか」

「ふ~ん、まぁわいには関係ないけどな。あーでも、あいつ神の使いやぞ」

「は……?」

 それを聞いて、思わず頭が混乱した。

「知らんかったんね。奇跡の能力、お偉いさんならもちろん知っとるやろ?」

「………それがなんだ」

「へぇ、いいん?昔、その能力を持った者は生贄として、人身御供として、生かされてたやん。呪いは強い呪いに………ま、好きにせーや。けど、もしまたそうするのなら、わいらは黙っとらんけどな?」

 誰もが震え上がる怖く重い表情、確かにそうだ。
 昔、奇跡の能力を持った人は人身御供にされていた。

 なぜかというと、呪いを持ってるから。そして、その事は皇帝が作ったものであり、裏の者たちしか知らない。
 先代も、また僕とギクテッドも、もしその能力を持っている人がいたらするしかないのだ。

「………わかった」

そう小さく呟いた。


第二章終わり

作者コメ
ここから先は主に、リーシャンが落ちて落ちまくる回になります。
婚約者も落ちていきます。

疲れたんンンン
誤字多くなりそう……あと、私引っ越すので投稿頻度落ちるかもしれない…
三月には終わります!(学校転校する羽目になったけど)
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