私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第二章 心の霧

四十九話

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「寝ちゃった……」

「はぁ………お前、わかってたん?」

 アトゥムが寝てしまったあと、深いため息をつかれた。
 頭を抱え込んでいて、とても疲れ果てていた。

「……勘もちょっとだけね。自己否定が多かったし、なんとなくは知っとったよ」

「なんやーそれ!!わいが情けないわぁ……一緒にいたのに気が付かなかったなんて」

 突然大きな声を出し、起き上がる。最後らへんは抜けたような声で、あんまり言いたくないようだった。

「気が付かなかったんじゃなくて、気づいてたけど無視してたんじゃないの?自分のせいでこうなったからって」

「お前エスパーやん」

「やりぃ!なんか頂戴!!」

 ぐっとポーズをしながら、ストームにそう言った。その言葉に少し呆れているようだ。

 なんかくれ

 ただの願望である。

「あげんわ!」

「マネープリーズ」

「嫌や!」

 そんなこんなでわちゃわちゃがやがやと二人で一緒に他愛もない話をしていた。

「リ~リ~ア~ナ~?」

 後ろから怖い声が聞こえてくる。絶対、怒っているような声だ。
 恐る恐る後ろを振り向くと、テクディアが静かに怒りながらもこちらを見下ろしている。

「は……っ……はは!僕ミッ○ーだよ!!」

「わいはミ○ーやぞ!」

 少しだけ怯えている私をよそにストームは元気な表情で私に乗っていた。
 やめてほしい、こういう時だけこうなんだから。

「そういうの著作権侵害って言うんだが?」

「大丈夫!作者がまるつけてくれるから!」

「めたいわ~」

 ちょっとだけパニックになってるせいか、メタ発言をめっちゃしている。
 作者さん、まるつけてください。そうしないと訴えられるんで。

「というか、来たんだ。もうすぐ帰ろうと思ったけど……」

「勝手に決めてるのはやめい。確かに帰っていいとは言っとったけどな」

「駄目って言われたら永遠と窓ガラスをわる」

「費用地味にかかるんのは草」

「………お前はそういうやつか…」

 その話の内容にテクディアはため息をついていた。呆れたような表情でこちらを見ている。
 視線が痛すぎて、思わず話を変えた。

「テクディア、えーとごめんね?けど、大丈夫!一緒に帰ろ?」

「……あぁ、ただこいつに話があるからちょっと待ってくれ。もちろん、お前にもあるがな」

「楽しみに待ってます……」
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