24 / 99
第一章 始まって仲直り
二十二話
しおりを挟む
「はい、じゃあ作るぞ?」
「おい待て待て。料理長を追い出すんじゃない」
厨房へついた途端にとりあえず料理長、料理人達を全員追い出した。テクディアもいたせいか、皆笑顔で出ていってくれた。
だって、邪魔だし。作るなら作るでテクディアが作ったほうが良さそうだ。
「というか、僕だって仕事があるんだ、早いところ済ませないと………」
「は?やっといたわ」
「は?」
「え?」
とりあえず、書類は少しだけ見たことがあったので、ちょちょいとテクディアの書斎に侵入し、仕事を一日分だけはやっといた。
なお、仕事内容は極秘のものもあったが、「平気っしょ」という軽い気持ちでやった。
さすがに、テクディアでしか無理な物はやってないが。
「待て待てやったのか?あの仕事量を??」
「あー、でも一日だけね?」
「リリアナってもしかしなくても天才か?」
「………いや、それは違う」
少なくとも私は天才じゃない。天才なわけがないんだ。
そう自分に言い聞かせながら、食材などを漁る。
「…ケーキなんて作れるのか?」
「…………………………もちのろん!」
少し考えたあと、元気よくテクディアに言った。
「その間はなんだ!??」
* 調理中 *
(以下、省略)
「無理………」
長い戦い。その終盤は飾り付け。
テクディアと私は今まさにその崖っぷちに立たされているのだ。
とりあえず、ケーキ自体はできた。味は保証しない。
ただ、上の飾り付けが問題なのだ。
圧倒的に女子力皆無!
「飾り付けなんて、どうすればいいんだ。やっぱり、料理長とかを呼んだほうが…!!」
「馬鹿太郎黙って」
「今なんと?」
嘆いているテクディアはその案を提案するが、これはテクディアとギクテッドの仲直りようだ。
それを人にやってもらうなど、けしからん事である。
「飾り付け………爆弾?」
「圧倒的殺意」
「ナイフ……?」
「ねぇなに!?リリアナは誰かを殺そうとしているのかなぁ!??」
壊れたのかなんなのかキャラ崩壊している。あのクールはどこに行った。
「なんか好きなものないん?」
「好きなもの……?チョコは好きだが、あと金平糖も好きだな」
「ギクテッド女子力高いな!!」
「あとは……昔、生クリームを主食としてたな…」
「甘党だね!それただの甘党だよ!!てか、主食にすんな!止めろ!!」
「あの時は皆泣いてた覚えがある」
「なぜ?頭イカれた?」
「確か「おぼっちゃまが壊れましたわ……」と、言いながら、みな泣いていたな……」
「それただ哀れんでるだけだ!気づけ!!現実から目を背けるんじゃぁない!」
はぁはぁと荒い息をしながら、机につっぷす。つっこみすぎて疲れた。
漫才やってるわけでもないのだから、やめてくれ。
「あ…!思い出したぞ。ギクテッドが好きなもの」
「何…!」
今度こそ、ちゃんとしたものを思い出してくれという願望と共に起き上がった。
「それは…………だ」
「あー、なるほど。それなら、ケーキにちょうどいいやん」
そう言いながら、またケーキ作りを再開した。
「おい待て待て。料理長を追い出すんじゃない」
厨房へついた途端にとりあえず料理長、料理人達を全員追い出した。テクディアもいたせいか、皆笑顔で出ていってくれた。
だって、邪魔だし。作るなら作るでテクディアが作ったほうが良さそうだ。
「というか、僕だって仕事があるんだ、早いところ済ませないと………」
「は?やっといたわ」
「は?」
「え?」
とりあえず、書類は少しだけ見たことがあったので、ちょちょいとテクディアの書斎に侵入し、仕事を一日分だけはやっといた。
なお、仕事内容は極秘のものもあったが、「平気っしょ」という軽い気持ちでやった。
さすがに、テクディアでしか無理な物はやってないが。
「待て待てやったのか?あの仕事量を??」
「あー、でも一日だけね?」
「リリアナってもしかしなくても天才か?」
「………いや、それは違う」
少なくとも私は天才じゃない。天才なわけがないんだ。
そう自分に言い聞かせながら、食材などを漁る。
「…ケーキなんて作れるのか?」
「…………………………もちのろん!」
少し考えたあと、元気よくテクディアに言った。
「その間はなんだ!??」
* 調理中 *
(以下、省略)
「無理………」
長い戦い。その終盤は飾り付け。
テクディアと私は今まさにその崖っぷちに立たされているのだ。
とりあえず、ケーキ自体はできた。味は保証しない。
ただ、上の飾り付けが問題なのだ。
圧倒的に女子力皆無!
「飾り付けなんて、どうすればいいんだ。やっぱり、料理長とかを呼んだほうが…!!」
「馬鹿太郎黙って」
「今なんと?」
嘆いているテクディアはその案を提案するが、これはテクディアとギクテッドの仲直りようだ。
それを人にやってもらうなど、けしからん事である。
「飾り付け………爆弾?」
「圧倒的殺意」
「ナイフ……?」
「ねぇなに!?リリアナは誰かを殺そうとしているのかなぁ!??」
壊れたのかなんなのかキャラ崩壊している。あのクールはどこに行った。
「なんか好きなものないん?」
「好きなもの……?チョコは好きだが、あと金平糖も好きだな」
「ギクテッド女子力高いな!!」
「あとは……昔、生クリームを主食としてたな…」
「甘党だね!それただの甘党だよ!!てか、主食にすんな!止めろ!!」
「あの時は皆泣いてた覚えがある」
「なぜ?頭イカれた?」
「確か「おぼっちゃまが壊れましたわ……」と、言いながら、みな泣いていたな……」
「それただ哀れんでるだけだ!気づけ!!現実から目を背けるんじゃぁない!」
はぁはぁと荒い息をしながら、机につっぷす。つっこみすぎて疲れた。
漫才やってるわけでもないのだから、やめてくれ。
「あ…!思い出したぞ。ギクテッドが好きなもの」
「何…!」
今度こそ、ちゃんとしたものを思い出してくれという願望と共に起き上がった。
「それは…………だ」
「あー、なるほど。それなら、ケーキにちょうどいいやん」
そう言いながら、またケーキ作りを再開した。
0
お気に入りに追加
2,338
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?

あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」
21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」
そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。
理由は簡単――新たな愛を見つけたから。
(まあ、よくある話よね)
私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。
むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を――
そう思っていたのに。
「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」
「これで、ようやく君を手に入れられる」
王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。
それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると――
「君を奪う者は、例外なく排除する」
と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!?
(ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!)
冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。
……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!?
自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
オカン気質の公爵令嬢〜転生しても代わり映えしません!
himahima
ファンタジー
卒業パーティーで婚約破棄・・・
別にいいんですけどね…後処理めんどくさいな〜
設定ゆるめ、異世界転生ものです。
さっくり読める短編です。

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します

私を売女と呼んだあなたの元に戻るはずありませんよね?
ミィタソ
恋愛
アインナーズ伯爵家のレイナは、幼い頃からリリアナ・バイスター伯爵令嬢に陰湿ないじめを受けていた。
レイナには、親同士が決めた婚約者――アインス・ガルタード侯爵家がいる。
アインスは、その艶やかな黒髪と怪しい色気を放つ紫色の瞳から、令嬢の間では惑わしのアインス様と呼ばれるほど人気があった。
ある日、パーティに参加したレイナが一人になると、子爵家や男爵家の令嬢を引き連れたリリアナが現れ、レイナを貶めるような酷い言葉をいくつも投げかける。
そして、事故に見せかけるようにドレスの裾を踏みつけられたレイナは、転んでしまう。
上まで避けたスカートからは、美しい肌が見える。
「売女め、婚約は破棄させてもらう!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる