私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第一章 始まって仲直り

ニ十話

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「ふ…っ…!どうだ!!あいつが化け物の理由を聞いて恐れをなしたか!!」

 そこまで聞くと、なんて返答すれば良いかわからなかった。
 化け物ではない、それは確かだ。けど、

「………それでも、君もテクディアもきれいだよ」

 一緒に地面で体育座りをしながら、ギクテッドの方へと向いた。
 ギクテッドはきょとんとしている。

「は?なぜそこに俺も、も入るんだ?」

「いやだって、最近君の性格変わってるじゃん。前より、マシになってるよ。それに、君だって本当はテクディアの事、誰よりも好きなんでしょ?」

「はぁぁぁ!???お、俺があんな下等生物を…!!」

 図星なのかなんなのか、思いっきり叫びながらそう言っていた。
 私は下でありの行列ができたので、下へと俯く。

「ま、テクディアは気づいてないし。その話聞いて察したけど、表向きの皇帝やってるのもテクディアの為なんでしょ?お前、ツンデレやん」

「な、何を言う!あいつは、化け物だ!!両親を殺した!!」

「だから?あいつなんて生まれてこなければと思った?一度でも本気でそう思ったことある?ない、だろうね。本気で嫌いなら嫌でも視察なんて来ないさ。行っても、使用人とかにいかせる」

 私はあの日、ギクテッドを見たときから疑問に思っていた。
 化け物だと嫌いだと言うなら、なぜここに来るんだ、と。

 だって、視察なんて使用人にでもいかせればいい話だ。
 けど、今だってここにわざわざ来ている。自分の城と離れているのに。

「きっと、皇帝やってるのは弟を危険に晒したくないからじゃないん。表向きの皇帝とはいえど、人間誰しも考えは違う。一部の市民でも怒りは買う。テクディアがもうこれ以上辛い思いをさせたくないからって」
 
「もういい……もういいから、やめてくれ…」

 ギクテッドの方を見ると、顔を真っ赤にさせていて、うずくまっている。

 あ、この人結構なツンデレだったんだ

「まぁ、結局ただの兄弟喧嘩だからなぁ」

「……………」

「…それじゃあ、私は行くからな」

 立ち上がり、手を振った。
 ギフテッドは相変わらず耳の先まで赤くしながら、うずくまっている。

「兄弟喧嘩………ちょっと羨ましいかも」

 そうぽつりと言葉を落としてしまう。

 喧嘩なんてよくない事は知っている。けど、私もそんなどうでもいい喧嘩を一度でもしてみたかったと思ってしまう。

「……贅沢だもんね」

………よし、二人を仲直りさせよう

 叶わぬならば、その喧嘩を仲直りくらいさせられる。

 私は変な感情を元に、二人を仲良くさせるプロジェクトが開催されたのだ。
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